1. セーターが縮む原因

セーターの素材には大きく分けて「植物性天然繊維」「動物性天然繊維」「化学繊維」の3種類の繊維が使われている。まずは、それぞれの素材の特徴と縮む原因を知ろう。
植物性天然繊維
セーターによく使われる植物性天然繊維は「綿」である。綿はコットンともいわれ、すぐれた吸水性や耐熱性が特徴の素材だ。セーターだけでなく下着やタオルなど、幅広い衣類に使用されている。綿は水を吸収すると膨張し、内側に戻ろうとする力が働く。綿が縮む原因はこの内側に戻ろうとする力によるものである。
動物性天然繊維
セーターによく使用されている動物性天然繊維は「ウール」である。ウールは人間の髪の毛のような構造をした繊維で、表面が「スケール」という鱗上になっているのが特徴だ。スケールは乾いた状態では閉じているが、水に濡れると開くという性質を持っている。ウールが水に濡れ、スケールが開いた状態で力が加わると、繊維同士が絡まり縮みの原因になる。
化学繊維
「ポリエステル」はセーターによく使用される化学繊維である。ポリエステルは速乾性にすぐれた繊維で、扱いやすいのが特徴だ。しかし、熱に弱い性質があるため、乾燥機やアイロンによって縮むことがある。ポリエステルのほかに「ナイロン」や「アクリル」もセーターによく使用されているが、いずれも熱に弱く、乾燥機やアイロンによって縮むことがある。
2. セーターの縮み対策

天然繊維のセーターは水に濡れ、力が加わることで縮む原因になる。そのため、通常の洗濯物と同じように洗濯機に入れて洗うと縮んでしまうことがある。そこで、セーターの縮み対策と効果的な洗濯方法を紹介しよう。
洗濯表示を確認する
セーターに限らないことだが、衣類の縮み対策には、まずは洗濯前に洗濯表示を確認することだ。水洗い可の表示があれば自宅で洗濯が可能だが、水洗い不可やドライクリーニング不可の表示がある場合は、洗濯が難しく縮みやすいため、クリーニング店に出すなどの対策が必要だ。
オシャレ着洗剤を使用する
セーターなどのデリケートな衣類を洗濯する時は、オシャレ着洗剤を使うのがおすすめだ。オシャレ着洗剤は普通の洗剤に比べて洗浄力が弱いが、生地にやさしいという特徴がある。普通の洗剤とは成分が異なり、縮み防止のシリコンなどが含まれているためセーターの洗濯に適した洗剤だ。
手洗いもしくは手洗いコース
セーターを洗濯する時は、生地を傷めないようにやさしく洗うことが重要である。通常の洗濯物と同じように洗濯機で洗うと刺激が強すぎて衣服の縮みに繋がるので、手洗いか洗濯機の手洗いコースで洗うのがおすすめだ。手洗いの場合はこすったりもんだりせず、押し洗いするのがポイントである。
化学繊維は熱に注意
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は熱によって縮むおそれがある。乾燥機やアイロンは縮みの原因になるため、使用を避けたほうがよいだろう。
3. セーターを洗濯する時の注意点

セーターは伸びたり縮んだり、型くずれしやすい衣類だ。洗濯方法を間違えると二度と着られなくなってしまうおそれもある。セーターを長く大切に着るために、洗濯する時の注意点を知っておこう。
洗濯ネットを使用する
1つ目の注意点は、セーターが洗濯機内で動き回らないようにすることである。洗濯機の中でセーターが動き回ると生地に負担がかかり、伸びたり縮んだりすることがある。セーターの動きを抑制するために、洗濯機を使用する際は必ず洗濯ネットに入れることをおすすめする。
洗濯ネットは、セーターをたたんで入れた時にピッタリ収まるサイズがよい。洗濯ネットが大きすぎると、中でセーターが動いたりこすれたりするので洗濯ネットを使っていない状態と同じになってしまう。
洗濯ネットは、セーターをたたんで入れた時にピッタリ収まるサイズがよい。洗濯ネットが大きすぎると、中でセーターが動いたりこすれたりするので洗濯ネットを使っていない状態と同じになってしまう。
日陰で平干しする
2つ目の注意点はセーターの干し方である。セーターをハンガーにかけると、重みで生地が伸びたりハンガーの跡がついたりするため、平干しで乾かすのがおすすめだ。直射日光に当てると生地が傷み、縮みなどの変形や変色の原因になることもあるので、風通しのよい日陰で干すとよいだろう。
平干し用のネットなどは100均でも購入することができる。平干しネットはセーターを干す時だけでなく、クッションやぬいぐるみなどを干す時にも便利なので、常備しておきたいアイテムだ。
平干し用のネットなどは100均でも購入することができる。平干しネットはセーターを干す時だけでなく、クッションやぬいぐるみなどを干す時にも便利なので、常備しておきたいアイテムだ。
結論
セーターは素材によって縮む原因が違う。セーターを洗濯する時は、まず洗濯表示を確認し、表示に従った方法で洗濯しよう。ちなみに縮んでしまったセーターはヘアトリートメントとアイロンを使うと元に戻せることがあるので、処分する前に一度伸ばしてみるのもよいだろう。正しい洗濯方法で、セーターが縮むのを防ごう。