目次
1. クエン酸水とは?

まずはクエン酸水とは何なのか、基本的なところから簡単に解説しよう。
クエン酸とは?
クエン酸水の主成分であるクエン酸は、レモンをはじめとする柑橘類や梅干しなどに含まれる酸味成分だ。食品に含まれていることからも分かるように人体には無害である。それどころか、適量を摂取すれば疲労回復などにも効果的といわれている。そのクエン酸を溶かした水溶液がクエン酸水である。
クエン酸はどこで買える?
掃除に用いるクエン酸なら100均でも手に入る。そのほかドラッグストアやホームセンター、ネット通販などあらゆる場所で購入できる。さまざまなメーカーから発売されているので、コスパなどを踏まえてお好みのものを選ぼう。
2. クエン酸水はどんな汚れに効果がある?

汚れを落とすには、いかに効率よく中和させられるかがポイントだ。クエン酸水を使って落とせるのはどういった汚れなのだろうか?
クエン酸水はアルカリ性の汚れに強い
クエン酸水は「酸」の文字からも分かるように酸性だ。したがってアルカリ性の汚れを中和して落としやすくする効果がある。アルカリ性の汚れの代表格といえば「水垢(カルキ汚れ)」だろう。キッチンのシンクや蛇口、浴室の鏡などにできる白いうろこ状の汚れだ。
そのほか消臭や除菌といった効果もあり、トイレの黄ばみや尿石、アンモニア臭などを軽減するのにもクエン酸水が使える。また洗濯に用いた場合も、アルカリ性の汚れを落としたり除菌したりといった効果が期待できる。
そのほか消臭や除菌といった効果もあり、トイレの黄ばみや尿石、アンモニア臭などを軽減するのにもクエン酸水が使える。また洗濯に用いた場合も、アルカリ性の汚れを落としたり除菌したりといった効果が期待できる。
重曹との合わせワザが強力
重曹も、クエン酸と並んでナチュラルクリーニングの必須アイテムのひとつだ。重曹はアルカリ性のため、クエン酸水では落とせない皮脂など酸性の汚れを中和するのに適している。クエン酸水と重曹水は、両方あれば家中のさまざまな汚れを落とすことができる強力タッグだ。
3. クエン酸水の作り方

クエン酸水の具体的な作り方を見ていこう。
用意するもの
- クエン酸
- スプレーボトル
- 水
- 計量カップ/計量スプーン
これだけ用意しておけばOKだ。先にクエン酸水を作ってからスプレーボトルに移したいというときは、500ml程度の液体が入るカップや漏斗があると入れやすいだろう。
クエン酸水の作り方
スプレーボトルの容量にもよるが、おおよそ「水200ml」に対して「クエン酸小さじ1杯」の割合で混ぜてクエン酸水を作っていこう。濃度は細かく気にする必要はないので、この通りでなくても構わない。なお水ではなく40℃程度のぬるま湯でもよい。スプレーボトルのキャップをしっかり締めたら、よく振って溶かしておこう。
4. クエン酸水の効果を高める使い方

クエン酸水は液体なので角度があるところにスプレーすると流れ落ちてしまう。そこで有効なのがパックだ。効率よく掃除するためにも、先にやり方をお伝えしておこう。
キッチンペーパーとラップのパックが効果的
クエン酸水をスプレーしたあとキッチンペーパーで覆い、その上からクエン酸水をスプレーする。これだけでもクエン酸水が留まるため十分効果的だが、さらにその上にラップをしてクエン酸水の蒸発を防ぐのがおすすめだ。その状態で放置している間に、クエン酸水が頑固な汚れを中和し浮かせてくれる。
濃度を高める/放置時間を延ばすのもおすすめ
パックをしないまでも、やや濃度を高めたクエン酸水を作ってかけたり、置いておく時間を延ばしたりするだけでも効果が期待できる。いまいち汚れ落ちが悪いというときにでも試してみてほしい。なおクエン酸の量は多ければよいというものではない。さすがに多すぎると溶け残り、無駄になってしまうため濃度を高めるときはほどほどにしておこう。
5. クエン酸水を使った掃除方法

場所やモノ別に、クエン酸水を使った掃除方法を紹介していこう。
キッチンのシンクや蛇口
キッチンのシンクおよび蛇口などの水垢を掃除する場合、先ほどのパックが有効だ。まずクエン酸水をスプレーしてからキッチンペーパーで覆い、たっぷりクエン酸水を含ませてからラップでパックをしよう。1〜2時間ほど放置したらラップを剥がし、貼っていたキッチンペーパーや柔らかめのスポンジなどを使ってこすり洗いをする。最後は必ず流水でよくすすぎ、水気を拭き取っておこう。なお軽い水垢なら、スプレーしてスポンジでこするだけでも落とせる。
浴室の鏡や蛇口
浴室の鏡や蛇口、シャワーヘッドやイスなどの水垢および石鹸カスも、先ほどのパックがおすすめだ。やり方は同じように、クエン酸水をスプレーしたらキッチンペーパーで覆い、再度たっぷりクエン酸水を含ませる。その上からラップをしたら1〜2時間放置し、スポンジなどでこすり洗いをしよう。排水口のヌメリには直接スプレーするか、クエン酸を粉のままふりかけてもよい。
トイレの便器や床・壁
便器の黄ばみや尿石汚れ、便座や壁、床などに跳ねた尿汚れあるいはアンモニア臭などにもクエン酸水が効果的だ。スプレーしてからスポンジやブラシなどでこすり、最後に水を流そう。便座や床、壁など水を流せない場所は水に濡らして固く絞った雑巾などでしっかり拭き取るのがポイントだ。
洗面所の鏡や蛇口
キッチンや浴室と同じように、クエン酸水をスプレーしてキッチンペーパーとラップでパックをしよう。1〜2時間ほど置いてからこすり洗いをすればキレイに落とせるはずだ。最後にすすぎと水気の拭き取りも忘れないようにしよう。
プラスチック製のまな板の除菌
よく洗って乾かしたプラスチック製のまな板にキッチンペーパーをのせる。そこへクエン酸水をたっぷりスプレーしたら、20分ほど放置して流水でよくすすごう。
電気ケトルやポット
内部に発生する白い汚れのほとんどは水垢(カルキ汚れ)だ。クエン酸水をスプレーしてスポンジなどでこすり洗いをするといった方法で落とそう。あるいは、満水位置まで水を溜めて粉末のクエン酸を適量加え、いったん沸騰させるといった方法もある。その場合、沸騰してから1〜2時間ほど放置し、中のお湯を捨ててからスポンジなどでこすり洗いをする。最後に流水でよくすすいで完全に乾かせば完了だ。
カーテンなど布製品の除菌・消臭
リビングのカーテンやソファー、カーペットといった簡単に洗濯できない布製品にもクエン酸水が使える。この場合、除菌や消臭といった効果が期待できる。また水が使える素材であれば、除菌目的で床にスプレーするのもよい。その場合、水に濡らして固く絞った雑巾などで水拭きをし、最後に乾拭きで仕上げよう。
排水口にはクエン酸水と重曹がおすすめ
シンクの排水口のヌメリなどを落としたいときは、クエン酸水と粉末の重曹を用いるとよい。先に粉末の重曹を排水口まわりにまんべんなく、たっぷり振りかける。目安としては1カップ程度になるだろう。次に、クエン酸水を同じくカップ1杯分ほど回しかける。このとき発泡するが、炭酸ガスなので人体には害はない。しばらく待つと汚れが浮かび上がるので、スポンジでこすり洗いをするなどして流水でよくすすごう。
6. クエン酸水を洗濯に使う方法

皮脂汚れは酸性のため難しいが、アルカリ性の汚れならクエン酸水で落とせる場合がある。そのうえ洗濯機の掃除や洗濯物の除菌までできるので、洗濯にもぜひ活用したいところだ。なお洗濯に使う場合はクエン酸水をあらかじめ作るのではなく、洗濯水とクエン酸の粉を合わせてクエン酸水にするという意味で捉えていただきたい。
クエン酸水を洗濯に使う方法
洗剤や柔軟剤は使わず、水10lにつきクエン酸10gの割合で混ぜたら、いつものように洗濯機を回すだけでよい。柔軟剤を使うと衣類の吸水性が低下するといわれているが、クエン酸水ならむしろ吸水性をしっかりキープした状態で仕上がる。
クエン酸水で洗濯物をふんわり仕上げるコツ
いつものように洗濯洗剤を使って洗濯し、すすぎの水がキレイになった段階でいったん洗濯機を止める。水10lに対してクエン酸1gの割合で混ぜたら再度すすぎをしよう。洗濯槽の中でクエン酸水ができあがり、ふんわりと仕上げてくれる。柔軟剤ほどではないが、タオルなど吸水性を低下させたくないアイテムがゴワゴワになるのを軽減できるはずだ。
7. クエン酸水を使う際の注意点

クエン酸水を使うにあたっていくつか注意点もあるので覚えておこう。
塩素系漂白剤とは絶対に混ぜない
クエン酸水は酸性であるため、塩素系漂白剤など塩素系の洗剤と混ざると有害なガスが発生する。絶対に混ぜてはいけないと覚えておいてほしい。念のため、クエン酸水を使って掃除などをする際は換気しながら行うとよいだろう。
大理石やアルミには使わない
大理石にクエン酸水を使うと溶けてしまうことがある。またアルミや鉄、銅などに使うと錆びが発生することがある。パッケージに「使えない場所・モノ」が書かれているはずなので、正しく守ろう。
目に入らないように保護具を装着する
クエン酸水が目に入ると強い痛みが生じることがある。自分の目線より上で使う場合や、スプレーしたクエン酸水が飛散しそうな場所の場合はメガネなど目の保護具の装着をおすすめする。万が一目に入ってしまい痛みが取れないという場合は眼科の受診を検討しよう。
一度に使い切る分だけを作る
クエン酸水の基本は一度に使い切る量だけ作ることだ。作り置きした場合、水が腐るとクエン酸も腐るので気をつけよう。十分な効果が得られないばかりか、雑菌を吹きつけて伸ばしているのと同じことになりかねない。面倒でも一度に使い切れそうな量だけ作り、足りなくなったらまた作る、を繰り返そう。
8. クエン酸がなければ「酢」でも代用可能

クエン酸が切れてしまった、今すぐ買いに行けないといった場合は酢で代用することも可能だ。ただし酢のにおいが残ってしまうことがあるため、どうしても今すぐに落としたい汚れがある、というケース以外は避けたほうがよいかもしれない。
結論
クエン酸水は水垢などアルカリ性の汚れに効果的で、掃除はもちろん洗濯にも使える便利なアイテムだ。重曹と合わせればご家庭のさまざまな汚れを落とすことができる。ぜひ本稿を参考に、ナチュラルクリーニングを取り入れてみよう。酢も含め、塩素系漂白剤と混ぜるのは危険なので絶対に避けるとともに、通気性を確保した環境で作業に当たってほしい。