目次
- 1. 使用済みカイロの正しい捨て方とは?
- 2. 未使用のカイロの捨て方や保管方法は?
- 3. カイロの捨て方でよくある疑問!火事のリスクは?
- 4. 使用済みカイロを処分せずに再利用する方法3選
- 5. カイロの正しい捨て方や再利用方法を知っておこう
- 鉄粉
- 水
- バーミキュライト
- 活性炭
1. 使用済みカイロの正しい捨て方とは?

冬になると手放せなくなるカイロだが、使用後はどのように処分しているだろうか?とくに何も考えずゴミ箱に捨てているという方もいるかもしれないが、実はそれがNGというケースもある。この機会にぜひ、カイロの正しい捨て方について考えてみよう。
カイロは可燃ごみ?不燃ごみ?
カイロが温まるのは鉄粉が酸化したときに熱を発するからだ。つまりカイロの成分の多くは鉄ということになる。鉄の捨て方は「不燃ごみ」「金属ごみ」などだが、だからといってカイロの捨て方も不燃ごみ等とは限らないのが難しい。ごみの廃棄・分別に関するルールは自治体によって異なるためだ。中には「不燃ごみ」「金属ごみ」に指定している自治体もあるので、一度お住まいの自治体のホームページを確認しておくことをおすすめする。
自治体別・カイロの捨て方
【神奈川県横須賀市】
「不燃ごみ」
【埼玉県草加市】
「燃えるゴミ」
【東京都新宿区】
「金属・陶器・ガラスゴミ」
【北海道札幌市】
「燃えるごみ」
【愛知県名古屋市】
カイロは「不燃ごみ」、外袋は「プラ容器包装」
【東京都足立区】
「燃やさないごみ(不燃ごみ)」
【千葉県松戸市】
「陶磁器・ガラスなどのごみ」
【青森県青森市】
「燃えるごみ」
自治体のルールを確認しよう
一例だがこのように自治体で捨て方が異なる。なお上記、各自治体のルールは2021年10月27日の調査時点での情報のため、最新情報のチェックも兼ねてぜひお住まいの自治体のホームページを確認してみてほしい。
2. 未使用のカイロの捨て方や保管方法は?

使用済みカイロの捨て方は自治体ごとに異なることが分かったが、未使用のカイロの捨て方はどうなるのだろうか?
未使用のカイロの捨て方
使用済みカイロと違い、未使用のカイロはまだ発熱する要素を残している。よほど悪条件が重ならない限り発火などのリスクは低いかもしれないが、できれば正しい捨て方を覚えておきたい。
【使い切ってから捨てる】
袋をあけて発熱させ使い切ってしまえば、使用済みカイロとして自治体のルールに沿って捨てることができる。とはいえ寒くないのに無理に使うのはもったいない、ということもあるため捨てる以外の方法も知っておくとよいだろう。
使用期限内なら保管する
商品パッケージなどに書かれた使用期限内であれば、翌冬までとっておいて使うのもよい。たとえば災害時などで電気やガスが使えなくなったとき、カイロがあれば少しは体を温めることができるなど、意外な場面で重宝するかもしれない。
【外袋に穴があかないように注意する】
保管中、外袋に穴があいてしまうと発熱してしまうおそれがある。ジッパー付きの保存袋(フリーザーバッグなど)に入れる、箱に入れるなど保管方法を工夫しよう。また古いものから消費できるように、日付や使用期限などを分かりやすく書いておくとよい。
未使用かつ使用期限が過ぎたカイロの捨て方は?
カイロが発熱する仕組みを考えれば、未開封で使用期限が過ぎても使えるはずだ。日本カイロ工業会も使用には問題ないとしている(※1)。そのため開封して使い切ってから、自治体のルールに沿って処分するとよいだろう。ただし外袋とカイロの間に含まれるごく僅かな空気に反応して酸化が進んでいる、劣化しているといったことも考えられる。仮に使えたとしてもごく短時間など、本来の効果が得られない可能性は想定しておこう。
3. カイロの捨て方でよくある疑問!火事のリスクは?

カイロを捨てる際にふと思い浮かぶことのある疑問について考えていこう。
温かいカイロをそのまま捨てても火事にならない?
まだ温かいカイロをごみ箱などに捨てた場合、温度が上がりすぎて発火したり、燃え移って火事になったりすることはないのだろうか?「桐灰カイロ」などを手掛ける小林製薬によれば「発火するほどの温度には達しないため、温かいまま捨ててもOK」とのことだ(※2)。とはいえ余裕があればやはり冷え切ってから捨てるほうが安心だろう。
水に濡らすのは危険?
カイロが温まるのは、鉄粉が空気に触れて酸化する際に熱を発するからである。水は鉄粉が酸化する速度を早めるため(※3)、カイロを水に濡らすことで急に温度が上がるといったことは考えられるかもしれない(そもそもカイロには水が含まれている)。だが上述のように発火するほどの温度には達しないこと、加えて水が熱を奪うことなども踏まえると、火災といった危険性はほぼないと思ってよいだろう。
そもそもカイロの成分は?
【カイロの主な成分とその役割】
カイロの中にはこうした成分が含まれている。お伝えしているように鉄粉は発熱に欠かせないものであり、水はその鉄粉の酸化速度を早める役割を担う。バーミキュライトは園芸などに使われる土で、鉄粉に含まれる水を取り込んで中身をサラサラに保っている。また活性炭は酸素を取り込み、効率よく鉄粉が酸化するのを促す役目を果たす。このように各成分にはきちんと役割があるのだ。
4. 使用済みカイロを処分せずに再利用する方法3選

カイロの捨て方を中心に解説してきたが、実は処分する以外に再利用する手もある。知っておくと役立つときがあるかもしれない、使用済みカイロの再利用方法3選を紹介しよう。
除湿剤として使う
使用済みのカイロをクローゼットなど湿気が多い場所に置いておこう。鉄粉がちょっとした除湿剤の役目を果たしてくれる。
消臭剤として使う
靴の中に使用済みカイロを入れてみよう。カイロに含まれる活性炭が消臭剤代わりとなり、ニオイを吸収してくれる。
土壌改良にも一役買ってくれる
上述したようにカイロには「バーミキュライト」と呼ばれる人工用土が含まれている。高い保水性と保湿性、保肥性を併せ持ち、園芸にも用いられる土壌改良が目的の土だ。ただしカイロの中身をそのまま土壌に混ぜるわけではない。塩分を除去するためカイロ1袋につき「150〜200cc程度の水」でろ過する必要がある。コーヒーメーカーなどを使ってろ過しガーデニングなどの土壌に混ぜるなどしよう。
5. カイロの正しい捨て方や再利用方法を知っておこう

カイロの捨て方は自治体によって異なる。念のため、お住まいの自治体が指定しているカイロの捨て方をホームページなどで確認しておこう。また捨て方ももちろん大切だが、使用済みカイロは除湿剤や消臭剤、土壌改良用の土としての再利用も可能なので、ぜひ活用してみてほしい。
結論
冬はカイロが手放せないという方も多いだろう。これまでなんとなく処分していた方は、ぜひこれを機に正しい捨て方について考えてみてほしい。また使用期限が切れても、未開封であれば使用できる。災害時にも役立つはずなので、とくに使用する予定がなければ保管しておくのもおすすめだ。
(参考文献)
※1:よくある質問 - 日本カイロ工業会
※2:カイロは温かいまま捨ててもよいですか? _ よくあるご質問(製品Q&A) _ 小林製薬株式会社
※3:カイロのすべて:カイロのしくみ|桐灰カイロ|小林製薬