目次
- 1. タンブラー乾燥(タンブル乾燥)とは?
- 2. タンブラー乾燥OKの衣類、NGの衣類の見分け方
- 3. タンブラー乾燥できない衣類はどうやって乾燥させる?
- 4. タンブラー乾燥で縮んだり型崩れしたりしたときの対処方法
- 5. タンブラー乾燥がNGの衣類は洗濯方法にも注意
- 1:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html - 2:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html
1. タンブラー乾燥(タンブル乾燥)とは?

まずはタンブラー乾燥について簡単に解説していこう。
洗濯物を回転させながら温風で乾かす方式
タンブラー乾燥とは、洗濯物を回転(またはゆりかご動作を)させながら、温風で乾かす方式のことである。タンブル乾燥ともいう。家庭用ドラム式洗濯乾燥機やコインランドリーの大型乾燥機などがタンブラー乾燥である。
タンブラー乾燥のメリット・デメリット
【メリット】
非常に効率よくかつ満遍なく熱を与えることができる。水分が蒸発しやすく短時間で多くの洗濯物を乾かせるのが大きなメリットだ。梅雨など雨続きの時期や、翌日着たい服があって速く乾かしたいときなどはとくに便利である。
【デメリット】
洗濯物がダメージを受ける場合がある。回転しながら衣類同士が擦れ合う、または洗濯槽の内壁にぶつかることで傷んだり、高温に弱い素材がダメージを受けたりすることがある。トラブルを防ぐためにも、後述する素材の見分け方などを正しく理解しておくことが大切だ。
2. タンブラー乾燥OKの衣類、NGの衣類の見分け方

中にはタンブラー乾燥をNGとしている衣類もある。見分ける方法や、タンブラー乾燥に向いているアイテム(素材)はある程度把握しておこう。
洗濯表示をチェックする
平成28年12月1日からの洗濯表示(※1)では、タンブラー乾燥に関する記号もわかりやすくなった。四角の中に丸と黒ポチがある表記を見つけたら、それがタンブラー乾燥についてのものだ。
黒ポチ1つなら上限60℃、2つなら上限80℃でタンブラー乾燥ができることを意味する。一方、タンブラー乾燥が禁止の衣類は、洗濯表示を見たときに四角に丸、その上にバツが付いているものだ。
【洗濯表示がない場合は?】
平成28年11月30日までの洗濯表示(※2)には、タンブラー乾燥に関する記号がない。アイテムによっては「タンブル乾燥禁止」や「タンブラー乾燥はお控えください」といった注釈があるかもしれないが、それすらないものもある。こうしたケースでは素材によって判断するしかないだろう。
なお新洗濯表示(※1)であっても、洗濯と漂白に関する記号は必ず載っているが、それ以外の情報は省略されるケースがある。この場合も、やはり素材である程度判断するしかない。
タンブラー乾燥に向いている素材・不向きな素材の見分け方
【タンブラー乾燥に向いている素材や衣類とは】
多少のダメージは気にしないというのであれば、パジャマや部屋着、靴下やタオル、それにインナーなど他人の目に触れる機会が少ないアイテムをタンブラー乾燥でサクッと乾かそう。洗濯する際、柔軟剤を使うと肌触りのよい仕上がりになるはずなのでぜひ試してみてほしい。
【タンブラー乾燥を控えたほうがよい素材や衣類とは】
ウールや絹、綿や麻、本革や合皮といった素材の衣類をはじめ、ブラジャー、ストッキング、装飾が施された衣類などはタンブラーを控えたほうがよいいだろう。それ以外にも、お気に入りや長持ちさせたい衣類であれば、タンブラー乾燥は避けることをおすすめする。
タンブラー乾燥をしても問題ないかどうか、判断がつかないときは?
タンブラー乾燥の特徴である「回転」「熱」そして衣類同士の「擦れ」や洗濯槽の内壁への「ぶつかり」などでダメージを受けるおそれがある素材かどうか、で判断しよう。
回転や熱などで型崩れしやすそう、縮みやすそう。装飾品が傷つきやすそう、風合いが損なわれそうと感じたときは控えたほうが無難だ。
タンブラー乾燥に向いていない衣類を乾燥させるとどうなる?
タンブラー乾燥が禁止または向いていない衣類をタンブラー乾燥させた場合、結果的に問題ないケースもあるが、縮んだりシワができたり、素材が傷んで寿命が短くなったりすることもある。
肌触りや着心地、風合いが損なわれ糸がほつれてしまうこともあるほか、刺繍やプリントなども傷むおそれがある。上述のように回転や熱、風などでダメージを受けるおそれがある素材は避けたほうがよいだろう。
3. タンブラー乾燥できない衣類はどうやって乾燥させる?

タンブラー乾燥が禁止されている、または不向きな衣類もしくはOKかどうか判断に迷う素材だったときは、次の方法で乾燥させよう。
自然乾燥させる
もっとも基本的な方法であり、衣類にもっとも優しい方法でもある。衣類同士の間隔を適度に保ちながら、風通しのよい場所に干しておこう。
浴室乾燥機を使う
花粉の時期や雨続きの時期などは浴室乾燥機を使う手もある。コストが気になる場合は、先に浴室乾燥機で1時間乾燥させ、残りを自然乾燥(雨なら部屋干し)させるといったやり方もおすすめだ。
除湿機やエアコン、扇風機を使うと速乾に
単に自然乾燥させるよりも、除湿機やエアコンの除湿運転を使ったり、扇風機あるいはサーキュレーターなどで風を当てたりしたほうが速く乾かせる。浴室乾燥機よりもコストを抑えられる可能性が高いうえ、生乾き臭の抑止にもなるのでおすすめだ。
タンブラー乾燥が禁止されている衣類は、なにかしらの理由があるはずだ。「大丈夫だろう」と安易にタンブラー乾燥してしまうと思わぬトラブルを招きかねないため、上記いずれかの方法で乾燥させるようにしよう。
4. タンブラー乾燥で縮んだり型崩れしたりしたときの対処方法

誤ってタンブラー乾燥をしてしまい、衣類が縮んだり型崩れしてしまったり、あるいはシワだらけになってしまったりしたときは、次のような方法を試してみよう。100%元に戻るとは言い切れないが、復活する場合がある。
縮んだときのケア方法
伸びやすい素材だった場合、優しく手洗いをして柔軟剤を混ぜてすすぎ、吊り干しにすればある程度伸びる(戻る)可能性がある。ほどよく復活した時点でスチームアイロンのスチームのみを当て(アイロンは直接当てない)、手で形を整えるなど根気よくケアしていこう。
ただしフェルト化してしまったウールなどは、残念ながらこの方法でも戻らない。その場合は買い替えることを検討しよう。
型崩れしたときのケア方法
衣類を優しく手洗いし、柔軟剤を混ぜてすすいだら平干しをする。素材にもよるが、これである程度回復する場合がある。それでも復活しないほど型崩れしたときは、一度クリーニング店に相談してみるとよいだろう。
5. タンブラー乾燥がNGの衣類は洗濯方法にも注意

タンブラー乾燥NGという衣類は、基本的にデリケートな素材である。こうした衣類は総じて洗濯方法にも注意が必要だ。不用意にダメージを与えてしまわないよう、せっかくなので洗濯のポイントについてもお伝えしておく。
洗濯ネットに入れて「おしゃれ着用中性洗剤」で洗濯する
衣類同士の擦れなどによるダメージを防ぐためにも、デリケートな衣類は洗濯ネットに入れることをおすすめする。また少しでも素材へのダメージを防ぐためおしゃれ着用中性洗剤を使用して洗うようにしよう。
「ドライ」「手洗い」などの弱水流コースで洗濯する
表記は洗濯機によって異なるが、ドライや手洗い、ソフトといった弱水流コースで洗濯するのも、デリケートな衣類へのダメージを防ぐ方法だ。もちろん、手洗いできればそれでもよい。
脱水時間を短めに設定する
脱水中に遠心力がかかり、衣類が洗濯槽に押し付けられることでシワが発生する場合がある。脱水時間を短めに設定するのも、デリケートな衣類を守るひとつの手だ。洗濯槽の回転が安定し始めてから30秒〜1分程度で停止し、速やかに干すことでそうしたトラブルを防ごう。
結論
タンブラー乾燥は多くのメリットがある反面、素材がダメージを受けるリスクもある。タンブラー乾燥の特徴やOKかNGかの判断基準などは正しく理解しておこう。とくに高価な衣類や長く着続けたい衣類などは、必ず洗濯表示を確認するとともに、少しでも不安があるときは自然乾燥など別の方法で乾かすようにしよう。