- 1. 洗濯機のアース線の付け方
- 2. 洗濯機のアース線の外し方
- 3. 洗濯機にアース線が付いている理由
- 4. 洗濯機のアース線を付けたり外したりする際の注意点
- 5. 洗濯機置き場のコンセントにアース端子がないときは?
- 6. 洗濯機置き場のコンセントのアース端子がほかの家電で使われているときは?
- 7. 洗濯機のアース線が短くてコンセントまで届かないときは?
- 8. 洗濯機のアース線がごちゃごちゃする!隠してスッキリ見せる方法は?
- 9. 洗濯機を安全に使うためにもアース線は正しく取り付けよう
1. 洗濯機のアース線の付け方
洗濯機が経年劣化すれば内部配線の破損や故障などで、漏電・感電するといったリスクが生じる。水回りで使用する洗濯機は、必ずアース線を取り付けよう。
アース線はコンセント側のアース端子に接続するわけだが、その端子には「ネジ式」と「ワンタッチ式」がある。それぞれ取り付け方を説明する。
アース線の付け方|ネジ式の場合
洗濯機置き場のコンセントを見てほしい。プラグの差し込み口付近にネジがあれば、ネジ式のアース端子だ。中には、つまみ付きのカバーで覆われているものなどもある。ドライバーでネジを緩め、アース線を挟み込むか巻きつけるようにしてネジを締める。
簡単に抜けたり締め付けが中途半端だったりしないか、最後に軽く引っぱるなどして確認しておこう。
アース線の付け方|ワンタッチ式の場合
ふたを開けてアース線を奥まで挿し、ふたを閉じる。ネジ式よりも簡単だが、同じく最後に軽く引っぱるなどして抜けないかだけ確認しておこう。
2. 洗濯機のアース線の外し方
一方、引っ越しや洗濯機の買い替えなどでアース線を外さなければならないこともある。
アース線の外し方は簡単
ネジ式の場合は、ドライバーを使ってネジを緩めてアース線を引き抜けばよい。一方、ワンタッチ式はまずふたを開けてみよう。コンセント側に、黒いスイッチなどが見つかるはずだ。それを押すことによってロックが解除される仕組みになっているので、押しながらアース線を引き抜けばよい。くれぐれもロックを解除しないまま強引に引き抜くことはしないように気をつけてほしい。
3. 洗濯機にアース線が付いている理由
そもそも洗濯機にアース線が付いている理由や、アース線の役割など基本的なところもおさらいしておこう。
アース線とは
アース線の「アース」は接地、地面といった意味だ。コンセント側のアース端子に正しく接続することで、万が一漏電が発生した場合などに電気を地面へ逃がすという大変重要な役割がある。
飲食店の厨房や酒・しょうゆの貯蔵庫、コンクリート床など湿気が多い場所、および生鮮食料品店の作業場といった水が飛び散る場所、土間や地下室といった結露が起こりやすい場所などは、アース工事が義務付けられている。
洗濯機にアース線が付いている理由
洗濯機は水と電気を同時に使用する。水気や湿気がある場所での使用が前提の家電には絶縁加工が施されているが、劣化によって絶縁が悪くなったり故障が原因だったりして漏電することがある。知らずに触れれば感電など、重大な事故を招いてしまうことも考えられる。
【感電対策の一環】
洗濯機にアース線が付けられている理由の一つは、その感電対策だ。アース線をつないでおけば、仮に感電した際も電流のほとんどがアース側に流れてくれるため、人体への被害が軽減される。
【故障や誤作動を防ぐ働きもある】
アース線にはほかにも「落雷や静電気、過電圧による故障、誤作動、ノイズなどを抑制する働き」などがある。とりわけ洗濯機においては「感電による被害の軽減」が大きな目的であると思っておこう。
アース線を取り付けてはいけない場所もある?
たとえばガス管は、引火や爆発のおそれがあるためアース線を取り付けてはいけない。また水道管は樹脂製がほとんどであり、正常な役割を果たせないおそれがあることからアース線の取り付けはNGとされている。
そのほか電話のアース線や避雷針なども、落雷時に危険があることから取り付けてはいけない。洗濯機のアース線を取り付けるだけであればこれらはあまり関係ないかもしれないが、知っておいて損はないだろう。
4. 洗濯機のアース線を付けたり外したりする際の注意点
洗濯機のアース線の取り付け、取り外しは難しい作業ではない。だが目に見えない電気が相手だからこそ、次のような点には注意しよう。
必ず電源プラグを抜いた状態で作業する
取り付け、取り外しいずれも作業前に洗濯機の電源プラグをコンセントから抜いておこう。プラグが正しく差し込まれていないなどでうっかり触れてしまうと危険だ。油断せず慎重に作業にあたってほしい。
濡れた手や工具で作業しない
同じく、ドライバーなどの工具やアース線の先端、手や指などが濡れた状態で作業するのも危険だ。水気をしっかり拭き取り、乾いた状態でおこなうことを心がけていただきたい。
ドライバーなど金属の取り扱いには十分気をつける
間違っても、ドライバーをコンセントの穴に差し込まないように気をつけてほしい。
5. 洗濯機置き場のコンセントにアース端子がないときは?
洗濯機置き場に設置されているコンセントであればまずそうしたケースはないと思われるが、もしかするとコンセント側にアース端子がないことも考えられる。その場合の対処方法を覚えておこう。
コンセント側にアース端子がないときは有資格者による工事が必要
アース線を接続するには、アース端子付きのコンセントに交換する必要がある。コンセントの新設や交換、増設は「電気工事士」の資格が必要な工事になるため素人にはできない。したがって家電量販店や近所の電気店、あるいは電気工事を請け負っている業者などにお願いしよう。賃貸物件にお住まいなら管理会社や大家などに相談だ。
【漏電遮断器を取り付ける方法は?】
コンセントに差し込むタイプの「漏電遮断器」を取り付ける方法もある。漏電を検知すると電気を遮断するというアイテムだ。賃貸にお住まいで工事が難しいといった方や、工事まではしたくないという方は検討しよう。
ただし漏電遮断器はアース線の代わりになるものではないし、またアース線や漏電遮断器を接続しても漏電や感電が100%防げるわけでもない。洗濯機に限ったことではないが、水まわりで使う家電はとくに取り扱いに注意しよう。
6. 洗濯機置き場のコンセントのアース端子がほかの家電で使われているときは?
コンセント側にアース端子はあるものの、すでにほかの家電で使ってしまっていることも考えられる。そんなときはどうすればよいのだろうか?
1つのアース端子に複数のアース線を取り付けてもOK
この場合はとくに心配しなくてよい。なぜなら、ひとつのアース端子に複数のアース線を接続できるからだ。とはいえひとつのアース端子に3本も4本もとなれば、正しく接続できていないものも出てくるかもしれない。その場合は電気工事士の有資格者に、アース端子の増設といった工事をお願いすることになるだろう。
7. 洗濯機のアース線が短くてコンセントまで届かないときは?
コンセント側にアース端子があり、洗濯機にもアース線が付いているものの、そのアース線が短く端子まで届かないということもあり得る。そのときの対処方法も知っておこう。
十分な長さのアース線に交換する
洗濯機のアース線が短くて届かないときは、十分な長さのある新品のアース線を電気店やホームセンターなどで購入して取り付けよう。この場合、電気工事士の資格は必要ない。洗濯機の裏側などにアース線が取り付けてあるので、ネジを緩めてアース線を外す。次に新しく買ってきたアース線を取り付け、上述の手順でコンセント側のアース端子に接続すればOKだ。作業前には必ず洗濯機の電源プラグを抜いておこう。
【アース線の「継ぎ足し」はおすすめしない】
「ホームセンターなどで延長用のアース線を購入して継ぎ足すことができる」といった情報もある。はんだ付けするといった方法、絶縁テープをしっかり巻きつけるといった方法などが紹介されているが、本稿ではおすすめしない。
継ぎ足しが間違いなく正確にできているか素人で判断するのは難しいし、なにより相手は目に見えない電気だ。万が一の事故を招かないよう、継ぎ足しはしないことをおすすめする。
8. 洗濯機のアース線がごちゃごちゃする!隠してスッキリ見せる方法は?
コンセントが目の高さやそれより上にあり、洗濯機本体の電源コードやアース線が視界に入るとごちゃごちゃした印象を受けることがある。スッキリ見せたいときは「コンセント安全カバー」がおすすめだ。
本来、小さな子どもなどがうっかり引き抜いてしまわないようカバーするためのものだが、コンセントやアース線の接続部分を隠せるし、万が一の水はねなどからも守れる。
山崎実業「コンセントガード ウッディ」
コンセントのプレート部分をすっぽり覆ってくれるアイテムだ。木目調のフロントと、サイドがホワイト・ブラックの2種類があり、3口コンセントまで対応している。
リッチェル「ベビーガード コンセントフルカバーR」
同じくプレート部分をすっぽり覆ってくれるカバーで、3口コンセントまで対応している。こちらは全面シンプルな白色なので、目立たないように付けたい方におすすめだ。
コンセントカバーは100均でも手に入る
コンセント安全カバーは、ダイソーやセリアといった100均でも手に入る。近所にあるという方はぜひ探してみてはいかがだろうか?
9. 洗濯機を安全に使うためにもアース線は正しく取り付けよう
冒頭でお伝えしたように、アース線には感電対策といった大変重要な役割がある。目に見えない電気が相手である上、万が一感電でもすればタダでは済まない。落雷や劣化などによって気づかないうちに漏電していることもあるため「大丈夫だろう」という油断は禁物だ。洗濯機を安全に使用するためにも、アース線は正しく取り付けてほしい。
結論
洗濯機は水気が多い場所で使うため、アースを正しく接続する必要がある。洗濯機にアースがある意味を再確認するとともに、接続していない方はぜひ本稿を参考に今からでも取り付けていただきたい。ただし中には電気工事士の資格が必要な工事もある。面倒かもしれないが、事故を防ぐ意味でも必ず専門家に依頼するようにしよう。