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アースとは?役割と重要性、アース線の取り付け方や注意点まで徹底解説

アースとは?役割と重要性、アース線の取り付け方や注意点まで徹底解説

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

2021年3月15日

アースとはどういった役割を持つのか正しく理解できているだろうか?その役割や重要性、取り付けを怠ることのリスクなどを解説するとともに、アース線の取り付け方・外し方、アース端子がないときや届かないときの対処方法などまで徹底解説する。家電を安全に使用し、万が一の際の被害を軽減させるためにも、アースが付いている意味やアース線を接続する必要性を再確認していこう。

  
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1. 「アース」とは

まずはアースとは何かについて簡単に解説する。

アースは「接地」という意味

アースというと「地球」を思い浮かべるかもしれないが、いわゆる電気関係におけるアースは「接地」という意味だ。接地を英語にすると「Ground」になるがここではアースと覚えよう。一般的には、電気設備機器あるいは電路などと地面を「電気的に接続すること」をいう。

アース線とは

冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機といった電化製品に付いている、緑と黄色などの線をアース線と呼ぶ。コンセント側のアース端子に接続して使用するものだ。

2. アース線の役割とは

電化製品に取り付けられているアース線はどういった役割を果たしているのか、具体的に解説しよう。

アース線の役割

電化製品が劣化や故障などによって漏電を起こしたり、過電圧がかかったりしたときに、コンセント側のアース端子を通じて余分な電気を地面へ流す役割がある。

たとえば劣化した電子レンジの内部で回路の故障などが発生した場合、電気が本来流れるべき回路とは別の場所へ漏れてしまうことがある。漏電だ。電子レンジの故障を招いたり、その状態を知らずに触れた人が感電したりするおそれがある。

こうしたトラブルを未然に防ぐ、あるいは被害を最小限に食いとどめる役割を担っているのがアースでありアース線なのである。

3. アース線の取り付けを怠ることのリスクとは

電化製品のアース線を取り付けていなかったときに起こりうるリスクについて考えてみよう。

感電や故障を招くおそれがある

我々にとってもっとも懸念すべきリスクは感電だろう。最悪の場合、命に関わるほど重大な事故に発展することがある。電気は目に見えないため、アース線を接続すべき電化製品は必ずコンセント側のアース端子につないでおくことが大切だ。

そのほかに考えうるリスクとしては、家電の故障や火災の発生などがある。故障だけで済めばまだよいが、火災となれば命は無事でも残るダメージは甚大だ。アース線の果たす役割は非常に大きいものであると認識しておこう。

感電の度合い

  • 1mA:最小感知電流(感じる程度)
  • 5mA:苦痛電流(痛みを覚える)
  • 10mA:可随電流(我慢できない)
  • 20mA:不随電流(痙攣・動けない)
  • 50mA:心室細動電流(非常に危険)
  • 100mA:致命的
感電の度合いについて、関西電気保安協会や北海道でんき保安協会が分かりやすく解説しているので紹介しておこう(※1・※2)。これを見れば分かるように、わずか20mAの電流でも人体には危険であることが分かる。

感電を防ぐために大切なこと

  • 絶縁をしっかりしておく
  • 破損したところはすぐに修理または交換する
  • 濡らさない
  • 湿ったところで使わない
  • アースと漏電ブレーカーを取り付ける など
北海道でんき保安協会では、感電対策としてこうしたことを挙げている。やはり、アースの持つ役割が大きいことが再確認できる。

4. 漏電遮断器(漏電ブレーカー)とアースの関係

漏電遮断器や漏電ブレーカーと呼ばれる装置もある。アースとの違いや関係性を交えながら簡単に解説しよう。

漏電遮断器(漏電ブレーカー)とは

許容電流を超えたときに電源の供給を遮断し、配線および機器を守る役割を果たす装置を「配線遮断器(いわゆるブレーカー)」という。メーカーなどで異なるが、たとえば分電盤を開いたときにスイッチが付いた小さな箱がいくつも並んでいるものが見えたら、それが配線遮断器と思ってよいだろう。

対して漏電遮断器は、その横などにあるやや大きめのスイッチや箱状の装置だ。漏電を検知した際に電気回路を遮断する役割がある。

配電盤から出た電気は、その役割を果たすと配電盤へ帰ってくる。この「行き」と「帰り」の電流は同じ量であるのが正常だ。配線遮断器は1線で「行き」または「帰り」の電流を測定し、過電流を検知した場合に遮断する。

一方の漏電遮断器は2線あり「行き」と「帰り」の電流を測定する。本来同じであるはずの電流の量に誤差が生じた場合、漏電と判断して遮断する。

漏電遮断器とアースの関係性

漏電遮断器が正常に動作するためには、アース線が正しく取り付けられている必要がある。たとえば電子レンジで漏電が発生した場合、アース線が正しく接続されていれば余分な電気は地面へと流れていく。このとき、分電盤に帰ってくる電流は「行き」よりも少なくなるため、漏電遮断器が「漏電」と判断できる。

アース線が接続されていなければ、たとえ漏電が発生していても漏電遮断器では検知できず、電化製品の故障や感電、火災などの事故へとつながるリスクが高くなってしまう。漏電遮断器を正常に動作させるためにも、アース線は正しく取り付けることが重要だ。

5. アースの接続が義務付けられている場所

アースは法律によって取り付けが義務付けられている場所がある。

湿気が多い場所、水気のある場所

たとえば飲食店の厨房や酒・しょうゆといった貯蔵庫、地下室やコンクリートの床、生鮮食料品点の作業場などはアースの取り付けが必須とされている。水が飛び散るおそれがある場所や結露が起こりやすい場所なども対象だ。水気や湿気が多い場所では漏電による感電のリスクが高まるというのが義務付けられている理由である。

一般家庭でも、同様の理由から水気があり湿気が溜まりやすい場所で使うことの多い洗濯機や電子レンジ、冷蔵庫などでアースの取り付けが必要とされている。

6. アースを取り付けてはいけない場所

逆に、アースを取り付けてはいけない場所もある。いずれも法律で禁止されている場所だ。日常生活でこれらに取り付けようとするケースはほとんどないかもしれないが、念のため覚えておこう。

水道管

水道管には樹脂が使われている。そこにアースを取り付けても電気が流れないため、アースの意味をなさないというのがその理由だ。

ガス管

ガス漏れが生じた際、アースが接続されていると爆発などの危険があるという意味で禁止されている。

電話のアースや避雷針

万が一落雷があった際に大変危険であることから、電話のアースや避雷針も取り付けしてはいけない。

7. 家電にアース線がついている理由

家電、とりわけ水気や湿気が多い場所で使うことを想定している洗濯機や乾燥機、電子レンジや冷蔵庫といった家電の多くにアース線が付いている。その意味を正しく理解しておこう。

感電による被害を軽減させる

家電は劣化や故障などで漏電することがある。とくに水気が多い場所で使う家電が漏電すれば、感電を招くリスクが高まる。アースは人体よりも電流が流れやすいため、感電時の人体への影響を大幅に軽減させる意味がある。

雷による故障を防止する

雷による多量の電流は家電の故障を招くことがある。アースはそうした電流を地面に逃がしてくれるため、家電を守るという意味もある。

静電気やノイズを抑制する

着火などの原因となる「静電気」を抑制する働きや、誤作動などほかの電化製品に影響を与えることがある「ノイズ」を抑制する働きがある。

このように家電のアースには、人体や製品を電気による影響から守るという意味がある。

8. コンセント側にある「アース端子」の種類

キッチンや洗濯機置き場などのコンセントには、アース線をつなぐための「アース端子」が設けられているのが一般的だ。

アース端子には2タイプある

1つは、端子部分のネジに巻き付ける(緩めて入れ込む)タイプ、もう1つは端子部分の穴にアース線の先端を差し込むだけのワンタッチタイプだ。後者は端子部分に2箇所、小さな穴があいていることが多い。タイプによって取り付け方が異なるため、ご家庭のアース端子がどちらに該当するか確認しておこう。

9. 家電のアース線を端アース端子に接続する方法

アース線をアース端子に接続する方法も覚えておこう。手が濡れた状態は危険なので気をつけてほしい。

ネジタイプの場合

  • 電化製品の電源プラグを抜く
  • アース端子のカバーを開く(カバーがなければここは省く)
  • プラスドライバーでネジを緩める
  • アース線の先端1.5〜2cm程度を差し込む(ネジに巻きつけてもよい)
  • 差し込んだ状態のままネジを締める
  • アース線を軽く引いてみて抜けないか確認する
  • 問題なければカバーを閉めて完了

ワンタッチタイプの場合

  • 電化製品の電源プラグを抜く
  • アース端子のカバーを開く
  • 左右の小さな穴いずれかにアース線の先端1.5〜2cm程度を差し込む
  • アース線を軽く引いてみて抜けないか確認する
  • 問題なければカバーを閉めて完了
ワンタッチタイプの場合、アース線の先端を差し込む穴が小さいため、指で束ねてねじっておくなどしよう。

10. アース線の取り外し方

逆に、引っ越しや家電の買い替えなどにともないアース線を取り外すこともある。基本的には逆の手順でよいが念のため確認しておこう。このときも、手が濡れていないかよく確認しておいてほしい。

ネジタイプの場合

  • 電化製品の電源プラグを抜く
  • アース端子のカバーを開く(カバーがなければここは省く)
  • プラスドライバーでネジを緩める
  • アース線を引き抜く
  • カバーを閉めて完了

ワンタッチタイプの場合

  • 電化製品の電源プラグを抜く
  • アース端子のカバーを開く
  • 黒いスイッチを押しながらアース線を引き抜く
  • カバーを閉めて完了
ワンタッチタイプの場合、アース線を接続した穴のすぐ横などにスイッチが設けられているはずだ。取り外す際は力ずくではなく、そのスイッチを押したまま引き抜こう。

11. コンセントにアース端子がないときの対処方法

アース線を取り付けたいのに、コンセント側にアース端子がないこともある。

電気工事店などに依頼する

コンセントの増設や、アース端子を新設・増設するといった工事は「電気工事士」の有資格者でなければできない。近所の電気店や電気工事店、工務店などで対応してもらえないか確認しよう。賃貸物件にお住まいの方であれば、まずは大家または管理会社に確認だ。

12. アース線が届かないときの対処方法

電化製品に付いているアース線が短すぎて、コンセント側のアース端子まで届かないということもある。

長いアース線に付け替える

ホームセンターなどに行けば長いアース線が手に入る。十分な長さのものを購入して付け替えよう。電化製品側に付いているアース線をドライバーなどを使って取り外し、逆の手順で取り付けるだけなので難しい作業ではない。ただし「銅撚り線(どうよりせん)」「軟銅単線」などの種類があるため、購入する際は取り外したアース線を持参して店員と一緒に探すなどしたほうがよいだろう。

継ぎ足しによる「延長」はおすすめしない

アース線を継ぎ足して端子に届く長さまで延長するといった方法も紹介されている。不可能ではないかもしれないが、正しくかつ安全に延長できているか素人が判断するのは危険だ。電気は目に見えないため、万が一のトラブルを防ぐためにも延長ではなく付け替えることをおすすめする。

13. コンセントのアース端子に「空き」がないときは?

コンセント側のアース端子にほかの電化製品のアース線が接続されており、空きがない状態ということも考えられる。

1つの端子に複数のアース線を取り付けられる

コンセント側のアース端子には、複数のアース線を取り付けることができる。キッチンなら冷蔵庫と電子レンジのアース線を、1つの端子に取り付けるといった具合だ。とはいえ何本もとなれば正しく接続できなくなるおそれがある。そのときは、電気工事士のいる電気店などに問い合わせ、コンセントやアース端子を増設してもらおう(賃貸物件はまず大家や管理会社へ)。

14. アース線は取り付けてこそ意味をなす

アース線はコンセント側のアース端子に正しく取り付けて初めてその意味をなす。「家電の動作には影響ない」「付けたことはないがとくに問題もない」「差し込む端子がない」などの理由でアース線をつなげていない方もいるのではないだろうか?

お伝えしたように、万が一の際の被害を最小限に食いとどめるためにもアース線は大変重要だ。家電にアース線が付いている意味、取り付ける意味を正しく理解し、家電を安全に使ってほしい。

結論

アースの役割や取り付けを怠ることのリスクを解説するとともに、家電にアース線が付いている意味、アース線の取り付けが義務付けられている場所や禁止されている場所、取り付け方や外し方などを徹底解説してきた。普段アース線について何かを意識することはほとんどないかもしれないが、万が一のときに非常に大きな意味を持つ。取り付けが済んでいない家電がないか、見直しておこう。

(参考文献)

  • 公開日:

    2019年12月23日

  • 更新日:

    2021年3月15日

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