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セスキ水とは?作り方と掃除・洗濯に使う方法、注意点まで徹底解説!

セスキ水とは?作り方と掃除・洗濯に使う方法、注意点まで徹底解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年2月12日

掃除や洗濯に使える万能アイテム「セスキ水」をご存知だろうか?本稿ではセスキ水の基礎知識や重曹・クエン酸などとの違いを解説するとともに、作り方や掃除・洗濯への使い方から注意点まで徹底解説する。セスキ水で落ちない汚れへの対処方法、保存に関するポイントにも触れているので、ぜひ参考にしていただきたい。

  

1. セスキ水とは?

そもそもセスキ水とは何なのか、ごく基本的なところから簡単に解説していこう。

「セスキ炭酸ソーダ」の水溶液

セスキ水とは「セスキ炭酸ソーダ(セスキ炭酸ナトリウム)」と呼ばれる粉末状の無機化合物を水で溶かしたものだ。セスキ炭酸ソーダは自然界にも存在する物質で、粉末は水に溶けやすくサラサラした結晶状になっている。一般的な合成洗剤などと比べて人体や環境に優しく、ナチュラルクリーニングを始める方にも最適なアイテムだ。

2. 重曹やアルカリ電解水、クエン酸などとの違い

ナチュラルクリーニングの代表的なアイテムといえば重曹やクエン酸などだろう。近年ではアルカリ電解水なども人気がある。これらとセスキ水との違いはどこにあるのだろうか?

重曹やアルカリ電解水との違いは「pH」

セスキ水、重曹、アルカリ電解水これらはいずれもアルカリ性だ。違いは「pH値」にある。pHは酸性やアルカリ性の度合いを示すもので「pH7」を中性とし、数値が小さくなるほど酸性が、大きくなるほどアルカリ性が強くなる。

このうち一般的にはセスキ水が「pH9」前後、重曹が「pH8」前後でいずれも弱アルカリ性に分類される。アルカリ電解水は「pH12」前後のアルカリ性だ。セスキ水は、いわば重曹とアルカリ電解水の中間あたりにあると考えてよいだろう。なおアルカリ性が強くなるほど酸性の汚れを落とす力は強くなる。

クエン酸との違いは「液性」

一方クエン酸はセスキ水や重曹、アルカリ電解水とは中性を挟んで真逆の酸性に分類される。「pH2」程度であり、レモン果汁や胃液などに近い酸性の物質である。

3. セスキ水が効果的な汚れ、苦手な汚れは?

話をセスキ水に戻そう。どういった汚れに対して効果的なのか、また逆に思ったほどの効果が期待できないのかを解説する。

セスキ水が効果的な汚れとは?

セスキ水はアルカリ性のため酸性の汚れに効果を発揮する。具体的に挙げればキッチン周りの油汚れ、衣類に付着した皮脂や垢汚れ、血液汚れ、スイッチやリモコンおよびドアノブの手垢汚れなどは、セスキ水の得意とするところだ。

セスキ水が苦手な汚れとは?

セスキ水で落とせるのは軽度な酸性の汚れである。たとえば口紅などの濃い色素やシミ、機械油など重度の油汚れ、頑固な泥汚れなどはセスキ水では落とせない。また重曹のような研磨作用はないため、クレンザーとして使うのにも向かない。同じアルカリ性の汚れである水垢にも効果がないほか、クエン酸のような除菌作用もない。一長一短があるので、より効果的に使うためにもこうした特徴を覚えておこう。

4. セスキ水の作り方

セスキ水はご家庭でも簡単に作れる。

用意するもの

  • 空のスプレーボトル
  • 計量スプーン
  • セスキ炭酸ソーダ
まずはこれらをそろえよう。セスキ炭酸ソーダはドラッグストアや100均、ホームセンターやスーパー、それにネット通販など至るところで手に入る。

セスキ水の作り方

空のスプレーボトルに水500mlにつき小さじ1〜2杯のセスキ炭酸ソーダを加えたら、よく振って溶かす。これだけでOKだ。なおパッケージに作り方や分量が書かれているはずなので、詳しくはそちらに従ってほしい。先に計量カップなどでセスキ水を作り、あとからスプレーボトルに移してもよい。その場合は漏斗があると便利だ。

アロマオイルを混ぜてもよい

お好みのアロマオイル(精油)があれば、セスキ水に数滴混ぜてみるのもおすすめだ。セスキ水自体は無臭なので香りを楽しむことができる。ただし混ぜ過ぎは強烈なにおいの元になってしまうため数滴ずつ、においの強さを確認しながら混ぜるのがコツだ。

5. セスキ水を使った掃除方法

それでは、セスキ水を掃除に使う方法を紹介していこう。

コンロ周りの油汚れの掃除方法

油汚れといえばコンロ周りだろう。スプレーボトルに作ったセスキ水をスプレーし、乾いた布やキッチンペーパーで拭き取ってみよう。このとき少し待つのがポイントだ。セスキ水が油を浮かせてくれる。強くこする必要はないが、一度で落ちにくい場合はスプレーしたのちキッチンペーパーで覆い、その上から再度スプレーして数分待つなどすれば落ちやすくなる。キレイになったら別の雑巾や布、キッチンペーパーなどで水拭きと乾拭きをして仕上げよう。

換気扇や壁の油汚れの掃除方法

キッチンの換気扇や壁にも油汚れが溜まる。コンロ周りと同じようにセスキ水をスプレーし、汚れが浮いてきた頃合いを見計らって拭き取ろう。頑固な汚れはセスキ水を含ませたキッチンペーパーを貼り付け、数分待ってから落とそう。同じく最後は水拭きと乾拭きで仕上げよう。

壁のスイッチなどの皮脂汚れの掃除方法

壁のスイッチやフローリング、ドアノブやリモコン、インターホンなどに付着した皮脂や垢汚れも同じ方法で落とせる。セスキ水を直接スプレーできない場所には、布またはキッチンペーパーにセスキ水を含ませて拭くだけでよい。

トイレや浴室の皮脂や垢汚れの掃除方法

水垢や尿石といったアルカリ性の汚れには効果が期待できないが、トイレの便座や床、浴室の壁や床などの皮脂・垢汚れであればセスキ水で落とせるものが多い。基本的な使い方は同じなので上記を参考にしてほしい。

布製品や生ゴミなどの消臭にも使える

重曹と同じように消臭作用がある。ソファやカーテン、カーペットや衣類など布製品に付着した汗のにおいなどに対して使ってみよう。ただし直接スプレーすると成分が残りやすくなるため、セスキ水を含ませた布などでの拭き掃除がよいかもしれない。生ゴミには直接スプレーすればOKだ。

6. セスキ水をより効果的に使うコツ

上述したやり方でも十分汚れを落とせるが、なかなか落ちない頑固な汚れなどには次のような使い方もある。

セスキ水の濃度を高める

セスキ水の濃度を倍にしてみよう。具体的には水500mlに対して小さじ2〜4杯程度だ。ただし濃すぎるとベタベタするため、拭き掃除のあとはしっかり水拭きと乾拭きをして仕上げよう。

水ではなくお湯で溶かす

水道水ではなくお湯で溶かしたセスキ水を使うのもおすすめだ。油はお湯でふやけるため落としやすくなる。五徳などの頑固な油汚れは、桶にお湯で溶いたセスキ水を作り1〜2時間つけ置きしてから洗い流す方法もおすすめだ。

パックする

セスキ水は液体のため角度があると流れ落ちてしまう。壁や換気扇などを掃除する際は、キッチンペーパーに含ませて貼り付けるなどしよう。蒸発を防ぐため、その上からさらにラップでパックをするといった方法もある。

7. セスキ水を洗濯に使う方法

続いて、洗濯にセスキ水を使う方法を紹介しよう。

洗濯機に

セスキ炭酸ソーダは洗濯洗剤代わりになる。分量は、水30Lに対して粉末のセスキ炭酸ソーダ大さじ1〜2杯を目安にしよう。頑固な汚れは難しいが、日々の軽度な油や皮脂、垢などの汚れなら落とせる場合がある。

つけ置き洗いに

軽度の汗ジミや血液汚れなどは、ぬるま湯をはった桶に大さじ1〜2杯のセスキ炭酸ソーダを溶かして3時間ほどつけ置きしてみよう。その後、もみ洗いして洗濯機で洗濯すればキレイに落ちる。

部分汚れに

スプレーボトルに作ったセスキ水を、襟や袖などの皮脂汚れに直接スプレーする。しばらく放置したのち、ブラシなどで軽くこすってからいつものように洗濯をすれば効果的だ。頑固な皮脂汚れなどは、洗剤の原液をつけてもみ洗いしてから洗濯機で回すとより落ちやすくなる。

洗濯槽の掃除に

洗濯槽のごく軽度の汚れであれば、セスキ炭酸ソーダで落とせる場合がある。洗濯槽にぬるま湯を溜め、セスキ炭酸ソーダを溶かしてセスキ水にする。そのまま洗濯機を回し、浮いてきた汚れを除去するといった方法だ。ただししばらく洗浄していない洗濯槽などは、裏側に黒カビがびっしりということもある。その場合はセスキ炭酸ソーダではなく、市販の塩素系クリーナーを使って一掃しよう。

8. セスキ水で落とせない汚れはどうする?

先述したようにセスキ水にも苦手な汚れがある。セスキ水を使っても落としきれない汚れは、以下の方法を試してみよう。

衣類のシミ

セスキ水で落ちない汚れには、より強力な漂白剤を使おう。白物なら塩素系、色柄物なら酸素系漂白剤などがある。それでも落ちない頑固なシミの場合は、クリーニング店などプロに相談することをおすすめする。

水垢汚れ

水垢はアルカリ性なのでセスキ水では落ちない。この場合はクエン酸を使おう。クエン酸は重曹やセスキ炭酸ソーダと同様にドラッグストアなどで簡単に手に入る。水に適量溶かして水溶液を作り、水垢にスプレーして浮かせたのちスポンジでこすり洗いをしよう。

畳やカーペットのシミ

水で薄めた酢を布に含ませ、シミに押し当てながら拭いていく。濃度は、マグカップに水を8割程度、酢を1滴程度が目安だ。ただし酢のにおいが残るため、気になる方は控えるか入念に水拭きと乾拭きをして仕上げよう。

焦げつき汚れ

頑固な焦げつき汚れには、酸素系漂白剤の主成分にもなっている過炭酸ナトリウムがおすすめだ。桶にお湯をはって過炭酸ナトリウムを適量溶かし、五徳をつけ置きして焦げつきをふやかす。あとは、たわしなどでこすり洗いすればキレイに落ちる。

9. セスキ水を使う際の注意点

セスキ水を掃除や洗濯で使う方法を解説する前に、注意点をお伝えする。

使えない素材がある

水が使えない素材(革製品・畳・カーペット・白木・天然石など)や、アルミあるいは銅といった素材にはセスキ水が使えない。変色したりシミになったりするため、うっかり使ってしまわないように注意しよう。コーティングが剥がれてしまうおそれがあるため、ワックスがけされているフローリングに使うのも控えたほうが無難だ。

衣類の素材や洗濯表示を確認する

麻やウール、化繊混紡などつけ置きに向かない素材などがあるため、洗濯に使う場合は衣類の素材や洗濯表示を忘れずにチェックしておこう。また素材によっては色落ちするおそれがある。使用を控えるか、目立たない部分で試してからにしよう。

ゴム手袋を着用する

セスキ水は環境や人体に優しいとはいえ、液性は弱アルカリ性だ。直接触れると刺激を受ける場合がある。肌の弱い方が掃除や洗濯でセスキ水を使う場合はとくに、念のためゴム手袋を着用することをおすすめする。

10. セスキ水の保存方法

セスキ水の保存についても触れておこう。

保存はせず、使い切る分だけを作るのが基本

セスキ水はセスキ炭酸ソーダを水で溶いたものである。セスキ炭酸ソーダ自体は常温で長期保存できるものの、水は腐敗してしまう。そのため一度に使い切れる分だけセスキ水を作るようにしよう。面倒かもしれないが、なくなったら簡単に作れるので作り過ぎは控えたほうがよいだろう。

余ったときは1週間を目安に使い切る

それでもセスキ水が余ってしまうことがある。この場合は1週間を目安にできるだけ早く使い切るようにしよう。

11. セスキ水や重曹・クエン酸はうまく使い分けよう

汚れ落としの基本は「いかに効率よく中和させられるか」である。酸性の汚れにはアルカリ性を、アルカリ性の汚れには酸性を使えば中和される。セスキ炭酸ソーダや重曹といったアルカリ性のアイテムと、酸性アイテムであるクエン酸を上手に使い分けることができれば、家中のいろいろな汚れを効率よく落とせるようになるだろう。

結論

セスキ水は掃除にも洗濯にも使える、環境や人体に優しい便利なアイテムだ。セスキ水の正しい知識を身につけ、ぜひ日々の掃除や洗濯に取り入れてほしい。セスキ水とあわせてクエン酸を用意しておくと、水垢などアルカリ性の汚れも落とせるので効率的だ。
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  • 公開日:

    2019年12月31日

  • 更新日:

    2021年2月12日

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