目次
1. メラミンスポンジとは?

まずはメラミンスポンジがどういったものなのか、基本的なところから解説しよう。
メラミンフォームでできたスポンジ
メラミン樹脂が原料の「メラミンフォーム」と呼ばれる軟質フォームから作られるスポンジがメラミンスポンジだ。見た目は白く弾力があり非常に軽い。代表的な商品では、株式会社レックの「激落ちくん」が挙げられる。洗剤を使わなくても、水に濡らすだけで汚れを落とせるのが特徴だ。軽くこするだけで頑固な汚れを落とせるため、多くのご家庭や学校などで愛用されている。
水だけで汚れが落ちる理由
メラミンスポンジは、普通のスポンジのように表面で汚れを落とすのではなく、汚れそのものを削り取っている。原料となるメラミン樹脂は熱を加えると硬化する「熱硬化性樹脂」で、もとから非常に硬い。そのメラミン樹脂を発泡して作ったメラミンスポンジは、触ってみるとやわらかいが実は硬く、細かい網目が数多く存在する。網目が研磨剤の役割を果たし、汚れを削り取っているのだ。詳しくは後述するが、そうした特性から傷つきやすい場所やコーティング加工が施された場所には用いないほうがよい。
メラミンスポンジの魅力とは?
なんといっても洗剤が不要という点だ。まるで消しゴムで汚れを消すような感覚で使える。使いやすい形や大きさにハサミや手で簡単に切れるのも魅力のひとつだろう。通常のスポンジサイズから、ミシン目が入っており小さく切り取って使えるものまでさまざまあるほか、使うと黒ずんだり小さくなったりするため替えどきが分かりやすい。100均で手に入るなど、安価で気軽に使い捨てられる点も魅力だろう。
2. メラミンスポンジで落とせる汚れ、使える素材

メラミンスポンジを正しく使うための知識を身につけよう。
落とせる汚れ
- 水垢汚れ
- 油汚れ
- 黄ばみや黒ずみ
- 土汚れ など
キッチンや洗面台、浴室やトイレなど水回りにつきものの水垢はメラミンスポンジが得意な汚れだ。そのほか換気扇やコンロ周り、電子レンジ庫内の油汚れ、食器やグラスに付着した黄ばみ・黒ずみなどの汚れもメラミンスポンジで落とせる。玄関のたたき(靴を脱ぐ場所)などの土・泥といった汚れを落とすのにも向いている。
使用に適した場所
- コーティングされていない鏡
- 窓ガラスやグラス
- 水栓や蛇口などのメッキ素材
- 急須や湯呑み
- 陶磁器やホーロー
- 光沢のないプラスチック
- コンロや換気扇
- 玄関やキッチンのタイル
- 電子レンジ、炊飯器の外側
- 掃除機や冷蔵庫の外側 など
こうした場所や素材であれば、基本的にメラミンスポンジが使える。逆に、使わないほうがよいのは次のような場所や素材だ。
3. メラミンスポンジが使えない場所、素材

メラミンスポンジは汚れを削り落としている。そのため次のような場所や素材は避けたほうがよいだろう。
メラミンスポンジが適さない場所・素材
樹脂製の浴槽、ワックスなどが塗られたフローリング材、曇り止めコーティングされている鏡、ホワイトボードなどはNGだ。また塗装された部分や、光沢がある金属およびプラスチック、漆器および陶器、車のボディーやガラスなども使わないほうがよい。そのほか、吸水性のあるもの(木製家具など)への使用も控えたほうがよいだろう。
皮膚や歯などもNG
ホワイトニングのつもりで、メラミンスポンジで歯をこするのは絶対にやめよう。歯の表面のエナメル質が削られ歯がダメージを受けるためだ。ヒトに限らず犬や猫などの歯も同様である。またメラミンスポンジで皮膚をこすると、傷ついたり炎症を起こして赤く腫れたりするおそれがある。こうした使い方はくれぐれもしないようにしよう。
商品説明を必ずチェックする
商品によって使える場所や素材が異なる場合がある。使用前に、メラミンスポンジの商品パッケージで使える場所や素材を確認すると同時に、掃除するアイテムの取扱説明書なども確認しておくとより安心だ。
4. メラミンスポンジの正しい使い方

注意点までご理解いただいたところで、いよいよ正しい使い方を紹介しよう。
1.使いやすい大きさに切る
シンクなど広いところを掃除するなら大きめに、カップや湯呑みを洗うなら指でつまめる大きさにするなど、まずは場所やモノに合わせて使いやすい大きさ・形に切ろう。切るのが手間であれば、最初からサイコロ状になっているものを買うとよい。
2.たっぷりの水を含ませる
軽く濡らす程度ではなく、たっぷりと水を含ませることが大切なので覚えておこう。水分が足りないと素材を予想以上に傷つけてしまうおそれがあるため気をつけてほしい。全体にたっぷり水を含ませたら、ほんの軽く絞る程度でよい。
3.汚れをこする
十分に濡らしたら、あとは汚れが気になるところを軽くこすりながら落としていこう。上述のようにメラミンスポンジは研磨剤のような機能を持つ。そのため力を入れず軽く拭くといったイメージで使うのが正解だ。
4.水気を拭き取る
メラミンスポンジで掃除した場所は、小さなカスが残る。それに水で濡れているためそのまま放置すると水垢になってしまうおそれがある。忘れずに湿ったタオルで拭き取る、もしくは乾拭きするようにしよう。
【番外編】重曹との合わせワザもある
ガンコな油汚れを落とすなら、重曹と一緒に使う方法もある。たっぷり水を含ませたメラミンスポンジに粉末の重曹を適量ふりかけ、優しく油汚れをこすってみよう。重曹はアルカリ性のため酸性の汚れを落とすのに向いている。それに粉末の重曹が研磨剤代わりになり、より強力に油汚れを落としてくれるはずだ。重曹を使ったあとは、必ず十分に水拭き(流せれば水を流す)をして、乾いた布などで拭きあげよう。
5. メラミンスポンジ使用後は手を洗うこと

メラミンスポンジで掃除したあとは、汚れや残った水分を拭き取るとともに、手を洗うことも忘れないでほしい。
肌荒れを招くことがある
お伝えしているように、メラミンスポンジはやすりやタワシと同じく研磨剤としての機能を持つ。そのため素手で触ったあとそのままにすると、肌荒れを招くおそれがある。必ず手を洗い、保湿するなどしておこう。あるいは、最初からゴム手袋を装着してメラミンスポンジを使うなど、そもそも手に触れないように工夫するのもよいだろう。
6. メラミンスポンジの選び方

ひと口にメラミンスポンジといっても、各メーカーからさまざまな商品が発売されているため、いざ選ぼうとすると迷ってしまうかもしれない。そんなときは、次のポイントに着目して絞り込んでいこう。
使いやすいサイズかどうか
普通のスポンジのような長方形のものと、ミシン目が入っていて小さくちぎって使えるものなどがある。どういった場所やモノに使いたいかを考え、適したサイズのものを選ぼう。
汚れが落ちるかどうか
同じメラミンスポンジでも商品によっては期待外れということも考えられる。こればかりは使ってみないと分からないが、口コミがあればどういった汚れを落とせたか、傷つくといったトラブルはなかったかなど事前にチェックできるだろう。周りに使っている方がいれば聞いてみるのもおすすめだ。
コスパはどうか
安いに越したことはないが、すぐにボロボロになってしまうなどして1箇所に2個も3個も使っていては逆にコスパが悪い。高ければよいというものでもないが、いろいろなメーカーのメラミンスポンジを使い比べてみるというのも必要だろう。
7. おすすめのメラミンスポンジ3選

最後に、おすすめのメラミンスポンジを3選紹介しよう。
アズマ工業「メラミンスポンジ おそうじ消しゴムJUMBO」
某文房具メーカーの消しゴムを彷彿とさせるデザインのメラミンスポンジだ。耐久性が高くボロボロになりにくい。ジャンボは14×30×4cmだが、カッターなどで手軽に切れる。
レック「激落ちくん ポイポイ」
おなじみレックの激落ちくんシリーズから紹介するのはこちらだ。1個4.5×2×2.9cmという使い切りサイズにカット済みのメラミンスポンジが、20カット×2個セットになっている。
3M(スリーエム)「スコッチブライト バスシャイン 波型メラミンスポンジ」
こちらは、手にフィットしやすい波型のデザインのメラミンスポンジである。浴槽のカーブなどにピッタリ合ううえ、タオルバーなどに引っ掛けられて水切れがよいのも特徴だ。
結論
メラミンスポンジは洗剤を使わなくても水垢や油などガンコな汚れを落とせる便利なアイテムだ。だが汚れを「削り落としている」ため、使える素材と使えない素材があるということをしっかり覚えておこう。特徴さえ正しく理解していれば、日々の掃除に大いに役立つはずだ。