1. 話題のエアコンハンガーとは?
エアコンハンガーとは、既設のエアコンを利用して取り付けることができるハンガーである。部屋干しの際、干す場所に困る方も多いだろう。エアコンハンガーは吹き出し口の目の前に洗濯物を干せるため、効率よく風を当てることができる。デッドスペースになりがちなエアコン直下の空間が、あっという間に部屋干しに最適な「物干し場」に早変わりするという画期的なアイテムだ。
2. エアコンハンガーのメリット
スグレモノのエアコンハンガーだが、メリット・デメリットがある。買ってから後悔しないよう、ある程度は把握しておいたほうがよいだろう。まずはメリットから解説する。
洗濯物を速く乾かせる
エアコンの吹き出し口の目の前に洗濯物を干せるため、風を効率よく当てることができる。その分、ただ部屋に干すよりも速く乾かせる。
生乾きのにおいの発生を防げる
部屋干しをしたときの生乾きのにおいは、濡れたままの状態が長く続いたことによる雑菌の繁殖が原因だ。部屋干し用洗剤や柔軟剤を使うなどしてある程度は防げるものの、時間が経てばやはりあのにおいが生じてしまう。エアコンハンガーでを使って短時間で乾かすことは、生乾きのにおいの発生を防ぐことにもつながる。
天候や時間に関わらず洗濯物が干せる
雨の日や風が強い日、深夜や早朝など外に洗濯物を干せない(干しにくい)状況であっても、エアコンハンガーがあれば安心して干せる。明日どうしても着たい服があるという場合、夜洗濯して朝までに乾かすといったことも可能になるだろう。
紫外線によるダメージを回避できる
紫外線には殺菌効果も期待できるが、素材によっては変色・退色といったリスクもある。エアコンハンガーで効率よく部屋干しできるようになれば、大切な衣類をそうしたリスクから守ることができるだろう。
花粉やPM2.5を気にせず洗濯物が干せる
花粉の季節に外に干してしまうと、洗濯物に花粉が付着してしまう。PM2.5といった有害物質や黄砂が気になるときなども、エアコンハンガーがあれば安心して部屋干しできる。
スペースを有効活用できる
エアコンハンガーを使うことでエアコン下、それも吹き出し口の目の前というスペースを生かせるのも大きなメリットだろう。
賃貸にも設置できてコスパも高い
組み立てが簡単で、エアコンハンガーそのものも軽いので設置や取り外しが容易にできる。壁に穴を開けるといったこともないため、賃貸物件にお住まいの方も安心だ。使わないときは折りたたんでコンパクトにできるなどさまざまなメリットがある。それでいて数千円程度というコスパの高さも魅力だ。
3. エアコンハンガーのデメリット
一方、エアコンハンガーのデメリットとしては次のようなことが挙げられる。
大量には干せない
エアコンの横幅より少し大きい程度なので、ベランダの物干し竿のように一度に大量の洗濯物を干すことはできない。
大物や重い洗濯物は干せない
商品によって異なるが、耐荷重は5kg程度が目安となる。オーバーすれば破損などのリスクがあるため、大物や重い洗濯物などは干せないと思ったほうがよいだろう。
ずり落ちることがある
しっかり固定しておかないと、洗濯物の重さなどでずり落ちてしまうこともあるようだ。帰宅したら洗濯物が床に落ちていて全然乾いていなかった、ということもあるかもしれない。
取り付けできないケースもある
詳しくは「注意点」の項目で解説するが、エアコンの設置場所やエアコン周囲の状態によっては、取り付けできないケースもある。購入する前によく確かめておくことが大切だ。
エアコンの効きが悪くなることがある
吹き出し口の目の前に洗濯物が掛かっているため、空気がうまく循環しなくなるおそれがある。温度を下げたい・上げたいといったときに邪魔になるかもしれない。
エアコンの電気代がかかる
エアコンを使わなければ問題ないが、エアコンハンガーを使う目的が速乾であればエアコンを使うことになるはずだ。当然、その分の電気代がかかる。
4. エアコンハンガーの取り付け方
商品によってやや異なるものの、基本的にエアコンハンガーは誰でも手軽に取り付けができる。
エアコンハンガーの取り付け方法
エアコンハンガー本体の保持板(引っ掛け)部分を、エアコンの天板の背面側と壁との隙間などに挟んで固定する。次にエアコンのサイズに合わせて伸縮させ、最後にネジを締めて固定する。これだけなので難しいことはないはずだ。ただし取り付け方や使用方法にいくつか注意点がある。
5. エアコンハンガーの取り付けや使用上の注意点
先ほど取り付けできないケースがあるとお伝えしたが、それについて詳しく解説しよう。
エアコンハンガーが取り付けられないケース
- エアコンのすぐ下に窓がある
- エアコンが壁の奥まった場所に設置されている
- エアコンと天井との隙間がわずかしかない
- 「室内機据え置き用タテ桟」を使って設置されているエアコンである など
商品によって異なるが、こうしたケースではエアコンハンガーを取り付けできないおそれがある。選ぶときは、そのエアコンハンガーが取り付けられるサイズか、スペースは十分かなど商品の説明欄で事前に確認しておこう。
エアコンハンガーを使う上での注意点
エアコンハンガーを使用中は「耐荷重」を守ることが大切だ。商品によって異なるが、上述のようにおおよそ5kg前後と思っておこう。過荷重になるとエアコンハンガーが曲がってしまったり、エアコンや壁がダメージを受けたりすることも想定される。選ぶ際は耐荷重も忘れずにチェックするとともに、きちんと守るようにしよう。なお成人1日あたりの洗濯物は1.5kgといわれている。水に濡れて倍になると仮定すると3kgなので、ハンガーの重さも入れて1.5人分がギリギリといったところかもしれない。
6. おすすめのエアコンハンガー3選
続いておすすめのエアコンハンガーを3つ紹介しよう。基本的な使い方や機能、サイズなどに大きな差はないが、伸縮式のものとそうでないものがあるので選ぶ際は注意しよう。
平安伸銅工業「伸縮式エアコンハンガー ACH-2」
80〜109cm幅で調整できるエアコンハンガー。エアコンの両サイドに各6cm以上、上部に5cm以上のスペースがあれば設置できる。本体の重量は1kg、耐荷重は5kgだ。
like-it(吉川国工業所)「速乾ハンガー」
70〜90cm幅で調整可能なエアコンハンガー。横壁や天井とエアコンの間に5cm以上の隙間が必要。耐荷重は同じく5kgだが、重量は750gとより軽量だ。
平安伸銅工業「エアコンハンガー ACH-1」
こちらは非伸縮式のエアコンハンガー。幅89cm、高さ30cmまでのエアコンに取り付けることができる。本体重量は1kg、耐荷重は5kgだ。
7. エアコンハンガーで部屋干しの悩みを解消しよう
話題のエアコンハンガーについて、メリット・デメリットを交えながら詳しく解説してきた。たしかにデメリットもあるし耐久性がどれほどなのかといった疑問も残るが、得られるメリットの多さを考えれば持っていても損はないアイテムではないだろうか?
部屋干しによる生乾きのにおいを防ぐには、いかに速やかに乾かすかが重要である。エアコンハンガーだけでも速乾を目指せるが、サーキュレーターなどとの合わせ技を使えばさらに快適な部屋干しを実現できるだろう。
エアコンハンガーは、天気が悪い日や花粉の時期などはもちろん、防犯上の理由から外に干したくないという方にもおすすめだ。
部屋干しによる生乾きのにおいを防ぐには、いかに速やかに乾かすかが重要である。エアコンハンガーだけでも速乾を目指せるが、サーキュレーターなどとの合わせ技を使えばさらに快適な部屋干しを実現できるだろう。
エアコンハンガーは、天気が悪い日や花粉の時期などはもちろん、防犯上の理由から外に干したくないという方にもおすすめだ。
結論
部屋干しによる生乾きのにおいに悩んでいた方はぜひ、この機にエアコンハンガーを取り入れてみてはいかがだろうか?一度に大量に干せないといった欠点はあるが、1.5人分程度の洗濯物であれば十分乾かせるはずだ。設置できる環境であるかどうかを確認するとともに、いま一度メリット・デメリットを読み直していただき、納得したうえで購入してほしい。