目次
- 1. アルカリ電解水とは
- 2. アルカリ電解水のメリットと使用するにあたっての注意点
- 3. アルカリ電解水を使った掃除方法
- 4. アルカリ電解水の選び方とおすすめ
- 5. アルカリ電解水の代用品「セスキ水」の作り方
- 6. アルカリ電解水の長所・短所を知って効果的に使おう
- 皮革製品
- シルク製品
- 銅
- 漆器
- ニス塗りの家具
- ワックスが塗られた床
- 車の塗装面
- 液晶画面
- 貴金属やガラス
- コーティング加工されたメガネ など
1. アルカリ電解水とは

アルカリ電解水とはどういった性質の「水」なのだろうか?まずは基本的なところから簡単に解説していこう。
アルカリ電解水とは?
水に電気を流す(電気分解する)と「プラスとマイナス(酸性とアルカリ性)」に分かれ、それぞれの電解水ができる。このうちマイナス側にできるのが「アルカリ電解水」だ。100%水由来で、洗剤などに配合されている界面活性剤あるいは添加物などは含まれていない。
重曹やセスキとの違いは「アルカリ性の強さ」
重曹やセスキ(炭酸ソーダ)もアルカリ電解水と同じ「アルカリ性」を示す物質だ。これらはアルカリ性の度合いが異なる。酸性やアルカリ性の強さは「pH」で表すが、具体的には「pH6未満=酸性」「pH6〜8=中性」「pH8超=アルカリ性」となる。
アルカリ性の中でも重曹やセスキはpH8〜9に近い「弱アルカリ性」を示す一方、アルカリ電解水はpH12〜13の「強アルカリ性」である。数値が高いほど洗浄力が強くなるため、アルカリ電解水は重曹(水)やセスキ(水)よりも洗浄力の強いアルカリ性の洗浄液ということになる。
アルカリ電解水には掃除や除菌に効果的
アルカリ性には、酸性の汚れを中和させて落としやすくする力がある。そのためアルカリ電解水は油汚れや皮脂汚れ、手垢など酸性の汚れの掃除に向いている。そのほかO157やサルモネラ菌、ノロウイルスなどの除菌効果も期待できる。
アルカリ電解水はどんなものに使用できる?
アルカリ電解水は身の回りのさまざまなものに使える。たとえばキッチンまわりやテーブル、イス、床やドアのスイッチ、子どものおもちゃや壁などだ。
2. アルカリ電解水のメリットと使用するにあたっての注意点

アルカリ電解水のメリットと使用する際の注意点を解説する。
アルカリ電解水のメリット
水由来で安心して使える
水由来であり、かつ界面活性剤や添加物なども含まれていないため安心して使用できる。
二度拭きが不要
アルカリ電解水は洗剤のように泡立ったり成分が残ったりすることがないため、二度拭きも不要である。
おもちゃやペット用品のお手入れにも使える
洗浄成分などが残らないため、赤ちゃんが口にしそうなおもちゃやペット用品などの除菌にも使用できる。
アルカリ電解水の注意点
皮膚や粘膜に触れないように気をつける
アルカリ電解水は強アルカリ性、一方で人間の皮膚(たんぱく質)は弱酸性である。アルカリ電解水が皮膚に触れるとたんぱく質が分解され、肌荒れといったトラブルを招くおそれがある。そのため使用に際してはゴム手袋を着用し、可能であればゴーグルやメガネなどの保護具も装着しよう。
アルカリ電解水が使用できない場所や素材がある
こうした場所や素材にアルカリ電解水を使うことは控えよう。シミになったりコーティングが剥がれたりするおそれがある。とくに貴金属などは、アルカリ電解水を使うと腐食することもあるため十分注意してほしい。
3. アルカリ電解水を使った掃除方法

アルカリ電解水を使った掃除方法は大きく2つある。直接スプレーする方法と、布やキッチンペーパーなどに含ませて拭く方法だ。
アルカリ電解水を直接スプレーする
ガスコンロやIHプレート、五徳などに直接スプレーして乾拭きすれば油汚れが落とせる。頑固な汚れにはスプレーしてから5分程度放置し、お湯に濡らして固く絞った布で拭いていこう。テーブルを掃除する際もアルカリ電解水を直接スプレーし、乾いた布で拭き取る方法がおすすめだ。
アルカリ電解水を布などに含ませる
パソコンなど電子機器やその周囲、レンジや冷蔵庫の中、子どものおもちゃやリモコン、電気のスイッチやインターホンなどを掃除するときは、アルカリ電解水を含ませた布で拭こう。液だれしてほしくない場所も同様にするとよい。
4. アルカリ電解水の選び方とおすすめ

アルカリ電解水といった商品は数多くあるが、選ぶときにはどんなポイントに着目すればよいのだろうか?おすすめ2選の紹介とあわせてお伝えする。
アルカリ電解水の選び方
アルカリ電解水は水100%なのでどの商品も同じように思えるかもしれないが、アルカリ性の度合いが商品ごとに若干異なる。また製法により残留塩素が含まれていることもある。洗浄力や肌への影響に関わることがあるため、気になる方はアルカリ性の強さや製法なども細かくチェックしてみよう。
おすすめのアルカリ電解水2選
レック「水の激落ちくん」
メラミンスポンジ「激落ちくん」でおなじみのレックのアルカリ電解水。pHは12.5以上の強アルカリ性だ。
商品情報
商品名:水の激落ちくん 詰め替え用 1000ml 大容量 3回分
ケミコート「超電水クリーンシュ!シュ!」
ホテルの厨房清掃などでも使われているアルカリ電解水。pH12.5の強アルカリ性でしっかり汚れを落としてくれる。
商品情報
商品名:ケミコート 電解アルカリ洗浄水 超電水クリーン シュ! シュ! 汚れの落ちる除菌剤 Lボトル(500ml)
5. アルカリ電解水の代用品「セスキ水」の作り方

アルカリ電解水を作るには水を電気分解する装置が必要だ。そのためご家庭で手軽に作るといったことは難しいだろう。加えて上述のようにアルカリ電解水はpH12〜13の強アルカリ性である。洗浄力は強いが肌荒れを招くおそれがあるため、ナチュラルクリーニングとして取り入れるのであれば弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダを使った洗浄液で代用しよう。
アルカリ電解水の代用アイテム「セスキ水」の作り方
用意するものは「水」「空のスプレーボトル」「セスキ炭酸ソーダ」の3つ。水を500ml入れて小さじ1杯のセスキ炭酸ソーダを混ぜ、よく溶かそう。アルカリ電解水よりは洗浄力が劣るかもしれないが、コンロ周りの油汚れや壁のスイッチなどについた皮脂汚れなどは十分落とせるはずだ。
セスキ水は拭き取りが必要
セスキ水は粉末を水に溶かしているため、しっかり拭き取らないと白く残ってしまうことがある。水拭きと乾拭きで仕上げるなどしよう。赤ちゃんのおもちゃやペット用品を除菌する際などは、アルコール除菌スプレーのほうが適しているかもしれない。
6. アルカリ電解水の長所・短所を知って効果的に使おう

アルカリ電解水には「水由来のため安心して使える」「二度拭きが不要」「強アルカリ性で洗浄力に優れている」などのメリットのほか「使えない素材や場所がある」「皮膚や粘膜に触れないようにする」といった注意点もある。掃除や除菌にアルカリ電解水を使用する際は、こうした長所と短所も正しく理解しておくことが大切だ。
結論
アルカリ電解水を使用する際は必ず、パッケージなどで使用方法・注意点・使えるもの・使えないものなどを確認しておこう。またアルカリ電解水ではないが、アルカリ性の洗浄液はセスキ炭酸ソーダのほか重曹でも作れる。洗浄力という点ではアルカリ電解水に劣るが、代用アイテムとして覚えておくとよいだろう。