1. 湿気取りは必要?湿気がもたらす悪影響とは
まずは湿気取りの必要性や、湿気がどういった悪影響をおよぼすのかについて見ていこう。そもそも湿気取りは重要なのだろうか?
2020年の東京都の湿度はどれくらい?
気象庁が発表しているデータ(※1)によれば、2020年の東京都の平均湿度は2月が最低の55%、これに対し6月は82%、7月は89%、8月にいったん下がって76%となるが、9月に再度上昇し83%となっている。この間の平均湿度は82.5%である。湿度の不快指数80〜85は「暑くて汗がでる」といった状態のため、蒸し蒸しした日々が長く続いたことが分かる。
冬場も油断は禁物
夏場は梅雨などがあり湿度が高いと実感しやすいが、気をつけたいのは冬場だ。加湿器と暖房をオンにしたり、洗濯物を部屋の中に干したりすればあっという間に湿度が上がってしまう。近年の住宅は気密性が向上しており、意識して換気しないと湿気がこもってしまうため注意しよう。
湿気取りの必要性
湿気取りをせずにいると、単純に不快というだけでは済まなくなるおそれがある。たとえば窓やドアなどに結露ができたりカビが生えたりする。ダニやチャタテムシ、ヤスデにムカデなど、害虫の発生を招くこともある。とくにカビは、吸い込めばアレルギーの原因になるだけでなく、壁や床など建材の劣化を招く要因にもなる。湿気取りをしてうまく室内の湿度をコントロールする必要性は、健康や住宅を守るうえでも重要であるといえるだろう。
2. 湿気取りをすべき場所とは?
湿気取りをするなら、どこに湿気が溜まりやすいかを把握しておくことが大切だ。
湿気が溜まりやすい場所
- 部屋
- 靴箱
- タンス、衣装ケース
- クローゼット、押入れ
- シンク下
- 布団
- 洗面所
- 脱衣所
- 浴室
- トイレ など
少し考えただけでも、湿気が溜まりやすい場所(=湿気取りにおすすめの場所)はこんなにある。家の造りにもよるが、おおよそこれらの場所は湿気が溜まりやすいと考えてよい。上記以外でも、空気の流れが悪い場所は湿気が溜まりやすいので、湿気取りをする際は覚えておこう。
3. グッズ不要の湿気取り方法
湿気対策を何も行っていない方のために、ご家庭にあるものだけで今すぐできるグッズ不要の湿気取り方法を紹介する。
換気
キッチンの換気扇を回し、窓やドアを開けて換気するというのは基本中の基本だ。クローゼットやシンク下、衣装ケースなどドアというドアをすべてあけて換気するのも立派な湿気取りなのでぜひ実践しよう。クローゼットの衣類などは、一度風通しのよい場所で湿気を抜いてから戻すのもおすすめだ。
新聞紙
新聞紙は湿気取りになる。押入れにスノコを敷いているご家庭などは、そのスノコの下に新聞紙を敷いておけば、衣類の湿気を吸収してくれる。丸めて靴の中に入れるのもおすすめだ。
塩
飲食店などでよく見かけるが、湿気の溜まりやすい場所に盛り塩をしても湿気取り効果が得られる。フライパンなどで乾煎りすると繰り返し使えるなど経済的でもある。
コーヒーの出し殻
コーヒーを淹れたあとの出し殻には消臭効果や湿気取り効果がある。ガラスのビンなどに入れてふたをせず、ガーゼなどの布をかぶせたら輪ゴムで留めるなどし、湿気が気になる場所に置いておこう。
炭
炭の吸湿効果は有名だ。無数にあいた穴が空気中の湿気を吸収してくれる。消臭効果もあるうえ煮沸・天日干しをすれば繰り返し使える。
重曹
重曹も塩と同じように使える。ガラスのビンなどに入れて空気に触れるようにしておこう。湿気を吸収して固くなったら掃除や洗濯に使えるので無駄がない。
珪藻土
近年、その高い吸水性・吸湿性から人気なのが珪藻土だ。あまりに小さなものは劇的な効果は望めないが、靴箱やクローゼット、トイレなどやや狭い空間に置いておけばある程度の湿気取り効果は期待できるだろう。
4. グッズを使った湿気取り方法
続いてグッズを使う湿気取り方法を紹介しよう。上述の方法とあわせて行うとより効果的だ。
除湿剤
除湿剤にはいくつか種類があるが、とくに湿気取り効果が高いのは置くタイプだろう。主成分である塩化カルシウムが空気中の水分を吸収すると、液体に変化する。
除湿マット
敷布団やベットパッドなら、敷くマットタイプの湿気取りがおすすめだ。天日干しで乾燥させて繰り返し使えるためコスパもよい。
除湿シート
クローゼットやタンス、靴箱や衣装ケースなどに設置できる、シートタイプの湿気取りもある。シリカゲルB型と呼ばれる成分が主で、除湿マットのように天日干しで繰り返し使える。
サーキュレーター
窓を少しあけて換気扇を回し、ドアや引き出しを開放したらサーキュレーターをオンにして空気を流してあげるのもよい。湿った床に風をあてれば、直接の湿気取りにもなる。
除湿機
部屋干し・浴室・洗面所などあらゆる場所の湿気取りに向いているのが除湿機だ。強力な除湿機能で、短時間でしっかり乾いた状態にしてくれる。
エアコンのドライ運転
冬場は寒いかもしれないが、夏場であればドライ運転もおすすめだ。サーキュレーターと組み合わせて使えばより効果的である。
布団乾燥機
湿度が高い時期は厚手の布団などが乾きにくい。布団乾燥機を使えば効率よく乾燥させられるだろう。クローゼットや押し入れに直接風を送ることもできるし、アタッチメントを付け替えれば靴を乾燥させられるものもある。
湿気取りに最強の組み合わせは?
除湿剤やシート、サーキュレーターなどさまざまな湿気取りグッズがあるが「除湿」だけに目を向ければ、洗濯物の部屋干しにも高い効果を発揮する除湿機がおすすめだ。ただし導入コストや電気代がかかるといったデメリットもある。どこに湿気対策を講じるか、広さはどれくらいか、時期はいつかなどさまざまな条件によって変わってくる。そのため置く場所や広さ、コスパや捨て方の手軽さなども踏まえてグッズを組み合わせるのが、最強の湿気取り方法といえるだろう。
5. 使い終わった湿気取りグッズの捨て方
湿気取りの中でも特に捨て方に迷うのは置くタイプではないだろうか?そのまま捨ててOKなのか、あるいは特別な捨て方があるのだろうか?
基本的には排水口に流してOK
置くタイプ除湿剤は、空気中の水分を吸収すると塩化カルシウム水溶液に変化する。水溶液は排水口に流して構わないが、成分が残っていると金属がさびてしまうため、蛇口から水を流しながら捨てよう。
ゼリー状に変化するものはルールに則る
湿気取りの中には、液体ではなくゼリー状に変化するものもある。プラスチックゴミとして捨てるなど商品によって捨て方が異なるため注意しよう。また自治体によってもルールが異なる場合がある。必ず、お住まいの自治体のゴミ出しルールと照らし合わせて適切な捨て方をしよう。
6. 湿気取りをより効果的にするコツ
より効果的に湿気取りをするコツをお伝えする。とくに大切なのは湿気取りの置き方だ。
設置場所が重要
湿気は水分を含んでおり重さがある。そのため靴箱に湿気取りを置くなら最下段、押入れなら上の棚と床、引き出しなら衣類よりも下など、置く場所の「下」を意識しよう。加えて空気の循環が悪いところにも湿気が溜まりやすい。部屋に湿気取りを置くなら四隅の床がおすすめだ。
7. おすすめの湿気取りアイテム3選
最後に、湿気取りにおすすめのアイテムを紹介しよう。
テクナード「シリカクリン 激取りMAX超便利マット」
マットタイプの湿気取りで、設置場所に応じて連結したり取り外したりできるなど利便性が高い。吸湿性・消臭性にすぐれ、天日干しで繰り返し使えるシリカゲルを採用している。
オカモト「水とりぞうさん タンクタイプ」
550mlと大容量ながら、商品自体はコンパクトといううれしい湿気取りがこちら。溜まった水を簡単に捨てられる「水捨てシール」を採用するなど、使い勝手も向上している。
エステー「ドライペット スキット」
450ml(温度25℃・湿度80%)と容量はやや劣るものの、それでもコップ2杯以上の吸収量を誇る。衣装ケース用、クローゼット用などラインナップが豊富なのも魅力だ。
結論
湿気取りの必要性やグッズを使わない湿気取りおよび、除湿に便利なおすすめグッズなどを紹介してきた。湿気取りは不快感を和らげ快適に暮らすためだけでなく、健康や住宅を守るうえでも重要だ。置き方のコツやグッズごとの特徴などを含め、その場所に適した湿気対策を施そう。