1. 錆びにくいはずのステンレスが錆びるのはなぜ?

ステンレスが錆びにくいのは被膜のおかげ
ステンレスは鉄にクロム、ニッケルなどを加えて作られた金属だ。本来、鉄は錆びやすい性質だが、クロムとニッケルを加えることで錆びにくくなる。
これはクロムが鉄よりも先に酸素と結合して皮膜(不動態皮膜)を形成するためだ。ニッケルはそれを補助する役割を担っている。
そんなステンレスが錆びてしまうのは、被膜が何らかによって剥がれた、形成できないといった原因が考えられる。具体的に見ていこう。
これはクロムが鉄よりも先に酸素と結合して皮膜(不動態皮膜)を形成するためだ。ニッケルはそれを補助する役割を担っている。
そんなステンレスが錆びてしまうのは、被膜が何らかによって剥がれた、形成できないといった原因が考えられる。具体的に見ていこう。
ステンレスが錆びる4つの原因
- もらい錆び
- 傷ついている
- 汚れ、水分が残っている
- 塩分が付着している
ステンレスは、主にこうした原因で錆びてしまう。たとえば、錆びた包丁をシンクの上に置いたままにすると、錆びがステンレスに移る。これが「もらい錆び」だ。また、シンクに調理器具を落とした際などに傷ができてしまうと、被膜が壊れて水分が入り込み、錆びてしまう。
傷ではなく、汚れや水分が残っている状態でも被膜を形成できないため、錆びやすい状態になる。ステンレスは塩分に対する耐食性(腐食に耐える力)は低くはないが、長い間付着したままでいると、他の金属と同じように錆びてしまう。
傷ではなく、汚れや水分が残っている状態でも被膜を形成できないため、錆びやすい状態になる。ステンレスは塩分に対する耐食性(腐食に耐える力)は低くはないが、長い間付着したままでいると、他の金属と同じように錆びてしまう。
2. ステンレスの錆びを簡単に落とすコツ

ステンレスが錆びてしまったら、まずは次の方法を試してみよう。ここではステンレス=シンクと考えると分かりやすい。
中性洗剤と重曹で落とす
- 中性洗剤(ジョイやキュキュットなど)
- 重曹
- スポンジ
- メラミンスポンジ(なければ普通のスポンジ)
- 乾いた布
中性洗剤をスポンジに含ませ、ステンレス全体の汚れを落としていく。水で洗い流したら布で乾拭きしよう。茶色のような汚れが残っていれば、錆びの可能性が高い。錆びを覆うように重曹を振りかけ、メラミンスポンジでこすり、最後に水で洗い流す。軽い錆びならこれで落ちるはずだ。
3. 頑固なステンレスの錆びの落とし方

錆びが進行すると「赤錆び」となり、簡単には落とせなくなる。中性洗剤や重曹で落とせないステンレスの錆は、次の方法をためしてみよう。
クエン酸水で落とす
桶などに、水200mlに対して小さじ1杯の割合でクエン酸を溶かす。赤錆びは頑固なので少し濃い目に作ってもいいだろう。そのクエン酸水を雑巾に含ませ、赤錆びに被せたらしばらく放置する。その後、水洗いをして落ちていれば完了だ。
衣料用漂白剤(ハイドロハイター)で落とす
ハイドロハイターは衣料用漂白剤だが、赤錆びを落とすのにも使える。錆びに直接振りかけて水を垂らし、メラミンスポンジでこすったら水で洗い流そう。頑固なステンレスの赤錆びもこれで落ちるはずだ。
錆びを落としたら水洗いと乾拭きを
錆びを落としたら、すぐに水でしっかり洗い流し、ステンレスを乾拭きして乾燥させるのを忘れないようにしたい。洗剤が残っていたり濡れていたりすると、被膜が形成されず錆びやすい状態になる。
4. ステンレスの錆びを防ぐ方法

ステンレスの錆びを落としたら、次は錆びないように予防策を講じよう。
ステンレスの錆びを防ぐ方法
- ステンレスに塩分が濃い調味料などが付着したら早めに洗い流す
- ステンレスに塩素系の洗剤を使ったらすぐに水で十分洗い流す
- 包丁や調理器具、缶などは長時間ステンレスの上に置かない
- ステンレスを使い終わったあとは水分をしっかり拭き取る
シンクの例だが、こうしたことに気をつけていればステンレスの錆びはほぼ防げる。あわせて、万が一錆びが発生したときのために、ステンレスにも使用可能な錆び落としアイテムを持っていると便利だろう。
日本研磨工業「ピカールケアー 150g」
柔らかい布に含ませて磨くと、錆びを落とせる。クリーム状で使い勝手がよく、ステンレスに向いている。
アイオン「シンクまわり用ステンレスのサビ・水アカ汚れ落とし」
水で濡らしてこするだけで、ステンレスシンクの錆びが落とせる。水垢も落とせるので普段の掃除にもいいだろう。
結論
ステンレスは錆びにくいが、ちょっとしたきっかけで錆びることは珍しくない。ステンレスの性質を知っておくと効率よく錆びを防げるので、ぜひ覚えておこう。万が一ステンレスが錆びてしまっても、ここで紹介した方法で簡単に落とせるので試してみてほしい。