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黒カビとは?人体への影響や効率的な落とし方、予防策まで徹底解説!

黒カビとは?人体への影響や効率的な落とし方、予防策まで徹底解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年12月23日

黒カビは一度生えると、根を絶たない限りまた生えてきてしまう。胞子が飛散すれば人体にも害が及んだり、別の場所で繁殖を始めたりすることもある。今回は、黒カビを効率よく落とす豆知識や、黒カビを寄せ付けないちょっとしたコツを解説する。

  

1. 黒カビとは?

黒カビ退治は相手を知るところから始まる。せっかく取り除けても再発するおそれもあるため、まずは正しい知識を身につけよう。

深く根を張る厄介なカビ

黒カビは本来土の中にいる菌だが、胞子が非常に軽い。空気中を浮遊して家の中に入ってしまうことも珍しくない。フワフワした白カビとは違い素材に対して深く根を張るのが特徴で、表面だけを取り除いても根が残っていれば再発するおそれがある。そんな黒カビは、次のような条件がそろうと生育・繁殖を始めてしまう。

黒カビが好む環境

  • 室温20〜30℃
  • 湿度70%以上
  • エサが豊富
こうした条件がそろいやすいのは浴室やエアコン、洗濯機などである。また結露が生じている窓の付近、湿ったクローゼットや押入れなどでも条件さえ整えば繁殖する。ちなみにエサとは有機物質やホコリ、汚れなどだ。たとえば浴室に生える黒カビなら石鹸カス・皮脂汚れ・水垢などがエサになってしまう。

2. 黒カビが住居や人体に与える影響

黒カビの放置はよろしくない。住居や人体にどういった影響があるのかを理解しておこう。

黒カビの住居への影響

たとえば壁紙などに発生した黒カビは、放置すると黒いシミ汚れとなって残ってしまい、素人では手に負えなくなるおそれがある。さらに進行すれば素材の奥、つまり壁そのものにまで根を張ることもある。建材の劣化を招き、大掛かりな補修工事が必要になるなどのリスクも生じる。

黒カビの人体への影響

浮遊している黒カビの胞子を吸い込んでしまうと、アレルギーやぜんそくなどを引き起こすことがある。エアコンの吹出し口から大量の胞子が飛んでくれば、人によっては夏型過敏性肺炎などを発症してしまうこともある。黒カビは見つけたら退治すると同時に、繁殖しにくい環境を作ることが大切だ。

3. 黒カビ撃退方法は大きく2種類

黒カビを取り除くにあたって、どういった方法があるかを解説する。用意するアイテムの参考にしてほしい。

塩素系漂白剤を使う

ハイターやカビキラーといった、強力な塩素系漂白剤を使って黒カビを落とすのが基本だ。黒カビに直接塗る・吹きかけるなどし、所定の時間放置して流水でよく洗い流せば根元までしっかり退治できるだろう。ただし素材によっては使えないモノ・場所がある。

アルコール除菌スプレーを使う

塩素系漂白剤が使えない場所・モノにはアルコール除菌スプレーで対応しよう。塩素系漂白剤と比べると効果はどうしても劣るが、それでも除菌力は強い。放置してしまうよりは遥かにマシだ。

手に負えないときは業者に

上記いずれかの方法でも落とせないガンコな黒カビや、広範囲に及んでいる場合、壁の素材の奥深くにまで入り込んで建材がダメージを受けている場合などは業者に依頼しよう。ハウスクリーニングなどでカビ退治してくれる業者を探せるはずだ。放置は悪化を招くだけなので、くれぐれもそのままにしないように気をつけてほしい。

4. 黒カビの落とし方を場所・モノ別に解説

お伝えしたように、黒カビは家のあらゆる場所に発生する。ここでは、とくに黒カビが生えやすい「浴室」「エアコン」「洗濯機」「壁」に分けて、落とし方を解説する。

浴室の黒カビの落とし方

浴室の黒カビには塩素系漂白剤が最適だ。カビキラーなどをスプレーし、しばらく放置してから洗い流せば落ちるだろう。それでも残るガンコな黒カビにはペーストがおすすめだ。洗面器に液体の塩素系漂白剤と片栗粉を入れて混ぜ合わせ、ペースト状にする。黒カビに直接塗り、5分ほど置いてから熱めのシャワーでしっかり洗い流そう。注意点として、ゴム手袋を着用すること、換気しながら行うこと、ペーストは作ったらすぐに使うことを覚えておこう。

エアコンの黒カビの落とし方

エアコンの内部は黒カビが好む環境がそろっている。とくにフィルターの奥にあるフィン(金属の熱交換器)は、手が行き届かず黒カビが生えやすい。ホームセンターなどで専用クリーナーを買って洗い流す方法が一般的だが、それでも完全に落としきれない場合がある。汚れがひどいのであれば最初からハウスクリーニング業者に依頼することも検討しよう。なお、フィンはムリに触れたり外そうとしたりすると、故障の原因になることがあるので注意しよう。

洗濯機の黒カビの落とし方

ゴミすくいネットを用意しておこう。フィルターは外し、40℃程度のぬるま湯を上限水位まで入れる。そこへ重曹を150g(または1カップ)程度混ぜたら「洗い」コースのみで5〜6分ほど回す。黒カビなどの汚れが急速に浮き上がってくるので、最低2〜3時間ほど放置する。ゴミすくいネットで浮いている汚れを取り除いたら再度、洗い・放置・ゴミ取りを繰り返す。フィルターを取り付けて排水・脱水し、最後にもう一度キレイな水で洗いから脱水まで行おう。根気のいる作業だが、黒カビを一気に退治するためにも頑張ってほしい。より手軽に行いたい方は市販の「槽洗浄クリーナー」でもOKだ。

壁の黒カビの落とし方

  • スプレーボトルにお酢と水を1:1で混ぜたもの
  • スプレーボトルに水100mlに対し、重曹小さじ1杯を溶かしたもの
  • アルコール除菌スプレー
  • キレイな雑巾
以上を用意し、まずは黒カビにお酢を吹きつける。こうすることでたんぱく質を含んだ黒カビが取りやすくなる。次に重曹をスプレーし、黒カビのエサとなる汚れを分解する。キレイな雑巾で拭き上げ、最後にアルコール除菌スプレーをかけて乾くのを待てば完了だ。

5. 黒カビ退治における注意点

続いて黒カビを退治する際の注意点もお伝えする。

掃除機や拭き掃除はNG

拭き掃除では黒カビを退治できないだけでなく、ヘタをすれば伸ばしてしまう(範囲を広げてしまう)ことになるためNGだ。また掃除機も根元までは吸い込めないうえ、掃除機の中で繁殖したり排気口から胞子が撒き散らさせたりするおそれがあるため控えよう。

塩素系漂白剤は酸性アイテムと混ぜない

パッケージに書かれているはずだが、塩素系漂白剤は酸性アイテムとは絶対に混ぜてはいけない。人体に有害なガスが発生するためだ。たとえ時間差で使うとしても、液が残っていれば混ざって化学反応を起こすおそれがあるため十分気をつけてほしい。なお酸性アイテムとは洗剤のみならず、酢やクエン酸なども該当するので覚えておこう。

換気をしながら作業する

塩素系漂白剤を使う場合はにおいで気分が悪くならないように、また万が一酸性アイテムと混ざってしまい有害なガスが発生した際も速やかにガスを逃せるように換気をするのが基本だ。

ゴム手袋、メガネなどを装着する

塩素系漂白剤やアルコール除菌スプレーなどによる皮膚への刺激を防ぐため、また黒カビを素手で触ってしまうのを防ぐため、必ずゴム手袋を着用しよう。可能であればメガネやゴーグルなど、粘膜を保護するアイテムも装着するとよい。

天井は薬剤の「垂れ」に要注意

浴室の天井などの黒カビを退治する際、塩素系漂白剤などの薬剤を使うのであれば垂れに注意しよう。保護具を装着するとともに、柄のついたスポンジなどに薬剤を染み込ませて使うのがおすすめだ。

6. カビ取り剤で効率よく落とすための豆知識

カビ取り剤を使って黒カビを落とす際、ちょっとしたコツを知っていると効率がよい。

素材が乾いた状態で使う

黒カビやその周辺が湿っていると、カビ取り剤が薄くなる・密着しなくなることがある。黒カビや周辺の素材が乾いている状態で使おう。

ゴシゴシこすらない

とくに浴室のシリコンパッキンやタイルの目地など、ゴシゴシこすりたくなるかもしれないが、逆に黒カビが奥に入り込んでしまうことがある。薬剤は黒カビに定着してこそ効力を発揮する。こすることはせず、所定の時間放置したら熱いシャワーで洗い流すに留めよう。

キッチンペーパーやラップでパックする

黒カビには、カビ取り剤をしっかり密着させることが大切だ。カビ取り剤の上からキッチンペーパーやラップでパックをし、流れないようにするのも効率よく落とすコツなので覚えておこう。

7. 黒カビを予防するための心がけ

黒カビを撃退したら、寄せ付けないために次のことを心がけよう。

湿度をうまくコントロールする

浴室や洗濯機など、湿気の溜まりやすい場所は黒カビが発生しやすい。浴室は24時間換気する、洗濯槽は使わないときもふたを開けるなどし、低湿度の環境を保とう。気密性の高い室内も、油断すると湿度が高くなる。適度な換気、エアコンのドライ機能、除湿機やサーキュレーターを使うなどして、黒カビが生育しにくい湿度(50%程度)を保てるように心がけたい。

エサとなるホコリを溜めない

湿度のコントロールとあわせて大切なのが、黒カビのエサとなるホコリを溜めないような日頃の掃除だ。毎日大掃除のように隅々まで行う必要はないが、湿気が溜まりそうな場所、ホコリが溜まりやすい場所などを把握しておき、こまめに掃除するとよいだろう。

エアコンは送風機能を活用する

エアコンのフィルターはこまめに掃除することだ。とくに夏や冬は2週に1回を目安に掃除しよう。またエアコンを使用したら、最低でも30分ほど送風機能で内部の湿度を下げておくと黒カビ防止につながる。

水気は拭き取る、アルコール除菌スプレーを活用する

浴室などの水気は拭き取っておくこと、黒カビが生えそうな場所にはアルコール除菌スプレーをかけておくことなど、ちょっとしたことも黒カビ対策になる。

8. 黒カビ退治におすすめのアイテム3選

最後に、黒カビ退治におすすめのアイテムを紹介しよう。

LION「おふろの防カビくん煙剤」

2カ月に1回、くん煙剤を使っておけば除菌&黒カビ予防ができるというアイテムだ。すでに黒カビが生えている場合でも、退治する前に使える。

アース製薬「らくハピ 水まわりの防カビスプレー」

水回りにスプレーするだけという手軽さがうれしい防カビ剤だ。濡れている場所、汚れている場所などへ使用しても効果があるという。

SCジョンソン「カビキラー」

黒カビといえばカビキラーだろう。直接スプレーして5分ほど放置し、あとは洗い流すだけでOKだだ。ゴムパッキン用などもある。

結論

黒カビの胞子は空気中を浮遊する。完全に防ぐことはできないが、できた黒カビは早めに退治したい。あわせて、黒カビが繁殖しにくい環境を作ることも大切だ。湿度はコントロールできるし、汚れも掃除で取り除ける。日々のちょっとした心がけで黒カビを防ごう。
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  • 公開日:

    2020年1月14日

  • 更新日:

    2021年12月23日

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