目次
1. 服にカビが生える原因

去年買ったダウンジャケットを着ようと思い、久しぶりにクローゼットから出したらカビが生えていたという経験をした方も多いのではないだろうか?なぜ服にカビが生えるのか原因から考えていこう。
カビの原因
カビは適度な温度と湿度、そしてホコリや汚れといった養分があれば生育し繁殖する。服も例外ではない。服を保管するクローゼットやタンス、衣装ケースは通気性がよくないことが多い。空気の流れが滞ると、温度が高くなったり湿気が溜まったりする。そのうえ繊維に付着したホコリや皮脂汚れ、汗などはカビの養分になる。通気性が悪く湿度が溜まる場所に保管した服は、カビの繁殖に格好の場所という訳だ。
2. 服に生えるカビの種類と特徴

服に生えるカビは大きく2種類ある。「白カビ」と「黒カビ」だ。それぞれ、どういったカビなのか特徴を解説する。
白カビとは
まるでホコリのように、服の表面に現れるのが白カビだ。不衛生だし気持ち悪いことに変わりはないが、実は意外と落としやすいのでそこまで悲観しなくてもよいだろう。
黒カビとは
繊維に深く根を張るのが黒カビで、シミのように見えることもある。ガンコなので簡単には落とせず、クリーニングに出そうにも断られてしまうことすらある。
3. 服の白カビの落とし方

服に生えるカビの種類別に落とし方を解説しよう。まずは白カビからだ。
必要なモノ
- 酸素系漂白剤(衣料用、液体)
- アルコール(消毒用エタノール/アルコール除菌スプレーなど)
- マスク
以上を準備しよう。漂白剤は塩素系ではなく、色柄物の服にも使える酸素系がおすすめだ。
白カビの落とし方
- マスクを着用し、服を屋外で振り払ったりはたいたりしてカビを落とす
- アルコールをたっぷり吹きつけて除菌する
- 乾いたら洗濯機に入れ、酸素系漂白剤と洗濯洗剤で洗う
- 風通しのよい場所で乾ききるまでしっかり乾燥させれば完了
白カビは黒カビのように素材に深く根を張るものではないため、多くはこの手順でキレイになるはずだ。続いて、黒カビの落とし方を見ていこう。
4. 服の黒カビの落とし方

こちらは少々やっかいなカビなので、用意するアイテムや手順が増える。
必要なモノ
- 酸素系漂白剤(衣料用、液体)
- アルコール(消毒用エタノール/アルコール除菌スプレーなど)
- マスク
- 洗濯桶(なければシンクでもOK)
- 綿棒
- 炊事用ゴム手袋
- 50℃以上のお湯
黒カビの落とし方
- 酸素系漂白剤を綿棒に含ませてカビに直接塗る
- お湯に酸素系漂白剤を混ぜて溶かす
- 服を浸す
- 30分おきに汚れの落ち具合を確認しながら、最長2時間浸け置きする
- カビが落ちていたら流水でよくすすぐ
- 酸素系漂白剤と洗濯洗剤で洗う
- 風通しのよい場所で乾ききるまでしっかり乾燥させれば完了
綿棒で塗る際は一箇所ずつ丁寧に行おう。またお湯に溶かす酸素系漂白剤は、パッケージに書かれている分量を目安にしてほしい。なお、お湯を使うのは酸素系漂白剤の洗浄力をアップさせるためだが、熱いお湯は服の素材にダメージを与えるおそれがある。そのため普段の洗濯にお湯を使うのは控えたほうがよいだろう。
5. 革製品のカビには重曹が有効

革製品に発生した白カビの落とし方も伝授しておく。
用意するモノ
- 重曹(粉末)
- 柔らかめのキレイな布(3枚)
- 水
- 小皿
酸素系漂白剤が使用できない革ジャンなどにできた白カビには重曹が有効だ。小皿に重曹と水を3:1の割合で混ぜてペーストを作っておこう。
革製品の白カビの落とし方
- 布にペーストをとる
- カビを拭きながら取り除く
- 2枚目の布を水に濡らして固く絞り、水拭きをする
- 3枚目の布で乾拭きをする
- 風通しのよい場所でしっかり乾燥させれば完了
重曹は研磨作用があるため、ゴシゴシ擦ると傷つくおそれがある。優しく拭き取るように塗るようにしよう。また重曹が残っていると白っぽくなってしまうため、水拭きと乾拭きで入念に拭き取ることも忘れないでほしい。
6. 服のカビを落とす際の注意点

服のカビ取りをするにあたって、いくつか注意点があるので覚えておこう。
擦らない
擦るとカビが広がってしまうおそれがある。とくに黒カビは、擦ることで服の繊維の奥に入り込んでしまうため注意しよう。
皮膚や粘膜を保護する
胞子を吸い込んだり付着したり、洗剤で皮膚が荒れたりするのを防ぐためにもマスクは必須だ。加えて炊事用のゴム手袋やゴーグル、メガネなどがあるとよい。
換気をしながら作業にあたる
胞子が舞ってしまうおそれがあるため、室内で作業する際は換気扇を回して窓を開けるなど、通気性を確保した状態で行おう。
塩素系と酸素系は混ぜない
服のカビ取りで両者を使うケースはまずないはずだが、塩素系と酸性系のアイテムが混ざると有害なガスが発生して危険だ。万が一使うような場合は、絶対に混ぜないようにしてほしい。
7. 捨てる?着る?服のカビが落ちないときは?

服についたガンコな黒カビは、プロによるクリーニングでも根こそぎ退治するのが困難といわれている。それだけ服の繊維にしっかり根付いてしまったということだろう。
最後の砦はクリーニング
まずは、自分でカビを落とせるか先ほどの方法で試してみてほしい。それでも残るようなら、クリーニング店に服を持ち込んで相談しよう。プロに断られてしまったら、残念ながら捨てたほうがよいかもしれない。そのまま放置すると生き残ったカビが胞子を飛ばし、別の場所に根付いてしまうことがあるためだ。なにより、カビが取れていない服を着ることになってしまう。
ただしカビをごく早期に発見できれば、クリーニングで除去できることもある。クローゼットなどに眠っている服があり、いずれ着ようと思っているのであれば、一度様子を見ておくことをおすすめする。
ただしカビをごく早期に発見できれば、クリーニングで除去できることもある。クローゼットなどに眠っている服があり、いずれ着ようと思っているのであれば、一度様子を見ておくことをおすすめする。
8. 服のカビを予防するための心得とは

服のカビがキレイに取れたら、次は再発させないことが重要だ。予防のために心得ておきたいことをお伝えする。
服のカビを防ぐための心得
- 服の保管場所は定期的に換気/掃除する
- タンスや押し入れにはスノコを敷く
- 服を保管する際は詰め込みすぎない
- シーズンオフの服も定期的に陰干しする
- 除湿剤や除湿機を使い湿気が溜まらないようにする
- 汚れたまま保管しない
- クリーニングから返ってきた服は袋から取り出す
こうしたことを心がけておくと、服にカビが生えるリスクを大幅に減らせるはずだ。とくに、除湿剤を使う方法やクローゼットを換気するといった方法は手軽なうえ、カビの生育・繁殖を抑制できるのでぜひ今日からでも実践してほしい。
9. 服のカビ取りに便利なおすすめアイテム

最後に、ひとつ持っていると便利な、服のカビ取りにおすすめのアイテムを紹介する。
花王「ワイドハイター EXパワー(液体タイプ)」
漂白と消臭、除菌と抗菌が同時にできる液体タイプの酸素系漂白剤だ。色柄モノにも使えるので、ひとつ持っておくと普段の洗濯の際にも重宝するだろう。
ビーワンショップ「カビホワイト 衣類のカビ取りスプレー」
商品名通り、服のガンコなカビを強力に除去する洗剤がこちら。服はもちろん、バッグやブーツ、ジャケット、革製品にも使える汎用性の高さも特徴だ。
純閃堂「防カビ侍 アルコールタイプ」
カビ取りをしてキレイになった服を保管する際、シュッとスプレーするとよいアイテムがこちら。6カ月という、業界最長クラスの持続性が特徴だ。
結論
服にカビが生えてしまっても、紹介した方法で落とせる可能性がある。カビを落としたらよく洗い、完全に乾かせばまた同じ服を着ることができるだろう。とはいえ、できればカビを発生させないことだ。大切な服はとくに、カビが生えにくい環境で保管することを心がけよう。