目次
1. 黄砂とは?飛来する時期や洗濯物に付着するリスクについて

まずは、黄砂についての基礎知識から解説する。
黄砂とは?いつ頃、どこからどこへ飛来する?
はるか遠く、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの砂が風に舞い、日本に飛来してきたものを黄砂(こうさ)と呼んでいる。日本ではおもに春頃に見られるが、2019年は10月30日にも観測されるなど、時期を問わず飛来してくることがある。しかも、黄砂というと西日本に多いイメージがあると思うが、2019年4月5日には盛岡市で観測されている。今や日本のどこに飛来してきてもおかしくはないだろう。
黄砂が飛来すると、ベランダがザラザラしたり、なんとなく空気が濁っているように感じたりする。洗濯物を外干ししているご家庭では、当然ながら洗濯物にも黄砂が付着する。だが、黄砂はできるだけ洗濯物につけさせないようにしたい。その理由は次のとおりだ。
黄砂が飛来すると、ベランダがザラザラしたり、なんとなく空気が濁っているように感じたりする。洗濯物を外干ししているご家庭では、当然ながら洗濯物にも黄砂が付着する。だが、黄砂はできるだけ洗濯物につけさせないようにしたい。その理由は次のとおりだ。
黄砂による人体への影響は?
黄砂という言葉から砂場の砂のようなイメージを持つ方も多いと思うが、粒の大きい黄砂は、重力によって日本に飛来する前に地上に落下する。つまり、より細かい粒の黄砂が日本に飛来してくるという訳だ。PM2.5の濃度にも関係する直径2.5μm(マイクロメートル)以下の粒子も含まれている。
そのため、黄砂はたとえ低濃度であってもアレルギー症状を招いたり、気管支などの呼吸器系に影響を及ぼしたりする可能性も指摘されている。こうした理由から、黄砂はできる限り洗濯物に付着させないようにすることが望ましい。
そのため、黄砂はたとえ低濃度であってもアレルギー症状を招いたり、気管支などの呼吸器系に影響を及ぼしたりする可能性も指摘されている。こうした理由から、黄砂はできる限り洗濯物に付着させないようにすることが望ましい。
2. 洗濯物の黄砂対策は「部屋干し」が基本

洗濯物が汚れるのはもちろんだが、黄砂によるアレルギーのリスクや気管支への影響などを考えると、やはり黄砂が飛来するときは洗濯物の部屋干しをおすすめしたい。
そうすると今度は、部屋干しによる「生乾きのにおい」という問題が浮上する。生乾き臭を防ぐには洗濯物を短時間で乾かすことが大切なので、次で紹介する方法で対処しよう。
そうすると今度は、部屋干しによる「生乾きのにおい」という問題が浮上する。生乾き臭を防ぐには洗濯物を短時間で乾かすことが大切なので、次で紹介する方法で対処しよう。
部屋干しのにおい対策1|エアコンのドライ運転や除湿機を駆使する
エアコンをドライ運転モードで稼働させたり、除湿機を使ったりすることで、部屋の湿気を効率よく除去できる。それによって洗濯物が早く乾きやすくなるだろう。
部屋干しのにおい対策2|サーキュレーターや扇風機で風を送る
サーキュレーターや扇風機で洗濯物に風を送る方法も効果的だ。風通しをよくすることで洗濯物を素早く乾かせる。
部屋干しのにおい対策3|浴室乾燥機やコインランドリーの乾燥機を使う
浴室乾燥機やコインランドリーの乾燥機を使って短時間で乾かせば、生乾きも防げるだろう。ただしデリケートな素材の衣類は、コインランドリーの乾燥機で乾かすのはNGだ。事前に洗濯表示のタグなどでチェックしておきたい。
部屋干しのにおい対策4|部屋干し用洗剤や除菌効果のある柔軟剤を使う
部屋干し用洗剤や除菌・抗菌効果のある柔軟剤を使うのもおすすめだ。生乾き臭のもととなる雑菌の繁殖を抑えられ、においが気になりにくいだろう。
3. 洗濯物を外干ししたいときにできる黄砂対策は?

いくら黄砂を避けるためとはいえ、毎日のように部屋干しするのは大変だ。さらに洗濯物の量によってはどうしても外干ししなければならないこともあるだろう。ここでは、洗濯物を外干ししたいときの黄砂対策アイデアを紹介する。
「洗濯物カバー」を活用しよう
黄砂対策には、「洗濯物カバー」がおすすめだ。ネット通販でも手軽に手に入る洗濯物カバーは、黄砂や花粉などは通しにくいが、洗濯物の水蒸気はしっかり逃してくれるスグレモノだ。さまざまな種類があるので、洗濯物の量やベランダのサイズなどから選んでいこう。なお、黒のカバーは熱を吸収しやすいので、洗濯物が乾くまでの時間を短縮できる可能性もある。
4. 黄砂が洗濯物に付着してしまったときの対処方法は?

黄砂が飛来してくるのを知らずに洗濯物を外干ししてしまった、ということもあるだろう。洗濯物カバーで100%、黄砂を防げるとも限らない。洗濯物に黄砂が付着してしまったときの対処方法は、以下の通りだ。
マスクを着用して軽く「はたく」「振り払う」
洗濯物に黄砂がついてしまったときは、マスクをしたうえで軽くはたくか、洗濯物を振りさばいて黄砂を払ってから取り込もう。
気になるときは軽くすすぐのもおすすめ
濡れた洗濯物に黄砂がついてしまった場合は落としにくいので、すすぎのみで洗濯しなおすのもおすすめだ。
5. 洗濯物以外にできる黄砂対策

前述した通り、黄砂が飛来するシーズンは洗濯物の外干しに気をつけたい。しかしそれ以外にも、黄砂が観測されるときには注意すべきことがある。
帰宅時は玄関前で軽く振り払ってから中へ入る
黄砂が飛来してきた中を歩いていると、アウターなどの衣服に黄砂が付着しやすい。家に入る前には玄関でアウターなどを払い、黄砂を落としておこう。
手洗いやうがいも忘れずに
帰宅したら、手洗いやうがいも忘れずに行おう。たとえ花粉用などのマスクを着用していても、黄砂の粒子は花粉よりも小さいためフィルターを通過してしまう。できれば洗顔も行い、黄砂を完全に洗い流すのがいいだろう。
6. 今日や明日の洗濯物はどうすべき?黄砂情報の調べ方

黄砂が飛来する日は外干しを控えるなどの対策をするためには、黄砂がいつ観測されるか事前に知っておきたい。そのような情報を調べるにはどうすればいいのだろうか?
環境省や気象庁のホームページで確認できる
黄砂のリアルタイムでの観測情報は、気象庁や環境省のホームページで確認できる。気象庁が運営する「黄砂情報」や環境省の「黄砂飛来情報」のページでは、各計測地点での黄砂濃度や観測状況などを調べられる(※1・※2)。春のシーズンはこまめにチェックしておきたい。
7. 黄砂や花粉などが気になるときに便利な洗濯物カバー3選

最後に、黄砂や花粉などが気になるときでも外干ししやすくなる、物干し竿にかけて洗濯物をガードする便利なカバーを3つ紹介しよう。
フォーラル「洗濯物保護カバー 洗濯日和」
表面に梨地(ナシジ)処理を施したフィルムを使用し、黄砂などの付着を軽減するうえ目隠し効果も期待できるカバーだ。両サイドは立体メッシュなので、雨の侵入も防げる。
コジット「雨よけランドリーテント」
撥水加工が施されたカバーで、雨が降っていても洗濯物をしっかりガードできる。下部はメッシュ素材のため風通しもよく、片側が大きく開いた構造で洗濯物を取り込みやすい。
アイリスオーヤマ「洗濯物ガード」
通気性を確保しつつ防水性もある特殊なシートを用いた、黄砂や花粉を通しにくい設計のカバーだ。スナップボタンがついているため、風に飛ばされる心配も少ない。
8. 洗濯物の黄砂対策まとめ

黄砂は粒子が非常に細かいため、アレルギーの症状を招く、呼吸器系に影響を及ぼすなどのリスクが指摘されている。黄砂はできるだけ洗濯物に付着させないようにし、黄砂が飛来してきたときは洗濯物を部屋干しするか、洗濯物カバーを活用して上手に対策しよう。
結論
この記事では洗濯時の黄砂対策について紹介してきた。黄砂が観測される日に外干しはできるだけ控えたいが、「部屋干しではにおいが気になる」という方は、紹介した方法で洗濯物を短時間で乾かせるよう工夫してほしい。
(参考文献)
※1出典:気象庁「黄砂情報」
https://www.data.jma.go.jp/env/kosa/fcst/
※2出典:環境省「黄砂~環境省黄砂飛来情報(ライダー黄砂観測データ提供ページ)」
http://www2.env.go.jp/dss/kosa/index.html