目次
1. 洗濯のりとは

洗濯のりとはどういったアイテムなのか、まずは使い方の前に基礎知識を身につけておこう。
洗濯物をパリッとさせる仕上げ剤
洗濯物をふんわり仕上げる柔軟剤と違い、パリッと仕上げるために使うのが洗濯のりだ。柔軟剤と一緒に使うこともでき、その場合はほどよくふんわり、ほどよくパリッと仕上がる。使い方を覚えれば、いろいろな場面で重宝するアイテムだ。
2. 洗濯のりの効果とメリット・デメリット

洗濯のりを使うことでどんな効果があるのだろうか?メリット・デメリットをまとめたので確認していこう。
洗濯のりの効果とメリット
洗濯のりには「型崩れしにくくなる」「シワ予防になる」「汚れがコーティングと一緒に流れてくれる」といったメリットがある。それにパリっと仕上がるので、アイロンがけが楽になるのもメリットだろう。アイロンが苦手な方や、毎回クリーニングに出す手間とコストを減らしたいと思っていた方などには、とくにおすすめできるアイテムだ。
洗濯のりのデメリットとは?
洗濯のりの効果とメリットを理解し、用途に応じて正しく使えばデメリットはない。強いて挙げるとすれば、洗濯機で洗濯のりを使用したあとは洗濯槽の洗浄が必要になるくらだろう。
3. 洗濯のりの成分

洗濯のりには「合成」「天然」「半合成」がある。それぞれ成分が異なるのでここで簡単に解説しておこう。
合成のり
加工デンプンやポリビニルアルコール(PVA)が主成分の合成洗濯のりは、色々な素材に合うため幅広い使い方ができるうえコスパもよい。洗濯機で使えて汚れが付着しにくいのも特徴だ。ポリ酢酸ビニル(PVAc)は落としにくいといった欠点もあるが、使い勝手からいえば初心者の方はこちらがよいだろう。
天然のり
天然はタピオカやコーンスターチといった、自然由来のデンプンが主成分である。ハリがありパリッと仕上がるうえ落としやすいが、効果の持続力がやや劣るためつける頻度は高くなるだろう。また長期間そのままで保管するとカビが発生することもあるため注意が必要だ。
半合成のり
半合成は両者の「いいとこ取り」をしたようなイメージである。ただし色柄物に使うとマダラになってしまうことがあるため、白物やワイシャツなどへの使用が適している。
4. 洗濯のりの種類

洗濯のりはいくつかの種類がある。上述した成分とともに特徴を把握して、うまく使い分けるのがポイントだ。
ボトルタイプ (乳液、ジェル)
ボトルタイプは、洗濯機や洗濯桶などに直接入れて使うのが一般的だ。袋タイプもあるが、基本的にボトルと同じと考えてよい。全体的にパリッとさせたいときはボトルタイプを選ぼう。
スプレータイプ
スプレータイプは、アイロンがけのタイミングや乾いたあとの洗濯物をパリっとさせたいときに使うのが主な目的である。襟や袖など部分的にパリッとさせたいときはこちらが合う。
5. 洗濯のりの使い方|洗濯機で使う場合

具体的に、洗濯のりはどういった使い方をするのか見ていこう。なおここでは一般的な「合成のり」を例に紹介するが、商品ごとに若干使い方が異なる場合がある。詳しい使い方はパッケージを確認しよう。
洗濯機で使う方法
- 洗濯のりを付けたい衣類を洗濯機に投入する
- いつものように洗剤を入れ、標準コースで洗濯を開始する
- すすぎが終わったところで一時停止する
- 洗濯のりを投入し、全体に広がるようにかき混ぜる
- 脱水が終わったら取り出して干す
洗濯機で洗濯のりを使うときのポイント
洗濯のりは、すすぎの後に投入するのが基本的な使い方だ。分量はパッケージなどで確認してほしい。なお、洗濯のりを付けたくない衣類は一時停止した際に取り出しておこう。また洗濯のりは洗濯槽に直接投入すると覚えておこう。洗剤や柔軟剤の投入口に入れると固まってしまうことがあるので要注意だ。
柔軟剤と同時に使いたいときは?
洗濯のりを柔軟剤と同時に使いたいときは、先に柔軟剤を投入してすすぎまで終わらせ、洗濯機を一時停止させる。次に柔軟剤と同じ分量の洗濯のりを投入してかき混ぜ、3分程度洗濯機を回す。あとは脱水して干せばOKだ。
6. 洗濯のりの使い方|手洗い洗濯で使う場合

続いて、手洗いをする場合の洗濯のりの使い方を見ていこう。同じく一般的な例を紹介するので、詳しい使い方は商品パッケージなどで確認してほしい。
手洗いで使う方法
- 洗濯桶に水をはり、衣類を浸す
- 通常の手洗いと同じように洗剤を混ぜて洗う
- 一度すすぎ、水を入れ替える
- 洗濯のりを適量混ぜ、全体に行き渡らせる
- 3分程度を目安に押し洗いをする
- 再度、軽くすすぐ
- 衣類をバスタオルなどで挟んでタオルドライをしてから干す
手洗いで洗濯のりを使うときのポイント
流れてしまうのを防ぐため、洗濯のりを付けたあとのすすぎは「ごく軽め」にしておこう。なお洗濯せずにのりだけを付けたいというときは、上記3番目の手順から始めればよい。
7. スプレータイプの洗濯のりの使い方

スプレータイプの洗濯のりは使い方が非常に簡単だ。どれほどのものか試してみたいという方は、このタイプから使い始めるのもよいだろう。
乾いたあとの洗濯物に「シュッ」とひと吹きするだけ
乾いたあとの洗濯物の、パリっとさせたい部分やシワを伸ばしたい部分などにシュッとひと吹きしよう。ハンガーに掛けたままでOKだ。ただし床に垂れるとベタつくおそれがあるため、屋外か浴室などで使うとよいだろう。
アイロンをかけるとよりキレイに仕上がる
洗濯のりが乾いたあと、アイロンをかけることでよりキレイに仕上がる。湿った状態では焦げてしまうおそれがあるため、必ず乾いてからアイロンがけするのがポイントだ。また温度を上げすぎるのもNGである。同じく焦げを招くおそれがあるため、低温などに設定しよう。
8. 洗濯のりを使う際に注意すべき点は?

洗濯のりの使い方とあわせて覚えておきたい注意点をお伝えする。せっかく正しい使い方を覚えても、ちょっとした油断でトラブルを招きかねないためしっかり覚えておこう。
使ったあとは洗濯槽を洗う
洗濯機で洗濯のりを使ったあとは、洗濯槽の洗浄が必要であるとお伝えした。これは、洗濯のりを使ったあとの洗濯槽にのりが残っていることがあるためだ。固まってしまったり、次回の洗濯物に影響を与えたりすることがあるので、水だけで洗濯機を回して洗浄しよう。
乾燥機ではなく自然乾燥させる
乾燥機にかけてしまうと、中が汚れたりフィルターが詰まったりすることがある。必ず自然乾燥すると覚えておいてほしい。
アイロンは当て布を使用する
洗濯のりが付着した部分にアイロンを直接当てると、熱でのりが溶けてアイロンに付いてしまうことがある。当て布を用意し、低温でアイロンがけすることでそうしたトラブルを防ごう。
洗濯機の取扱説明書を確認する
洗濯のりの使い方について、取扱説明書に注意事項がないか確認してほしい。とくにドラム式洗濯機は機種によって使い方が異なる場合があるため、必ず事前にチェックしておこう。
9. 洗濯のりの選び方

各メーカーからいろいろな洗濯のりが発売されている。同じメーカーでも成分などが異なる商品があるため、選ぶときに迷う方もいるだろう。そんなときは次のポイントに着目してみよう。
「成分」は求める仕上がり具合や素材で決める
ワイシャツなど、クリーニングの仕上がりに近いパリッと感を求めるのであれば天然のりを選ぼう。一方の合成のりは、天然のりと比べてしなやかに仕上がるものが多い。シワを防ぎたい場合はこちらがおすすめだ。
「ジェル」「液体」「スプレー」は用途で決める
ワイシャツや丹前、浴衣などののり付けにはジェルタイプ、シーツなど大物には液体タイプ、襟など部分的に使いたいときはスプレータイプといったように、用途に応じて選び分けるとよい。
香りつきのものを選ぶのもおすすめ
ほのかに香りがつくものもある。ビジネスシーンにはふさわしくないかもしれないが、お好みの香りを一日中感じることができれば気分も上がるだろう。
10. おすすめの洗濯のり3選

おすすめの洗濯のりを紹介する。どれを買うか迷ったときの参考になれば幸いだ。
花王「キーピング」
花王のロングセラー商品だ。洗濯機で使える乳液タイプと、アイロン時に使うスプレータイプがあるので使い分けもできる。
カネヨ石鹸「カネヨノール」
ポリビニルアルコールが主成分の洗濯のりだ。洗濯機や洗濯桶などで使いたいときはこちらがおすすめだ。
恵美須薬品化工「タフターチ」
色柄物にも使えるスプレータイプの洗濯のり。ワイシャツやブラウスの襟・袖など部分的に使いたい方におすすめだ。
11. 洗濯のりで「スライム」が作れるってホント?

洗濯のりの意外な活用方法を紹介する。余った洗濯のりがあれば、ぜひスライムを作って楽しんでみてはいかがだろうか?
用意するもの
- 余った洗濯のり(合成のり):80ml
- ホウ砂:6g程度
- お好きな色の食用色素:適量
- ボウル:1
- 適当な容器:2
- 割り箸:1
容器はプラスチック製でもよいし、金属製でもよい。大きさはコップ程度あれば十分だが、なければそれより大きいものでもOKだ。
スライムの作り方
- 2つの容器に、40度程度のぬるま湯をそれぞれ80mlと60ml注ぐ
- 80ml注いだ容器のほうを「A」、60ml注いだ方の容器を「B」とする
- Aは、食用色素で色を付けておく
- Bにはホウ砂を投入し、ぬるま湯が冷める前に割り箸で手早く溶かす
- ボウルに洗濯のりとAを投入し、割り箸で手早くかき混ぜる
- ボウルにBを少しずつ投入しながら混ぜ続ければスライムが完成する
以上が、洗濯のりを使ってスライムを作る手順だ。とにかくぬるま湯が冷める前にスピーディーに作り上げることが大切なので覚えておこう。
12. 洗濯のりの使い方は簡単!シャツのシワを防いでパリッと仕上げよう

洗濯のりは使い方が簡単であるうえ、シャツをパリッと仕上げたりシワを防いだりする効果が得られるなど、さまざまなメリットがある。今まで使ってこなかった方はぜひ、これを機会に取り入れてみてはいかがだろうか?洗濯のりが余ったらスライムを作って楽しもう。
結論
洗濯のりにはいろいろな種類がある。成分などでも効果が変わってくるため、特徴をよく理解したうえで購入しよう。使いこなせるようになれば、アイロンがけが楽になるうえクリーニングにかかる手間やコストも減らせる。ぜひ使い方をマスターして洗濯のスキルアップにつなげてほしい。