1. 話題の「ナチュラルクリーニング」とは?

ナチュラルクリーニングとは、人・モノ・環境などに優しい自然由来の成分で実践する手軽な掃除のことだ。
人気の理由は?
洗剤と言えば化学薬品が含まれているものがほとんどだが、ナチュラルクリーニングに使う素材の中には人の体内に存在するものもあるなど、安心して使えるものがほとんど。しかも、意外なほどキレイに落とせる。こうしたメリットが広く知られるようになり、ナチュラルクリーニングはいま、大人気の掃除方法のひとつになっている。
その素材とは?
- クエン酸
- 重曹
- セスキ炭酸ソーダ
- 過炭酸ナトリウム
- アルカリ電解水
ナチュラルクリーニングでは、主にこれらの素材を用いる。なお、掃除のほか洗濯にも使えるし、重曹はふくらし粉として、クエン酸は水で溶いて飲み物としてなど幅広い使い方ができる、文字通り「万能アイテム」である。
入手方法も手軽
ナチュラルクリーニングに使う素材は、ドラッグストアやネットで手軽に入手できるほか、100均で売られていることもある。計量スプーンやスプレー容器も必須アイテムなので、なければ揃えておこう。大さじを使うことも考え、スプレー容器の口は広めのものを選んでおくことをおすすめしたい。
2. ナチュラルクリーニングのコツは洗剤の使い分けにあり!

ナチュラルクリーニングを取り入れるコツは、5つの素材をいかにうまく使い分けるかだ。汚れの性質と素材の特徴を把握し、上手にナチュラルクリーニングを取り入れよう。
汚れの性質
- 油、皮脂汚れなど...酸性
- 水垢、尿石、黄ばみなど...アルカリ性
ナチュラルクリーニングは汚れの性質を知るところから始まる。汚れには酸性やアルカリ性といった性質があるが、たとえば油や皮脂などは酸性の汚れであり、水垢や尿石、黄ばみなどはアルカリ性の汚れだ。
ナチュラルクリーニングでこれらを上手に落とすには、その逆の性質を持つ素材を使って中和させるのがポイントとなる。
ナチュラルクリーニングでこれらを上手に落とすには、その逆の性質を持つ素材を使って中和させるのがポイントとなる。
アルカリ性の汚れにはクエン酸
- 水垢
- トイレの黄ばみやニオイ
「酸」の字からも分かるように、クエン酸は酸性。したがってこのようなアルカリ性の汚れを中和してくれる。
酸性の汚れには重曹など
- 油
- 手垢、皮脂、汗
- 焦げつき
- 食べこぼし
- 血液染み
重曹やセスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウム、アルカリ電解水などはアルカリ性なので、このような酸性の汚れを中和してくれる。
素材が4つに分かれているのは、アルカリ度合いが違うためだ。重曹→セスキ炭酸ソーダ→過炭酸ナトリウム→アルカリ電解水の順にアルカリ性が強くなる。強くなると洗浄力がアップする反面、肌荒れを招くこともある。ナチュラルクリーニングは人に優しいとはいえ、念のためゴム手袋の着用をおすすめしたい。
素材が4つに分かれているのは、アルカリ度合いが違うためだ。重曹→セスキ炭酸ソーダ→過炭酸ナトリウム→アルカリ電解水の順にアルカリ性が強くなる。強くなると洗浄力がアップする反面、肌荒れを招くこともある。ナチュラルクリーニングは人に優しいとはいえ、念のためゴム手袋の着用をおすすめしたい。
3. 家中をキレイに!ナチュラルクリーニングのやり方

汚れの性質と素材の特徴を理解すれば、ナチュラルクリーニングで家中をキレイにできる。最後は、場所や汚れの種類ごとに、どういった素材が有効なのかを見ていこう。
ナチュラルクリーニングの前に
ナチュラルクリーニングに用いるのは安心素材だが、溶液や粉末などが残ってしまうと、変色といったトラブルを招く可能性もゼロではない。掃除をしたあとは必ずよくすすぐと覚えておこう。
また、水溶液の作り方は商品のパッケージに記載されていることがほとんどだ。それを参考に、スプレー容器の容量にあわせて作っておこう。
また、水溶液の作り方は商品のパッケージに記載されていることがほとんどだ。それを参考に、スプレー容器の容量にあわせて作っておこう。
台所や浴室の水垢
手軽に実践できるナチュラルクリーニングといえばクエン酸を使った水垢落としだ。スプレー容器にクエン酸水溶液を作り、台所のシンク、浴室の鏡などのガンコな水垢に直接吹き付けよう。なかなか落ちないときはキッチンペーパーやラップで覆い、しばらく放置してからスポンジなどでこすり落とすといいだろう。
トイレの尿石や黄ばみ、ニオイ
トイレのこうした汚れはアルカリ性なので、やはりクエン酸によるナチュラルクリーニングが有効。一度スプレーした上からキッチンペーパーを貼り、さらにスプレーをして2時間程度待つと、汚れがキレイに落とせる。
身の回りの軽い油汚れ
台所の換気扇やコンロ、ドアノブや壁のスイッチの手垢など、身の回りの軽い油汚れは、重曹を使ったナチュラルクリーニングがおすすめ。スプレー容器に水溶液を作り、サッと吹き付けて擦り洗いすれば落とせる。ガンコな汚れは、粉末を直接まぶしてスポンジで擦り洗いをしよう。
ギトギトの油汚れ
五徳や換気扇などにギトギトにこびりついた油汚れには、重曹よりもアルカリ度合いが高いセスキ炭酸ソーダによるナチュラルクリーニングがいいだろう。スプレーしてしばらく放置すると汚れが浮いてくるので、スポンジで擦り洗いをして十分すすげばキレイになるはずだ。
それでも落ちない油汚れ
最終手段は、水100%でできているアルカリ電解水を使ったナチュラルクリーニング。今回紹介した中ではもっとも洗浄力が高いアルカリ性の素材だ。同じように、ガンコな油汚れにスプレーしてからしばらく放置し、擦り洗いをしてみよう。
排水口のヌメリ
重曹とクエン酸を使ったナチュラルクリーニングをおすすめしたい。排水口に粉末の重曹をまぶし、その上からクエン酸をスプレーしてみよう。ブクブクと発泡して汚れを落としてくれる。
小物類の漂白
茶渋、食器のくすみなどを漂白するなら、過炭酸ナトリウムによるナチュラルクリーニングが適している。軽いものなら洗剤代わりに使って洗うだけで落とせる。染みついたくすみなら、桶にぬるま湯をはって過炭酸ナトリウムを溶かし、浸け置きするといいだろう。
結論
これだけ万能なのだから、ナチュラルクリーニングが人気なのもうなずける。しかも、ここで紹介した以外にも、まだまだ幅広い使い方ができる素材ばかりだ。汚れの性質と素材の特徴を理解して、ぜひナチュラルクリーニングを取り入れてみてはいかがだろうか?