1. 白カビとは?

まずは簡単に白カビについて詳しくなっておこう。
菌類の一種
白カビは文字通り白く、フワフワしたような見た目をしていることから、ほかのカビと違って毒々しさを感じにくいかもしれない。だが黒カビや青カビ、赤カビといった菌類と同じカビの一種だ。空気中を漂う胞子が場所・モノなどに付着して根を張り、発芽して胞子が実る。やがてその胞子が空気中へ舞い上がり、別の場所・モノへ付着することで広がっていく。
人体への影響は?放置するリスクについて
一見するとホコリと似ているので放置しがちだが、家具や建材の劣化を招くリスクが考えられるため見つけ次第取り除くことが望ましい。白カビがダニなどの害虫の呼び水となるおそれもある。また白カビにもいろいろな種類があり、強力な毒素を持つものもいる。胞子を吸い込めば喘息や鼻炎といったアレルギー症状を招くこともあるため、放置することだけは避けよう。
2. 白カビの原因と発生しやすい場所

カビが発生するには湿度と温度、栄養が必要だ。どのような場所やモノに発生しやすいのかも交えながら、1つずつチェックしていこう。
白カビが好む環境とは?
湿度が60%を超えてくると活発になり、70〜80%で一気に繁殖する。活動する温度は0〜45℃の間とされているため、一般的なご家庭であればほぼどの環境でも繁殖のリスクがあるといえるだろう。そのほかエサとなるホコリやダニ、皮脂などの汚れおよび、酸素があればどんどん繁殖するおそれがある。
押入れや下駄箱に注意
押入れや下駄箱など湿気が溜まりやすい場所は白カビの温床になりやすい。寝具には寝ている間にかいた汗が付着しているので、そのまま収納すれば湿気がこもる。さらにホコリや汚れ、ダニがエサになりカビが繁殖する最適な環境になりうる。知らない間に押入れの奥が白カビだらけ、といったケースも珍しくない。こまめに換気をしたり、寝具は陰干しなどで乾かしたりしてから収納しよう。
観葉植物も白カビが好む
適度な湿気があり、栄養がある観葉植物の土は白カビにとって理想的な繁殖場所だ。日光を好まない観葉植物を育てている、受け皿に水をためているという方は注意しよう。水や肥料のやりすぎは白カビ発生の原因になるので、最適な量を見極めることが重要だ。
木製の壁や床にも生える
白カビは木材などの自然素材を好み、木製の壁や床に根付いて繁殖する。木製のクローゼットやタンスから衣類に移るケースもある。
畳も要注意
畳の素材であるイ草は湿気を吸い込みやすく、白カビが生えやすい。足の垢や汗が付いたり、ホコリを吸着したりするためエサも多くなる。とくに新しい畳は吸水性に優れているので、白カビ対策が必要だ。
衣類やバッグ、帽子などに生えることも
汗や食べこぼし、ホコリが付着したままの衣類などを保管した場合もそうだが、湿気やホコリが溜まりやすい場所に保管している衣類やバッグなどの小物も要注意だ。胞子が付着すれば根を張って繁殖するおそれがある。
3. 白カビを除菌する方法

続いて、白カビの正しい除菌方法について解説しよう。
アルコール除菌スプレーが有効
白カビは黒カビと違い、素材に深々と根を張るわけではない。したがってカビの中でも除菌しやすい部類に入る。軽度であればアルコール除菌スプレーだけでも十分な除菌効果がある。ただし素材がアルコールを使っても問題ない素材かどうかは、事前に確かめておこう。
押入れや靴箱の白カビの除菌方法
先に中のモノを全部取り出しておこう。アルコール除菌スプレーを含ませた布やブラシで、白カビがなくなるまで拭き取る。水分が残っていると白カビが発生しやすいので、乾燥させてから中のモノを戻そう。
衣類についた白カビの除菌方法
衣類や小物についた白カビもアルコール除菌スプレーで除菌できる。除菌したあとは、選択できるアイテムであれば、酵素系漂白剤を使って洗濯機で洗うなどするとよい。
畳に発生した白カビの除菌方法
こちらも同じようにアルコール除菌スプレーが有効だ。布に含ませて素早く拭き取ったあとは、しっかり乾燥させよう。
食べ物に発生したら廃棄を
食べ物に付着した白カビは、一部分を削っても菌が残っているおそれがある。口に入れるものなので、残念だが廃棄することをおすすめする。
4. 白カビを除菌するときの注意点

白カビの除菌自体はそれほど大変な作業ではないが、効率よく除菌するため、またトラブルを防ぐためにも次のような注意点を押さえておこう。
通気性を確保しておく
白カビの除菌作業中、胞子が空気中に舞うおそれがある。ホコリが舞ってしまうような強風の場合は別だが、そうでなければ部屋の窓を開けるなどして空気の流れを作っておくとよいだろう。
ゴム手袋やマスクを使う
白カビを吸い込むのを避けるためゴム手袋やマスク着用しよう。あればゴーグルやメガネなどもかけるとよい。なお白カビの除菌前に掃除機をかけると菌が浮遊してしまうおそれがあるため控えたほうがよい。
広範囲を掃除する
目に見えない胞子が周囲に広がっていることも考えられる。やや広めに除菌しておくことで、少しでも再発リスクを減らしてほしい。
強力な薬剤はNG
白カビが発生しやすいのは、素材的にデリケートな場所・モノであることが多い。塩素系漂白剤など強力なカビ取り剤を使うと変色や劣化などを招くおそれがあるため、できれば使わないほうがよいだろう。どうしても使うという場合は目立たない場所で試してからにしよう。
5. 白カビを予防する方法

うまく除菌できたら、次は再発させないように心がけることが大切だ。白カビの予防方法について解説しよう。
湿気対策をする
白カビ発生の原因となる湿気を遠ざけよう。クローゼットや押入れ、靴箱なら定期的に風通しするだけでも効果的だ。湿度が高い時期以外なら、少し扉を開けておくのもよい。除湿剤や吸湿シートを使ったり、すのこを敷いたりとアイテムを活用するのもおすすめだ。
乾燥させてから収納する
衣類や寝具などは、乾燥させてから収納する習慣をつけよう。たとえば布団であれば小まめに陰干しや天日干し、着用した靴や衣類、小物なども乾燥させてから収納するなどしよう。
ホコリを溜めない
ホコリや汚れは白カビのエサになる。定期的に掃除をして清潔に保つことは、白カビを予防するもっとも基本的な方法だ。
6. 白カビ対策におすすめのアイテム3選

最後に、白カビ対策におすすめのアイテムを紹介する。
ドーバー酒造「パストリーゼ77」
食品にも直接噴射できるアルコール除菌スプレーだ。77とはアルコール濃度のことで、除菌にもっとも効果があるとされる範囲に作られている。
エステー「ドライペット」
押入れやクローゼット、靴箱や部屋の隅などいろいろな場所に置ける除湿剤だ。箱型やシートタイプなど場所によって使い分けができる。
シリカクリン「激取りMAX 靴ドライ」
乾燥剤に使われるシリカゲルを用いた靴専用の乾燥剤だ。吸湿してもベタつかず、天日干しすることで繰り返し使えるためコスパもよい。
結論
白カビを見つけたら速やかに除菌するとともに、再発しないよう対策を講じることが大切だ。湿度や温度が高い夏だけでなく、暖房や加湿器を使う冬も要注意だ。こまめに掃除をしたり換気をしたり、乾燥させてから収納したりなどちょっとした心がけで白カビを予防しよう。