目次
1. シロッコファンとは?掃除は必要?
まずは掃除方法の前にシロッコファンに関する基本的なところから学んでいこう。
シロッコファンとは
円筒形で縦に長い「羽」のようなものがいくつも取り付けられているのがシロッコファンだ。回転することでレンジフード内に空気を取り込み、ダクトを通して排気するという仕組みである。後述するプロペラファンよりも吸気力は弱いものの、屋外に面していない壁にも設置できるなど利便性が高い。また使用時の騒音も少ないため、マンションなど集合住宅に取り付けられていることが多い。
プロペラファンとの違い
文字通りプロペラが回転するものがプロペラファンだ。取り込んだ空気はそのまま屋外に排気されるため、屋外に面した壁などに取り付けられることがほとんどである。シロッコファンよりも使用時の音が大きいものが多いが、吸気力は高い。
シロッコファンの掃除は必要?
こまめに掃除する必要はないものの、調理時の油汚れなどによってベタベタになっていることが多い。料理をする頻度にもよるが、半年から少なくとも年に1回は掃除をしたほうがよいだろう。あわせて点検もできれば、故障する前に劣化が分かるかもしれない。
2. シロッコファンの掃除に使うアイテム

シロッコファンを掃除するのであれば、次のようなアイテムをそろえておくとよい。
大きめのビニール袋と新聞紙
ビニール袋は汚れからキッチン用品を守ったり、シロッコファンを浸け置きしたりするときに使える。パーツの取り外しや掃除の際に汚れが飛び散ることがあるので、汚したくない場所を覆える大きさのビニール袋を選ぼう。新聞紙はなくてもよいが、コンロの上に敷いたりパーツを置いたりできるのであると便利だ。
換気扇用のブラシ
細い板状の羽が斜めに並んでいるシロッコファンは掃除がしにくい。使い古しの歯ブラシやスポンジでも磨けるといえば磨けるが、隅々までキレイにするならぜひ換気扇用のブラシをそろえておこう。狭い隙間にも入るので、細かい部分が楽に掃除できる。ひいては時短にもつながるはずだ。
アルカリ性洗剤
シロッコファン溜まる油汚れは酸性である。うまく中和して落とすにはアルカリ性の洗剤を使うのが正解だ。食器用洗剤は中性なので、軽いものは落とせるが頑固な油汚れは落ちにくい。キッチンマジックリンなど弱アルカリ性の洗剤を用意しよう。ただしアルミを変色させる、塗装を剥がすといった作用もあるため、シロッコファンによってはアルカリ性洗剤を使えないものもある。事前に取扱説明書を確認し、どういった洗剤で洗うべきか迷うときはメーカーに問い合わせるなどしよう。
重曹
ヒトや環境に優しくナチュラルクリーニングの必須アイテムにもなっているのが重曹だ。弱アルカリ性で、油汚れを落とすのに適している。頑固な汚れにはペーストにして塗っておくと落としやすくなる。そろえておいて損はないアイテムだ。
ゴム手袋とマスク、ゴーグルなど
汚れや洗剤から手を保護するために、ゴム手袋をつけてから掃除をしよう。細かい作業が多いため滑り止めがついているものがおすすめだ。また上を向いて作業をすると汚れや油が落ちてくる場合がある。マスクやメガネまたはゴーグルといった保護具もあるとよい。
3. シロッコファンの取り外し方

アイテムがそろったら、いよいよシロッコファンを掃除しよう。改めて心の準備をするほど大変なものではないが、滅多に掃除しないパーツなので慎重に作業に当たろう。
電源プラグを抜く or ブレーカーを落とす
シロッコファンを外す前に、安全のためプラグを抜くかブレーカーを落としておこう。ビニールや新聞紙を広げるなどし、周囲への汚れ防止対策もこのときに済ませておこう。
シロッコファンの取り外し方
- 整流板とフィルターを取り外す
- ネジをゆるめてベルマウス(リング型のカバー)を外す
- シロッコファンの中央にあるつまみを回して外す
- 両手で持ち、下に引っ張って取り外す
整流板がついていないタイプなら、外すのはフィルターだけでよい。またベルマウスと呼ばれる、いわゆる「風よけ」にネジがついていないタイプは、ボタンを押すだけで外れる。ネジやつまみなど細かいパーツをなくさないように、一箇所にまとめておくとよい。また取り付けは逆の手順を踏めばOKだ。なお、メーカーや型番によってパーツおよび構造、外し方などが異なるため、取扱説明書を読んで手順が書かれていればそちらを優先してほしい。
4. シロッコファンの汚れが軽いときの掃除方法

それでは、シロッコファンの掃除方法を解説していく。まずは軽度の汚れしか付いていないときの掃除方法からだ。
汚れが軽いときの掃除方法
- シロッコファンや外したパーツをシンクに入れる
- アルカリ性洗剤(または中性洗剤)をつける
- 5分ほど放置したらスポンジなどで汚れをこする
- ぬるま湯で汚れと洗剤を洗い流す
- 清潔な布で拭き取って乾燥させる
- 完全に乾いたのを確認してから元へ戻す
使用頻度が低い、料理をあまりしない、あるいはこまめに掃除している場合などは洗剤をつけてこするだけでも十分だ。アルカリ性洗剤が使えないシロッコファンの場合は中性洗剤で対応しよう。おおまかにスポンジでこすってから、歯ブラシや専用ブラシで掃除すると簡単だ。掃除した後は、必ずしっかりと乾燥させてから取りつけよう。
5. シロッコファンの汚れがひどいときの掃除方法

続いて、頑固な油汚れがこびりついているようなシロッコファンの掃除方法を見ていこう。
頑固な汚れは浸け置き洗いが基本
- 40〜45℃程度のお湯にシロッコファンやパーツを浸ける
- アルカリ性洗剤を入れて軽く混ぜる
- 1~2時間ほど放置する
- 汚れを専用ブラシなどでこする
- ぬるま湯で洗い流したら乾燥させる
- 完全に乾いたのを確認してから元へ戻す
長期間放置した頑固な汚れは浸け置き洗いでないと落ちにくい。汚れてもよい容器を使うか、シンクやバケツにビニール袋をかけてお湯をためるなどして洗おう。
重曹ペーストを塗るのもおすすめ
重曹と水を2:1の割合で混ぜてペーストを作る。これを頑固な油汚れに塗って30分から1時間ほど放置していると、汚れが浮いてくる。あとはペーストを拭き取り、スポンジまたはブラシなどでこすり洗いをしてぬるま湯で流せばキレイになる。重曹が残っていると白く跡になってしまうため、拭き取りやすすぎはしっかり行うのがポイントだ。
アルカリ性洗剤や重曹が使えないときは?
アルミ製や塗装を施してあるシロッコファンおおび各種パーツには、アルカリ洗剤や重曹は使えない。その場合は中性洗剤で汚れを落とすか、対応している専用洗剤で掃除しよう。
6. 取り外せないタイプのシロッコファンの掃除方法

取り外せない、または取り外し方が分からないシロッコファンは、そのままの状態で掃除しよう。無理に取り外して破損やケガなどを招いてしまうことだけは避けてほしい。
取り外せないシロッコファンの掃除方法
長年放置したシロッコファンの場合、油や汚れが固まっていることがある。ネジが回らないときはアルカリ性洗剤で少し拭く、キッチンペーパーに洗剤を含ませて貼りつけるなどしよう。そのうえで5~10分ほど経ったらネジをもう一度回してみる。まだ固いようなら再び同じ手順を繰り返そう。
そもそも外れない、あるいは外し方が分からないシロッコファンだった場合は、手が届く範囲のみ、アルカリ性洗剤や重曹などを使って拭き掃除をすればよい。フィルターなど外せるパーツは上述したように浸け置き洗いなどをすればOKだ。
そもそも外れない、あるいは外し方が分からないシロッコファンだった場合は、手が届く範囲のみ、アルカリ性洗剤や重曹などを使って拭き掃除をすればよい。フィルターなど外せるパーツは上述したように浸け置き洗いなどをすればOKだ。
ハウスクリーニングに依頼する手もある
取り外せないが内部までキレイに掃除したい、というときは思い切ってハウスクリーニングなどプロの業者に頼む方法もある。ただしシロッコファンの掃除のみでは依頼できない可能性が高いため、キッチン周りなどとセットで依頼するとよいだろう。
7. シロッコファンが汚れるのを防ぐには?

シロッコファンを回す以上、そして料理をする以上、汚れが付着するのを完全に防ぐことはできない。だが、少しでも汚れがつきにくくするための方法はある。
レンジフード用のフィルターを取り付ける
不織布製などの外付けフィルターが販売されている。使い捨ても多く、数カ月で数百円などコスパも高い。吸気力は「若干」落ちるかもしれないが、シロッコファンの内部に汚れが入り込む前にキャッチするため油汚れがつきにくくなる。100均でも手に入るが、サイズは事前に確認しておこう。
表面の汚れはこまめに拭き取っておく
油汚れを放置していると、空気中のホコリなどがくっついてよりひどい汚れへと変化してしまう。気づいたときに水拭きするだけでも汚れが溜まりにくくなるはずだ。
8. シロッコファンの掃除におすすめのアイテム

最後に、シロッコファンを掃除するのにあると便利なおすすめアイテムを紹介しよう。
花王「マジックリン ハンディスプレー」
住宅用のアルカリ性洗剤で、シロッコファンはもちろんガスレンジなどキッチン周りの頑固な油汚れを落とすのにもおすすめだ。
アズマ工業「つけおきくん シロッコファン用(アルミ専用)」
アルカリ性洗剤が使えないアルミ製のシロッコファンを浸け置きするなら、こちらの専用アイテムがよいだろう。
技・職人魂「親方棒」
シロッコファンやレンジフード周りなど細かい部分の汚れをごっそり削ぎ落とすのであれば、こちらの商品がおすすめだ。
結論
一見すると難しく面倒そうなシロッコファン掃除だが、手順さえ覚えれば簡単だ。シロッコファンは掃除を怠ると機能が低下するだけでなく、故障や壁が汚れる原因にもなる。こまめにとはいわないが、半年〜年に1回は掃除をしておこう。