目次
1. 草むしりの必要性について

伸び切った雑草は景観を損ねるだけではない。まずは草むしりの必要性・重要性について考えてみよう。
草むしりを怠るリスク
雑草が隣家の敷地まで伸びてしまえばご近所トラブルになりかねない。蚊などの害虫が大量発生したり、花粉症の原因にもなるといわれるブタクサなどが繁殖したりすれば、隣家だけへの迷惑では済まなくなるおそれもある。それに「雑草が伸び放題=管理が行き届いていないお宅」と判断され、空き巣などが狙いをつけるおそれもゼロではない。決して大げさではなく、草むしりを怠ることでこうしたさまざまなリスクが生じるということを覚えておこう。
2. 草むしりに最適なタイミングや条件とは

草むしりを効率よく行うにはタイミングが重要だ。いつ雑草を抜けばよいのか、どんな条件が適しているのかなどのポイントを解説する。
雨が降った翌日がベスト
晴れた日が続いたときなどは土が乾燥して固まっているため、雑草の根がなかなか抜けずにちぎれるなどし、すぐに再発するおそれがある。逆に雨が降った翌日などは土が湿っており柔らかいことから、草むしりがしやすい。なお、雨が降ったあと晴れの日が続くと、雑草の成長スピードが早まるので気をつけよう。雨が降った翌日や梅雨の晴れ間が、草むしりには最良のタイミングだ。
多年草は見つけ次第
雑草には「多年草」と「一年草」がある。オオバコやクローバー、セイヨウタンポポやシロツメクサ、ドクダミなどが多年草にあたる。草むしりをしても、根が残っていれば前年と同じように生えてくるのが特徴だ。時期に関係なく発芽するため、見つけ次第、根から抜くようにしよう。
一年草は春と秋
一方、ブタクサやオヒシバ、ホトケノザなどは一年草で毎年新しい種で発芽する。春に発芽して秋に枯れるものと、秋に発芽して春から夏にかけて枯れるものに分かれるため、生え始める春と秋に草むしりをするのがよい。
日差しが強い日は熱中症に注意を
真夏に草むしりをすることは少ないかもしれないが、植物や作物を育てていたり、伸び切ってしまったりなどで、どうしてもやらなければならないこともあるだろう。その際はくれぐれも熱中症に気をつけてほしい。帽子をかぶる、水分をこまめに摂るといった対策とあわせて、比較的涼しい朝夕の時間帯に行うことをおすすめする。
草むしりの頻度は?
草むしりは年に3回を目安にしよう。夏は雑草がもっとも大きく成長するので、その前の6~7月までに最初の草むしりをしておきたいところだ。次に、成長が落ち着いてくる9~10月に草むしりをして雑草のパワーを削ぐ。最後は11~12月だ。枯れ始めた雑草をキレイに処理して景観を守ろう。
3. 草むしりに適した服装と害虫対策

庭の草むしりには準備が必要だ。適した服装や害虫対策から見ていこう。
服装は長袖長ズボンが基本
肌を露出していると、雑草や庭の草木で肌を傷つけることがある。害虫対策にもつながるので、季節に関係なく長袖と長ズボンで草むしりをしよう。汗や汚れを拭けるように、タオルを首にかけておくと便利だ。日差しが強い日中に行うのであれば、ツバが広い帽子や日焼け止めも用意しておこう。
虫除けスプレーや蚊取り線香で害虫対策を
草の茂みや土には蚊や毒を持った害虫が潜んでいる場合がある。足元や腕、首などの露出は避け、虫除けスプレーや蚊取り線香を活用しよう。虫よけスプレーの効果は一定時間しか続かないので、小まめにつけなおすことが大切だ。
4. 草むしりに使う道具

続いて、草むしりの際にそろえておきたい道具や、あると便利なアイテムなどを見ていこう。
草むしりに必須の道具
- 軍手
- バケツ
- ゴミ袋
- スコップ
- ホウキ
- ちりとり
軍手は一般的なものでもよいし、ガーデニング用でもよい。またバケツはむしった草を溜めておくために使うのだが、廃棄することを考えて最初からゴミ袋に入れてもOKだ。スコップは雑草を根元から抜くときに使ったり、掘った穴を埋めたりする際に重宝する。ホウキとちりとりは最後に掃除をする際に使う。
あると便利なアイテム
草むしりをするなら「草刈り鎌」や「ねじり鎌」があると便利だ。草刈り鎌は茎をカットでき、ねじり鎌は根元から取り除けるため、雑草の種類などで使い分けるとよいだろう。また、作業しながら座れる小さめのイスを用意しておくと腰を傷めにくい。キャスターがついた専用のイスなら、座り直すことなく草むしりができるだろう。
立ったまま草むしりできる「ホー」もある
しゃがんだりイスに座ったりするのがしんどい方は、立ったまま草むしりができるホー(三角ホー)という道具を使うのはいかがだろうか?ホーとは鍬(くわ)のことで、文字通り三角形になっている。尖った面を使えば根元から刈り取れるし、側面でごっそり削り取ることもできる。また後ろ側の平らな面を使えば、掘った部分をならすこともできるというスグレモノだ。
5. 草むしりを効率よく行うためのコツ

草むしりを効率よく行う2つのコツについて紹介する。手間の軽減やモチベーションの維持につながるので、ぜひチェックしてほしい。
根元部分を持って真上に引く
雑草の葉の部分を持つと途中でちぎれてしまうことがあるため、根元部分をしっかり握り、そのまま真上へ引き上げるように抜いていこう。強引に引っぱるとちぎれそう、というときはスコップやねじり鎌などを使うと便利だ。
根が残っていないか確認する
雑草の根が残っていると、そこからまた生えてきてしまう。抜いたあとは穴を確認して、残っていれば取り除いておこう。土が乾燥して固まっているときなどは、水を撒いて湿らせるとキレイに抜きやすい。どうしても根が残ってしまうときは、スコップで掘って取り除こう。
狭いスペースを先に終わらせる
広い場所から草むしりを始めてしまうと先が見えにくく成果も実感しにくい。それに草むしりの姿勢は身体への負担が大きいため、長時間の作業は避けたほうがよい。無理せず達成感を得るためには、庭が広い場合は数日に分けて行うこと、まずは狭いスペースから始めること、目立つ部分から先に終わらせることなどがポイントになる。
背の大きな雑草を抜くにもコツがある
オニアザミなど、腰ほどの高さになる雑草もある。これらは強引に引き抜くのではなく、最初に根の周りにスコップを入れて細い根をちぎってから引き抜こう。このときも、根元の部分をしっかり握り、小刻みに左右に動かしながら引き上げると抜きやすい。無事に抜けたら、根が残っていないかをチェックしてOKであれば土を戻してならしておこう。
6. 草むしりの手間を減らす予防策

草むしりの手間を減らすということは、つまり雑草を予防するということだ。どんな方法があるのか、代表的なものをいくつか紹介しよう。
除草剤を散布する
高い効果を求めるなら除草剤がおすすめだ。粒タイプは効果が長く続くため予防に向いている。液体タイプは即効性があり雑草がすぐに枯れるので、草むしりがかなり楽になるだろう。
防草シートを敷く
ホームセンターなどに売っている防草シートを敷く手もある。雑草の成長に必要な日光を遮ることができるうえ、飛来してきた種子の定着を防いだり、水分の吸収を大幅に減らしたりできる。先にキレイに草むしりをして除草剤を撒いてから敷設すれば、より高い予防効果が期待できる。ただし範囲が広くなると敷設が大変な点や、きちんと隙間を潰しておかないと雑草が生えてきてしまう点、数年経ったら交換しなければならない点などデメリットもある。
砂利を敷く
同じく砂利を敷くというのも雑草対策のひとつだ。ただし砂利だけでは隙間があるため日光や雨水、種子の飛来などを完全に防ぐことができず、やがて雑草が生えてきてしまう。防草シートを敷設した上から砂利を敷くことや、4〜5cmなど厚く敷くことなどがポイントだ。なお防草シートの上に敷く場合、範囲が広くなると数年後に防草シートを交換する際の労力が大変なことになりかねないため気をつけよう。
7. 草むしりに除草剤を使うときの注意点

除草剤の使用に際していくつか注意点があるので、別途お伝えさせていただこう。
除草剤を使うときの注意点
除草剤は成分を確認してから購入し、説明書をしっかり読んでから散布する。小さな子どもやペットがいるご家庭なら、自然由来の安全な除草剤がよいだろう。また草木を枯らしてしまうので、大切な樹木や花にかけないようにすることも重要だ。長袖長ズボン、軍手やマスクなど、肌や手につかないように対策をすることも忘れないでほしい。
8. 草むしりにおすすめのアイテム3選
最後に、草むしりにおすすめのアイテムを紹介しよう。
ムサシ「除草バイブレーター」
先端の鎌部分でホールドした雑草の根元部分を、バイブレーションによって引き抜くというアイテムだ。手作業が困難な方、面倒な方はぜひチェックしてみてはいかがだろうか?
アース「カマイラズ 草消滅 ジョウロヘッド」
液体の除草剤で、素早く雑草を枯らす「即効性」と、6カ月間雑草が生えるのを抑える「持続性」を兼ね備えている。ヘッドがジョウロになっているので撒きやすいのも特徴だ。
富田刃物「仁作 ステンレス製 ねじり鎌」
こちらは焼入れ加工が施されており、力強く鋭い切れ味と研ぎ直して長く使えるというコスパが特徴のねじり鎌である。あるのとないのとでは草むしりの効率が大きく変わるはずだ。
結論
草むしりは大変な作業だが、ちょっとしたコツを知れば楽になる。最適なタイミングや役立つ道具、正しい方法で、草むしりの効率化を目指そう。雑草を生やさないための予防として、除草剤や防草シートなどの活用するのもおすすめだ。