目次
1. 布団を干す時間と頻度は夏と冬、素材などで異なる

布団を干す時間は素材や季節によって若干変わる。目安は次のとおりだ。
綿布団
- 夏場:2時間
- 冬場:3〜4時間
- 頻度:週2〜3回程度
優れた保湿性が特徴の綿布団は、その性質の影響で湿気が溜まっていることが多い。そのためこまめな天日干しがおすすめだ。干す時間は夏場なら片面1時間ずつ、冬場は片面1.5〜2時間ずつを目安にしよう。
合繊(ポリエステル)布団
- 夏場:2時間
- 冬場:2〜3時間
- 頻度:週1回程度
保温性が高い合繊布団は湿気をあまり溜め込むことがない。ホコリやにおいも少なく丸洗いできるなど、取り扱いやすい布団でもある。干す時間は夏場なら片面1時間ずつ、冬場なら片面1〜1.5時間ずつを目安にしよう。
羽毛布団
- 夏場:1時間
- 冬場:2時間
- 頻度:月1回程度
吸放湿性や保温性に優れた羽毛布団は、直射日光に長時間当ててしまうと傷む原因になる。そもそも湿気を溜め込みにくいため、そこまで長時間天日干しをしなくてもよい。夏場は片面30分ずつ、冬場でも1時間ずつを目安にしよう。ただし月1回干すだけでは、環境により湿気が溜まったりにおいが気になったりすることもある。可能であれば、普段は風通しのよい室内で陰干しをするようにしよう。
羊毛布団
- 夏場:1時間
- 冬場:2時間
- 頻度:月2回程度
羊毛布団も直射日光に長時間当てるのは傷む原因となるためNGだ。羽毛布団と同じように、干す時間は夏場なら片面30分ずつ、冬場なら片面1時間ずつを目安にしよう。同じように、普段は風通しのよい室内で陰干しするのがおすすめだ。
掛け布団、敷き布団、マットレスで干す時間が変わる
- 掛け布団:1〜2週間に1回、2時間程度
- 敷き布団:週1回、2〜3時間程度
- マットレス:こまめに立てかけるなどして湿気を飛ばす
ざっくりで申し訳ないが、このように掛け布団と敷き布団とで干す時間を変えるなど工夫するとよいだろう。掛け布団のほうがどちらかというと寝汗を吸収する量が少ないため、やや短めかつ頻度も低めだ。ただし素材が木綿だった場合は湿気を吸収しやすいため、もう少し頻度を高めたほうがよい(週1程度)。またマットレスは容易に干すことができないアイテムなので、風通しのよいところの壁や窓際などに立てかけて湿気を飛ばすなどしよう。
2. 布団を干すのに適した時間帯と天候がある

布団を干す時間帯や天候についても触れておく。
干す時間帯は10〜15時の間で2〜4時間程度
一般的に、湿度が低いとされる10〜15時頃の間に、2〜4時間程度干すのがベストであると覚えておこう。もちろんこれは両面での時間の目安だ。長時間干してしまうとホコリが付いたり生地が色あせたり、傷んだりすることがあるため気をつけよう。
また朝夕は湿度が高いことが多く、そうした時間帯に干してしまうと布団が湿ってしまうことがある。布団を干すのには溜まった湿気を飛ばすという目的があるため、早すぎたり遅すぎたりする時間帯に干すのは控えたほうがよいだろう。
また朝夕は湿度が高いことが多く、そうした時間帯に干してしまうと布団が湿ってしまうことがある。布団を干すのには溜まった湿気を飛ばすという目的があるため、早すぎたり遅すぎたりする時間帯に干すのは控えたほうがよいだろう。
晴れていて空気が乾燥している日がよい
布団を干すなら天気がよく乾燥している日がおすすめだ。ただし雨の翌日などは空気中の湿度が高いことが考えられるため、晴れていても布団が十分乾燥しないおそれがある。できれば、前日と当日が晴れのタイミングを選べるとベストだ。風が強い日も、ホコリなどが余計に付着するおそれがあるためできれば避けたほうがよいだろう。
難しいときはコインランドリーの利用も検討しよう
どうしても朝晩しか干す時間が作れない、昼間に干せても取り込むのがどうしても夕方以降になってしまう、天気がよいタイミングで干せないという方もいるはずだ。そんなときは、少々面倒だがコインランドリーを利用する手もある。
ただしコインランドリーで乾燥させられる布団は限られている。毛布などは全般的にOKだが、羽毛布団であればキルティング加工されているものがよいだろう。そのほか、洗濯表示(※1)をチェックして、タンブル乾燥できるかどうかについても確認しておこう。
ただしコインランドリーで乾燥させられる布団は限られている。毛布などは全般的にOKだが、羽毛布団であればキルティング加工されているものがよいだろう。そのほか、洗濯表示(※1)をチェックして、タンブル乾燥できるかどうかについても確認しておこう。
3. そもそも布団を干す理由とは?

なんの目的で布団を干すのか、なぜ布団を干すことがそんなに大切なのか、その理由を見ていこう。
布団にはさまざまな汚れが溜まる
布団には皮脂や垢、フケやホコリ、抜け毛などさまざまな汚れが付着する。またヒトは寝ている間に約200mlもの汗をかくといわれているが、その汗の一部も布団に吸収される。加えて布団といえばダニの格好の隠れ場所もであるし、汚れや湿気によってカビが生えることもある。目に見えにくい汚れも多いが、布団にはこのようにさまざまな汚れが溜まっていく。
布団を干すことでにおい対策・ダニ対策・湿気対策になる
布団を干すことにより湿気を飛ばせれば、においの解消やダニ・カビ・ハウスダスト対策などさまざまなメリットが得られる。
布団を干すことで殺菌効果が期待できる
天日干しをした場合、紫外線による表面の殺菌効果も期待できる。
布団を干すことでふんわりする
もちろん、布団がふんわりして気持ちよく眠れるというのも布団を干すことの立派なメリットだ。
布団を干さないままだとどうなる?
布団を干さなければ湿気や汚れが溜まり続ける。肌触りや寝心地が悪くなるだけでなく、悪臭がしたり、ダニやカビなどの発生・増殖を助長したりすることにつながってしまう。不潔な布団で眠り続けるのは精神衛生上よろしくないうえ、体調不良やアレルギー症状を招くおそれもある。デメリットを考えると布団を干すことがいかに大切かお分かりいただけるだろう。
4. 布団の干し方の「基本」も知っておこう

布団を干すにあたって押さえておきたい基本についてお伝えする。
途中で裏返し、両面を干す
まずは肌に触れる側を日光に当ててしっかり乾燥させてから、今度は裏返して両面を乾燥させる。天気がよく乾燥している日の10〜15時頃の間に、こうした順番で干すのが基本となるので覚えておこう。
カバーやシーツはかけたまま干す
紫外線で色あせなどを起こすおそれがあるため、布団カバーやシーツなどはかけたまま干すのが基本だ。
ダニや花粉、PM2.5対策などは「布団干し袋」が有効
布団カバーやシーツのさらに上にかぶせる、布団干し袋なるアイテムも販売されている。花粉やPM2.5などのアレルゲンが付着するのを防ぐといった効果が期待できるものだ。さまざまな商品が販売されているが、たとえばダニ対策も兼ねたいのであれば黒を選ぼう。
黒は日光を吸収しやすいことで知られているが、天日干しした場合60℃近くになることもあるという。一般的にダニは50℃で20〜30分、60℃なら一瞬で死滅するといわれている。アレルゲン対策や時短にもなるうえ、ダニ対策にもなるなど利点が多い。
黒は日光を吸収しやすいことで知られているが、天日干しした場合60℃近くになることもあるという。一般的にダニは50℃で20〜30分、60℃なら一瞬で死滅するといわれている。アレルゲン対策や時短にもなるうえ、ダニ対策にもなるなど利点が多い。
布団乾燥機のダニ退治モードを使う手もある
黒い布団干し袋ではなく、布団乾燥機を使うのも手だ。ダニ退治モードなどを搭載した機種なら、天気が悪い日でも室内で布団を乾燥させられるしダニも退治できる。アタッチメントを付け替えれば靴乾燥機に早変わりするものもあるなど、ラインナップも豊富だ。この機会に探してみてはいかがだろうか?
布団を取り込んだあとは掃除機をかける
布団を干している間に付着したホコリなどの汚れ、ダニの死骸やフンなどが気になる方は、取り込んだあとに掃除機をかけてそれらを取り除くとよいだろう。床を掃除したときの汚れが布団に移ってしまうおそれがあるため、ヘッドを専用のものに交換するか布団用のクリーナーを使うことをおすすめする。
5. 布団を干すときの注意点は?

布団を干す際、ついやってしまいがちなNG行為があるので覚えておこう。
長時間干すのはNG
羽毛布団や羊毛布団はとくにそうだが、それ以外の布団でも長時間干してしまうと紫外線によるダメージを受けるおそれがある。上述した目安時間を参考に、干しすぎないように気をつけよう。とくに夕方近くまで干してしまうと、湿気を吸収するなどして干した意味がなくなってしまうので注意してほしい。
布団を叩くのはNG
布団を取り込むときについ叩きたくなってしまうかもしれないが我慢しよう。中身の繊維がダメージを受け、布団の寿命が縮んでしまうことがあるためだ。表面をサッと撫でるようにして、表面の汚れを払う程度にとどめよう。
取り込んですぐに収納するのはNG
天日干しをした直後の布団は熱がこもってポカポカしている。この状態のまま収納すると、やがて熱が冷めたときに湿気になってしまうので気をつけよう。しばらく置いて熱を冷ましてから収納するのが正解だ。
6. 布団を干す時間は夏・冬・素材などで異なると覚えておこう

タイマー設定してキッカリ2時間計るなど神経質になるものではないが、布団を干す時間は季節や素材などでやや変わるということだけ、覚えておこう。「日中の時間帯に干す」「長時間干さない」などお伝えしたポイントを押さえておけば、失敗することはないはずだ。
結論
布団は素材や季節によって適した「干す時間」がある。効果的に干すことができれば、ふんわりした布団で眠れるだけでなく、におい対策やダニ対策なども期待できる。今までなんとなく干していた方は、この機会にぜひ干す時間を見直してみよう。
(参考文献)
- 1:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html