1. ニットの正しい扱い方と洗濯方法を知ろう

ニットを洗濯する前に、ニットの種類や性質などを知っておこう。失敗せずにニットを洗濯するためには前準備も大切だ。
ニットの種類
ひとくちにニットといっても素材として「植物性天然繊維」「動物性天然繊維」「化学繊維」の3つの種類がある。植物性天然繊維はコットンや麻、動物性天然繊維はウール、カシミヤ、シルク、化学繊維はポリエステル、ナイロン、アクリルなどが代表的な素材となる。
洗濯前に、自分が洗濯しようと思っているニットがどんな素材なのかは知っておこう。素材によっては、自宅で洗濯できないニットもあるからだ。
洗濯前に、自分が洗濯しようと思っているニットがどんな素材なのかは知っておこう。素材によっては、自宅で洗濯できないニットもあるからだ。
洗濯表示は必ず確認する
衣類には必ず「洗濯表示」がついている。ニットが自宅で洗えるかどうかはこの表示を確認してから判断しよう。洗濯桶のマークに×マークがついていたら、クリーニングに出したほうが安全だ。この洗濯表示の確認を怠るとニットが縮んだり、逆に伸びたりする原因になる。
洗剤はおしゃれ着洗い専用を用意する
手洗いでも洗濯機でも、使う洗剤はおしゃれ着洗い専用の洗剤を使うことも忘れてはならない。普通の洗剤は「弱アルカリ性」のものがほとんどだが、ニット素材のウールなどは弱アルカリ性が苦手で、風合いを損なう可能性がある。ニットの洗濯には、必ず中性洗剤であるおしゃれ着洗い専用を使いたい。
2. ニットの正しい洗濯方法【手洗い】

デリケートなニットの洗濯方法は、やはり手洗いがおすすめだ。型崩れを防いで、汚れているところを重点的にケアすることもできる。
初めに洗剤水を用意する
ニットの洗濯では、30度くらいのぬるま湯を使う。冷たい水だと汚れが落ちにくい。また、40度以上の熱いお湯だと、とくにウールなどの動物性天然繊維は変質してしまう危険性があるからだ。
ぬるま湯につけてから洗剤を直接ニットにかけてしまうと、原液がかかったところが変色してしまう危険性があるので、必ず洗剤をお湯に溶かしてからニットを入れることを忘れてはならない。
ぬるま湯につけてから洗剤を直接ニットにかけてしまうと、原液がかかったところが変色してしまう危険性があるので、必ず洗剤をお湯に溶かしてからニットを入れることを忘れてはならない。
優しく押し洗いをする
洗濯桶にニットを入れたら、優しく押し洗いするのが鉄則。ウールをはじめとする動物性天然素材は、濡れた状態では摩擦に弱いので、ゴシゴシと擦るのはNGだ。洗剤液がニットの網目を通るようにして押したり、振ったりしながら汚れを落としていく。すすぎは新しいお湯を替えながら数回。柔軟剤を使うならすすぎのタイミングで投入しよう。
脱水はごく短時間に
できれば、手で軽く絞ってから乾いたタオルなどで水分を取り、干したいところ。しかし、洗濯機でも短時間の脱水ならそれほどダメージにならないだろう。必ず洗濯ネットに入れてから、30秒~1分脱水する。脱水時間が長くなると、型崩れの原因になるので注意しよう。
3. ニットの正しい洗濯方法【洗濯機】

ニットのなかでも糸の太いローゲージは、縮みやすく型崩れしやすいので、できるだけ手洗いをおすすめする。しかし、細い糸で編んだハイゲージや薄手のニットであれば、洗濯機で洗っても、それほどダメージがないので使ってみてもいいだろう。
洗濯ネットは必需品
ニットを洗濯機で洗うときには、必ず洗濯ネットを使おう。洗濯ネットの中でニットが動き回るようではいけない。ニットにぴったりと合った洗濯ネットを選ぶことがポイントになる。洗濯機は遠心力で汚れや水分を落とすが、無理に引っ張られることで、ニットに負担がかかり縮みや型崩れの原因を作ってしまうからだ。
ニットを裏返してたたんで、汚れが目立つ部分は表に出すようにする。ボタンなどがついている場合は、しっかりと留めてからネットに入れよう。
ニットを裏返してたたんで、汚れが目立つ部分は表に出すようにする。ボタンなどがついている場合は、しっかりと留めてからネットに入れよう。
洗濯機のコースを設定する
自分が使っている洗濯機のコースのなかで「手洗いドライコース」「ウールおしゃれ着用」といったニットの洗濯に適したコースをチョイス。手洗いのときのように30度くらいのぬるま湯で、洗剤はもちろんおしゃれ着洗い専用洗剤を投入しよう。
4. ニット洗濯後の正しい干し方

せっかく上手にニットを洗濯できても、干し方を間違えると型崩れや縮み、袖だけが伸びるという失敗につながってしまう。最後の仕上げである干し方まで気を抜かないようにしよう。
平干しが基本
洗濯のあと何気なくハンガーを使って干してしまうと、型崩れの原因になる。洗濯をして水分を吸ったニットは、ほかの衣類よりも重くなっているためだ。ニットのセーターなどは、裏返したまま平干し専用のネットなどを使って干すのが一番きれいに仕上がる。
縮ませない工夫
手袋や帽子などのニット製品は、縮みやすいのでひと工夫したい。手袋の場合は、干す前に一度手にはめて伸ばしてから干すと元の状態をキープできる。
ニットの帽子の場合は、型崩れしやすいので、内側にタオルを詰めて成型した状態で干すことで元の形をキープできる。
ニットの帽子の場合は、型崩れしやすいので、内側にタオルを詰めて成型した状態で干すことで元の形をキープできる。
結論
ニットの洗濯は、正しい方法で行えば、決して難しいものではない。今までクリーニングに出していた方は、節約の意味からもぜひ挑戦してもらいたい。ただし、ニットにスパンコールやファーなどの飾りがついていたり、これだけは失敗できないというニットについては、安全を期するためにもクリーニングに出したほうが無難だろう。
ニットを洗濯するテクニックを身につければ、これからはもっと気軽にニットファッションが楽しめるのではないだろうか。
ニットを洗濯するテクニックを身につければ、これからはもっと気軽にニットファッションが楽しめるのではないだろうか。