目次
- 1. 加湿器からの蒸気が臭い原因
- 2. 加湿器の掃除に必要なもの
- 3. 加湿器が臭いときの掃除方法
- 4. 加湿器の水垢の掃除方法は?
- 5. 加湿器の掃除の頻度
- 6. 加湿器のにおいを防ぐ方法
- 7. 加湿器のお手入れが楽になるおすすめアイテム3選
- 8. 加湿器の臭いにおいは放置せず掃除で解消しよう
- 重曹
- 柔らかいスポンジ
- 使い古しの歯ブラシ
- 新聞紙
- 雑巾(水拭き用、乾拭き用などで数枚)
- ゴム手袋
- マスク
- つけ置き用の洗面器(洗濯桶やシンクでもOK)
1. 加湿器からの蒸気が臭い原因

加湿器はタンクに入れた水を蒸気に変えることで乾燥する空気をうるおしてくれるものだ。だが加湿器からの蒸気がカビ臭かったり、酸っぱいにおいがしたりすることがある。まずはその原因から解説しよう。
加湿器のにおいの原因
【繁殖した雑菌やカビ】
加湿器のにおいの原因のひとつに挙げられるのが繁殖した雑菌やカビである。これらは湿度が高く汚れた場所を好む。常に水を溜めているタンクやトレー、ホコリを吸着するフィルター(加湿空気清浄機の場合)などには雑菌やカビが繁殖しやすいためこまめなお手入れが重要だ。
【腐敗した水】
タンクに水を入れっぱなしにしたり、継ぎ足して使い続けていたりすると、古い水が腐ることがある。水中で雑菌が繁殖し蒸気となって放出されにおいの元になることも考えられる。水は毎回入れ替えることが重要だ。
【生活臭や食べ物】
室内で喫煙をしている、あるいは焼き肉や鍋などにおいが強い食事を摂ることが多いといったご家庭の場合、そうしたにおいが加湿器のフィルター(加湿空気清浄機の場合)などに染み付いてしまうことがある。
においを放置するリスク
加湿器から雑菌やカビを含んだ蒸気が吹き出せば、部屋中に胞子や雑菌が付着して新たなる雑菌の繁殖、あるいはカビの発生を招くおそれがある。
なにより人やペットが吸い込むかもしれない。短期的なら大した問題にはならないかもしれないが、長期間吸い続けるとなれば要注意だ。咳や発熱、胸の痛みなどの症状が出始めたり、気管支炎やぜんそくあるいはアレルギーを発症したりするリスクが生じる。健康被害を防ぐためにも、加湿器はこまめな掃除が重要である。
2. 加湿器の掃除に必要なもの

加湿器のイヤなにおいを防ぐことは、健康被害を防ぐことにもつながる。ご家庭で簡単にできる掃除方法を紹介するのでぜひ習慣にしてほしい。そろえるのは次のようなアイテムだ。
加湿器の掃除に必要なもの
重曹は弱アルカリ性とはいえ皮膚にとって多少なりとも刺激となるため、ゴム手袋を着用しての作業をおすすめする。またカビの胞子や雑菌、ホコリなどをできるだけ吸い込まないよう、換気をしながら作業に当たるとともにマスク(できればメガネも)を着用しよう。
新聞紙は洗った加湿器を乾かす際などに一時的に置いておく用だ。新聞紙では濡れてしまうというときは水切りカゴなどを活用しよう。
3. 加湿器が臭いときの掃除方法

一般的な加湿器を想定して解説するが、メーカーや機種によって若干異なる場合がある。必ず取扱説明書を確認しながら作業に当たるとともに、本稿の解説と違う点があればそちら(取説)を優先してほしい。
加湿器の掃除方法
【1.重曹洗浄液を作る】
鍋に水1Lにつき大さじ4杯の重曹を加えて沸騰させたあと、常温まで冷ます。重曹は一度沸騰させることでアルカリ性が強まり、洗浄力も高くなる。この性質を利用して一度沸騰させるというわけだ。どれくらいの量を作るかは、つけ置きするパーツの大きさや数などによって調整してほしい。
【2.電源を切って外せるパーツを外す】
安全のためにも必ず電源を切り、取扱説明書を読みながら分解して掃除できるパーツを分解しよう。
【3.重曹で作った洗浄液にパーツをつけ置きする】
水洗いOKのパーツを、先ほど重曹を溶かして作った洗浄液につけ置きする。汚れ具合にもよるが1〜3時間ほどが目安になるだろう。
【4.タンクの内部を洗う】
パーツをつけ置きしている間にタンクの内部をキレイしよう。重曹洗浄液を入れてタンクの内部全体に行き渡るようによく振る。次にスポンジを使って手が届く範囲を軽くこすり洗いしよう。あとは、よくすすいで風通しのよい場所で完全に乾かせば完了だ。
【5.加湿器本体とトレーを拭き掃除する】
次に重曹洗浄液を雑巾に含ませ、加湿器本体とトレーなど水拭きできるパーツを拭き掃除しよう。キレイになったら水に濡らして固く絞った雑巾で水拭き、最後に乾いたキレイな雑巾で乾拭きをして完了だ。重曹は成分が残ると白い粉のようになってしまうことがあるため、しっかり拭き取るようにしよう。
【6.つけ置きしていたパーツをすすぐ】
時間がきたら洗浄剤につけ置きしていたパーツを取り出し、スポンジでこすり洗いをしたり細部の汚れを歯ブラシで取り除いたりしよう。キレイになったら流水(ぬるま湯でもOK)で入念にすすぐのだが、このとき洗浄液が残らないよう2〜3分かけてじっくりすすぐとよい。最後に風通しのよい場所で完全に乾燥させよう。
【7.完全に乾いたのを確認して元へ戻す】
水洗いした各パーツが完全に乾ききったことを確認してから本体へ戻そう。濡れていると故障の原因になるだけでなく、新たな雑菌やカビの繁殖を招くおそれがあるため注意してほしい。
加湿空気清浄機の場合はフィルターも掃除する
加湿器に空気清浄機能が搭載された加湿空気清浄機の場合は、フィルター掃除もあわせて実施する。「プレフィルター」「脱臭フィルター」「集塵フィルター」「加湿フィルター」などがあるはずなので取り外す。プレフィルターは掃除機をかけてからシャワーで水洗いするなど、取扱説明書に書かれた手順に沿って掃除をしよう。
集塵フィルターなどは水洗いできないものがほとんどのため、必ず確認してから作業に当たることが大切だ。
4. 加湿器の水垢の掃除方法は?

トレーやタンクおよびタンクのキャップ部分、蒸気の吹き出し口などに白い粉のような塊があった場合、それは水垢と考えられる。水垢は臭いにおいの直接的な原因ではないかもしれないが、水が溜まるトレーなどにできた場合は雑菌が繁殖することがある。水垢を落とすにはクエン酸を使おう。
水垢を落とすのに必要なもの
基本的には重曹を使って掃除するときと同じである。異なるのは重曹ではなくクエン酸を用意するといったところだ。シンクに水またはぬるま湯1Lにつき、大さじ1杯のクエン酸を加えて溶かして洗浄剤を作っておこう。
加湿器の水垢の落とし方
洗浄液に水垢が付着しているパーツを3時間ほどつけ置きする。時間がきたらスポンジや歯ブラシなどでこすり洗いをして流水でよくすすぎ、風通しのよい場所で完全に乾かす。つけ置きできない本体トレーや吹き出し口などは、雑巾に洗浄液を含ませて水垢に垂らし、キッチンペーパーをかぶせる。さらに洗浄液を垂らしたら上からラップでパックをする。
2〜3時間放置したのちスポンジや歯ブラシなどでこすり洗いし、雑巾で水拭きと乾拭きをして仕上げればOKだ。
5. 加湿器の掃除の頻度

無事に加湿器のにおいが解消したら、次はその状態をキープすることが重要だ。実際のところ、どれくらいの頻度で掃除をしておけば加湿器のにおいを防げるのだろうか?
タンクは毎回、入念な掃除は月1を目安に
加湿器の使用頻度や空気の状態などにもよるが、使った日は毎回タンクの中を水洗いして乾かすと同時に、トレーも軽く拭き掃除しておこう。今回紹介したような全体的な掃除は月1回が目安になる。
6. 加湿器のにおいを防ぐ方法

加湿器のにおいを防ぐには、掃除以外にも心がけたいポイントがある。
水は毎回入れ替える
加湿器のタンクの水を数日替えなかったり、継ぎ足して使い続けたりするのはNGだ。お伝えしたように雑菌やカビが繁殖しやすいため、においの原因になりやすい。水は使い切るか、残った場合は捨てるなどして毎回入れ替えよう。長期間加湿器を使わないときなども、いったん水を抜いて乾燥させておくことがにおい対策になる。
水道水を使う
加湿器に使う水は水道水だ。ウォーターサーバーの水やミネラルウォーター、浄水器を通した水などは、本来水道水に含まれる殺菌成分が除去されているため腐りやすい。メーカーや機種によって特別な指定がある場合を除き、原則として加湿器には水道水を使うものと覚えておこう。
よく乾かす
カビは湿度の高いところを好む反面、乾燥していて湿度の低いところでは繁殖しにくい。加湿器を使用しないときは水を抜いて乾かし、カビが発生するリスクをできる限り抑えよう。
部屋の湿度を上げるために使う加湿器だが、湿度が高くなりすぎるとカビが繁殖しやすくなるため本末転倒だ。適宜換気しカビが好む環境を作らないようにすることも大切である。
7. 加湿器のお手入れが楽になるおすすめアイテム3選

加湿器の汚れを少しでも防ぐには、市販の洗浄剤などを併用する方法もある。おすすめを3つ紹介するので参考にしてほしい。
コジット「加湿器タンクの除菌剤」
タンクに注ぐだけの液体除菌剤だ。ニームエキス、ユーカリエキス、大豆アミノ酸といった天然由来の成分のため小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心して使える。
UYEKI(ウエキ)「加湿器の除菌タイム」
タンク内や給水トレーの雑菌を除去する液体除菌剤で、吹き出し口からの蒸気にもしっかり除菌作用が働く。食品添加物にも使われる成分など安全性にも配慮されている。
ブリッジメディカル「快適空間 加湿器キレイ」
こちらは銀イオンパワーで除菌する、タンクに入れるだけのパックタイプの除菌剤だ。ひと目で分かるよう、色の変化で交換のタイミングを知らせてくれる。
8. 加湿器の臭いにおいは放置せず掃除で解消しよう

加湿器から放たれる蒸気が臭いと不快なだけでなく、カビなどが原因だった場合は空気中に胞子が撒き散らされているおそれがあるため要注意だ。少しでも変なにおいがすると感じたら放置したり掃除を後回しにしたりせず、速やかに対処するように心がけよう。あわせて市販の洗浄剤などをうまく使い、雑菌の繁殖などをできる限り抑える工夫も取り入れよう。
結論
加湿器からのにおいを消そうとアロマを入れてみたり、部屋に消臭スプレーを噴射したりしても、雑菌やカビを取り除けるわけではない。においがする場合はもちろん、そうでなくとも加湿器は定期的にしっかり掃除し、キレイな空気をキープしよう。