このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
加湿器の除菌を怠るリスクとは?加湿方式別にお手入れ方法も解説!

加湿器の除菌を怠るリスクとは?加湿方式別にお手入れ方法も解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年10月11日

加湿器の除菌はしているだろうか?雑菌を部屋中に撒き散らしてしまうことによりさまざまなリスクが生じるおそれがあるため、定期的にお手入れすることが大切だ。本稿では加湿器の除菌の必要性を解説するとともに、気化式・スチーム式・超音波式それぞれの除菌方法や注意点などもお伝えする。

  

1. 加湿器の除菌の必要性について

加湿器から噴出する蒸気の元は、普段我々も口にする「水」だ。それなのに除菌なんて大げさだと感じるかもしれないが、実は加湿器にはさまざまな汚れが溜まる。まずは除菌の必要性について考えていこう。

加湿器の除菌が必要な理由

加湿器のうち、水が触れるパーツには水垢が発生する。水垢とは水道水に含まれるミネラル成分などが固まったものだ。水垢が溜まると加湿能力が低下したり、臭いが発生したりすることがある。

それに水は腐る。何日も替えていなかったり継ぎ足して使ったりしていると、水が腐って雑菌やカビなどが繁殖しているおそれがある。そうした水が蒸気となって空気中に放出されれば、ヒトやペットなどが吸い込むことになってしまう。直ちにではないかもしれないが、長期間そういった蒸気を吸い込み続けた場合、体調に異変をきたしてもおかしくはないだろう。それにタンクや給水口なども、掃除しなければぬめりが発生し雑菌やカビが繁殖してしまう。

とくに気をつけたいのは超音波式

加湿器には超音波式、気化式、スチーム式などさまざまなタイプがある。そのいずれも適切にお手入れをして除菌することが望ましいのに変わりはない。だが、中でもとくに気をつけたいのが超音波式の加湿器だ。

気化式やスチーム式の加湿器は、タンクの水を加熱する過程である程度除菌(煮沸消毒)される。一方の超音波式は、タンクの水を超音波で微粒子に替えて噴出しているだけであるため、加熱などによる消毒効果はない。タンクに水を入れたまま放置して雑菌が繁殖した場合はもちろん、給水したばかりの水であっても雑菌が混ざっていればそのまま空気中に放出されることになる。

2. 加湿器の除菌を怠ると「レジオネラ症」のおそれも

加湿器を除菌せずに使い続けていると、レジオネラ症と呼ばれる感染症を招くおそれもある。どういうことか、詳しく解説しよう。

レジオネラ症とは

レジオネラ属菌によって発症する感染症だ。レジオネラ属菌は自然界に生息する細菌で、河川や温泉、土壌などに多く存在する。ヒトが感染すると発熱や筋肉痛といった症状が出る「ポンティアック熱」、高熱や呼吸困難等、重症の肺炎などを招く「レジオネラ肺炎」を発症することがある。レジオネラ属菌やレジオネラ症について詳しくは、厚生労働省のホームページもぜひご覧いただきたい(※1)。

加湿器内でレジオネラ属菌が繁殖するおそれがある

加湿器(とくにタンク)を除菌せずにいると、レジオネラ属菌が繁殖してしまうことがあるという。レジオネラ属菌が含まれた蒸気を吸い込めば、上述のような感染症を発症するリスクも生じる。加湿器の除菌の重要性がお分かりいただけたのではないだろうか。

3. 加湿器の除菌方法

加湿器の除菌とは、つまり日々の適切なお手入れである。基本的なことを守って加湿器の除菌につなげよう。ここでは一般的な加湿器の除菌方法を紹介していくが、細かいお手入れの仕方はメーカーや機種によって異なる。事前に必ず取扱説明書をチェックし、以下の手順と異なる場合は取扱説明書を優先してほしい。

超音波式・気化式・スチーム式に共通するお手入れ方法

超音波式、気化式、スチーム式いずれもタンクの水は毎日取り替えよう。その際、少量の水を入れて振り洗いをしてから新しい水に入れ替えるとよい。また何日も使用しないときは、必ずタンクの水を抜き乾燥させておくことも忘れないようにしよう。

超音波式の除菌方法

本体の水をすべて抜き、中に汚れがあればスポンジや古い歯ブラシなどで擦り洗いをしてから布で拭きあげる。水洗いできるパーツは水洗いをして、しっかり乾かそう。

気化式の除菌方法

説明書にしたがってフィルターとトレーを掃除する。水洗い可能なフィルターで臭いが気になるときは、クエン酸を溶かした水に浸け置きするとよい。トレーにも汚れが溜まるので、スポンジなどで擦り洗いをして十分乾燥させよう。

スチーム式の除菌方法

本体の水をすべて抜き、拭けるところは布で、汚れが気になるところはスポンジや使い古しの歯ブラシなどで擦り洗いをする。タンクや本体の汚れがひどい場合は、タンクにクエン酸を溶かした水を入れて加湿器を1時間ほど運転させよう。その後、タンクを空にして再度、全体的に水洗いするとキレイに落とせるはずだ。

4. 加湿器を除菌する際の注意点!次亜塩素酸ナトリウムはNG?

続いて、加湿器を除菌する際や日々使用するにあたっての注意点をお伝えする。

超音波式・気化式・スチーム式に共通する注意点

特別に指定されていない限り、加湿器には普通の水道水を使おう。ミネラルウォーターや浄水器を通した水などは、殺菌・消毒作用をもつ塩素が含まれていないかほとんど取り除かれている状態のため、水道水よりも雑菌が繁殖しやすい。せっかくタンクや本体を除菌しても意味がなくなってしまうので覚えておこう。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いに注意

塩酸または食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解して作られるのが「次亜塩素酸水」である。ウイルス対策やアレルゲンの除去、除菌や消臭といった作用があり、一般家庭向けの商品も数多く出回っている。加湿器のタンクに入れられるものもあり、それによってタンク内の除菌といった効果が期待できる。

一方、似た名前の「次亜塩素酸ナトリウム」は強いアルカリ性を示す物質である。次亜塩素酸水のようなウイルス抑制といった効果のほか汚れ落としも期待できるが、皮膚に触れるとたんぱく質が溶けたり、金属に触れると腐食したりする。つまり人体や加湿器などの機器への使用には向かない。名前が似ているため、うっかり間違えないようにだけくれぐれもご注意いただきたい。

次亜塩素酸水を使う際は必ず取扱説明書を確認する

次亜塩素酸水は加湿器に使用できるとお伝えしたが、メーカーや機種によっては推奨していない(禁止している)こともある。必ず事前に取扱説明書を確認するようにしてほしい。取扱説明書に明記されていなければ、念のためメーカーのホームページを確認するか問い合わせるかして使用の可否をはっきりさせておこう。なお次亜塩素酸水を加湿器に使用した場合、塩素のにおいが生じることがある。気分が悪くなるおそれもあるため、適度に換気をするといった工夫も必要だ。

5. 加湿器の除菌におすすめのアイテム3選

加湿器の除菌におすすめのアイテムを紹介しよう。日々のお手入れと併用することで、より効率的に除菌できるはずなのでぜひチェックしておこう。

トーワ化学「空気清浄除菌・消臭・防カビ剤 抗菌ミスト」

加湿器の給水タンクの水100に対し1の割合で混ぜるだけで、さまざまな除菌・抗菌作用が得られる。

ブリッジメディカル「加湿器キレイ」

同じく加湿器のタンク内に投入するだけで、タンク内の除菌や消臭作用が得られる。効果が6カ月持続するためコスパもいい。

UYEKI(ウエキ)「除菌タイム加湿器用」

加湿給水トレーの雑菌を取り除くと同時に、噴出される蒸気の除菌もしてくれる。使い方は同じように加湿器のタンクに投入するだけだ。

6. 加湿器を安心して使うためにも除菌しよう

加湿器の除菌が大切である理由はお分かりいただけただろう。怖いのはカビの胞子やレジオネラ属菌などが目に見えないこと、そして直ちに体に異変が起こるとは限らないことだ。長期間不衛生な状態で使用し続けることで徐々に蓄積され、ある日突然アレルギーなどを発症するかもしれない。毎日新しい水を使うことはもちろん、取扱説明書に載っているお手入れ方法を定期的におこなったり、除菌効果のあるアイテムを併用したりして清潔に保とう。

結論

「キレイな蒸気で部屋を潤していると思ったら雑菌だらけだった」ということがないよう、加湿器は適切にお手入れをしてしっかり除菌することが大切だ。次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムといった間違えやすいものにも気をつけよう。

(参考文献)

インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2020年2月 7日

  • 更新日:

    2021年10月11日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧