- 1. 「皮脂汚れ」は黒ずみや黄ばみの正体
- 2. 皮脂汚れが落ちにくい理由
- 3. まず試したい皮脂汚れの落とし方
- 4. 頑固な皮脂汚れは酸素系漂白剤や重曹で落とす
- 5. それでも落ちない皮脂汚れはクリーニングへ
- 6. 皮脂汚れを防ぐちょっとしたコツ
- 食器用中性洗剤(大さじ1〜2杯)
- 酸素系漂白剤(大さじ1/2杯)
- 酸素系漂白剤(大さじ1杯)
- 重曹(大さじ1杯)
- クレンジングオイル(適量)
- スチームアイロン
1. 「皮脂汚れ」は黒ずみや黄ばみの正体
そもそも皮脂汚れとはどういった汚れを指すのか、皮脂の基礎知識とあわせて簡単に解説しておこう。
「皮脂」は皮脂腺から分泌される油のような物質
ヒトには皮脂腺というものがあり、そこから油のような物質を分泌する。これが皮脂である。皮脂は皮膚の表面に膜を作り、外的要因から皮膚を守るという役割がある。そのため欠かせない物質ではあるが、酸化することで頑固な汚れとなってしまう。
「黒ずみ」や「黄ばみ」が皮脂汚れ
襟や袖、脇や靴下などによく見られる黒ずみや黄ばみといったものが皮脂汚れだ。ワイシャツなど白い衣類はとくに目立つため、なんとか皮脂汚れを落としたい、防ぎたいと思っている方も多いだろう。
2. 皮脂汚れが落ちにくい理由
皮脂汚れは普段の洗濯などではキレイに落とすことが難しい。その理由は以下の通りだ。
皮脂汚れは繊維の深くに染み込んでしまう
上述のように皮脂はヒトの分泌物のひとつで、脂肪酸あるいは中性脂肪などが主成分である。皮膚と触れ合うことの多い襟や袖、脇などはとくに皮脂が繊維に染み込みやすい。皮脂汚れは垢やホコリなどが結合して頑固な黒ずみ汚れへと変わり、酸素に触れて酸化することで黄ばみとなる。
加えて一般的な洗濯洗剤では、繊維の奥深くに染み込んだ皮脂汚れまでは落としきれないことが多い。きちんと洗濯していても黒ずみや黄ばみが残ってしまう(=皮脂汚れが落ちにくい)のは、こうした理由によるものだ。
3. まず試したい皮脂汚れの落とし方
皮脂汚れは確かに落としにくいが、コツを掴めばどうしようもない相手ではない。まずは次の方法を試してほしい。
皮脂汚れに洗濯洗剤の原液を塗ってもみ込む
洗濯洗剤を薄めずにそのまま皮脂汚れに塗り、もみ洗いをしてからいつものように洗濯機で洗ってみよう。軽度の皮脂汚れならこれで落ちることがある。
皮脂汚れに食器用中性洗剤を塗って擦り洗いする
食器用中性洗剤と柔らかめの歯ブラシを用意しよう。40℃ほどのぬるま湯で洗剤を薄め、歯ブラシに付けて皮脂汚れを優しく擦り洗いする。その後、ぬるま湯でよくすすいでからいつものように洗濯機で洗ってみよう。
4. 頑固な皮脂汚れは酸素系漂白剤や重曹で落とす
時間が経った皮脂汚れは、どんどん蓄積され頑固になっていく。上記の方法で落とせなかったときは、酸素系漂白剤(粉末タイプ)を使ったやり方にチャレンジしてみよう。
酸素系漂白剤を使った皮脂汚れの落とし方
【用意するもの】
【酸素系漂白剤で皮脂汚れを落とす方法】
まずは食器用中性洗剤と酸素系漂白剤に水を少量(大さじ2杯ほど)加え、少し泡立つ程度に混ぜておく。次に歯ブラシを使って皮脂汚れに塗り、数分待ってからいつものように洗濯洗剤を使って洗濯する。放置する時間は汚れの程度によって調整してほしい。これで頑固な皮脂汚れもかなり落とせるはずだ。
なお洗剤が残ってしまうと黄ばみなどの原因になりやすい。すすぎはいつもより入念におこなってほしい。
酸素系漂白剤と重曹を使った皮脂汚れの落とし方
【用意するもの】
【酸素系漂白剤と重曹で皮脂汚れを落とす方法】
クレンジングオイル(化粧落とし)がご家庭にある方は、この方法も試してみてほしい。まずは皮脂汚れにクレンジングオイルを塗って浸透させる。次に、桶に40℃ほどのぬるま湯をはりクレンジングオイルが落ちるまでよくすすぐ。黒ずんだ汚れはこれでかなり落ちるだろう。
続いて、酸素系漂白剤と重曹にぬるま湯100mlを混ぜ、残った皮脂汚れ(黄ばみ)にたっぷり塗り込む。スチームアイロンでスチームを当てたのち、水でよくすすぐ。
最後は洗濯機でいつものように洗濯すれば完了だ。アイロンは服に直接当てず、少し離した位置からスチームを当てよう。
5. それでも落ちない皮脂汚れはクリーニングへ
どうしても残ってしまう皮脂汚れや、自分で洗濯する時間がなかなか取れないという方などは、より手っ取り早くクリーニングに出すのもおすすめだ。費用はかかるがプロの手でキレイに仕上げてもらえる。
お手上げならクリーニングへ
いずれの方法を試しても落とせない皮脂汚れは、クリーニングに持ち込むことをおすすめしたい。その際、ドライクリーニングとウェットクリーニングを両方お願いするとよいだろう。皮脂汚れ以外の汚れが混じっていることもあるからだ。
6. 皮脂汚れを防ぐちょっとしたコツ
皮脂は常に分泌されているため、完全に防ぐことはできない。だが皮脂汚れを蓄積させないようにすることは可能だ。ちょっとしたコツがあるので、できるところから取り入れていこう。
洗濯物を長い時間放置しない
皮脂汚れは、時間が経つほど頑固になる。一人暮らしの方などはとくに、洗濯物が溜まるまで数日待つという方もいるかもしれない。だができればシャツや白物など、皮脂汚れが目立ちそうな衣類はこまめに洗濯しよう。
洗濯に液体の酸素系漂白剤を使う
いつもの洗濯洗剤に加えて、液体の酸素系漂白剤を使ってみよう。洗剤だけで洗うよりもキレイに仕上がるうえ、除菌作用による消臭効果なども期待できる。
洗濯のりを塗っておく
ワイシャツにおすすめなのが洗濯のりだ。繊維の表面がコーティングされ、皮脂汚れがそのコーティングに「のっかる」形になる。つまりワイシャツの繊維には皮脂が染み込みにくくなるというわけだ。洗濯するたびに落ちてしまうためその都度塗る手間はかかるが、汚れの蓄積はかなり防げるだろう。
洗濯槽にテニスボールを投入する
洗濯ネットにテニスボールを3個入れて、洗濯物と一緒に洗濯機で回してみよう。ボールが衣類を叩くことにより汚れが落ちやすくなる。ただしテニスボールが水分を含んでしまうため、使用後はカビを防ぐためにもきちんと乾かすことが大切だ。あるいはより簡単な「洗濯ボール」を使ってもよいだろう。
ベビーパウダーを塗っておく
ベビーパウダーは皮脂や汗などを吸着してくれるため、シャツに汚れが移りにくくなる。着る前に襟や袖などに軽く振っておこう。
結論
皮脂はさまざまな汚れと結合して頑固な黒ずみとなり、酸化することで黄ばみとなる。普通に洗濯しただけでは落ちにくい厄介な汚れだ。だがご家庭にあるもので落とせることも多いので、汚れの程度に応じて今回紹介したいずれかの方法を試してみてほしい。キレイになったシャツで気持ちよく出かけよう。