目次
1. スキーウェアを洗濯すべき理由

スキーウェアは洗濯したほうがよい。「まだ1〜2回しか着てないから」などの理由で洗濯せずに収納・保管している方がいたら、今からでも遅くないので洗濯をしよう。なぜ洗っておくべきなのか、その理由を解説する。
1度着用しただけでも汚れが付着する
雪の上を滑るスキーは汚れやすいスポーツだ。スキーウェアには雪や泥が跳ね、転べば全身に付着する。表面だけ拭いても全ての汚れを落とすのは難しく、時間がたてば落ちにくくなる。洗濯を避けていては汚れる一方だ。
汗のイヤなにおいが発生する
激しい運動によって出た汗はスキーウェアの内側に染み付く。洗濯をしないでいるとイヤなにおいが発生する原因となるので気をつけよう。
カビが生えることもある
百歩譲って、においだけはなんとか軽度で済んだとしよう。だが、汚れや湿気をそのままにしてしまうと、それらをエサにカビが生えてしまうことがある。さすがにカビが生えたスキーウェアを着るというのは気持ちが悪すぎる。
機能が低下するおそれがある
スキーウェアの重要な機能である撥水性や通気性も汚れによって低下する。快適な着心地をキープするためにも、洗濯をして清潔に保つ必要があるのだ。
2. 洗濯できるスキーウェアの見分け方

スキーウェアに施された加工によっては、洗濯できない場合がある。洗濯する前に必ず、ご家庭で水洗いできるスキーウェアなのかを確認しよう。
洗濯できるスキーウェア
スキーウェアが洗濯できるかどうかは洗濯表示で確認できる。「洗濯桶」「洗濯機」いずれかのマークがあれば洗濯機で洗えるスキーウェアだ。「洗濯桶に手」のマークもしくは「手洗イ」と書かれていれば手洗いできる。数字が書かれていれば水温の上限を意味する。洗濯表示について詳しくわからないという方は、消費者庁のサイトで確認しておこう(※1・※2)。
洗濯できないスキーウェア
洗濯桶や洗濯機のマークがあっても、そこに「バツ」が書かれていればご家庭では水洗いできないスキーウェアということになる。ドライクリーニングなどのマークがないか確認しよう。不明なときは、メーカーのホームページなどに書かれていないかチェックしておくとよい。
洗濯できるスキーウェアは色落ちチェックをしよう
カラフルなスキーウェアは色落ちする場合がある。トラブルを防ぐためにも、事前にティッシュや洗剤を使って色落ちの有無を調べておこう。やり方は簡単だ。目立たない部分にごく少量の洗剤をたらし1~5分ほど待つ。ティッシュでトントン叩くなどして拭き取り、色がつかなければ色落ちのリスクは低い。
「低い」としたのは、たとえ色落ちチェックでOKだったとしても、洗濯することで少なからず色が落ちてしまうからだ。超お気に入りなどで風合いが損なわれるのを避けたいスキーウェアだった場合は、ご家庭では洗濯せず最初からクリーニングに任せることをおすすめする。
「低い」としたのは、たとえ色落ちチェックでOKだったとしても、洗濯することで少なからず色が落ちてしまうからだ。超お気に入りなどで風合いが損なわれるのを避けたいスキーウェアだった場合は、ご家庭では洗濯せず最初からクリーニングに任せることをおすすめする。
3. スキーウェアを手洗い洗濯する方法

それでは、スキーウェアを洗濯する方法を見ていこう。手洗いする方法と洗濯機で洗う方法を紹介する。まずは手洗いからだ。
用意するもの
- 洗濯桶
- オシャレ着用中性洗剤
- 大判のバスタオル
以上をそろえよう。洗濯桶がなければシンクや洗面ボウル、バケツや浴槽などでもよい。洗剤は生地に優しいオシャレ着用(中性)のものを使おう。あるいは、アウトドア用や撥水生地専用といった洗剤をお持ちならそれでもよい。なお柔軟剤は使用しない。また目立つ汚れがあれば、先に水に濡らしたタオルなどで拭き取っておこう。
スキーウェアを手洗いする方法
- 洗濯桶などに30℃程度の水をはる
- 洗剤を適量溶かす
- ジッパーやホックを閉じてたたんだスキーウェアを浸す
- 20回ほど押し洗いする
- 水を入れ換え、濁らなくなるまで2〜3回すすぎを繰り返す
- 大判のバスタオルで包み、押すようにして脱水する
以上がスキーウェアを手洗いで洗濯する方法だ。すすぐときも押し洗いの要領でよいので、泡立たなくなるまで入念にすすごう。洗剤が残っていると雑菌が繁殖し、生乾きのにおいやカビなどの原因になるためだ。
4. スキーウェアを洗濯機で洗う方法

続いてスキーウェアを洗濯機で洗う手順を見ていこう。
用意するもの
- オシャレ着用中性洗剤
- たたんだスキーウェアが入るサイズの洗濯ネット
手洗いのときと同じように、オシャレ着用中性洗剤もしくはアウトドア用や撥水生地専用といった洗剤を使おう。洗濯ネットは、たたんだスキーウェアがちょうど収まるサイズがベストだ。ひどい汚れやシミがある場合は、あらかじめ洗剤をつけておくとよい。
スキーウェアを洗濯機で洗う方法
- スキーウェアをたたんで洗濯ネットに入れる
- 「ドライ」「手洗い」など弱水流コースに設定する
- 洗剤をセットし、スタートボタンを押す
- 脱水は1分ほどで止めて取り出す
撥水性があるスキーウェアは脱水しにくいので短時間で終わらせよう。洗濯機のコースを設定する際、脱水時間の設定を変更しておけるとベストだが、設定できないときは面倒でも手動で停止させよう。なお色移りや生地がこすれ合って傷むのを防ぐため、スキーウェアは単体で洗濯するようにしよう。
5. 洗濯したスキーウェアの干し方

スキーウェアは熱に素材のものが多いため乾燥機の使用は避けたほうがよい。また一般的な衣類よりも乾きにくいので、干すときにはひと工夫が必要だ。
ジャケットは厚めのハンガーにかける
洗濯したスキーウェアは風通しのよい場所で乾燥させよう。洗濯表示で陰干しが指定されている場合は直射日光を避けることだ。ジャケットは、少しでも空気が通りやすくなるように厚みがあるハンガーにかけよう。
ズボンは筒状に干して通気性をよくする
ズボンは、着用しているときと近い状態、つまり筒状に吊るすと空気が通って乾きやすくなる。ピンチハンガーなどを駆使して風通しのよい場所で筒干しをしよう。2~3日ほどしっかり干して、確実に乾燥させてから収納しよう。
2〜3日干してしっかり乾燥させるのがポイント
スキーウェアは一般的な衣類と比べると乾きにくい。中までしっかり乾燥させるためにも2〜3日かけてじっくり乾燥させることが大切だ。早く乾かしたいからと乾燥機にかけたりドライヤーを当てたり、ストーブを当てたりといったことはNGだ。とくに火を使うのは危険なので絶対に避けよう。
裏側が乾きにくいときは?
途中で裏側を確認してみて、乾くスピードが遅いと感じたら裏返すとよい。ファスナーなどはすべて開けたままにしておこう。
6. スキーウェアを洗濯したあとは撥水スプレーを

スキーウェアが完全に乾燥したことを確認したら、保管する前に撥水スプレーを吹きかけておこう。
撥水スプレーの使い方
スキーウェアを風通しのよい場所へ持っていき、20cmほど離して全体に吹きかける。液がたれてしまうのでかけすぎは厳禁だ。すそや臀部、膝など濡れやすい部分に念入りにかけるのがポイントなので覚えておこう。スプレーしたあとは、風通しのよい日陰などに30分ほど干して乾燥させよう。なお撥水スプレーには繰り返し使うことで効果が高まる商品もある。説明書などに記載された使用方法や注意点を確認し、それに従って正しく使おう。
7. スキーウェアを洗濯する頻度は?

スキーウェアはどれくらいの頻度で洗濯するのが理想なのだろうか?
着るたびに洗濯するのがベスト
冒頭でもお伝えしたように、たった1回の着用でも意外と汗をかくし汚れも付着する。撥水性が低下すれば水滴が繊維の隙間を防ぎ、スキーウェアの内部で結露が生じることもある。体が冷えてしまう原因にもなるため、機能低下は極力防ぎたいところだ。こうしたことからも、スキーウェアは着るたびに洗濯することが推奨されている。乾くまで時間がかかるため、スケジュールが詰まっているときは致し方ないかもしれないが、そうでなければ毎回洗濯しよう。
汗をかいていない、汚れがひどくないときは?
着用したものの、汗はほとんどかいていないし汚れもほとんど付着していない、ということもあるだろう。その場合は洗濯しなくてもよい。洗濯のしすぎは撥水性の低下にもつながるため、ケースバイケースで判断しよう。シーズン通してこの程度なら、シーズン終了後に1回洗濯すればOKだ。
8. スキーウェアはコインランドリーで洗濯できる?

ところで、スキーウェアはコインランドリーで洗濯しても問題ないのだろうか?
洗濯機の使用がOKなら洗濯できる
洗濯表示を見て、洗濯機で洗えるスキーウェアだった場合はコインランドリーを利用してもOKだ。ただしドラム式洗濯機は衣類を叩きつけるため、タテ型と比べてダメージを受けるおそれがある。
乾燥機の使用はおすすめしない
スキーウェアは熱に弱い素材のものが多いため、乾燥機を使うのは控えたほうがよいだろう。コインランドリーの乾燥機は「タンブル乾燥(タンブラー乾燥)」と呼ばれる方式が一般的だ。洗濯表示にタンブル乾燥に関する記載があればそれを確認しておこう。洗濯から乾燥までノンストップの「洗濯乾燥機」は、途中で取り出せないので使わないように気をつけよう。
9. スキーウェアをクリーニングに出すのもおすすめ

ご家庭では洗濯できないスキーウェア、あるいは自分で洗濯するのが面倒といった場合、ドライクリーニングのマークがあればクリーニング店に持ち込んでキレイにしてもらおう。店舗にもよるが2,000〜3,000円程度で受け付けてくれるところが多い。撥水機能が低下してきたと感じるスキーウェアなら、クリーニングに出すついでに撥水加工もお願いしよう。少々料金は高くなるが、自分でやる手間が省ける。
10. 洗濯できないスキーウェアを洗ってしまったときは?

洗濯表示を確認する前に、うっかり洗濯できないスキーウェアを洗ってしまったというケースもあるだろう。洗ってしまったものは仕方がないので、次の対処方法を考えよう。
とにかく乾燥させること
何よりも乾燥させることが大切だ。洗濯機で1分ほど脱水したら、上述した干し方を参考にして完全に乾かそう。熱を加えるのはNGだが、サーキュレーターなどを使って風を当てるなどするのはOKだ。
撥水スプレーを吹きかける
完全に乾いたことを確認したら、次は撥水スプレーを吹きかける。こちらも上述したやり方と同じだ。繰り返し吹きつけるとより高い効果が得られる場合がある。完全に元通り、とはならないかもしれないが、乾かして撥水スプレーを吹きかければ、ある程度までは回復してくれるはずだ。それでもダメならクリーニング店に相談するか、残念だが買い替えも検討しよう。
11. スキーウェアを洗濯しないときのお手入れ方法

洗濯しないときのお手入れ方法を最後に紹介しておく。
泥汚れなどはブラッシングで落としておく
泥汚れは時間が経つと落ちにくくなる。その場で落とせればベストだが、遅くとも日のうちにはブラッシングなどをして落としておこう。
シミなど部分的な汚れは拭き取っておく
飲みこぼしやそのほかのシミなどがついてしまったときは、布にオシャレ着用中性洗剤を少量含ませ、ポンポンと叩くようにしてシミを移していこう。
濡れた状態のまま放置しない
雪で濡れたりシミを拭き取るなどして濡れたりした場合、その状態のまま放置するのは劣化を招く要因となる。速やかに風通しのよい場所に干すなどし、乾燥させるように心がけよう。
結論
スキーウェアが長持ちするかどうかは、洗濯を始めとしたお手入れ方法にかかっている。冬を目一杯楽しむためにも、お気に入りのスキーウェアは洗濯をしてコンディションを整えておこう。完全に乾かすこと、保管の前に撥水スプレーを吹きつけておくことなど、機能の低下を防ぐポイントも解説した。ぜひ本稿を参考に、スキーウェアの正しいお手入れ方法を身につけてほしい。
(参考文献)
- 1:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - 2:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html