目次
1. クッションフロアを掃除するための基礎知識

クッションフロアが使われている場所といえば、キッチンや洗面脱衣所、トイレなど汚れやすいところが多い。これはクッションフロアの特徴と大きく関係している。
クッションフロアの特徴
クッションフロアの表面は「塩化ビニル」という樹脂でできている。その下にはクッションの役割を果たすウレタン層があるのが一般的だ。塩化ビニルは水を弾く性質があるため、汚れが中まで浸透することはほとんどない。
やや凹凸のある「エンボス加工」が施されたものが多く、さまざまな模様や柄のバリエーションがある。床材としての用途が幅広いことから、一般家庭や店舗などで多く使われている。
やや凹凸のある「エンボス加工」が施されたものが多く、さまざまな模様や柄のバリエーションがある。床材としての用途が幅広いことから、一般家庭や店舗などで多く使われている。
2. クッションフロアの汚れの原因

クッションフロアには、どういった汚れが溜まっていくのだろうか?場所によって汚れの性質や適した掃除方法が変わってくるため覚えておこう。
クッションフロアに溜まる汚れとは?
クッションフロアが使われている場所によって、溜まる汚れの種類が変わってくる。たとえばキッチンは油汚れが多い。掃除を怠ると次第にベトベトになり、ホコリなどが混ざることで黒ずみ汚れとなる。そうなる前に掃除しておくほうが、手間がかからずに済む。
また湿度や温度が高く通気性の悪い脱衣所やトイレに使われているクッションフロアには、カビが生えることもある。
そのほか、クッションフロアがほかのゴム製品と接触すると化学変化を起こすことがある。黄ばみ汚れの原因だ。椅子やテーブルの脚に付けられている、滑り止めのゴムの成分が塩化ビニルと反応した場合などに黄ばみができてしまう。
また湿度や温度が高く通気性の悪い脱衣所やトイレに使われているクッションフロアには、カビが生えることもある。
そのほか、クッションフロアがほかのゴム製品と接触すると化学変化を起こすことがある。黄ばみ汚れの原因だ。椅子やテーブルの脚に付けられている、滑り止めのゴムの成分が塩化ビニルと反応した場合などに黄ばみができてしまう。
3. クッションフロアの普段の掃除方法

上述のように、クッションフロアが使われている場所はさまざまだが、まずは基本的な掃除方法から見ていこう。
用意するもの
掃除機と雑巾が複数枚あればよい。またバケツがあると毎回水道まで行く手間が省けて便利だろう。落ちにくい汚れがあるときは、水で薄めた食器用中性洗剤や住宅用のクリーナーを使おう。
普段の掃除方法
まずはクッションフロア全体に掃除機をかけておおまかなホコリなどの汚れを取り除く。次に、奥から手前へ「コ」の字を描くように雑巾がけをしよう。最後に乾拭きで仕上げれば完了だ。なお食器用中性洗剤を使用した場合は、クッションフロアに残ってしまわないよう、水拭きでしっかり拭き取ることを忘れないようにしよう。
4. クッションフロアのベタつく油汚れの掃除方法

続いて、クッションフロアに付着した油汚れの掃除方法を見ていこう。ベタつく油汚れはどう落とすのが効率がよいのだろうか?
用意するもの
同じく掃除機と雑巾を複数枚用意しよう。油汚れは頑固なものが多いので、今回は水で薄めた食器用中性洗剤または住宅用クリーナーが必須だ。
ベタつく油汚れの掃除方法
掃除機でクッションフロア全体のゴミやホコリをできるだけ取り除くき、水に濡らして固く絞った雑巾で水拭きをするという流れは同じだ。クッションフロアの大抵の汚れは水拭きで取れるはずだが、油汚れは残ってしまうことがある。水で薄めた食器用中性洗剤を雑巾に含ませてこすり落とそう。やはり最後は丁寧に水拭きと乾拭きをして仕上げることを忘れないようにてほしい。
5. クッションフロアの黒ずみ汚れの掃除方法

お次はクッションフロアの黒ずみ汚れの掃除方法だ。軽度であれば水拭きで掃除できるが、こびりついている黒ずみ汚れは拭き掃除では難しいことが多い。
用意するもの
掃除機と雑巾に加えて、研磨成分入りの歯磨き粉と柔らかめのスポンジを用意しよう。クッションフロアの目地など雑巾で拭きにくい場所の汚れは、使い古した歯ブラシなどがあると便利だ。
黒ずみ汚れの掃除方法
クッションフロア全体に掃除機をかけておおまかなゴミを取り除いたら、これまでと同じように雑巾がけをする。全体的にキレイになったら、黒ずみに歯磨き粉をつける。あとはスポンジで円を描くようにこすり落とせばよい。最後に水拭きで歯磨き粉を拭き取り、乾拭きで仕上げれば完了だ。なお、水で薄めた食器用中性洗剤だけで落とせる黒ずみもある。先にそちらを試してみてもよいだろう。
6. クッションフロアにカビが生えたときの掃除方法

湿度や温度が高く、通気性が悪い脱衣所や洗面所、トイレなどのクッションフロアには黒カビが生えてしまうことがある。あるいは、リビングなどでも油断しているとカビが生える。この場合の掃除方法はどうすればよいだろうか?
用意するもの
雑巾複数枚と水で薄めた食器用中性洗剤で対処しよう。消毒用エタノール(アルコール)や「カビホワイト」などビニールに使用できるカビ取り剤もあるとよい。
カビの掃除方法
水で薄めた食器用中性洗剤を雑巾に含ませて拭き掃除をする。これで落ちないときは、クッションフロアに深く根を張っているものと考えられる。消毒用エタノール(アルコール)を吹きつけてしばらく待ってから、再び水で薄めた食器用中性洗剤を含ませた雑巾で拭いてみよう。あるいは、最初からカビホワイトなどビニールに使用できるカビ取り剤を使ってもよい。
注意したいのが、カビを拭いた雑巾でほかの場所を拭かないということだ。カビをほかの場所へ移してしまいかねないので気をつけよう。
注意したいのが、カビを拭いた雑巾でほかの場所を拭かないということだ。カビをほかの場所へ移してしまいかねないので気をつけよう。
消毒用エタノール(アルコール)やカビ取り剤を使う際の注意点
クッションフロアによっては変色するといったリスクがある。使用する際は目立たない場所で試してからがおすすめだ。また賃貸物件にお住まいの方は、退去時のトラブルになりかねないため使用を控えたほうがよいだろう。水で薄めた食器用中性洗剤で拭き取れないほどの頑固なカビは、ハウスクリーニングなどプロに相談したほうがよいかもしれない。
7. クッションフロアの黄ばみは掃除で落とせる?

先ほどお伝えしたように、クッションフロアがほかのゴム製品と接触すると黄ばんだり茶色く変色したりすることがある。この汚れは掃除で落とすことはほぼ不可能と思っておこう。汚れというよりも、クッションフロアの色そのものが変わってしまっているため掃除をしても効果がないのだ。
すでにクッションフロアにそうした汚れがあるときは、それ以上広げないように薄い布などを敷いて対処し、ほかの部分を丁寧に掃除してキレイに保とう。
すでにクッションフロアにそうした汚れがあるときは、それ以上広げないように薄い布などを敷いて対処し、ほかの部分を丁寧に掃除してキレイに保とう。
8. クッションフロアを掃除する際の注意点

クッションフロアの掃除は難しくはない。だが、クッションフロアの弱点を把握しておかないと思わぬ失敗を招くことがあるため気をつけよう。
メラミンスポンジは極力使わない
メラミンスポンジには研磨作用がある。クッションフロアをこすってしまうと傷がつくおそれがある。絶対に使ってはいけないという意味ではないが、傷にゴミやホコリ、水分が溜まれば掃除が面倒になることも考えられるし、水分が奥まで浸透するようになってしまえばクッションフロアの機能を失うおそれもある。
やや大げさかもしれないが、極力使わないようにしよう。どうしても使うときは優しくこすることを心がけよう。
やや大げさかもしれないが、極力使わないようにしよう。どうしても使うときは優しくこすることを心がけよう。
水分はしっかり拭き取る
クッションフロアは水を弾いてくれるので、掃除をするときも安心して水を使うことができる。水が汚れを緩めてくれるため掃除しやすいというメリットもある。だが仕上げの際は必ず丁寧に拭き取ることだ。クッションフロアに水分が残ったままになると、シミとなったりカビが生えたりすることがあるため気をつけよう。
消毒用エタノール(アルコール)や強力な洗剤は目立たない場所で試す
上述のように、消毒用エタノール(アルコール)は変色のリスクがある。カビキラーといった強力な塩素系漂白剤なども同じだ。できればそうしたアイテムの使用は避けたほうが賢明だが、使用する場合でも必ず目立たない場所で試してからにしよう。
9. 掃除したクッションフロアをキレイに保つには?

最後に、掃除をしたクッションフロアをキレイに保つコツをお伝えしよう。もともと掃除しやすいクッションフロアではあるが、ひと工夫することでそのキレイをキープできる。
ワックスをかける
ワックスでコーテイングして、しつこい汚れやカビなどからクッションフロアを守ろう。クッションフロア専用のワックスがあるのでひとつ備えておくとよい。なお、初めてワックスをかけるときは、まずクッションフロアの掃除をしたのち水分をしっかり拭き取ってから塗るようにしよう。2回目以降は、先に剥離剤を使って古いワックスを剥がしてから、新しいワックスを塗るようにしよう。
汚れはその都度拭き取る
クッションフロアの汚れは、初期であれば拭き掃除で簡単に落とせるものがほとんどである。汚れを放置しない、蓄積させないことがキレイをキープするコツだ。掃除機をこまめにかける、汚れたらすぐに拭き取るといった地道な作業が重要になる。何もなくても、週1回のペースで拭き掃除をしておけば、大がかりな掃除をしなくてもキレイな状態を保つことができるはずだ。
結論
キッチンや洗面所、トイレなど人の出入りが多い場所によく使われるクッションフロアは、汚れを放置すると頑固になる一方である。掃除の負担を減らすためにも、汚れが蓄積する前の段階でキレイにしておくことが大切だ。汚れの種類や性質に適した掃除アイテムを選び、効率よく掃除しよう。一度キレイにしたクッションフロアは、ワックスやこまめな掃除でキレイをキープしよう。