- ※1:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - ※2:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
1. 洗濯用中性洗剤とは?弱アルカリ性との違いも解説
現在市販されている洗濯用洗剤(漂白剤除く)の多くが「中性」もしくは「弱アルカリ性」である。中性洗剤とはどのような洗剤なのか、弱アルカリ性とは何が違うのかなど基本的なところからおさらいしておこう。
液性(酸性・中性・アルカリ性)について
酸性・中性・アルカリ性といった液性は、0〜14までのpH(ペーハー)値で表される。pH0に近づくほど酸性が、pH14に近づくほどアルカリ性が強くなり、洗濯でいえば洗浄力や素材・皮膚などへの刺激およびダメージも強くなる。また酸性、アルカリ性それぞれ落とすのを得意とする汚れの性質などが異なるため、上手に使い分けることが大切だ。
洗濯用中性洗剤の特徴と弱アルカリ性洗剤との違い
その字面からもわかるように、酸性とアルカリ性の中間の性質を持つのが中性洗剤である。液性がどちらにも傾いていないため、洗浄力も極端に強いということはなく、その作用は緩やかである。繊維や皮膚などへの刺激・ダメージもほとんどないため、おしゃれ着の洗濯などにも使われる。
一方、弱アルカリ性の洗濯洗剤は中性洗剤よりも洗浄力がやや強く、漂白成分が配合されているものなどもある。その分繊維へのダメージも大きくなりやすいため、洗濯物の種類によって選び分けることが大切になる。
2. 洗濯用中性洗剤のおすすめ4選
おすすめの洗濯用中性洗剤を紹介しよう。ひとつ備えておけば、普段の洗濯はもちろんデリケートな繊維の服を洗濯するときにも使えて安心だ。
花王「エマール」
蛍光剤を含まない中性洗剤で、とくにオシャレ着の洗濯などに向いている。シワや毛玉、色あせなどの予防効果もある。
花王「アタック ZERO」
アタック液体史上最高の洗浄力を謳う本品に除菌効果がプラスされた。しつこい汚れや部屋干しによる生乾き臭対策にもピッタリだ。
ライオン「アクロン」
シワや型崩れ、色あせや縮み、毛玉などを防いでくれるというのがこちら。弱水流でもしっかり汚れを落とせるよう考えられている。
P&G「アリエール バイオサイエンスジェルボール」
科学の洗浄力と自然の分解力をあわせ持つというのがこちらの中性洗剤だ。洗濯槽クリーナーを使わずとも洗濯槽の防カビになるという。
3. 洗濯で中性洗剤を使いこなすための基礎知識
洗濯で実際に中性洗剤を使うのはどういったケースなのだろうか?明確な決まりがあるわけではないが、上手に使い分けるためにも基本的なところは理解しておいたほうがよいだろう。
汚れ落としは「中和」がポイン|汚れの質によって使い分ける
汚れを効率よく落とすには「中和」がポイントとなる。洗濯における中和とは、汚れと逆の性質を持つ洗剤を使うということだ。たとえば洗濯洗剤には弱アルカリ性、弱酸性、中性などがあるが、このようにいろいろな種類があるということは、同じように汚れにも種類があるということを意味する。同時に、衣類の素材である繊維にも丈夫なものやデリケートなものといった種類がある。汚れの種類や繊維に応じた洗剤を使うことが大切だ。
洗濯用中性洗剤のメリット|繊維に優しく色落ちなどもほとんどない
おしゃれ着用洗剤の多くが中性であることからも分かるように、中性洗剤を洗濯に使うと「服の軽い汚れを、繊維を傷つけないように落としてくれる」というメリットがある。酸性やアルカリ性に比べて繊維にかかる負担が少ないため、縮みや色落ちといったトラブルのリスクもほとんどない。したがって中性洗剤は軽い汚れが付着している程度の服、デリケートな繊維が使われている服、大切に着たい服、色落ちや縮みを避けたい服などの洗濯に使うとよい。
洗濯用中性洗剤のデメリット|頑固な汚れは落ちにくい
中性洗剤で落とせるのは日々の軽い汚れと思っておこう。中性洗剤に含まれる界面活性剤が油汚れに作用すると、普段交わることのない水と油が混ざりあう。その結果、油が浮いて水に流れるため繊維がダメージを受けずに済む。だが中性洗剤では染みついた汚れやガンコな泥汚れまで落とすことは難しいので、一般的な洗剤との使い分けが必要になる。
洗濯表示は必ず確認する
中性洗剤に対する注意点ではないが、おしゃれ着や大切な服などを洗う場合は必ず洗濯表示を確認しよう。「水洗いOK」であれば洗濯機で回せるが、できればネットに入れることをおすすめする。また中には「手洗い」指定のものや「水洗い不可」のものもある。後者はとくにご家庭では洗濯できないので、クリーニングに出すなどしよう。なお洗濯表示には新旧があるため、よく分からないという方は消費者庁のサイトを確認しておくとよいだろう。(※1)(※2)
結論
大切な服の洗濯には、繊維を傷めにくい中性洗剤を使おう。近年では洗浄力が高い洗濯用中性洗剤も増えているので、普段の洗濯なら十分間に合うはずだ。洗濯洗剤にこだわりがなかった方も、これを機に中性洗剤を知って上手に活用してほしい。
(参考文献)