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油の捨て方はどれが正解?注意点とあわせて正しい知識を身につけよう

油の捨て方はどれが正解?注意点とあわせて正しい知識を身につけよう

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年3月 1日

油はどのように捨てているだろうか?うっかり誤ると自然発火などのリスクがあるため、適当に扱うのは危険だ。本稿では正しい油の捨て方を解説していくとともに、大量に残ってしまった油の捨て方などもお伝えする。油を捨てる際の注意点や劣化した油の見極め方、上手な保存方法などにも触れているので、あわせて参考にしてほしい。

  

1. そもそも「油」は何ごみ?自治体で異なる場合も

ひと口に「油」といっても食用(植物性や動物性)、食用以外の油などいろいろあるが、一般家庭から排出されるもっとも多い油といえば食用油だろう。そもそも何ごみとして処分するのが正しいのだろうか?

基本的には「燃えるごみ」

使い終わった油は燃えるごみとしての捨て方が基本だ。ただし油の種類によって、あるいは自治体によって捨て方が異なる場合があるので気をつけてほしい。

自治体により異なるケースとは

たとえば東京都の港区や江東区における「食用油」の捨て方は可燃ごみ(生ごみ)だ(※1・※2)。具体的な捨て方については後述するが、液体のままではなく何かに染み込ませたり固形にしたりするのが一般的なので覚えておこう。

一方、神奈川県厚木市では「植物性食用油」の捨て方を廃食用油(リサイクル)として出すルールになっている。ちなみに「動物性食用油」は可燃ごみ、食用以外の油については購入先に相談もしくは専門業者に依頼するというルールだ(※3)。

ごく一例ではあるが、このように油の捨て方は種類によって、もしくは自治体によって異なるケースがある。ネット上の情報を鵜呑みにして「油の捨て方は可燃ごみでOK」と思っている方がいたら、念のため自治体のホームページなどを確認してほしい。

2. 油の正しい捨て方

それでは、油の正しい捨て方を見ていこう。本稿で紹介するのは、食用油を可燃ごみとして出してよい自治体だった場合の捨て方である。なお、ここでは一般的な捨て方を紹介しているが、自治体が何らかの捨て方を指定している場合はそちらに従ってほしい。

紙または布などに染み込ませる

新聞紙やキッチンペーパー、不要になったタオルやボロ布などに、冷えた油を染み込ませるという捨て方だ。自然発火のリスクを踏まえ、紙や布には少量の水を含ませておくようにしよう。またそのままではベトベトになってしまうので、先にビニール袋などに紙や布を敷き詰めてから、油を流し込んで染み込ませるなどしよう。

牛乳パックなどに流し込む

ビニール袋ではなく、空になった牛乳パックに紙や布を敷き詰めて油を染み込ませてもよい。このときも、紙や布は水で湿らせておくことが大切だ。ビニール袋も牛乳パックも、油を流し込んだらしっかり口を閉じることを忘れないようにしよう。

凝固剤を使って固める

すでに利用しているご家庭も多いかもしれないが、市販の凝固剤を使った捨て方もおすすめだ。使い方は商品ごとに異なるものの、基本的には使用直後の油に投入し、しっかり溶けるまで混ぜておくものだ。油が冷めると同時に固まり、ビニール袋などに入れて可燃ごみとして出すことができる。

片栗粉や小麦粉で固める

凝固剤が手元にないときは、片栗粉や小麦粉などで代用する捨て方はいかがだろうか。凝固剤と同じ要領で使用直後の油に投入し、しっかり溶かしておけば油が冷めたときにはドロドロに固まっている。ビニール袋などに入れて燃えるごみとして出そう。

「資源ごみ」として捨てる場合は?

この場合の油の捨て方は自治体のルールを確認していただきたいのだが、たとえば瓶に流し込んで廃棄するといった方法がある。ペットボトルのままでOKという自治体もあれば、回収場所に設置されている専用の容器に移し替えるといった自治体もあるだろう。

3. 大量に残った油の捨て方は?

未開封のまま期限が過ぎてしまったなど、油を大量に余らせてしまったときの捨て方もお伝えする。

大量の油を捨てる方法

  • 自治体に回収してもらう
  • スーパーや企業に回収してもらう
  • 外食チェーンやガソリンスタンドに回収してもらう など
大量の油の捨て方にはこのような方法がある。もっとも確実なのは自治体に油の捨て方を確認することだが、必ずしも回収してくれるとは限らない。その場合は、自分で回収してくれるところを探さなければならないためこうした方法があると覚えておこう。ただしスーパーやガソリンスタンドなどであっても、店舗によっては扱ってもらえないことがある。日頃からスーパーなどで油を回収しているかチェックしておくことも大切だ。

4. 油の「容器」の捨て方は?

ここまで、油そのものの捨て方について解説してきたが「容器」はどうなのだろうか?

油の容器の捨て方

大きくプラスチックのボトルと瓶に分けることができる。それぞれ自治体で決められた捨て方に従って処分すればOKだ。なお油が入っていたプラスチック容器は、飲み物や醤油などのペットボトルと異なり「その他プラスチック容器」に分類される。回収方法も異なるはずなので、自治体のルールを念入りに確認しておこう。

5. 自然発火のおそれも?油を捨てる際の注意点とは

続いて、油を捨てるときの注意点を見ていこう。知らずにうっかり捨ててしまうと自然発火などのリスクもあるため、必ず守ってほしい。

流しには絶対に捨てない

キッチンの排水口と川や海はつながっている。水環境を汚してしまうことになるため、絶対に排水口には流さないようにしよう。水道管の中で冷えて固まってしまえば、そのほかの食材カスなどとくっついて詰まりの原因にもなる(※4)。たとえ少量であっても蓄積されればそうしたトラブルを招く要因となるため、適切に処分することが何よりも大切だ。

牛乳パックは薄すぎないものを使う

薄い紙パックなどは、水や油がにじみ出てしまうおそれがある。しっかりと厚みがあるものを使おう。あわせて、穴があいていないことも確認しておこう。

ビニール袋は二重にする

同じように、漏れてしまうのを防ぐためビニール袋は二重にすることが望ましい。こちらも穴があいていないかチェックしておくとより安心だ。

自然発火に注意する

油が染み込んだ紙や布などが高温あるいは直射日光などにさらされると、自然発火するおそれがある。とくに、気温が高い夏場などは要注意だ。高温や直射日光を避けるとともに、長期間保管しておかず速やかに処分することを心がけよう。

6. 油は何回使える?「捨てどき」の見極め方とは

食用油は再使用するというご家庭も多いのではないだろうか?

2〜4回使えるというが...

油の種類やどういった調理に使ったかにもよるが、油は2〜4回ほど繰り返し使えるといわれている。とくに異変がなければこれを目安にしてもよいだろう。だが次のような状態の場合は、速やかに処分したほうがよいかもしれない。

捨てたほうがよい油の状態

  • 以前よりも色が濃くなった
  • 臭いにおいがするようになった
  • 粘り気が強くなった
  • 180度程度になると煙が立つようになった
  • 揚げ物の際、泡立ちがなかなか消えなくなった など
こうした状態を確認した油は、劣化しているおそれがある。たとえ1回しか使っていなくても、少しでも異変を感じたら新しい油を使うようにしよう。

劣化した油を使い続けることのリスクとは?

カラッと揚がらない、油のにおいが移る、など食べ物の風味が損なわれるおそれがある。それだけならまだしも、酸化した油を摂取するとで胸焼けを起こしたり、食中毒のような症状を招くこともある。大量に長期間摂取し続けた場合、健康に悪影響を及ぼすリスクもゼロではない。口に入るものだからこそ、少しでもおかしいと感じたら使用を中止することが大切だ。

7. 油の適切な保存方法とは?

油の劣化を少しでも遅らせるためには、保存方法も大切だ。最後に解説するので、ぜひ実践してほしい。

用意するもの

目が細かい網じゃくし、油こし器、キッチンペーパー、それに密閉可能な容器(できればオイルポット)を用意しよう。

油の保存方法

ヤケドにはくれぐれも気をつけながら、まずは網じゃくしを使ってカスを取り除こう。次に、油こし器の上にキッチンペーパーを敷き、油をこしていく。油が冷めすぎると粘り気が出てこしにくいため、余熱があるうちに行うのがポイントだ。あとはオイルポットなど密閉可能な容器に移し、完全に冷めてから密閉して冷暗所で保管しよう。ただし油は一度でも空気に触れれば酸化するため、たとえこの方法であったとしてもできる限り速やかに使い切ろう。

結論

油は種類によって、もしくは自治体によって捨て方が異なる場合がある。これまでなんとなく「燃えるごみ」として出してしいたご家庭方は、この機会にぜひ自治体のホームページなどをチェックして正しい捨て方を確認しておこう。絶対に排水口には流さない、高温になる場所や直射日光が当たる場所は避けるといった注意点も覚えておいてほしい。

(参考文献)

インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2020年3月31日

  • 更新日:

    2021年3月 1日

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