目次
1. コートはクリーニングに出すべき?

そもそもコートはクリーニングに出すべきなのか、そこから考えていこう。
コートは意外と汚れている
コートは寒い時期に羽織るアウターゆえ、肌着やほかの衣服と違って直接肌に触れる部分が少ない。汗や皮脂で汚れることもほとんどないため、クリーニングに出す必要はないと考えている方も多いだろう。しかしながら、コートの襟元や袖など肌に触れる部分は汚れが溜まる。冬はとくに厚着をするため、気温は低くても汗をかくということは意外と多いものだ。またコートの表面は外気に触れているので、ホコリや排気ガス、花粉や湿気などいろいろな外敵に直接さらされている。
クリーニングをしないとどうなる?
襟元や袖の皮脂汚れは蓄積されると定着し、においの元になったり黄ばみ・黒ずみの元になったりする。ホコリなどの汚れに加え雨や雪の日に着用して湿気を含んだコートは、虫食いやカビの原因にもなる。そのままクローゼットの中に放置していると、ほかの衣類に悪影響をおよぼすおそれがあるため要注意だ。こうしたことからも、やはりクリーニングには「出すべき」といえるだろう。
2. クリーニングに出したほうがよいコートとは

コートといっても素材はさまざまだ。すべてのコートをクリーニングに出すのでもよいが、コストもかかるしご家庭で洗えるなら洗いたいと思う方もいるだろう。そこで、クリーニングに出したほうがよいコートの基準についてまとめたので、ひとつの参考にしてほしい。
水洗いできないコート
洗濯表示を確認し、ご家庭での水洗いができないコートはクリーニングに出そう。
高級なコート
たとえ水洗いOKだったとしても、高級なコートでシワなどのトラブルを防ぎたいときは、迷わずクリーニングに出すのがおすすめだ。
風合いを損ねたくないコート
同じように、水洗いOKでも風合いを損ねたくない、長く着たい、大切にしたいといったコートはクリーニングに出そう。
3. コートをクリーニングに出す頻度

続いて、コートをクリーニングに出す頻度について考えてみよう。
基本はシーズン終わりに1回でOK
コートが必要な期間は11〜3月くらいだろう。だが同じコートを着ている方などは頻繁にクリーニングに出すのは難しい。そこでおすすめしたいのは、シーズン終わりに1回クリーニングに出すというものだ。ひと冬着続けたコートを次の冬までキレイな状態で保管するため、春先にクリーニングに出すようにしよう。
汚れたときはシーズン中でもクリーニングへ
急な雨や雪で濡れた、飲み物をこぼした、汗や皮脂がついた、においが気になるなど少しでも気になるときは、たとえシーズン中でもクリーニングに出すことをおすすめする。
4. コートのクリーニング代の目安

コートのクリーニング代は高額になりそうなイメージがあるが、実際のところどのくらいの相場なのだろうか?
一般的なコートのクリーニング代
地域や店舗によって異なるが、コートのクリーニング代は最低でも1,500円ほどを見ておこう。生地の面積が大きいロングコートの場合、プラス300~500円ほどが相場だ。店舗により会員登録やキャンペーンなどでクーポンをくれたり、値引きサービスがあったりすることも多い。そうしたタイミングを事前にチェックしておくと、料金を抑えられる可能性がある。
ムートンや毛皮などのクリーニング代
天然のムートンや毛皮など高級素材のコートは取り扱いのないクリーニング店もある。近所に専門店がなければ、会社の近くで探すか宅配クリーニングなどを利用するとよいだろう。この場合のクリーニング料金は5,000~8,500円ほどが目安となる。一般的なコートのクリーニング代よりもかなり割高だが、高級素材を大切に着続けるためには必要なコストと捉えよう。
素材や付属品でも料金が変わる
流行りのダウン素材やカシミヤ混のコートなどはクリーニング代が高くなる傾向にある。それぞれ通常のコートよりも1,000~1,500円ほど割り増しされることが多いため、1着約2,500~3,000円ほどを見込んでおこう。またダッフルコートのようにボタンが特殊なものだったり、ファーがあしらわれていたりするコートは、基本料金より300~1,000円程度プラスになることが多い。
5. コートのクリーニングに要する期間

ワイシャツなどであれば当日仕上げや翌日仕上げといったクリーニング店も多いが、コートの場合はどれくらいの期間を見ておけばよいのだろうか?
5〜7日が目安
コートのクリーニングは5~7日間程度見ておくとよいだろう。繁忙期などはそれ以上かかることもあるため、期間に余裕をもつことと、預ける際に確認しておくことが大切だ。なお宅配クリーニングの場合、集荷と配送にさらに日数が必要になる。
6. クリーニングしたコートの保管方法

クリーニングから返ってきたコートは、翌シーズンまでキレイな状態で保管しよう。
コートの適切な保管方法
クリーニングから戻ってきたコートには薄いビニール袋がかけられている。保管するときは必ず外すようにしよう。袋をかけたままにしておくと風通しが悪くなり、コートに湿気が溜まるためだ。袋を外したら風通しのよい日陰(室内でもOK)などにかけておき、しっかり乾燥させてからクローゼットで保管するようにしよう。またクローゼット内に湿気が溜まらないように除湿剤をセットしたり、虫食いなどを防ぐため防虫剤を一緒に入れたりするとより安心だ。
7. コートをご家庭でクリーニングする方法

最近ではご家庭でクリーニングを行う方も増えているようだ。もちろん、クリーニング店のような本格的なものではなく、いわゆる洗濯のことである。シーズン中何着もコートを着まわす方にとってはかなりの節約になるはずだ。手順を解説するので、チャレンジしたい方は参考にしてほしい。
洗濯表示をチェックする
コートの洗濯表示を確認し、洗い桶か洗濯機のマークおよび「手洗イ」の文字や手のマークがついているものはご家庭でクリーニングできる。ただしいずれもバツが付いているものはご家庭では洗えないのでクリーニングに出そう。洗濯表示には新旧があるため、詳しく分からない方はぜひ一度、消費者庁のサイトをチェックしておくことをおすすめする(※1・※2)。
準備するもの
- 洗い桶
- 中性洗剤(オシャレ着洗い用)
- 大きめの洗濯ネット
コートはたたんでから洗濯ネットに入れるのだが、ネットはそのたたんだコートよりもやや大きめのものを選ぶとよい。手順は以下の通りだ。
ご家庭でのクリーニングの手順
- コートをたたんで洗濯ネットに入れる
- 洗い桶にぬるま湯をはって中性洗剤を溶かす
- コートを浸して20~30回押し洗いをする
- ぬるま湯を入れ換えながら泡立たなくなるまですすぎを繰り返す
- 洗濯機に入れて30秒ほど脱水する
- 風通しのよい日陰で干して乾かす
揉んだり擦ったりすると生地が傷むため優しく押し洗いすることを心がけよう。すすぐときも同様だ。脱水が足りないときは、コートを洗濯ネットから出してバスタオルに包んで水分を吸収させよう。なおハンガーにかけると水分の重みで生地が伸びたりよれたりする場合がある。心配なときは平干しで乾燥させよう。ちなみに、平干しハンガーはひとつ持っておくとニットなどの洗濯の際にも重宝する。お持ちでなければぜひこの機会に手にれておこう。
結論
コートにはさまざまな汚れが付着する。翌シーズン着ようと思ったらカビが生えていた、虫に食われていたということのないよう、少なくともシーズン後に1回はクリーニングに出そう。またご家庭でクリーニングするのであれば、洗濯表示のチェックはくれぐれも忘れないようにしてほしい。
(参考文献)
- 1:消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - 2:消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日以降)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html