目次
1. 換気扇がうるさいときに考えられる原因

うるさい換気扇の中では、いったい何が起こっているのだろうか。そもそも「音の種類」で考えられる原因が変わってくる。音の聞こえ方には個人差があるため表現が難しいところではあるが、まずは音の種類と考えられる原因をまとめたので見ていただきたい。
換気扇がうるさくなるのはなぜ?
- 汚れがたまっている/詰まっている
- ネジなどパーツが外れかけている
- 潤滑油が不足している
- 劣化している(壊れそう) など
換気扇がうるさいとき、こうしたことが起こっているおそれがある。音の種類別により詳しい原因を解説しよう。
「キュルキュル」
換気扇のプロペラあるいはファンなどには、回転をスムーズにするための潤滑油が塗られている。換気扇を使い続けるうちに潤滑油が徐々に減ると、摩擦でキュルキュルと音がすることがある。放置すればうるさいだけでなく、何かしらの不具合を招くおそれがあるため早めの対処が肝心だ。
「キーン」「キィー」
経年劣化により寿命が近づいたとき、あるいはいくつかの要因が重なって不具合が生じているときなどに聞こえるのがこうした音だ。一般的な換気扇の寿命は10年程度といわれているため、経年劣化であれば判断しやすい。一方、複数の要因がある場合は特定するのが難しいため、専門業者に診断してもらうことになるだろう。
「カラカラ」
モーター軸がずれてしまっている、あるいは潤滑油が不足したことによってモーターが破損・変形していることなどが考えられる。放置すればうるさいだけでなく、部品が劣化してさらなるトラブルを招くおそれがある。モーターは修理または交換が必要になるため、原因を特定するためにも専門業者を呼ぼう。
「ジー」
とくにキッチンや浴室の換気扇に多く聞かれるのが、このジーという音だ。湿気や結露などにより、内部パーツに錆が発生していることが考えられる。表面的なものであればまだ救えるかもしれないが、音がうるさく聞こえるレベルになると深く広く侵食しているおそれがある。錆は少しでも残っていれば再発するうえ、使用場所の湿気対策をきちんと講じなければならないため、素人が対処するにはややハードルが高いだろう。したがって、やはり専門業者を呼ぶことをおすすめする。
「ゴーゴー」「ブーン」
プロペラやファンなどに、ホコリや油汚れなどが溜まっているときに聞こえるのがこうした音だ。軽いホコリでも蓄積すれば頑固になるし、油汚れなどと結合してこびりつくようになる。すると回転時のバランスが狂い、こうした音が聞こえるようになってしまうというわけだ。極端かもしれないが、放置しすぎると摩擦によって熱を帯びたホコリが発火するおそれもゼロではないため、無視できない異音である。
「パタパタ」
屋外へ直接排気できるよう壁に取り付けられている「プロペラファン」によく聞かれる音で、外壁側のシャッターが強風によってパタついていることが原因だ。故障などではないが、自宅はもちろん隣家などにも迷惑になっていないか気になるところだろう。この場合は、シャッター部分に養生テープや消音テープを貼ったり、シャッターを電動式に交換したりといったことで対処できるので覚えておこう。
まずは原因究明が先
たとえば「キュルキュルうるさい」なら潤滑油不足が疑われるなど、何となく音で聞き分けられそうな気もする。だがそれだけで決めつけてしまうのは少々強引だ。上述のように人によって音の感じ方が異なるため、正確な判断が難しいというのがその理由である。それに発生件数こそ少ないものの、換気扇が原因の火災なども発生している。やはりうるさい原因を正確に突き止めることが大切だ。少しでも迷うときは業者に来てもらおう。
2. 換気扇がうるさいときに業者を呼ぶべきケースと費用の目安

換気扇から異音がする場合、自分で解決できるケースとそうでないケースがある。後者は、より大きなトラブルに発展する前に業者を呼ぶのが正解だ。具体的には次のような音がした場合に業者へ連絡しよう。
「キーン」「キィー」
経年劣化または複数の要因が組み合わさっている場合があり、自分で判断するのが難しい。専門業者を呼んで診断してもらおう。経年劣化であれば丸ごと交換、それ以外の原因であれば、原因に応じたパーツの修理や交換などが必要になる。
「カラカラ」
この手の音はモーター関連のトラブルが考えられる。モーターの修理や交換については専門業者にお願いしよう。
「ジー」
考えられる原因は錆であるとお伝えしたのがこの音だ。表面的な軽度の錆であれば自分で取り除けるかもしれないが、内部の錆の有無や、そのほかの異常の有無をチェックしてもらうことも考えて業者にお願いしよう。
賃貸物件ならオーナーか管理会社へ
賃貸物件にお住まいの方で換気扇がうるさいという場合、業者ではなく最初にオーナーあるいは管理会社へ連絡を入れよう。その際、次にどうすべきか指示をくれたり、場合によってはオーナーや管理会社が懇意にしている業者を手配してくれることがある。もちろん、賃借人の過失などでなければ点検・修理・交換費用などはかからないはずだ。勝手に交換するなどした場合、契約内容によっては違反となるおそれがあるため気をつけよう。
換気扇の修理・交換にかかる費用の目安
メーカーや型番、業者や原因、あるいは作業の難易度などさまざまな要因で変わってくるが、修理は5,000〜30,000円程度、交換は20,000〜12,000円程度が目安になる。また別途出張料や診断料、パーツ代などがかかる場合もあるため、依頼する際は必ず電話口などで総額を確認しておくことをおすすめする。
3. 換気扇のうるさい原因が汚れだった場合の掃除方法

換気扇がうるさいときに考えられる原因のうち、自分で解決できそうなケースは「汚れがたまっている」「潤滑油が不足している」といった場合だ。まずは掃除方法から解説するので、ぜひ参考にしてほしい。
換気扇の掃除に必要なもの
- キッチンマジックリン
- 重曹
- ゴム手袋
- メガネまたはゴーグル(なくてもOK)
- マスク
- スポンジ
- 歯ブラシ
- 新聞紙(なければビニールシートでもOK)
- 45Lサイズのゴミ袋2枚
- 養生テープ(パイオランなど剥がしやすいもの)
これさえ揃っていれば、かなり本格的に換気扇掃除ができる。メガネやゴーグルは、高い位置にある換気扇を取り外す際にホコリが降ってきて目に入らないようにするためのものだ。「必要」というわけではないがあれば準備しておこう。
浴室やトイレの換気扇の掃除方法
- 換気扇の電源を抜く
- 換気扇周りを養生する
- カバーやプロペラ、ファンなど外せるものを外す
- 各パーツをシンクに置き、キッチンマジックリンを吹きつける
- 所定の時間放置し、スポンジや歯ブラシでこすり洗いをする
- ぬるま湯でよくすすぎ、新聞紙の上に置くなどして乾燥させる
- 完全に乾いたのを確認してからもとへ戻す
油汚れなどがほとんどない、浴室やトイレの換気扇であればこの流れでキレイに掃除できる。一方、油汚れがメインのキッチンの換気扇については以下の手順でキレイにしよう。
キッチンの換気扇の掃除方法
- 換気扇の電源を抜く
- 換気扇周りを養生する
- カバーやプロペラ、ファンなど外せるものを外す
- シンクまたは浴槽に45Lサイズのゴミ袋を2枚重ねて広げる
- ゴミ袋の中へ、40〜50℃程度のお湯を各パーツが十分浸かるほど注ぐ
- お湯5Lに対し1/2カップの重曹を溶かす
- 各パーツを浸し、口を軽く閉じたら2時間ほど放置する
- 時間がきたらスポンジや歯ブラシでこすり洗いをする
- ぬるま湯でよくすすぐ
- 残った汚れはキッチンマジックリンを使って落とし、再度よくすすぐ
- 新聞紙などにのせ、風通しのよい場所で乾かす
- 完全に乾いたのを確認してからもとへ戻す
やや手順は増えるが、油汚れをしっかり落とすにはこのやり方がおすすめだ。なお浴室やトイレの換気扇を掃除する際も同じだが、乾かしている間に換気扇本体の手が届く場所を拭き掃除してキレイにしておくとよいだろう。また最後に電源を入れ、問題なく作動するかのチェックも忘れないようにしよう。
業者に掃除を依頼した場合はいくら?
業者に掃除を依頼するとコストがかかるが、逆に自分では気づけない不具合を発見できたり、起こりうるトラブルを事前に回避できたりするなどメリットも多い。費用はやはり業者やそのほかの条件で変わってくるが、おおよそ10,000〜20,000円程度が目安になるだろう。この場合も出張料などがかかることがあるため、事前に確認しておくと安心だ。
4. 換気扇のうるさい原因が潤滑油不足だった場合の対処方法

次に、潤滑油のさし方を見ていこう。プロペラファンとシロッコファンに分けて解説する。
潤滑油の選び方
潤滑油不足が原因で換気扇がうるさいときは、ホームセンターや100均などで売られている潤滑油をさしてみよう。この場合、浸透性が高いオイルスプレーではなくミシン油などの潤滑油を選ぶのがポイントだ。
プロペラファンの潤滑油のさし方
- 換気扇の電源プラグを抜く(またはブレーカーを落とす)
- 取扱説明書の手順通りにネジを緩めてフィルターを外す
- プロペラが回転しないように押さえつつ、換気扇の中央にあるネジを緩める
- プロペラを手前に引くようにして外す
- プロペラの「軸」と「芯(棒状のもの)」に潤滑油をさす
- 逆の手順でもとへ戻せば完了
メーカーや型番によって手順および注意点などが異なる場合がある。必ず取扱説明書を見ながら作業にあたることと、本稿で紹介する手順と異なる点があればそちら(取説)を優先させてほしい。また、油が頑固にこびりついてネジが動かないこともある。その場合はお湯に濡らして絞った雑巾で拭いてみるか、ドライヤーの温風をほんの少し当てて温めてから試してみよう。
シロッコファンの潤滑油のさし方
- 換気扇の電源プラグを抜く(またはブレーカーを落とす)
- 取扱説明書を見ながら整流板を外す(整流板がなければ省略)
- フィルターを外す
- ベルマウスのネジを緩めて外す
- シロッコファンを手で押さえつつ、中央にあるネジを緩める
- シロッコファンを手前に引くようにして外す
- シロッコファンの「軸」と「芯(棒状のもの)」に潤滑油をさす
- 逆の手順でもとへ戻せば完了
基本的な流れはプロペラファンと同様で難しくはないが、やはり取扱説明書を見ながら作業に当たってほしい。またベルマウスとは、シロッコファン本体の手前部分を覆っている、円形のカバーのようなパーツのことだ。掃除のついでに潤滑油をさしておくと効率がよいだろう。
5. 換気扇の異音は防げる?

換気扇にはどうしてもホコリなどの汚れが溜まってしまう。そのため完全に予防することは不可能だが、定期的に掃除や潤滑油をさすといったお手入れをすることである程度防ぐことはできるだろう。これを機にぜひ、半年や年に1回など定期的なお手入れを心がけよう。
それでも換気扇がうるさくなってしまうときは本体の劣化や故障、内部の錆など自分では解決できない原因が考えられる。この場合は修理や交換を検討しよう。まずはお使いの換気扇メーカーに問い合わせて症状を伝え、修理すべきか交換すべきか相談するとよい。賃貸物件にお住まいの方なら、メーカーではなくオーナーや管理会社に連絡を入れよう。
それでも換気扇がうるさくなってしまうときは本体の劣化や故障、内部の錆など自分では解決できない原因が考えられる。この場合は修理や交換を検討しよう。まずはお使いの換気扇メーカーに問い合わせて症状を伝え、修理すべきか交換すべきか相談するとよい。賃貸物件にお住まいの方なら、メーカーではなくオーナーや管理会社に連絡を入れよう。
結論
換気扇の音がうるさいと感じたら、新たなトラブルを防ぐためにも放置せず、早めに原因を突き止めることが大切だ。汚れなど一過性のものもあれば掃除で解消することも多いが、原因がわからなければメーカーやオーナー、管理会社などに連絡を入れはっきりさせよう。