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かがり縫いが施された手芸品の写真

かがり縫いとは?手縫いやミシンを使うやり方とキレイに仕上げるコツ

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年12月 7日

家庭科の授業以来、針と糸を持ったことがない男性も多いのではないだろうか?だが家事をする男性が増えている時代、手芸もできるようになっておいて損はないだろう。今回のかがり縫いは、洋服や布小物のちょっとしたほつれの補修に使える縫い方だ。やり方と上手に仕上げるコツを解説するのでぜひマスターしてほしい。

  

1. かがり縫いとは?

かがり縫いのイメージ写真
そもそも「かがり縫い」とはどのような縫い方のことを指すのか?かがり縫いの特徴やまつり縫いとの違い、使用する針や糸の選び方など基本的なところからおさらいしていこう。

端切(はぎれ)のほつれを防ぐときなどに使う縫い方

布を裁つとボロボロと糸くずが出たりほつれたりすることがある。これを防ぐため、布の縁(ふち)を巻き込むように縫うのが「かがり縫い」である。久しく針と糸に触っていない方でも意外と簡単にできる縫い方だ。
布端の処理のほか破れ補修にもかがり縫いが使われる。フェルトで小物を作るときなど、2枚の布を縫い合わせるためにかがり縫いをすることもある。布と異なる色の糸を使ってかがり縫いをすることで、縫い目そのものがデザインとなりオシャレさを増すこともある。

まつり縫いとの違いは「縫い目が目立つかどうか」

かがり縫いは縫い目そのものをデザインとして楽しむことができる縫い方だ。一方のまつり縫い(たてまつり縫い)は、ズボンやスカートの裾上げに使われることが多く、縫い目が表に出ないように仕上げるのが一般的である。
まつり縫いのときは、布地と同系色の糸を使うと目立たずキレイに仕上げられる。同じ布を巻き込むような縫い方でも、両者には「縫い目が目立つかどうか」の違いがある。

かがり縫いの種類

  • 巻きかがり
  • ブランケットステッチ(縁かがり)
  • 裁ち目かがり
  • ジグザグ縫い
このようにかがり縫いにもいろいろな種類がある。とはいえ用途は同じで「手縫い」か「ミシン縫い」かで呼び方が異なるだけだ。巻きかがりとブランケットステッチは手縫い、裁ち目かがりとジグザグ縫いはミシン、と覚えておこう。

かがり縫いに使う針や糸の選び方

薄手の布ならメリケン針9号、厚手の布ならメリケン針6〜7号といったところを選ぶと初心者でも縫いやすい。また上述のように縫い目が見えるため、布の色とのバランスを考えて糸を選ぶのがポイントだ。
あえて異なる色を選び、縫い目を目立たせる方法もある。また糸の太さは、布の厚さに合わせるとよい。薄手の布ならやや細めの糸、厚手の布なら混紡糸といった具合だ。

2. かがり縫いのやり方1|巻きかがり(手縫い)

クッションの写真
それでは、かがり縫いのやり方を説明していこう。まずは巻きかがりからだ。

巻きかがり縫いとは

2枚の布を合わせて、細かく巻きながら縫っていく方法である。 クッションに中綿を入れたあとの、口の処理などに用いる。ここでは「生地A」「生地B」という2枚の布を縫い合わせるが、手順をわかりやすくするため、重ねたうち向こう側(上)を生地A、手前(下)を生地Bとする。

1.2枚の布を合わせたら内側からスタート

生地Aと生地Bをしっかり合わせたら、生地Aの裏側に針を刺し、生地Aの表側に針を抜くところからスタートする。これは、玉結びを布の内側に隠すためだ。

2.斜めに生地Bに針を刺し、生地Aへ抜く

生地Aの表側から出た針を生地Bの表側に刺す。このとき生地Aに向かって斜めに針を刺すのがポイントだ。

3.手順2を繰り返す

布の幅に応じて手順2を繰り返していく。

4.縫い終わりは2枚の布の内側で玉止めをする

縫い終わりは手順1と同様に、処理部分を隠すため2枚の布の内側で玉止めをする。生地Bの裏側で玉止めするとよい。 これで巻きかがりの完成だ。

3. かがり縫いのやり方2|ブランケットステッチ(手縫い)

ブランケットの写真
続いて、ブランケットステッチのやり方を紹介していこう。

ブランケットステッチとは

文字通り、ブランケットまわりに作るステッチ(縫い目)のことで、縁がかりやアップリケやフェルトの綴じ合わせなどにも使われる。針に糸をかけながら、ひと針ずつ縫っていく。巻きかがりと違い縫い目が垂直で、布の端を糸で「縁どる」ような仕上がりになる。

1.2枚の布を合わせたら内側からスタート

巻きかがりと同じように生地Aと生地Bを合わせ、生地Aの裏側から針を刺して表側に抜く。

2.水平にずらして生地Bに針を通す

水平に1mmほど左にずらしたところから、今度は生地Bへ針を刺す。このとき生地Aから出ている糸は、針の下に右から左にくるように置いておき、そこへ針を通して引き抜く。

3.手順2を繰り返す

手順2を繰り返そう。このとき水平移動する幅と、縫い目の長さを均等にするとキレイなブランケットステッチに仕上がる。

4.角まで縫ったら左側に針を出す

角まで縫ったら、最後に刺した場所と同じところに生地Aから針を刺して、左側に出す。糸を下にするのは同様だ。針を通す際、強く引きすぎると端が崩れるおそれがあるため、力加減に気をつけよう。

5.ぐるりと一周、2の工程を繰り返して玉結びをする

ここまでで1辺を縫い終えたことになる。あとはぐるりと一周、手順2から繰り返しながら縫っていこう。最初のステッチに戻ってきたら、そこ(ステッチ)へ針を通し、あいている裏側のステッチも刺す。生地AとBの間から針を出して玉結びをする。

6.完成

生地AとBの間から針を指したら、生地Bの適当なところで表側から針を出す。最後に糸の根元をカットして完成だ。

4. かがり縫いのやり方3|裁ち目かがり(ミシン)

ミシンで縫い物をしているところの写真
続いてミシンを使ったかがり縫いのやり方を紹介していく。まずは裁ち目かがりから見ていこう。

裁ち目かがりとは

端切れの裁ち目から糸がほつれるのを防ぐためにおこなう処理だ。ステッチが細かいため生地がほつれにくいメリットがある。

1.「裁ち目かがり押さえ」に取り替えてガイドに合わせる

まずは直線縫いの押さえを取り外し、押さえを裁ち目かがりに取り替える。本体のメニューなどで「裁ち目かがり」を選び、ガイド(右端)に生地の端を合わせる。返し縫いは不要なので覚えておこう。

2.スタートボタンを押して縫っていけばOK

あとはスタートボタンを押し、ガイドに沿って縫い進めていけば裁ち目かがりの完成だ。上述のように返し縫いをしないため、両端(縫い始め・縫い終わり)からほつれるのを防ぐには止め縫いをするとよい。ミシンのメニューにあればそちらを活用しよう。

5. かがり縫いのやり方4|ジグザグステッチ(ミシン)

ジグザグ縫いのイメージ写真
最後に紹介するのはミシンを使ったジグザグステッチのやり方だ。

ジグザグステッチとは

布で洋服や小物を作る際、裏布を付けない場合は端にジグザグステッチを施す(あるいは前出の裁ち目かがり)。生地の端がほつれるのを防ぐためのほか、マスターすれば模様縫いにも使えるのでぜひ覚えておこう。

1.「かがり縫い押さえ」に取り替えてガイドに合わせる

直線縫いの押さえを取り外し、かがり縫い押さえを取り付ける。こちらも返し縫いは不要だ。取り付けたらミシンのメニューを設定し、布の端をガイドに合わせて準備完了。

2.スタートボタンを押して縫っていけば完成

2枚の布をしっかり合わせ、布端に針を落として縫い始めの位置を決める。押さえも下げて縫い始める。あとはガイドに沿って縫い進めていけば完成だ。

6. かがり縫いをキレイに仕上げるコツ

かがり縫いがキレイに仕上げられている布の写真
かがり縫いをキレイに仕上げるために押さえておきたいポイントをお伝えしておこう。

糸は引きすぎないように

巻きかがりの際、糸を強く引きすぎると布がギュッとなって形が崩れる。見た目も汚い仕上がりになってしまうため、力加減には注意しよう。とりわけ薄い生地を縫うときは注意が必要だ。

縫い目を等間隔にする

縫い目を等間隔にすることも重要だ。ミシンでは縫い目の間隔が設定できるので縫っている間に幅が変わることはないが、問題は手縫いのときだろう。なるべく細かく、一定間隔で縫うとキレイにかがり縫いを仕上げられる。

縫い目をまっすぐにする

チャコペンで縫い目のラインを引いておくと、まっすぐ縫いやすい。手縫いでもミシンでも、あらかじめ線を引いてその上を縫うように心がけよう。

曲線は「放物線状」を意識する

直線はそれほど難しくないが、カーブを縫うときは、縫い目がカーブの中心に対して放物線状になるように心がけよう。これだけでも見た目はかなりキレイになる。長さを揃えるのが難しいときは、事前に下書きしておくとよい。

裁ち目かがり押さえに付け替える(ミシン)

ミシンを使う際は「裁ち目かがり押さえ」を使用するとキレイにかがり縫いができる。ガイド線があるので、生地を巻き込むことなくまっすぐ縫えるので初心者にもおすすめだ。

7. まつり縫いのやり方もおさらいしておこう

デニムの裾の裏側の写真
せっかくなので、まつり縫いのやり方についても軽くおさらいしておこう。

流しまつり縫い

まつり縫いの基本となるのが流しまつり縫いだ。ズボンやスカートのほつれなどをサッと直すのに適している。縫い代の裏側から針を出したら、5mmなどごくわずかに針を先に動かし、表布をすくう。
次に縫い代の裏側から針を出すのだが、このとき斜めに出すことと軽く針を引くことがポイントになる。あとは、これを繰り返して最後に玉止めをすれば完成だ。

たてまつり縫い

パッチワークなどにも使われる縫い方で、流しまつり縫いよりも頑丈な仕上がりになる。布端に対し直角にまつるのが特徴だ。同じように縫い代の裏側から針を出したら、真上にくる表布をほんの少しすくう。
次に縫い代の裏側から、やはり斜めに針を出して軽く引く。これを繰り返して玉止めをすればOKだ。

奥まつり縫い

通常、まつり縫いをすると裏側から縫い目が見えるが、その縫い目を布と布の間に隠すように縫うのが奥まつり縫いである。縫い目部分の摩擦が減るため、擦り切れにくいといった特徴がある。
手順としては、まず縫い代の端を折り返し、縫い代の裏側から針を通す。あとは流しまつり縫いと同様に、針を5mmほど先に動かしたら表布をすくい、折り返している縫い代の端から針を抜く。この作業を繰り返し、最後に玉止めをして折り返した部分を戻せば完成する。

8. かがり縫いを覚えておくとちょっとした場面で役に立つ

裁縫道具の写真
かがり縫いは裁縫が久しぶりという人や、ほぼ初心者という人でもすぐにマスターできる簡単な縫い方だ。布端のほつれを防いだり、ちょっとした破れをオシャレに補修したりなど、意外にいろいろな場面で役立つ。この機会にぜひ覚えておいてはいかがだろうか?

結論

かがり縫いは布端の処理や洋服のほつれを修理するのに使える縫い方だ。お気に入りの洋服や靴下など、ちょっとしたものを自分で繕えるととても便利だろう。まっすぐ等間隔に縫うことを意識して、ぜひチャレンジしてみよう。
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  • 公開日:

    2020年3月20日

  • 更新日:

    2022年12月 7日

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