1. マットレス掃除の必要性!汚れを放置するリスクとは?
掛け布団や枕、シーツなどと同じように、マットレスも掃除が必要だ。どういった汚れが溜まるのか、放置するとどんなリスクがあるのかなど基本的なとこから解説していこう。
マットレスに溜まる汚れとは?
ヒトは寝ている間にコップ1杯分の汗をかくといわれている。一見キレイそうなマットレスにも、そうした汗の一部が染み込んで湿気が溜まっている。カバーの隙間などから入り込んだ皮脂や垢、フケや皮膚片、抜け毛、それに空気中のホコリなどの汚れも溜まると考えてよい。
ダニやカビの温床になるおそれがある
そうした汚れや湿気、ホコリに加え適度な気温に保たれている寝室のマットレスは、ダニやカビが生育・繁殖するのに最適な条件がそろっている。ダニのフンや死骸、それにカビの胞子などを吸い込めばアレルギー症状が出ることもある。マットレス掃除を怠ると、湿ったりにおいがしたりして寝心地が悪くなるだけでなく健康を害してしまうおそれもあるのだ。
2. マットレス掃除のポイントと頻度について
マットレスは、ただなんとなく掃除すればよいというわけではない。掃除の目的を正しく理解しておくことが大切だ。
汚れを取り除く
日々蓄積されていく汚れをキレイに取り除き、ダニやカビの生育・繁殖を抑制することがマットレス掃除の最大の目的だ。
湿気を飛ばす
同じくダニやカビ対策として湿気を飛ばすことも重要である。ジメッとした肌触りや不快なにおいなども、湿気を飛ばすことで軽減または解消できるだろう。
マットレスを掃除する頻度は?
詳しいやり方は後述するが、掃除機を使うのは月1回程度が目安になる。もちろん、汚れやにおいが目立つときはこの限りではない。それ以外に、毎日掛け布団を畳むなどしてマットレスの湿気を飛ばすとともに、週1〜2回はシーツやパッドを洗濯しよう。マットレスを立てるなどして底面の湿気を飛ばすのは2〜3週に1回が目安になる。
3. ご家庭でできる!マットレスの基本的な掃除方法
それでは、ご家庭でもできるマットレスの簡単な掃除方法を紹介していこう。まずはダニやカビなどがない比較的キレイなマットレスの基本的な掃除方法からだ。
マットレスの基本的な掃除方法
- シーツやパッドを外す
- マットレスの表面を念入りに掃除機がけする
- マットレスを裏返し、表面と同様に掃除機がけする
- マットレスを壁に立てかけるなどして湿気を逃がす
- ベッドフレームをキレイな雑巾で水拭きする
- ベッドフレームが完全に乾いたらマットレスを戻して完了
お伝えしているように、汚れもホコリもダニやカビの養分となるため、掃除機で丁寧に取り除こう。掃除機はゆっくり動かし、縦方向に全体を掃除したあと横方向にもう一度かけるとよい。なおマットレスを戻す際は、部分的な「ヘタリ」を防ぐため上下や表裏をローテーションするのがおすすめだ(表裏にとくに決まりがない場合)。
4. マットレスのダニやカビ、シミなどの掃除方法
マットレスのダニやカビが心配なときや、汗ジミができていたときなどは次の方法で掃除しよう。
マットレスのダニを退治する方法
ダニは50℃で20〜30分、60℃であれば一瞬で死滅するといわれている。そのためダニの駆除には布団乾燥機を使うとよい。とくに便利なのは「ダニ退治」などの機能が付いた布団乾燥機だ。ボタンを押すだけで済むし、1時間程度で効率よく退治できる。シーツなど外せるものはコインランドリーの乾燥機を使うのもおすすめだ。いずれも、最後は必ず念入りに掃除機がけをして、死骸やフンなどを取り除くことを忘れないようにしよう。
マットレスのカビを取り除く方法
マットレスのカビ取りには消毒用エタノールを使おう。カビが生えた箇所にたっぷり吹きかけ、1時間ほど放置する。時間がきたら、ぬるま湯で濡らして固く絞った雑巾でカビをつまむようにして拭き取ろう。この作業をカビが取れるまで繰り返し、最後に乾燥させれば完了だ。あるいは市販のカビ取り剤を使う手もある。カビホワイトの「カビソフト除去スプレー」などはマットレスにも対応しているので、そうしたアイテムを使うのもよいだろう。
マットレスのシミを抜く方法
マットレスにできた汗ジミなどは重曹を使って掃除しよう。水100mlに対し小さじ1杯の割合で重曹を溶かし、スプレーボトルに入れる。それをシミに吹きかけて5分ほど置いたら、水に濡らして固く絞ったタオルでポンポン叩くように拭き取ろう。最後に完全に乾かせば完了だ。なお重曹は皮脂汚れを取るのにも使える。たとえシミができていなくても、定期的な掃除の際に重曹を使ってみるとよいだろう。
子どもが「おねしょ」してしまったら?
おねしょにはクエン酸が有効だ。まずは濡れている部分にバスタオルや吸水性の高いおむつなどを当てて吸収しよう。次に、水200mlにつき小さじ1杯のクエン酸を溶かしてスプレーボトルに入れる。濡れている部分にスプレーしたら5分ほど待ち、バスタオルなどを押し当てるようにして吸い取ろう。においやシミが消えるまで繰り返したら乾拭きをする。最後に、風通しのよい場所で完全に乾かせば完了だ。
5. マットレス掃除における注意点!天日干しはNG?
マットレスを掃除するにあたっての注意点がいくつかあるので覚えておこう。
取扱説明書を確認する
マットレスはメーカーや素材などによって取り扱い方が異なる場合がある。掃除をする前に必ず取扱説明書を確認し、お手入れ方法や注意点を理解しておこう。また本稿で紹介した掃除方法と取扱説明書が異なる場合は、そちら(取説)を優先させてほしい。
スチームの使用は控える
高温のスチームで一気にダニ退治をする方法もあるが、マットレスの素材によっては劣化を招くことがある。湿気が十分に抜けきらずかえってジメジメしたり、ダニやカビの繁殖を招いたりするおそれもゼロではない。スチームはもちろん、アイロンの使用も控えたほうがよいだろう。
水拭きする際は「固く絞る」「完全に乾かす」
同じく、水拭きをする際は湿気が残ってしまわないように固く絞ることを心がけよう。作業の最後には風通しのよい場所に立てかけたり扇風機やサーキュレーターを当てたりして完全に乾かすことも重要だ。
天日干しは極力控える
直射日光に当てることで殺菌効果が得られる場合があるが、室内ではさほど高い効果が望めないうえ、かなり日差しが強い日でなければダニ退治はできないだろう。それよりも素材が傷んでしまうリスクを考え、天日干しは控えることをおすすめする。
6. マットレスを長持ちさせる掃除以外のコツとは?
もちろん、定期的に掃除することはマットレスの寿命を延ばすことにもつながる。だがそれ以外にも、長持ちさせるコツがあるのでお伝えしておこう。
ときどき風通しのよい場所で陰干しする
マットレスにダニやカビが発生する大きな要因が湿気だ。それにマットレス自体の寿命を縮めるのも湿気が大きく関係する。風通しのよい室内の中央などに立てかけ、窓を開けるなどして定期的に湿気を飛ばしておこう。このとき、熱に弱い素材などはとくに、直射日光に当てないように気をつけてほしい。
上下と表裏を入れ替える
マットレスを同じ向きで使い続けていると一部だけがヘタってしまう。そうなってからでは復活は厳しいため、定期的に上下や表裏をローテーションすることをおすすめする。目安としては2〜3カ月といったところだ。四半期ごと、などと覚えておくとよいだろう。
除湿シートを敷く
マットレスに溜まる湿気を軽減してくれる、除湿シートの活用もおすすめだ。寝心地に影響を与えないよう、マットレスの下に敷くタイプのものがよいだろう。ただしいくら湿気を吸収してくれるとはいえ、敷きっぱなしはNGだ。マットレスを立てかける際、除湿シートも干して溜まった湿気を飛ばしておこう。
7. マットレスの掃除をプロにお願いする手もある
マットレスのカビやシミがひどい場合や、紹介した掃除方法でキレイにならない場合などは、マットレスクリーニングをお願いするのもひとつの手だ。
マットレスクリーニングとは?
ご家庭では掃除できそうにない、マットレス内部に染み込んだ汚れまで落としてもらえるサービスだ。いったんプロに頼んでキレイにしてもらえば、あとはダニやカビ、シミが発生しないよう注意して使うだけで済む。日々の掃除を楽にするためにも、一度クリーニングを依頼してみてはいかがだろうか?
マットレスクリーニングの料金相場は?
業者やマットレスのサイズ、枚数などさまざまな条件で変わってくるが、おおよそシングルは片面10,000円前後、セミダブルやダブルは片面12,000~20,000円あたりが目安となる。ただし消臭やダニ退治、カビの除去といったオプションをつけた場合はさらに高くなることが考えられる。出張料の有無なども含めトータルで料金を確認しよう。複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討してみるのもおすすめだ。
マットレスクリーニングの所要時間は?
同じく業者やマットレスのサイズ、枚数などで変わるが、1〜2時間程度を見ておくとよいだろう。特殊な作業が加わる場合は延びることもあるため、料金とあわせて事前に確認しておくと安心だ。
結論
マットレス掃除は確かに面倒かもしれない。だがダニやカビが発生すればマットレスの寿命を縮めるだけでなく、健康を害するリスクもある。表面を掃除機がけする程度なら比較的簡単にできるはずだ。清潔に保つべく、月1回を目安に定期的に掃除しよう。