1. カビがカーペットに生えてしまう理由と放置するリスク

カーペットになぜカビが生えてしまうのか。それはカビが好む環境がカーペットにはあるからだ。その環境をひとつでも排除すれば、カビは発生しにくくなる。
気温
カビが最も繁殖しやすい気温は20℃~30℃前後だ。季節でいえば、梅雨時から秋口にかけて。カビはマイナス温度、また40℃以上になると生育ができなくなり、50℃以上で菌糸が死滅する。さらに80℃以上で30分熱処理をすることでほとんどのカビ本体は死滅する。このことをみても、一般家庭でカビを完全に排除するということは、事実上不可能だといえる。
湿度
カビが繁殖するためには湿度も重要な要素になる。一般的に湿度が70%以上になるとカビの繁殖条件が整うことになる。冬は乾燥しているから安心だとはいえない。現代の住宅事情を考えると、気密性が高いうえに暖房設備が整っている。そして加湿器を利用している家庭も多いだろう。そうなると冬であってもカビが好む条件になり、通気性の悪いカーペットの裏にカビがはびこることになりかねない。
汚れやほこり
カビの栄養源となるのが、汚れやほこりだ。とくにカーペットでは、足の裏の皮脂や食べ物のカス、こぼした飲み物などがカビの繁殖を助ける。
アレルギーの原因に
カビは、胞子を空気中に放出しながら繁殖していく。胞子が大量に体の中に入ると、それを排除しようとしてアレルギー反応を引き起こす。とくにまだ免疫のない小さな子ども、免疫力の落ちているお年寄りなどは喘息の原因、重症化となるので注意が必要だ。
2. カーペットのカビは丁寧に取り除くことが大切

カビは菌糸と胞子で作られている。菌糸は栄養を運ぶ役割を担い、胞子は繁殖の役割を担う。胞子は外部からの刺激によって飛び散るという性質があるので、カーペットのカビ取り掃除には十分な注意が必要だ。
カーペットのカビは拭き取る
カビの胞子は微小だ。カーペットのカビを掃除機で吸い取ろうとすると、排気口からフィルターを通して部屋中に胞子を拡散させてしまうことになる。そのため、カビの掃除は胞子を刺激しないように拭き取ることが適した方法となる。
具体的には、水を固く絞った雑巾でカビの上からつまむように抑え込み、胞子を雑巾に付着させながら取り除く。乾いた雑巾では胞子が付着しにくく、濡れすぎた雑巾ではかえってカビを増殖させてしまうので、必ず水を固く絞った雑巾で拭き取るのがポイントだ。
具体的には、水を固く絞った雑巾でカビの上からつまむように抑え込み、胞子を雑巾に付着させながら取り除く。乾いた雑巾では胞子が付着しにくく、濡れすぎた雑巾ではかえってカビを増殖させてしまうので、必ず水を固く絞った雑巾で拭き取るのがポイントだ。
アルコール除菌をする
カビを拭き取っても、カビの菌糸はカーペットの奥深くにはびこっている。そのままにしておくと、またすぐにカビが発生してしまう。そこで仕上げに使いたいのが消毒用アルコールだ。消毒用アルコールをカーペットのカビの部分よりもやや広めにスプレーする。消毒用アルコールは揮発性が強いので15分ほど置いたら、乾いた雑巾でサッと拭き取れば完了。
カビ汚れを漂白する
カーペットのカビの殺菌はできても、繊維に残ったカビの色はそのままということもよくある。カビによる色シミは、消毒用アルコールでは取ることができない。そこで、使いたいのが酸素系の衣料用漂白剤だ。塩素系漂白剤でももちろん落とすことはできるが、カーペット自体の色も落としかねないので注意しよう。
また、カーペットの洗濯表示タグを確認して、手洗いや漂白不可の場合には、クリーニング店に相談することをおすすめする。
また、カーペットの洗濯表示タグを確認して、手洗いや漂白不可の場合には、クリーニング店に相談することをおすすめする。
3. カーペットにカビを寄せ付けないためのちょっとしたコツ

カーペットに発生するカビの条件は「温度」「湿度」「エサ」だ。この3つの条件がそろってしまわないようにすることがカビを寄せ付けない基本になる。
ときどきめくって裏側に風を当てる
カーペットを掃除するときのひと手間だ。掃除機をかけ終わったらカーペットをめくって風を当ててやることで湿気を逃がすことができる。大きなカーペットで、全面ひっくり返すのが大変だという場合は、半分をそれぞれ1時間ずつめくっておくといいだろう。
防湿シートを敷く
本来、カーペットは湿気がこもらないようにフローリングで使うのが安心だ。しかし、やむをえず畳の部屋にカーペットを敷きたいという場合もあるだろう。畳は、カーペットで蓋をされてしまうと湿気が溜まりやすく、カビが発生しやすくなってしまう。
そのようなときは、市販の防湿シートを敷いた上からカーペットを広げるとカビ予防になる。防湿シートには、カビ防止剤、防ダニ加工をされたものもあるので、簡単に洗えない大きなカーペットを敷く場合には検討する価値はありそうだ。
畳だけでなく、マンションなどの防音としてよく使われるコルクマットを敷き詰めている場合にも、通気性が悪くなってカーペットにカビが繁殖してしまうケースが多いので、防湿マットを利用すると安心だ。
そのようなときは、市販の防湿シートを敷いた上からカーペットを広げるとカビ予防になる。防湿シートには、カビ防止剤、防ダニ加工をされたものもあるので、簡単に洗えない大きなカーペットを敷く場合には検討する価値はありそうだ。
畳だけでなく、マンションなどの防音としてよく使われるコルクマットを敷き詰めている場合にも、通気性が悪くなってカーペットにカビが繁殖してしまうケースが多いので、防湿マットを利用すると安心だ。
こまめな掃除を
カビのエサを断つことが大切である。せめて1週間に1度くらいは掃除機を丁寧にかけること。カビのエサとなるホコリ、食べこぼし、皮脂、髪の毛などをカーペットから取り除くことだ。掃除機だけでは取り切れないゴミもあるので、粘着ローラーのコロコロを利用するといいだろう。
結論
カーペットにカビが発生したら、カビが発生する条件が整ってしまったと考えよう。原因を突き止めて対処しなければ、いくら掃除をしても、またカビが生えてきてしまうことになる。カーペットが敷かれている部屋の環境を振り返って「温度」「湿度」「エサ」の3条件がそろってしまわない環境づくりをすることが大切だ。