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【金つぎ】とは?割れた食器が優雅に生まれ変わる日本の伝統技術

【金つぎ】とは?割れた食器が優雅に生まれ変わる日本の伝統技術

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

2020年3月 9日

金つぎとは、割れたり欠けたりひびが入ったりした器を漆で接着し、継いだ部分を「金」や「銀」で装飾しながら繕う、日本の伝統的な器の修復方法である。大切な器をよみがえらせることができる伝統的な手法を紹介しよう。

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1. 金つぎとは

先ほども述べた通り、金つぎとは、割れたり欠けたりひびが入ったりした器を漆で接着し、継いだ部分を「金」や「銀」で装飾しながら繕う、日本古来の器の修復方法のことである。
破損部分を漆で接着すると継ぎ目に漆の跡が残ってしまうため、それを隠すために蒔絵と同じ技法を用いて金粉や銀粉で装飾する。
金つぎは、破損しても修理によってよみがえった器のありのままの姿を受け入れるという道具を愛でる茶道の精神と、蒔絵の工芸技術との融合で、室町時代以降普及された。金つぎすることで骨董として珍重されたりするような金つぎ陶磁器もあるほど、芸術的価値も見い出されている。
破損の状態により繕いの方法も異なる。

・ごく小さな欠け(ホツ、ホツレともいう)の場合、漆を塗って乾かすことを繰り返して繕い、金粉・銀粉を蒔く。
・われた破片が残っていない状態の欠けは、欠けた部分に錆漆を充填して繕ったあと、金粉・銀粉を蒔く。
・割れてその破片が残っている状態であれば、糊漆で破片を接着し、小さな欠損部分に錆漆を充填。金粉・銀粉を蒔いて仕上げる。
・「ニュウ」ともよばれるひびや亀裂の場合、水漏れがあれば生漆を染み込ませて繕い、金粉・銀粉を蒔く。

また、欠けた部分に全く違う器の破片を用いる技法を「呼び継ぎ」という。

2. 金つぎに必要な道具

初心者が金つぎを始めようとした時に、道具選びにも迷うだろう。初心者用の金つぎキットも売られているが、ここでは、最低限必要と思われる道具を紹介しよう。
ガラス板やクリアファイル:パレットとして使う。この上で錆漆を作ったり、漆を調合したりする。
① ヘラ:幅広いもの、細いもの。漆を混ぜ合わせたり、糊漆や錆漆を盛ったりするときに用いる。
② 筆:ごく細い筆、細めの筆、少し太めの筆の3種類を用意しよう。漆を塗るのに使う。
③ 生漆
④ 呂色漆(ろいろうるし)
⑤ 絵漆(弁柄)
⑥ 金粉・銀粉
⑦ 真綿:金粉・銀粉を蒔くときに用いる。
⑧ 耐水性のサンドペーパー:水をつけて用いる、手触りの穏やかなサンドペーパー。800番と1000番を用意しよう。
⑨ はさみ
⑩ カッター
⑪ 砥の粉・スプーン・スポイト・水:生漆を用いて錆漆を作るときに用いる。
⑫ 掃除用オイル:ガラス板やヘラなどの道具の洗浄に用いる灯油。アルコールでも代用できる。
⑬ 筆洗い用オイル:筆についた漆の洗浄に用いる。サラダ油などの食用油でよい。
⑭ 綿棒:はみ出した部分をぬぐい去るときに用いる。
⑮ マスキングテープ:器の本体を保護したり、破片を固定する
⑯ 米糊:上新粉を煮て作る。生漆とまぜて糊漆を作る。
⑰ ボロ布・ティッシュペーパー:汚れなどをふきとる。
⑱ 室:バットに濡れタオルをして網をのせて、プラスチックケースや段ボールなどの箱に入れて室を作る。
⑲ 手袋:濡れた状態の漆に触れるとかぶれることが多いため、薄手で吸着性のある手袋を着用。長袖を着て手首には油性クリームを塗っておくと安心だ。

3. 金つぎの基本作業

金つぎの基本的な作業工程は、以下の通り。

1. 割れた器・破片を用意し、洗ってよく乾かしておく。
2..マスキングテープやセロファンテープなどで断面以外を全て覆っておくと、器を保護することができる
3. 米糊と生漆を合わせて良く練り、糊漆を作って接着剤にする。
4. 糊漆をヘラにとり、破片の断面にしっかり塗布し、破片をつきあわせ、元の形に戻す。
5. 力を入れて接着し、ずれないようにマスキングテープで固定する。糊漆が少しはみ出すくらいがしっかり接着でき るポイント
だ。
6. 糊漆をしっかりと乾かす。このとき乾燥が中途半端だと接着が不安定になり失敗の原因となるので、3週間から1カ月以上かけて乾燥させる。できれば室に入れてほこりを防ぐ。
7. マスキングテープをはがし、断面からはみ出た漆をカッターの刃をあててすこしずつ削る。
8. 耐水性のサンドペーパーでやさしく研ぎ、指先で凹凸を感じなくなるまで研いで面をならす。
9. 呂色漆をごく細い筆を用いて接着面に塗る。
10.室で1~3日乾燥させる。
11.8の作業をし、絵漆(弁柄)をごく細い筆を用いて接着面に塗る。この絵漆に金粉や銀粉を付着させるので慎重に作業する。
12.継ぎ目に塗った漆の上に金粉や銀粉を蒔き、真綿で軽くたたきながらのせていく
13.室に3~4日入れて再び乾燥させて、耐水性のサンドペーパーで研く。
14.洗って乾かす。

結論

金つぎの魅力の一つは、元の姿とはひと違った「景色」や「美しさ」が生み出されてくることだが、壊れてしまったものが元通り使えるようになることはやはり最大の喜びであろう。最近では、初心者でも入門しやすいようにと、ワークショップや金つぎ教室なども開催されているので、興味があれば一度覗いてみてもいいだろう。

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