- 1. 機械油とは
- 2. 機械油の種類
- 3. 機械油の粘度と効果
- 4. 作業着についた機械油汚れの洗濯方法
- 5. 手についた機械油汚れの落とし方
- 6. 機械油の正しい処分方法
- 7. 機械油は用途によって適切に選んで使用しよう
- マシン油
- タービン油
- シリンダー油
- スピンドル油
- ダイナモ油
- 冷却機油
- 軸受油
- ギヤ油
- 熱処理油
- 圧縮機油
- 油圧作動油
- 摺動面油 など
- たらいなどの60℃程度のお湯を溜める
- 粉末洗剤を湯量に対し適量溶かす
- 機械油で汚れた作業着を浸し、2時間ほど置いておく
- 時間がきたらお湯を捨てて、いつものように洗濯する
1. 機械油とは
機械油について基本的なところから簡単に説明させていただこう。
機械の動きをよくする「マシンオイル」
機械油はマシンオイルともいう。ざっくりいうと、機械の動きをよくするために用いられる潤滑油だ。ただしひとくちに「機械油」といっても実にさまざまな種類があり、原料や油の粘度、添加物などによっても用途が異なる。本稿ではごく基本的なところのみ解説させていただくが、より詳しく知りたい方はぜひリサーチしてみてほしい。
2. 機械油の種類
機械油にはどういった種類があるのか見ていこう。
機械油の種類
機械油(潤滑油)にはこのような種類がある。機械油の機能としては潤滑・防錆・冷却などが挙げられる。それぞれの機能を生かして潤滑油やシリンダー油、油圧作動油や熱処理油などが使われている。
ご家庭でよく使われる代表例としては、車やバイクのエンジンオイルがある。そのほかミシン油や、サッシおよび扉の開け閉めをスムーズにするために使うスプレーなども機械油のひとつである。
3. 機械油の粘度と効果
上述のように機械油は種類が多く、さまざまな用途に用いられている。とくに粘度は機械油の機能に深く関係する。
機械油の粘度と効果の関係
高粘度でベタベタしたものは、強い負荷がかかる機械や密閉性を重視するときに使われる。反対に、低粘度でサラサラした機械油は、高速で動く機械の潤滑油に適している。エンジンの始動や冷却作用を高めるときも、低粘度の機械油が向いている。ご家庭で使うものであれば、たいていが低粘度の機械油であると思ってよいだろう。
4. 作業着についた機械油汚れの洗濯方法
作業着についた機械油は、なかなか落ちずに困ることがある。しつこい機械油汚れを落としたいときの洗濯方法を解説しよう。
機械油汚れに効く洗剤の選び方
機械油の汚れは酸性なので、アルカリ性の洗剤を使うと汚れが効率よく中和され落ちやすくなる。市販の粉末洗剤は多くがアルカリ性(弱アルカリ性)なので、液体洗剤よりも粉末洗剤を選ぶのがおすすめだ。
作業着についた機械油の洗濯方法
水よりもお湯のほうが油汚れが溶け出しやすい。この方法で洗濯してみよう。目立つ汚れがついた場合は、ブラシでこするなどしてシミ抜きをするとよい。ただし強くこすりすぎると繊維が傷むおそれがある。とくに、作業着ではない一般的な衣類は生地が強くないことも多いため、力加減に注意しながら洗濯しよう。
5. 手についた機械油汚れの落とし方
車やバイクを整備していると、どうしても手に機械油がついてしまうことがある。普通に手を洗ってもなかなか落ちないため厄介な汚れだ。手についた機械油の落とし方やコツもお伝えしておくので、ぜひ参考にしてほしい。
「d−リモネン成分」配合のせっけんを使う
機械油を落としやすいのは「d−リモネン成分」が配合されているせっけんや洗剤だ。柑橘類に含まれている成分で、汚れを溶かして落とす効果がある。柑橘系の香りが機械油のにおいを消してくれる点もうれしいポイントだ。
そのほか研磨剤入りのせっけんも、油成分をこすり落としてくれる。ただしこすりすぎると手荒れやかぶれの原因になるので気をつけよう。
機械油専用せっけんを使う
機械油を落とす専用のせっけんもある。専用せっけんは見た目から「ピンクせっけん」と呼ばれている。ピンク色の粉末状のせっけんを手に広げ、水をつけずにこすり合わせる。そのあと、水で洗い流すとキレイに機械油が落ちるというものだ。
6. 機械油の正しい処分方法
機械油は排水口などに流してはいけない。ご家庭でエンジンオイルを交換する際などに備え、古い機械油を正しく処分するための方法を知っておこう。
カー用品店やガソリンスタンドに廃油回収を依頼する
ご家庭で使われる機械油、とりわけ車やバイクなどのエンジンオイルは、そのオイルを購入したカー用品店、もしくは店舗にもよるがガソリンスタンドで引き取ってもらえることがある。ただし店舗によって有料だったり、廃油の引き取りに対応していなかったりすることもあるので、事前に確認しておいたほうがよいだろう。
廃油回収箱を使って自治体のごみとして出す
カー用品店やホームセンターなどで販売されている「廃油回収箱」を使うことで、古くなった機械油を自治体のごみ収集として出せることもある。これも自治体によって回収しているかどうかなどが異なるため、事前の確認が必要だ。
廃油回収業者に依頼する
廃油を回収している店舗などが近くにない、自治体でも回収できないといった場合は、廃油回収を受け付けている業者に相談して適切に処分しよう。
7. 機械油は用途によって適切に選んで使用しよう
機械油にはさまざまな種類があり、用途によって適した粘度などが異なる。ご家庭で使う分には「ミシン油」「エンジンオイル」など用途が明確なものが多いため迷うことはないかもしれないが、それ以外に機械油を使用する場面では、その機械油に適した用途、機械の特性なども含めて正しく選び、適切に使用してほしい。
結論
機械油は馴染みがない方も多いだろう。だが自転車のチェーンや扉の蝶番など、身近なものに差すことも多い油である。機械油の汚れは衣類や手につくと厄介だが、洗い方の基本を押さえておけばキレイに落とせる。困ったときはぜひ、本稿で紹介した方法を試してみてほしい。