目次
1. インクジェットプリンターの寿命は何年?

プリンターには大きくインクジェット式とレーザー式がある。一般家庭で使うプリンターはほとんどがインクジェット式だ。そのためまずはインクジェットプリンターの寿命から考えてみよう。
メーカーは5年を想定している
発売から5年ほどでプリンターのアフターサービスが終了するメーカーは多い。このことから、メーカーはプリンターの寿命を5年程度と想定していることがわかる。サポートが終了すれば部品が入手困難となり、修理できなくなるため必然的に寿命を迎えるというわけだ。ただし5年はあくまで目安である。プリンターの寿命はヘッドの磨耗具合に大きく左右されるため、使用頻度によっても差が出てくる。
2. レーザープリンターの寿命は?

レーザープリンターは、トナーを熱で圧着することによって印刷する仕組みだ。インクジェット式よりも高価で印刷スピードも速いことから、一度に大量に印刷することの多い業務用として使われるのが一般的である。
寿命はメーカーや機種で大きく異なる
レーザープリンターの場合、年数よりも印刷枚数を目安にすることが多い。ただしその枚数はメーカーや機種などによって大きく異なり、10万枚程度のものから100万枚以上印刷できるものまでさまざまだ。
国税庁による耐用年数は「5年」
国税局では、プリンター(事務機器に分類)の減価償却資産の耐用年数を5年と定めている(※1)。インクジェット式、レーザー式といったカテゴリーはないが、こうしたことからレーザープリンターの寿命も、おおよそ5年前後とする考え方があるかもしれない。
3. プリンターの寿命に影響を与える要素とは

ここからはインクジェットプリンターに話を戻そう。5年はあくまで目安とお伝えしたが、では具体的に、年数以外のどんな要素が寿命に影響を与えるのだろうか?
印刷した枚数
一般的な機種で1〜2万枚、安価な機種でも3,000〜8,000枚は印刷できるといわれている。より高価なものになればA4サイズのコピー用紙10万枚以上印刷できるものもある。いちいち枚数をカウントすることはないかもしれないが、たとえ5年未満であっても日々大量に印刷する場合は、早期に寿命を迎えることがある。
置いてある環境
プリンターを設置している環境も寿命に影響を与えることがある。たとえば直射日光やエアコンの風が直に当たる場所、風通しが悪く湿度が溜まりやすい場所などに設置してある場合だ。こうした環境は、インク詰まりを起こす確率が高くなるといわれている。
インクの品質
安価な互換インクが多く出回っているため、少しでもコストを抑えようとそうした商品を使っている方も多いのではないだろうか?もちろん、互換インクがすべてNGというわけではない。だが添加剤などによってはインクの質が低くなっており、使い続けることでプリンター寿命に影響を与えることがある。
またたとえ純正だったとしても、開封済みかつセット済みのインクジェットは6カ月以内に使用するなど推奨期間が設けられている。古いインクジェットは品質が劣化しており、プリンターに悪影響を与えることもあるので気をつけよう。
またたとえ純正だったとしても、開封済みかつセット済みのインクジェットは6カ月以内に使用するなど推奨期間が設けられている。古いインクジェットは品質が劣化しており、プリンターに悪影響を与えることもあるので気をつけよう。
ドライバーが対応できるOS
物理的な故障による寿命ではないが、プリンターのドライバーがパソコンのOSがに対応できない(できなくなった)場合も使えない。ドライバーが対応できるOSまでダウングレードするといった方法もあるかもしれないが、セキュリティなどに不安が残る。そもそもプリンターのためだけにダウングレードをするといった選択肢はないだろう。したがって、このケースも広義で「寿命」と呼べる。
4. プリンターに寿命が近づいたときの症状

インクジェットプリンターに寿命が近づいたとき、どういった症状が現れるのだろうか?代表的なものは次の通りだ。
印刷中に異音がする
プリンターの中から異音が聞こえる場合は要注意である。インクを噴出する部分「ヘッド」が摩耗したため、印刷中に異音を発しているおそれがあるためだ。残念ながらこれは致命的な故障であり、プリンターの寿命が到来したことを告げる合図であると思っておこう。
電源を入れたときに異音がする
電源を入れた際に異音がする場合も、ヘッドに不具合が生じているおそれがある。決定的とはいえないまでも、やはり寿命が近づいているサインと受け止めるべきだろう。
仕上がりの質が低下する
設定していない色に仕上がる、印刷にズレが生じるといった場合も、ヘッドが正常に機能していないおそれがある。同じく寿命がきたと考えるのが賢明だろう。
5. プリンターを修理するか買い替えるかの判断基準

安すぎるプリンターは機能が少なく仕上がりもよくないものが多い。すぐに故障すれば結局高くついてしまうため、ある程度の価格帯のものを選ぶのがおすすめだ。では、修理に出すか買い替えるかの判断基準はどこですればよいのだろうか?
買い替えを検討したほうがよいケース
- 上述した症状が見られるようになった
- プリンターを5年前後使用している
- それ相当の枚数を印刷している
- メーカーの保証期間が切れた
- 修理より買い替えのほうが安い など
明らかに寿命を迎えたときは判断しやすいが、寿命が近い、または寿命が近づいているようだといった場合、修理か買い替えかで悩むこともあるだろう。考えているうちに故障してしまえば、一定期間使えなくなるおそれがある。そうしたトラブルを避けるためにも、上記に該当する場合は速やかに新しい機種への買い替えを検討しよう。
6. プリンターのインク詰まりを解消する方法

先ほど、寿命が近づいたときのサインとして「異音」や「仕上がり品質の劣化」を挙げたが、実はそうした症状が見られる場合でも、インク詰まりを起こしているだけのことがある。そんなときは、次の方法で解消しよう。
インク詰まりを解消する方法
ヘッドクリーニングの方法はメーカーによって異なるが、インクジェットプリンターで一般的なのは、洗浄カートリッジを使う方法だ。通常のカートリッジに代えて洗浄カートリッジをセットして印刷するだけで、手軽に固まったインクを除去できる。
7. 寿命がきたプリンターの処分方法

寿命を迎えたプリンターは買い替えることになるのだが、同時に今までお世話になったプリンターを処分する必要もある。
不燃ごみまたは粗大ごみに出す
サイズにより、または自治体により異なるが、プリンターは不燃ごみまたは粗大ごみとして処分できる。詳しくは、お住まいの地域のごみ出しルールを確認しよう。
無許可の不用品回収業者はNG
ご家庭から出る廃棄物はすべて一般廃棄物だ。そのため「一般廃棄物処理業許可」を持っており、自治体から委託を受けた業者しか回収できない。「産業廃棄物処理業許可」「古物商」などでは回収できないため依頼しないようにしよう。
町内を大音量および低速で巡回している、ポストにチラシを配布している、ネットで募集しているといった業者は自治体の委託を受けていない無許可業者である確率が高い(※2)。不法投棄や高額な料金請求など、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあるため気をつけてほしい。
町内を大音量および低速で巡回している、ポストにチラシを配布している、ネットで募集しているといった業者は自治体の委託を受けていない無許可業者である確率が高い(※2)。不法投棄や高額な料金請求など、思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあるため気をつけてほしい。
8. プリンターの寿命を少しでも延ばす使い方とは?

最後に、少しでも長くプリンターを使うためのコツをお伝えしよう。
ヘッドは定期的にクリーニングする
ヘッドの劣化は、プリンターの寿命に影響を迎える大きな要素だ。上述した方法で定期的にお手入れをして劣化を少しでも遅らせよう。
メーカーの純正インクを使う
互換インクを使ってはいけないという意味ではない。だが安すぎる互換インクは、プリンターの寿命に影響を与えるリスクがゼロではないことも理解しておこう。コスパは低くなるかもしれないが、できれば純正インクの使用をおすすめする。
結論
プリンターの寿命は5年前後だが、使用頻度や置いてある環境によっても左右されるため5年未満でも油断はできない。5年前後使用しているプリンターで異音がしたり、設定外の色や印刷のズレが見られたりしたら、寿命が近いサインと考えられる。突然故障して困らないよう、買い替えの準備を進めておくとよいだろう。
(参考文献)
- 1:No.2100 減価償却のあらまし|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm - 2:環境省_廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!
https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html