1. 汚部屋を掃除せずにいるデメリット
まずは、汚部屋を掃除しないでいるとどうなってしまうのかを考えてみよう。
虫が発生する
汚部屋を掃除せずにいると、ごみやホコリ、それに食べカスや飲み残しなどが原因で害虫が発生する。ハエやゴキブリ、アリなどだ。ごみ袋を持ち上げたらウジ虫だらけだった、ということも大いにある。
悪臭が発生する
食べ残しや飲み残しなどが腐り、鼻が曲がるほどの悪臭を発するようになる。慣れてしまうと気にならなくなるのが怖いところだ。だが集合住宅では隣室などから苦情がくることもある。
健康被害が生じる
汚部屋を放置していると大量発生したダニのフンや死骸、繁殖したカビなどが原因でアレルギー症状が出ることがある。喘息や肌の痒みで苦しむことにつながるおそれがある。
火災や爆発のリスクが生じる
モノにもよるが、紙類など燃えやすいモノが多ければ簡単に火がついてしまううえ、一気に火の手が回ってしまう。スプレー缶などからガスが漏れれば、ちょっとしたきっかけで爆発することも考えられる。
精神面に悪影響を及ぼす
「汚部屋に住んでいる」「片付けられない」といったネガティヴな感情が湧き、ひいてはそうした自分に自信がなくなる。「どうでもいい」と自暴自棄になるなどして自己評価が低下し、精神面に多大なる悪影響を及ぼす。
2. 汚部屋を掃除するメリット
汚部屋を掃除することで上述したデメリットを払拭できる。それにより、たとえば次のような「いいこと」が待っている。
自分に自信が持てるようになる
キレイな部屋で生活できている自分、汚部屋をきちんと片付けられた自分に対して自信が湧く。表情が明るくなれば、仕事やプライベートなどでの対人関係もよい方向に向かうかもしれない。
健康的な暮らしができる
ホコリを掃除し、ダニのフンや死骸、カビの胞子なども一掃すれば、キレイな部屋で生活できる。アレルギー症状が治まることも考えられる。
時間を有効活用できるようになる
汚部屋はモノが散乱しているため、たとえばリモコンを取ろうとしてもあちこち探さなければならない。掃除をして何がどこにあるのか明確になれば、そうした時間のムダを省ける。
無駄遣いが減る
汚部屋は「どこに」「何が」「どれくらい」あるのか分かりにくい。ダブって購入してしまうこともあるし、飲み残しをこぼしまい買い直さなければならないといったこともあるだろう。立派な無駄遣いである。汚部屋を掃除することで、そうした無駄遣いが減るはずだ。
3. 汚部屋の掃除に必要なモノ
汚部屋を放置するデメリット、掃除するメリットが分かったところで、いよいよ汚部屋掃除に取り掛かる。先にグッズから確認していこう。なおあると便利なグッズを列挙したが、絶対にすべてを揃えなければならないわけではない。最低限「ごみ袋」「マスク」「雑巾」「掃除機(フロアワイパー)」を用意しよう。
ごみ袋
燃えるごみ、燃えないごみ、ビン・缶、ペットボトルなど仕分けして入れられるようにしよう。またサイズは大きめのものがよいが、大きすぎると重くて運ぶのが大変になるかもしれない。ほどよいサイズ感がポイントだ。
マスク
ホコリやダニのフン、カビの胞子などをできる限り吸い込まないようにするため、マスクは必須だ。
ゴーグル(メガネ)
こちらは必須ではないが、あれば用意しておこう。ホコリなどが目に入ってしまうのを防ぐために使う。
ゴム手袋
腐敗した食べ物や飲み物、害虫の死骸など素手で触れたくないモノがあるかもしれない。念のため用意しておくことをおすすめする。
ビニール紐
雑誌や新聞紙などをまとめる際に使用する。
カッター
ビニール紐をカットする際、あるいはダンボールを解体する際などにあると便利だ。
雑巾
水拭き用と乾拭き用で最低でも2枚は用意しよう。雑巾のほかにマイクロファイバークロスなどもあるとよい。
掃除機
掃除機がなければフロアワイパーでもOKだ。
ハンディモップ
棚たデスクの上などを掃除する際に使用する。
4. 汚部屋の掃除を最後までやり遂げるためのコツ
汚部屋の掃除で最初にぶち当たるのが「何から始めればよいのか分からない」という壁だ。掃除のコツ、最後までやり遂げるためのコツを伝授しよう。
汚部屋掃除はどこから始める?
足の踏み場もない汚部屋を掃除する場合、まずは何よりも「自分が立てるスペース」を確保しよう。何かの上に立つのではなく、床の上に直接立てるスペースを作るのだ。床に立てたら、散らかっているモノをどんどんと片付けていく。
「明らかなごみ」を迷わず捨てる
とにかくモノを減らしていくことが大切だ。「何から(どこから)掃除し始めるのが効率的か」などと考えていても始まらない。目につくごみをどんどんごみ袋に入れていこう。
捨てるかどうか迷うモノは保留スペースに置く
パッパッと捨てられないモノもあるだろう。そうしたアイテムはいったん保留だ。考える時間がもったいない。ダンボールなどに入れて部屋の一角にまとめて置いておき、あとから考えよう。
掃除は「上から下」「奥から手前」を意識する
ホコリは上から下へ落ちてくる。ごみがひと通り片付いてからの話だが、掃き掃除や拭き掃除をする際は上からということを覚えておこう。同じく、床掃除なども奥から手前へ向かってやるのが基本だ。
一気にすべてをやろうとしない
汚部屋の掃除は1日で終わらないこともある。一気に完璧にやろうとすると心が折れることもあるだろう。「今日はデスクと自分の寝床作り」「今日はテレビ周り」などと決めて、少しずつ終わらせるといった考え方も大切だ。
5. 汚部屋の基本的な掃除方法
場所別に、汚部屋の基本的な掃除方法をお伝えする。
汚部屋の掃除方法|寝室・居室
汚部屋の掃除は床に落ちている明らかなごみを捨てるところから始める。心を「無」にして、とにかく次々と捨てていくのだ。床が見えてくると、ホコリの塊が現れることもある。その都度掃除機やフロアワイパーで取り除こう。
同時進行で、残すと決めたモノを収納スペースに入れていく。通帳や印鑑など紛失してはいけないモノは置く場所を決めておこう。片付いたら、床や棚などを固く絞った雑巾で水拭きし乾拭きで仕上げる。
同時進行で、残すと決めたモノを収納スペースに入れていく。通帳や印鑑など紛失してはいけないモノは置く場所を決めておこう。片付いたら、床や棚などを固く絞った雑巾で水拭きし乾拭きで仕上げる。
汚部屋の掃除方法|フローリング
ごみを置きっぱなしにしていたフローリングは表面が傷んでいる。シミなどができていることもあるだろう。まずは掃除機で取り除けるホコリなどを取り除く。次に雑巾あるいはフロアワイパーで拭き掃除をしよう。
黒ずみがある場合、食器用中性洗剤を水で薄めたものを雑巾に含ませて拭き取る。そのあと水拭きと乾拭きで仕上げることも忘れないようにしよう。キレイになったら、ワックスシートを部屋の奥から手前に向かってかけていけばピカピカになるはずだ。
黒ずみがある場合、食器用中性洗剤を水で薄めたものを雑巾に含ませて拭き取る。そのあと水拭きと乾拭きで仕上げることも忘れないようにしよう。キレイになったら、ワックスシートを部屋の奥から手前に向かってかけていけばピカピカになるはずだ。
汚部屋の掃除方法|キッチン
汚部屋にあるキッチンには、頑固な油汚れがこびりついていることが多い。そうした油汚れには重曹がおすすめだ。バケツなどに、ぬるま湯1Lにつき大さじ2杯の重曹を溶かしてよく混ぜる。その重曹水をスポンジや雑巾、キッチンペーパーなどに含ませて油汚れを拭き取ろう。キレイになったら、重曹が残らないように水拭きと乾拭きで仕上げる。
汚部屋の掃除方法|浴室
鏡や蛇口などの水垢にはクエン酸が有効だ。空のスプレーボトルに水400mlと小さじ2杯のクエン酸を混ぜて溶かす。これを水垢にスプレーしたら、上からキッチンペーパーで覆う。さらにクエン酸水をたっぷりスプレーし、食品用のラップでパックをしよう。2時間ほど放置したのち、スポンジでこすり洗いをして流水でよくすすぐ。最後に乾拭きで仕上げれば完了だ。
ヌメリが見られるときは、浴室用の洗剤を吹きかけてスポンジなどでこすり洗いをしよう。なお塩素系のカビ取り剤を使う際は、絶対にクエン酸を混ざらないように注意してほしい。有害なガスが発生して大変危険だ。
ヌメリが見られるときは、浴室用の洗剤を吹きかけてスポンジなどでこすり洗いをしよう。なお塩素系のカビ取り剤を使う際は、絶対にクエン酸を混ざらないように注意してほしい。有害なガスが発生して大変危険だ。
汚部屋の掃除方法|トイレ
まずは普段どおりトイレ用の洗剤とブラシなどでお手入れをしよう。「さぼったリング」と呼ばれる黒い輪染みがある場合は塩素系漂白剤が有効だ。また尿石汚れやアンモニア臭に効くのはサンポールといった酸性洗剤である。ただし上述のように、酸性アイテムと塩素系アイテムは絶対に混ざらないように気をつけてほしい。できれば、同じ日に使うことは避けたほうがよい。
6. 汚部屋を掃除したあと清潔に保つには?
汚部屋から普通の部屋に戻すことができたら、次はその状態をキープすることが大切だ。せっかく掃除したのにまた汚部屋に戻ってはもったいないことこのうえない。それに、再度同じように掃除するモチベーションはなかなか湧いてこない。キレイな状態をキープするために心がけたいことは次の3つだ。
モノの定位置を作る
床にモノを置いてしまうことが汚部屋の始まりである。帰宅後、脱いだコートや鞄を玄関や居室の床に置きっぱなしにしていないだろうか?置く場所を決め、そこに戻す習慣をつければモノが散らかることはなくなる。
モノを増やさない
「1つ買ったら1つ捨てる」といったように、モノを増やさないこともキレイな部屋を保つポイントだ。収納スペースいっぱいに、ではなく余裕を持って入れられる程度の量をキープしよう。大きめの収納アイテムを購入すると「まだ入る」と思って買いすぎてしまうことがある。収納アイテムやスペースはできるだけ少なくするといった工夫も必要だ。
こまめにごみ出しと掃除をする
汚部屋へのリバウンドを防ぐには、こまめなごみ出しが大切だ。食べ終わったコンビニの弁当やペットボトル、お菓子の袋などを床に放置していないだろうか?これらはその都度、ごみ袋に入れるなどしよう。また掃除も、まとめてするのではなく汚れが気になったらその都度やろう。汚れが蓄積すれば落ちにくくなり、掃除も面倒になってしまうので注意しよう。
7. 汚部屋の掃除を業者に依頼するメリット・デメリット
手が付けられないほどの汚部屋の掃除は、業者に依頼するという方法もある。この場合、どういったメリット・デメリットがあるのだろうか?
汚部屋掃除を業者に依頼するメリット
なんといっても自分は楽である。その辺のごみはもちろん、不用品の処分まで任せられる。プロなので自分で掃除するよりも効率よく、かつピカピカにしてくれるだろう。ハウスクリーニングや害虫駆除までサービスに含まれているかなどは業者で異なる。依頼の際は相見積もりをとり、事前にサービス内容を確認して比較しよう。
汚部屋掃除を業者に依頼するデメリット
それ相応のコストがかかると思っておこう。また「自分で片付けることができた」という自信や「やりきった」という達成感は得られないと考えてよいだろう。そのため汚部屋がリバウンドするおそれがある。とはいえ、最重要課題はとにかく目の前の汚部屋をキレイにすることだ。こうしたデメリットはあるが、業者に依頼してしまうのも手だと思っておこう。
8. 汚部屋の掃除を業者に依頼した場合の料金目安
最後に、汚部屋を業者に掃除してもらう場合の料金目安についてもお伝えしておこう。
汚部屋掃除の料金相場
- 1R、1K:3~8万円
- 2LDK:12〜30万円
業者によって料金設定が異なるほか、汚部屋の広さや汚れ具合、不用品の処分の有無、付帯作業(壁掃除、害虫駆除など)の有無などで料金が異なる。掃除完了までの時間やスタッフの人数でも料金は変わってくる。まずは複数の業者に問い合わせてみることだ。
結論
汚部屋を掃除せずにいるメリットはひとつもない。害虫や悪臭で済めばよいが、健康被害まで生じるようでは危険だ。マンションなど集合住宅の場合、隣家や下階へ迷惑をかけるおそれもあるし、賃貸物件なら退去時のトラブルのもとになりかねない。ここは意を決し、汚部屋をキレイに掃除しよう。一気に掃除するのではなく、少しずつ片付けていくという考え方も必要だ。