目次
- 1. すでに張られている蜘蛛の巣への対策は「物理攻撃」のみ
- 2. 蜘蛛の巣を張られないようにするための対策
- 3. 多くの蜘蛛は本来「益虫」とされている
- 4. 蜘蛛はどうやって「蜘蛛の巣」を張るのか?
- 5. 蜘蛛の巣を張られる「原因」は?
- 6. 蜘蛛の巣が張られやすい「場所」を知って対策につなげよう
- 7. 蜘蛛の巣対策におすすめのアイテム3選
- 8. 蜘蛛の巣対策に効果的なスプレーを自分で作る方法もある
- 9. 蜘蛛そのものに対策を講じる際の注意点
- 空のスプレーボトル
- アロマオイル
- 酢
- 水
- ※1:JAグループ福岡「クモはどうやって巣を作るの?」
http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/003/003.html - ※2:環境省「注目の外来種 _ 日本の外来種対策 _ 外来生物法」
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention.html
1. すでに張られている蜘蛛の巣への対策は「物理攻撃」のみ

まずは現在、すでに張られてしまっている蜘蛛の巣を取り除く方法から確認しておこう。
物理的に取り除くしかない
改めて紹介するほどでもないが、すでに張られている蜘蛛の巣はホウキや木の棒などを使って「物理的」に取り除くしかない。
蜘蛛を駆除することが重要
無事に取り除けたとしても、蜘蛛がいれば再発する。大切なことは蜘蛛の巣が張られる前に対策を講じること、すなわち蜘蛛を駆除したり追い出したりすることだ。
2. 蜘蛛の巣を張られないようにするための対策

上述のように、いま張られている蜘蛛の巣を取り除いたところで、蜘蛛が棲み着いていれば蜘蛛の巣が再発するのも時間の問題だ。効果的に蜘蛛の巣対策をするには、蜘蛛を駆除することがもっとも重要になる。
蜘蛛に効果的な殺虫剤を使う
蜘蛛に直接、あるいはいそうなところに噴射するといった、エアゾールタイプの殺虫剤が効果的だ。おすすめ商品も後述しているのでぜひ参考にしてほしい。
蜘蛛のエサとなる害虫を駆除する
蜘蛛が寄ってくるのは、エサとなる害虫がいるからだ。その害虫を駆除して蜘蛛が集まりにくい環境を作れれば、蜘蛛もいなくなり結果として蜘蛛の巣ができにくくなる。小まめに掃除をしてホコリや食べかすといった細かいゴミを溜めないようにしよう。雑草を抜いたり庭木を剪定したり、不要な水場を撤去したりして虫の住処を減らすのもよい。
またゴキブリなどには燻煙剤や毒餌などの駆除アイテムがおすすめだ。虫が集まる蛍光灯ライトは外すか、寄り付きにくいLED照明に変えるとよいだろう。
蜘蛛の巣防止スプレーを使う
シュッとひと吹きするだけで蜘蛛の巣対策になる便利なスプレーも販売されている。蜘蛛の巣が張られやすい場所や一度張った場所に使えば予防が可能だ。水に強い屋外用とベタつかない屋内用があるため、対策したい場所で使い分けよう。ただし効果が続くのは1カ月ほどなので、定期的に吹きかけることが対策となる。
蜘蛛が入り込みそうな隙間をなくす、埋める
窓やドア、網戸や換気扇などに隙間があれば、補修したり埋めたりして隙間をなくしておこう。換気のため開放する必要がある場所なら、スプレータイプの蜘蛛の忌避剤を吹きつけておくといった方法がおすすめだ。
3. 多くの蜘蛛は本来「益虫」とされている

いきなり蜘蛛の巣除去や蜘蛛退治から説明してしまったが、本来、多くの蜘蛛は「益虫」とされているのをご存知だろうか?少しだけ蜘蛛について解説しておこう。
蜘蛛は家や田んぼなどの害虫を捕食してくれる
忌み嫌われる蜘蛛だが、本来ほとんどの蜘蛛は益虫とされている。見た目の不快感や毒などのイメージがつきまとうため、どうしてもネガティヴなイメージを持ってしまうのは仕方がない。だが、一部にセアカゴケグモといった危険な毒蜘蛛もいるが、もとから日本にいる多くの蜘蛛は無害だ。そのうえ家や田んぼなどの害虫を捕食してくれるなど、人間にとって陰ながら役立っている虫でもある。
だからといって駆除せずにいると不快だし、不衛生な感じがするなどやはり気になってしまう。増やさないためにも駆除は必要だが、益虫であることも頭の片隅に入れておこう。
4. 蜘蛛はどうやって「蜘蛛の巣」を張るのか?

話を蜘蛛の巣に戻そう。いったい蜘蛛はどのようにして蜘蛛の巣を張っているのだろうか?蜘蛛はお尻から糸を出すが、自分自身がジャンプして向こう側の枝などに移動するわけではない。
蜘蛛はどうやって巣を張る?
まずは風に乗せて糸を向こう側の枝などにくっつけて、お尻側を自分がいる枝などにつける。次に、その糸を伝って向こう側の枝に移動するなどして、徐々に巣の形にしていく。先に放射線状に糸を張り、最後に螺旋状に張って完成する。普通の蜘蛛の巣であれば1時間ほどで作れるというから手際もよい(※1)。
蜘蛛は同じ場所に巣を張る習性がある
蜘蛛は、一度巣を張った場所にまた張る習性がある。同じ場所に繰り返し張られるのはこのためだ。蜘蛛の巣に気づいたらすぐに取り除き、それ以降、張られにくくする環境を作ることに注力しよう。
巣を張らない蜘蛛もいるって本当?
蜘蛛は種類が多い。たとえば窓際で飛び跳ねながらハエなどを捕食するハエトリグモ、ゴキブリをも捕食するというアシダカグモなど、日本だけでも1200種いるという。なお、すべての蜘蛛が巣を張るわけではない。歩き回ってエサを捕食する徘徊型の蜘蛛も存在する。
5. 蜘蛛の巣を張られる「原因」は?

なぜ蜘蛛の巣を張られてしまうのか、それは蜘蛛がいるからである。では蜘蛛が集まりやすい環境とはどういったものなのだろうか?
蜘蛛にとってのエサが豊富にある
蜘蛛はエサが豊富な場所に集まる。エサとは主に小さな虫やハエ、ゴキブリといった害虫だ。とくに森や畑、水場が近いなど、虫が集まる場所に近いというご家庭は注意が必要だ。害虫のエサになるホコリや食べかすが豊富な場所には、蜘蛛も集まりやすいと覚えておこう。
蜘蛛が入り込める隙間がある
もうひとつ、蜘蛛はちょっとした隙間からでも簡単に侵入する。蜘蛛のエサが豊富な環境で、かつ換気や出入りのために窓やドアを開放しているというご家庭も要注意だ。また網戸に穴が開いていたり隙間があったりしても蜘蛛の侵入経路になりうる。
6. 蜘蛛の巣が張られやすい「場所」を知って対策につなげよう

どういった場所に蜘蛛の巣が張られやすいのかも解説しよう。ある程度目星がつけば、効果的な対策にもつながるはずだ。
糸をかけやすい場所
蜘蛛の巣を張るには、糸をかけるためのモノや足場などが必要だ。軒下や窓際、庭木の間やサッシの内側、家の中であれば押入れや天井の角などは糸を引っかけやすい。こうした場所を入念にチェックするとよいだろう。
巣が壊されにくそうな場所
蜘蛛は安全な場所を選んで巣を作る。風が当たったり人間がよく通ったりする場所は、蜘蛛の巣が壊れやすいのであまり好まない。巣を守るための壁や屋根がある場所、壊れにくい高所などは蜘蛛の巣ができやすい。
エサが集まってくる場所
ゴミが溜まりやすい場所、木や雑草が多い庭、水辺の近くなどはエサになる蚊や虫が豊富にいるため、蜘蛛の巣が張られやすい。羽虫が集まる玄関や庭の照明周辺にもできやすい。蜘蛛の巣対策を講じるのであれば、こうした場所をチェックしておこう。
7. 蜘蛛の巣対策におすすめのアイテム3選

蜘蛛の巣や蜘蛛への対策に便利なアイテムを、厳選して3つ紹介しよう。
KINCHO「クモがいなくなるスプレー」
殺虫効果と同時に蜘蛛の巣を防止する効果があるスプレーだ。まずはすでに張られている蜘蛛の巣にスプレーして取り除き、次にその場所へスプレーしておくとよいだろう。
イーライフ「NEW くもの巣キャッチャー4」
77〜240cmまで伸縮する、電動タイプの蜘蛛の巣クリーナー。単2乾電池2本で約60分の連続使用が可能である。高いところにできた蜘蛛の巣にはこちらがおすすめだ。
アース「クモの巣消滅ジェット」
蜘蛛の巣が張られるのを予防する効果、および直接噴射することで蜘蛛を退治する効果が得られる。1プッシュで約1カ月間、蜘蛛を寄せつけない忌避効果があるのが特徴だ。
8. 蜘蛛の巣対策に効果的なスプレーを自分で作る方法もある

蜘蛛の巣および蜘蛛対策用の殺虫剤といったアイテムは通販などでも手軽に入手できるが、アロマオイルなどを使ってご家庭で手作りすることも可能だ。一例を紹介しよう。
蜘蛛の巣対策スプレーの作り方と使い方
【用意するもの】
アロマオイルは柑橘系やミント系などがよい。なければユーカリオイルやハッカ油でも効果が期待できる。
【作り方】
スプレーボトルにアロマオイルと酢、水を入れてよく混ぜ合わせれば完成だ。分量はアロマオイル数滴〜10滴程度、酢50ml程度、水100ml程度を目安にしよう。
【使いと効果持続期間の目安】
蜘蛛の巣が張られそうな場所に吹きかけておく。すでに蜘蛛の巣が張られている場合は物理的に取り除いたあとスプレーしておこう。効果の持続期間は10日〜2週間程度だが、雨に濡れた場合などは流れてしまうので適宜「追いスプレー」をしておこう。
市販の対策アイテムよりは効果が低いが薬剤を使用しないメリットがある
手作りした蜘蛛の巣対策スプレーは、市販品よりも効果が低い。そのため「どうしても薬剤を使いたくない」といった特別な理由がなければ、市販の対策アイテムを使ったほうがよいだろう。ただし子どもやペットがいるご家庭などで、薬剤が付着している部分をなめてしまうおそれがある、といった場合は薬剤不使用の手作り対策スプレーがよいかもしれない。
9. 蜘蛛そのものに対策を講じる際の注意点

蜘蛛の巣の基本は蜘蛛そのものを駆除することであるとお伝えしたが、最後にその際の注意点を述べておこう。
毒を有する蜘蛛に注意すること
蜘蛛は害虫を捕食してくれる益虫で、その多くが無害である。だがお伝えしたように、一部の蜘蛛は毒を有している。特定外来生物に指定されているセアカゴケグモとハイイロゴケグモなどはとくに注意が必要だ(※2)。
これらを見つけた場合は絶対に触ってはいけない。靴で踏みつけたり、ピレスロイド系スプレーを使ったりして駆除するか自治体に連絡しよう。日本在来種であるカバキコマチグモもあわせて特徴を解説する。
【セアカゴケグモ】
黒色の体をしており、背中にある毒々しい赤い模様が特徴の蜘蛛だ。もとはオーストラリアの蜘蛛だが、現在は日本各地で確認されている。強い毒があるのはメスで、触ると噛まれることがあり痛みや紅斑といった症状が現れる。日当たりがよく暖かい場所や、地面の近くに蜘蛛の巣を張ることが多い。身近な場所に潜んでいるケースもあるので、屋外で作業するときは手袋を装着するといった対策をしよう。
【ハイイロゴケグモ】
灰色または褐色など個体差がある。長い脚と丸い胴体が特徴の蜘蛛だ。メスはとても強い毒を有しており、重症化すると頭痛や不眠など全身症状が数週間続くこともある。セアカゴケグモと同様、日当たりがよい地面の近くを好む。側溝や自販機の下、室内などに生息し不定形の蜘蛛の巣を張る。世界中の熱帯地域に広く生息しているが、日本の一部地域でも確認されている。
【カバキコマチグモ】
沖縄県を除く日本各地に生息している日本産の蜘蛛だ。噛まれると激しい痛みがあるが、幸い毒の量は少ないので一般的には軽症で終わることが多い。黄色の腹部をもち、植物の葉をクルクルと丸めて巣を形成する。攻撃性はあまりないので刺激しないことがいちばんの対策だ。
結論
蜘蛛の多くは益虫だが、それにしても「蜘蛛の巣」は厄介だ。顔や体に付けば不快だし、家の中にあれば不衛生な印象になる。同じ場所に繰り返し張る習性があるため、対策として重要なのは蜘蛛が集まりにくい環境を作ることだ。害虫対策や専用アイテムを使うなどして上手に防止しよう。
(参考文献)