目次
1. 片付けに対する「やる気」が起こらない理由

そもそもどうして片付ける気が起こらないのだろうか。根本的なところを考えてみよう。
片付ける気が起こらない理由
- 忙しいから
- 面倒だから
- とくに不便ではないから
- どうせ散らかるから
- いつでもできるから
- どこから手をつけるのか分からないから
- 片付ける場所(スペース)がないから など
おおよそ、こうしたことではないだろうか。たしかに、片付けは食事や睡眠のように「生きていくうえで欠かせない」ものではない。そのため「いつかやろう」「やる気になればいつでもできる」「もう少し大丈夫」などという思いが頭をよぎり、つい後回しにしてしまうという方も多いだろう。だが一方で「片付けたほうがよい」「キレイな空間で暮らしたい」「やる気を起こす方法を知りたい」と思っている方も多いはずだ。
本稿がそうした方にとって少しでもお役に立てるよう、やる気を起こすためのコツや効率のよい掃除方法などを解説する。
本稿がそうした方にとって少しでもお役に立てるよう、やる気を起こすためのコツや効率のよい掃除方法などを解説する。
2. 汚部屋であることのリスクを考えよう

汚部屋(おへや・おべや)とは文字通り「汚い部屋」を指す。どれくらい汚いのかの定義はないが、一般的にはごみが放置されている、足の踏み場もない、虫が発生しているなど生活に支障をきたすほど汚れた部屋を指すことが多い。
汚部屋を片付けずにいるリスク
ごみやホコリが溜まっていれば汚れた空気を吸い込むことになり体によくない。Gやダニ、カビなどはアレルギーの原因になるなど不健康である。足の踏み場がないほどモノが散乱していれば、何がどこにあるか分からず同じものを購入してしまうこともあるだろう。いたって不経済だ。腐敗した飲食物や湿気などが影響して床や壁が傷むおそれもある。賃貸物件の場合は退去時の清掃費用もバカにできない。さらに「汚部屋住んでいる自分」に対する自己評価が下がり、精神面に悪影響を及ぼすことも考えられる。
パッと思いつくだけでもこれだけのリスクがある。やはりどうにかして「やる気」を起こし、片付けに着手すべきだろう。
パッと思いつくだけでもこれだけのリスクがある。やはりどうにかして「やる気」を起こし、片付けに着手すべきだろう。
3. 片付けに対する「やる気」を起こすコツ

では、どうすればやる気が出るのだろうか?自分でモチベーションを上げるためのコツをいくつか紹介するので、いろいろと試してみてほしい。
好きな音楽をかける
モチベーションを上げるには好きな音楽を聴くのが手っ取り早い。大音量が難しい環境であればイヤホンやヘッドホンでもよいので、アップテンポの曲をかけるなどしてみよう。
やるべきことを書き出して具体的にイメージする
何をどこから手をつけたらよいか分からないと、やる気が湧いてこない。リスト化したり視覚化したりすることで頭が整理され、具体的な動きがイメージしやすくなる。「服を断舎離する」「ごみを仕分けする」などひとつずつリストアップして書き出してみよう。
キレイに片付いた部屋をイメージする
汚部屋がキレイになることでどんなメリットが生まれるか想像してみよう。快適に過ごせる、自分に自信が持てる、知人を呼べる、おまけに健康的などいいことづくめだ。それに無駄な買い物が減れば貯金を増やせるかもしれない。
時間と場所を決めてまずはやってみる
やる気があとからついてくるパターンもある。とにかく始めてみるという手だ。「10時から30分間デスクを掃除する」「12時から1時間本棚とクローゼットを掃除する」など時間と場所を決めてしまい、まずはとにかく「無」で手を動かそう。
片付けが済んだ自分に「ご褒美」を考えておく
「キレイになったら一人焼肉をお腹いっぱいになるまで食べる」「ブランド物を買う」などなんでもよい。人知れず頑張ったのだからそれ相応のご褒美を用意しよう。
「しなきゃ」を「したい」に変える
「片付けなきゃ」と考えると重くのしかかる。「片付けたい」「変わりたい」と口に出して言ってみよう。言霊がいつしか前向きな気持を生み出し、片付けに対するやる気が起こるはずだ。
4. 片付けに対する成功体験が「やる気」を生む

自分でモチベーションを上げるためのコツなどと列挙したが、そうしたことで簡単にモチベーションが上がり、それをキープできるのであれば苦労はしないだろう。片付けに対するやる気が起こらない方は、もっと深いところで苦しんでいることもある。
小さな成功体験の積み重ねがポイント
たとえば「何度も片付けようと思ったが挫折してしまった」「汚部屋で暮らすうちに、どうでもよくなってしまった」といったことはないだろうか。いろいろ試してもやる気が起こらない方の中には、こうしたことで自分に自信を失い「どうせできない」と感じてしまっている方もいるだろう。
そんな深いところで苦しんでいる方がやる気を起こすには「小さな成功体験」の積み重ねが重要と考えよう。一気に片付けるのではなく足元から、デスクの上から、ベッドの上からなど狭い範囲のできるところから着手する。一日一箇所で構わない。それが小さな成功体験となり、積み重ねることで少しずつ自信を持てるようになるはずだ。
汚部屋が日々少しずつ片付いていく様子を見るたびに「継続しよう」というモチベーションが湧き、キレイに片付いていく空間で生活できている自分にも自信が持てるようになるだろう。もちろんエネルギーがあれば一気に進めてしまうのもアリだが、まずはムリをせず「一日一箇所でいい」くらいの気持ちで取り組んでみてはいかがだろうか。
そんな深いところで苦しんでいる方がやる気を起こすには「小さな成功体験」の積み重ねが重要と考えよう。一気に片付けるのではなく足元から、デスクの上から、ベッドの上からなど狭い範囲のできるところから着手する。一日一箇所で構わない。それが小さな成功体験となり、積み重ねることで少しずつ自信を持てるようになるはずだ。
汚部屋が日々少しずつ片付いていく様子を見るたびに「継続しよう」というモチベーションが湧き、キレイに片付いていく空間で生活できている自分にも自信が持てるようになるだろう。もちろんエネルギーがあれば一気に進めてしまうのもアリだが、まずはムリをせず「一日一箇所でいい」くらいの気持ちで取り組んでみてはいかがだろうか。
5. 「やる気」が湧いたら即着手!片付けの手順とコツ

汚部屋の片付けには手順やコツがある。やる気が湧いたら即、片付けに着手しよう。ここでは「ベッドの上や周りにモノやごみが溢れている」と仮定して解説するが、ほかの場所にも応用できるので覚えておこう。
汚部屋の片付け手順
- ベッドの上や周りにあるモノを一箇所に集める
- 自分にとって「要るモノ」と「要らないモノ」に分ける
- 要らないモノを捨てる
- 要るモノを収納する(必要に応じて収納アイテムを揃える)
非常にシンプルだが、これが片付けの基本だ。まずは何があるのかを把握し、要るモノと要らないモノを見極め、必要なモノだけを残すという流れだ。ただし何が要らないモノなのか判断に迷うことも多いだろう。その際のコツをお伝えしよう。
要るモノ・要らないモノを判断するコツ
- 服は1年着用していないことを目安にする
- それ以外のモノも半年〜1年を目安にする
汚部屋を片付けるときは、こうした基準を設けることが大切だ。季節家電などは別だが、半年〜1年使わなかったモノなら今後使う可能性も低いだろう。「いずれ使うかもしれない」と残しておいても片付けが進まないだけなので、この際、思い切って処分してしまおう。
ごみが散乱している場合
モノとごみが入り混じって散乱している汚部屋なら、何も考えずにとにかく処分できるごみから着手すると効率がよい。ごみ袋とマスク、軍手などを用意し「可燃」「不燃」「資源」などに分けてどんどん袋詰めしたら、いったん部屋の外などに出しておく(専用のごみ置き場があるなら出してもよい)。これだけでもかなり汚部屋がスッキリするはずだ。そのうえで、上記の手順でモノを整理していけば効率よく片付けができる。
6. 「片付ける場所がない」は変われる大チャンス

片付けに対するやる気が起こらない理由が「片付ける場所(スペース)がない」「収納が足りない」ということであれば、それは今までの生活を一変させる大きなチャンスと捉えよう。
モノを減らせる大チャンス
スペースが足りないということは「モノを持ちすぎている」ということである。その生活スペースは今の自分を反映したものだ。モノを、その与えられたスペースに見合った量に調整すればよい。「いつか着るだろう」ととってある衣類や「もしかしたら使うかも」と残してあるアイテムはないだろうか?「高いから処分するのがもったいない」と感じて収納してある小物やゲーム機などはないだろうか?
単純に処分するのがもったいないときは、フリマアプリで必要としている人に売却したり、リサイクルショップに買い取ってもらったりしよう。生産的だしお金も残る。一度モノを減らすと「これだけでも十分、生活ができたのか」と気づくはずだ。
単純に処分するのがもったいないときは、フリマアプリで必要としている人に売却したり、リサイクルショップに買い取ってもらったりしよう。生産的だしお金も残る。一度モノを減らすと「これだけでも十分、生活ができたのか」と気づくはずだ。
7. 片付けた部屋をキレイなまま保つには?

なんとかやる気を呼び起こし、多大な時間と労力をかけて片付けた部屋は、ぜひキレイな状態をキープしよう。そのためのコツをまとめたので参考にしてほしい。
部屋をキレイなままキープするコツ
- 使ったら戻す習慣を身につける
- モノの定位置を決めておく
- 床には極力モノを置かない
- ひとつ増えたらひとつ減らす
使ったら戻すとはごく基本的なことだが、これも小さな成功体験の積み重ねとなる。最初は意識的に行うことになるが、やがて習慣化されるはずなので頑張ろう。またモノをひとつ買ったらひとつ捨てるように心がけると、無駄な買い物が減り家にモノが溜まりにくくなる。ぜひ実践してみてほしい。
片付けるとは「戻す」ことである
ごみなど捨てるモノは別だが、多くの場合片付けることは「定位置に戻す」ことだろう。ペンならペンケースに戻す、靴なら靴箱へ入れる、衣類ならハンガーに掛けてクローゼットに収納する、などだ。片付けるという言葉に対し拒否反応を示してしまう方は、ぜひ「戻す」という考え方をしてみてはいかがだろうか?
8. 汚部屋は自分で片付けたほうがよい

やる気が起こらず手が付けられない汚部屋の片付けは、ハウスクリーニングといった業者に依頼する方法もたしかにある。だが自発的にやる気を起こし、自分の手で片付けることをおすすめする。
コストがかかる
汚部屋の片付けを業者にお願いすれば、自分でやるよりも効率よくキレイになるかもしれない。だが「万単位」で費用がかかることがほとんどだ。汚部屋の程度によっては、ごみの処分費用なども含め10万円オーバーになってしまうかもしれない。その分の費用を別のことに回したほうがよほど有意義ではないだろうか?
成功体験が得られない
「自分で片付けられた」という成功体験が得られないため、結局自信を取り戻すに至らず、またすぐ汚部屋になってしまうおそれもある。「また頼めばよい」という思考回路になってしまえば、問題解決能力に影響を与えるかもしれない。完全にお手上げ状態の汚部屋なら依頼するのもアリかもしれないが、それは最終手段だ。やはり汚部屋の片付けはできる限り自分で行うことをおすすめする。
結論
汚部屋の片付けができずに悩んでいる(苦しんでいる)方は、小さな成功体験の積み重ねを何よりも重視しよう。今回お伝えしてきた手順やコツなどを踏まえながら、とにかくできるところから、一日一箇所からでOKなので始めてみてほしい。キレイになった部屋は自分に前向きなエネルギーを与えてくれるはずだ。本稿が少しでもお役に立てるよう願っている。