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灯油をこぼしたときの正しい対処方法は?手に残ったにおいの取り方も

灯油をこぼしたときの正しい対処方法は?手に残ったにおいの取り方も

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年11月16日

灯油は寒い冬の心強い味方だが、給油の際にこぼしたりガソリンスタンドから持ち帰る際にキャップがしっかり締まっておらずにこぼしたりすることがある。引火の危険性なども交えて、灯油をこぼしたときの正しい対処方法をお伝えしていく。

  

1. 灯油をこぼしたら即拭き取るべき理由

赤々と燃える(石油)灯油ストーブ
灯油をこぼしたら、とにかくすぐに拭き取ることだ。その理由をお伝えしよう。

灯油をこぼしたら即座に拭き取ったほうがよい理由

  • 引火などによる火事といった二次被害の危険性があるため
  • 灯油は揮発性が低いことからにおいが残ってしまう場合があるため
灯油をこぼした場合、すぐに拭き取ったほうがよい理由としてはこうしたことが挙げられる。またこぼれた素材によっては変色といったリスクも生じるため、焦ってはいけないが速やかな対処が求められる。

2. 「灯油は引火性が低い」と思わないほうがよい

燃え上がる炎
一般的に、灯油をこぼしても引火するリスクは低いといわれている。だがそれは決して印加することはないから「安心」「安全」という意味ではない。

「灯油は引火性が低い」とは思わないほうがよい理由

たしかにガソリンと比べれば引火点が高く、揮発性も低いため「燃えにくい」かもしれない。だがあくまでガソリンと比較した場合にそういわれることが多いだけであり「引火性が低い」と言い切れるかは疑問だ。
こぼした場所に火があれば引火するおそれがあるし、それにより火事が発生するリスクは大いにある。現に石油ストーブなどは灯油を燃焼させていることからも、素人が「灯油は引火性が低いから安心」とは決して思わないほうがよいだろう。

【引火点と発火点の違い】

引火点とは「可燃物が燃焼に必要な、可燃性蒸気を発生する最低温度」のこと、一方の発火点とは「可燃物が燃え出す最低温度」のことである。両者は似ているが異なるため正しく理解しておこう。

【灯油の引火点と発火点】

灯油の引火点は40℃以上、発火点は220〜230℃程度といわれている。ちなみにガソリンは引火点−40℃以下、発火点約300℃だ。ガソリンは揮発性が高い(可燃性蒸気を発生する最低温度が低い)ことから引火点が大変低くなっている。誤ってストーブに使ってしまうとどんどん燃え広がり手がつけられなくなるため、くれぐれもご注意いただきたい。

3. こぼした灯油はなにで拭き取る?注意点とともに解説

灯油の拭き取りに使える新聞紙
話を戻そう。灯油をこぼしたらすぐに拭き取ったほうがよいとはいえ、具体的になにで拭き取ればよいのだろうか?

灯油はなにで拭き取ればよい?

  • ウエス
  • 新聞紙
  • 乾いた布(雑巾)
  • 不要な衣類
  • 小麦粉 など
ウエスを常備しているご家庭は少ないだろう。一般家庭にありそうで、かつ灯油の拭き取りに使えそうなものといえば「新聞紙」「乾いた布」「不要な衣類」などが挙げられる。あるいは「小麦粉」といった粉末に吸収させる方法もあるので覚えておこう。

灯油を拭き取る際の注意点

  • 火を使っていたらすぐに消す
  • ゴシゴシ擦らない
灯油をこぼした場所やその近くで火を使っているときは、まず何より先に火を消そう。また詳しくは後述していくが、こぼした灯油は新聞紙や布などに「吸い取らせる」ように拭き取るのが基本だ。ゴシゴシ擦ると逆に染み込んでしまったり、素材を傷めたりする原因になるので控えよう。

4. カーペットやソファーに灯油をこぼしたときの正しい対処方法

カーペット
灯油をこぼしたときの具体的な対処方法について解説していく。まずはカーペットや絨毯、ソファーなどに灯油をこぼしたケースから説明しよう。

カーペットなどにこぼした灯油を拭き取る方法

  • 灯油をこぼした部分を、新聞紙やキッチンペーパー、ボロ布などで覆う
  • その上に重石になるようなものをのせる
  • 新聞紙などを取り替えながら2〜3度繰り返す
  • 水で希釈した中性洗剤(台所用など)を、別のボロ布などに含ませる
  • 灯油をこぼした部分を「軽く叩く」ようにして残りを取り除く
  • お湯に浸して固く絞ったボロ布などで水拭きをする
  • 乾いた布で叩くように水分を取り除く
  • カーペットや絨毯などを風通しのよい場所で乾かす
カーペットや絨毯、ソファーなどに灯油をこぼしたらこの手順で拭き取ろう。ソファーはさすがに干したり洗濯したりできないかもしれないが、カバーだけでも乾かしておくとよい。洗濯タグを見て水洗いがOKなら、洗濯機で洗って天日干しあるいは陰干しすることで、匂いなどもスッキリ取れるはずだ。

5. 車中や車のトランクに灯油をこぼしたときの正しい対処方法

車のトランク
次に、ガソリンスタンドで灯油を購入した帰りなど、キャップの締め付けが不十分でうっかり車中やトランクに灯油をこぼしてしまったときの対処方法を解説する。

車中やトランクなどにこぼした灯油を拭き取る方法

基本的にはカーペットなどに灯油をこぼしたときと流れは一緒だ。まずは新聞紙などで吸い取れるだけ吸い取ろう。外して水洗いできるパーツであれば、洗って十分乾かすとよい。外せないパーツは、水で希釈した中性洗剤をボロ布などに含ませて叩くように拭き取り、最後にお湯に浸して固く絞ったボロ布で水拭きをして乾燥させる、という流れになる。においが気になるときはドアや窓、トランクを開放して換気しておこう。

においの除去にはアルコールが有効なことも

アルコールと灯油は混じりやすい。そのうえアルコールの高い揮発性によって灯油も一緒に蒸発してくれることから、こぼした灯油のにおいを取り除くのにアルコールが有効といわれている。どうしてもにおいが気になるときは、ひと通り対処して乾いたあと、アルコールをボロ布などに含ませて灯油をこぼした部分を軽く叩くようにして染み込ませよう。
ただし素材によっては変色などのリスクがある。アルコールの使用に向かない場所や素材への使用は控え、心配なときは先に目立たない部分で試してから作業に取り掛かることをおすすめする。

6. こぼした灯油を拭き取ったあとに残る手のにおいを取る方法

手を洗っているところ
こぼした灯油を拭き取りしたあとなど、手に灯油のにおいが残ってしまうこともある。そんなときは次の方法を試してみよう。

手に残った灯油のにおいの取り方

  • 食用サラダ油を手のひらに少量垂らす
  • 手のひらや指など全体になじませる
  • 石鹸で洗い、ぬるま湯で十分すすぐ
  • 再度石鹸で手を洗い、ぬるま湯で十分すすぐ
こぼした灯油を拭き取るなどして手ににおいが残ったときは、この手順で落とそう。サラダ油は灯油を浮かせるために塗るもので、浮いたところを石鹸で一気に洗い流すというわけだ。

7. 灯油をこぼしたら速やかに「火を消す」「拭き取る」ことが重要

灯油が入ったポリタンクと石油ストーブの燃料タンク
灯油をこぼしてしまう原因として考えられるのが、ポリタンクからストーブの燃料タンクの移し替えに失敗した場合、ポリタンクのキャップがきちんと閉まっておらず移動中にあふれてしまった場合などだろう。あるいは衝撃を与えてポリタンクが倒れてしまったり、ストーブの燃料タンクのキャップがきちんと閉まっておらず、ストーブにセットする際にこぼれるといったことも想定される。
いずれも慎重に作業すれば防げることが多いが、そうはいっても失敗してしまうことはある。いざというときに慌てずに済むよう、灯油をこぼしたら「1.即座に火を消す、火の気を遠ざける」「2.速やかに拭き取る」といった流れをご家族で共有しておこう。

結論

灯油はたしかにガソリンよりも引火しにくいかもしれないが、決して安心してよいというものではない。灯油の取り扱いにはくれぐれも慎重になっていただくとともに、ポリタンクやストーブの近くにウエスや消火剤などを用意しておくといったことも検討してほしい。
インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2020年3月30日

  • 更新日:

    2021年11月16日

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