1. 泥汚れが落ちにくい理由

泥汚れは、水にも油にも溶けない「不溶性」の汚れに分類される。すなわち、普通に水洗いをしても、油汚れを落とすようなアルカリ性の洗剤を使っても、泥汚れを落とすことはほとんどできないと思っていいだろう。
泥汚れが落ちにくい理由
泥汚れが落ちにくいとされているのは、不溶性という性質に加えて粒子が「繊維の奥」に入り込んでしまうことが原因である。水に溶けないため、泥汚れをキレイに落とすには繊維の奥に入り込んだ粒子を「押し出す」しか方法がない。
ここで気をつけたいのが「先に水に濡らすのは避ける」ということ。水に濡れると粒子が小さくなる。繊維のさらに奥へ入り込んでしまうと、余計に落ちにくくなってしまう。
ここで気をつけたいのが「先に水に濡らすのは避ける」ということ。水に濡れると粒子が小さくなる。繊維のさらに奥へ入り込んでしまうと、余計に落ちにくくなってしまう。
2. 泥汚れを効果的に落とすコツは「乾燥」にあり

不溶性の泥汚れを上手に落とすコツは「乾燥」にあった。なぜ乾燥が効果的なのか、基本的な泥汚れの落とし方とあわせて解説していく。
泥汚れを乾燥させるとどうなる?
泥汚れは、水などに濡れていると広がってしまうが、乾燥させると固まって落としやすくなる。靴下などの小物であれば外に1時間ほど干すか、あるいはドライヤーを当てるなどすればすぐに乾かせる。野球のユニフォームなど大物は、いったん外で干して完全に乾かそう。
泥汚れの基本的な落とし方
- 乾いた泥汚れを、手やブラシなどで落とせるだけ落とす
- 残った泥汚れは、弱アルカリ性の固形石鹸を塗り込んでもみ洗いをする
- 軽く流水ですすぎ、いつものように洗濯機に入れて洗う
以上が、泥汚れの基本的な落とし方だ。「泥汚れを乾かして落とせるだけ落とす」「洗剤を塗り込んでもみ洗いをする」「洗濯機で洗濯をする」という3ステップなので覚えやすいだろう。
なお、固形石鹸がないときは液体洗剤でも構わないが、そのときは「泥汚れ用」などを使うことをおすすめする。また、この方法で思ったほど落とせなかったときは、浸け置きという方法もある。
なお、固形石鹸がないときは液体洗剤でも構わないが、そのときは「泥汚れ用」などを使うことをおすすめする。また、この方法で思ったほど落とせなかったときは、浸け置きという方法もある。
泥汚れを浸け置き洗いする場合
- 乾いた泥汚れを、手やブラシなどで落とせるだけ落とす
- 残った泥汚れに、弱アルカリ性の固形石鹸を含ませる
- 桶に40℃程度のぬるま湯をはり、30分〜2時間ほど浸け置きをする
- 軽く水洗いをして絞り、いつものように洗濯機で洗う
「4」の前に、もみ洗いをしたり洗濯板を使って軽く洗ったりすると、より洗剤が浸透して落ちやすくなる。
3. ガンコな泥汚れをスッキリ落とす方法

浸け置きをすることで、たいがいの泥汚れは落ちてくれる。だが、中にはそれでも落ちないガンコな泥汚れもある。最後に、そうしたしつこい泥汚れをスッキリ落とす方法を紹介しよう。
重曹を使って浸け置き
- 泥汚れを乾かして、落とせるだけ落としておく
- 弱アルカリ性の固形石鹸を塗り込んでもみ洗いをする
- 流水ですすぐ
- 桶に40℃程度のぬるま湯をはり、液体洗剤を適量溶かす
- 「4」の洗剤と同じ量の重曹を溶かす
- さらに酸素系漂白剤を適量溶かす
- 1時間程度を目安に浸け置きをする
- 洗濯機でいつものように洗濯をする
就寝前に浸け置きし、翌日の朝に洗濯をするなど、浸け置きの時間は調節して構わない。重曹には消臭効果もあるので、とくに靴下などニオイが気になるアイテムはスッキリするだろう。
重曹を使って煮洗い
- 泥汚れを乾かして、落とせるだけ落としておく
- 弱アルカリ性の固形石鹸を塗り込んでもみ洗いをする
- 鍋に、水1リットルにつき粉末洗剤と重曹それぞれ大さじ1杯を混ぜる
- 鍋を火にかけて、泥汚れが付いた靴下などを30〜40分を目安にグツグツ煮る
- 火を止めて靴下を取り出し、まだ熱いうちに軽くもみ洗いをする
- 水洗い、もしくは洗濯機でいつものように洗濯をする
「4」で煮ている間は、菜箸などを使って動かしたり、浮き上がってこないように押さえたりしよう。また「5」では熱いうちにもみ洗いをするのだが、炊事用手袋を着用するなどし、やけどにだけはくれぐれも注意していただきたい。
結論
泥汚れはまず「乾燥」させ、できるだけ汚れを落としておくことが大切だ。水に濡らしてゴシゴシしてしまうのは、粒子を繊維の奥へと追いやってしまうことになるため、注意してほしい。繰り返しになるが、煮洗いをする際はくれぐれも、やけどには気をつけよう。