目次
- 酢
- 真鍮製のアクセサリーが入るなど、適当な大きさの皿
- 皿に酢を注ぐ
- 真鍮製のアイテムを3分ほど浸す
- 流水でよくすすぎ、柔らかいキレイな布で水気をよく拭き取る
- 重曹
- 小皿
- 綿棒数本
- 柔らかいキレイな布2枚
- 薄手のゴム手袋
- 小皿に、重曹と水を2:1の割合で混ぜる
- 綿棒などでよく混ぜてペースト状にする
- 重曹ペーストを柔らかい布に塗り、サビをこする
- 細かい部分は綿棒に重曹ペーストを塗ってこする
- 流水でよくすすぎ、別の柔らかいキレイな布で水気をよく拭き取る
- 市販のサビ取り用研磨パッド
- 柔らかいキレイな布
- 薄手のゴム手袋
- 力を入れすぎずにサビの部分をこすっていく
- 柔らかいキレイな布で拭き上げる
1. 真鍮にサビが発生する原因

真鍮にサビが発生してしまう原因について解説しておこう。
そもそも真鍮とは
銅と亜鉛を混ぜて作る金属が真鍮である。とりわけ亜鉛が20%以上配合されたものを指すことが多い。英語では「brass」といい、ブラスバンドの名前の由来にもなっている。もっとも身近にある真鍮といえば五円玉硬貨だろう。
真鍮のサビ「緑青(ろくしょう)」の原因とは?
真鍮は耐久性に優れた金属だが水分には弱い。たとえば真鍮製のアクセサリーなどは、汗や水分に触れることで「緑青」と呼ばれる緑色のサビが発生する。あるいは経年変化により、酸化して黒ずみやサビが発生することもある。真鍮のサビは鉄のような赤ではなく、緑というのが大きな特徴だ。
【緑青は人体に有害?】
長らく緑青は有害物質であると信じられてきた。だが厚生労働省も実験の結果「無害に等しい」と認定していることから、ほぼ無害であると捉えてよいだろう。とはいえサビである。口にするといったことはくれぐれもないよう、気をつけていただきたい。
2. 真鍮のサビの落とし方

真鍮に緑青というサビが出たら速やかに落とすことをおすすめする。上述のように人体への害はほとんどないが、衣類などに色移りすると厄介であるためだ。
「酢」を使った真鍮のサビの落とし方
【用意するもの】
【酢で真鍮のサビを落とす方法】
黒ずんだりサビが浮き上がってきたりした真鍮の輝きを取り戻したいときは、酢を使ってみよう。酢から取り出したあとは水でしっかりすすぐこと、かつ水気をきちんと拭き取ることが重要である。水気が残ればサビが再発するおそれがあるため気をつけよう。酢のにおいが気になる方はクエン酸で代用してもよい。
「重曹ペースト」を使った真鍮のサビの落とし方
【用意するもの】
【重曹ペーストで真鍮のサビを落とす方法】
酢を使ってサビを落とした場合、真鍮が輝きを取り戻す。一方、真鍮が持つアンティークの風合いを残したいこともあるだろう。そんなときはこちらの方法がおすすめだ。手間や時間は酢を使う場合よりもかかるが、アンティーク感は残せる。同じくよくすすぐこと、水気を拭き取ることを忘れないようにしよう。
市販のサビ取り用研磨パッドを使った真鍮のサビの落とし方
【用意するもの】
【市販のサビ取り用研磨パッドで真鍮のサビを落とす方法】
研磨パッドとはスポンジ状のパッドのことで、いわば紙やすりのような働きをしてくれるものだ。物理的に削ってしまうという方法である。さまざまな種類があるが「#320」あたりの粗さのものを選ぶとよいだろう。
「ピカール液」で落とす方法もある
日本研磨工業株式会社の「ピカール」シリーズには、真鍮に使用できる「ピカール液」なる商品がある。「ピカールケアー」も同じ用途だが、どちらかといえばステンレス向きのためピカール液をおすすめしたい。落とし方は簡単で、柔らかい布に適量を塗布して磨くだけだ。落ちたあとは別のキレイな布で拭き取れば、ピカピカになっていることだろう。
3. 真鍮のサビを落とすときの注意点

お伝えしてきたように、真鍮のサビは身近にあるものでも簡単に落とすことができる。だが注意点もあるため覚えておこう。
酢には長時間浸さないようにすること
酢は真鍮のサビを落とすと同時に、表面を溶かす作用もある。そのため長い時間浸してしまうと、真鍮そのものが溶けて変色するおそれがある。サビの程度にもよるが、基本的には2〜3分、長くても5分程度に留めよう。可能であれば、浸している間も様子を見てほしい。
重曹ペースや研磨パッドを使うときはゴシゴシこすらない
真鍮のサビを、重曹ペーストまたは研磨パッドなどでこすり落とす場合、くれぐれも力を入れすぎないように気をつけよう。重曹には研磨作用があるため、表面を傷つけるおそれがある。同じく研磨パッドも文字通り研磨するためのものなので、やはり傷を作ってしまう。優しくこすることを心がけよう。
水分や重曹の成分はきちんと拭き取る
流水ですすいだ場合などは、サビが再発するのを防ぐため水気をしっかり拭き取ろう。少しでも残っていると酸化して緑青が発生してしまうので気をつけてほしい。また重曹を使う際も、とにかくよくすすぐことが大切だ。成分が残ってしまうと白っぽくなったり、場合によっては新たなサビを招いたりすることになる。
4. 真鍮のサビを防ぐ普段のお手入れ方法

真鍮のサビを防ぐための、普段のお手入れ方法についても知っておきたい。
着用後は乾拭きをする
真鍮製のアクセサリーや時計などには、汗や水分が付着しやすい。冒頭で解説したように真鍮は水分に弱く、濡れたまま放置するとサビとなってしまう。着用したあとは毎回、柔らかい布で乾拭きをしてから収納するクセをつけよう。
保管中はできる限り外気や湿気から守る
真鍮は、外気に触れることで酸化しサビが発生する。これを防ぐためには密閉性の高い保存袋などに入れて収納することだ。食品用のチャック付き保存袋などを用意しておくとよいだろう。また湿気も大敵であるため、長期間通気性の悪い場所に保管することは避けよう。収納場所が通気性が悪い場所なら、除湿シートや除湿剤などを駆使して湿気が溜まるのを防ぐといった工夫も取り入れてほしい。
結論
真鍮のサビは汗や水、湿気などの水分および酸化などが原因だ。早い段階で発見できれば、酢や重曹、研磨パッドや研磨剤などで落とせる。緑青をわざと残して独特のアンティーク感を出すこともあるが、ドアノブやカトラリーといったサビは放置したくない。今あるサビを落としたら、再発を防ぐため水分をよく拭き取るなど、こまめにお手入れをしておこう。