1. 界面活性剤とは
そもそも界面活性剤とは、どのような働きをして、私たちの生活に役立っているのだろうか。
界面活性剤の働きとは
水と油は犬猿の仲だ。そのままでは分離してしまい混ざり合うことはない。油まみれになった食器を水だけで洗おうとしても、油のベタベタをキレイに取り除くことはできない。そこで登場するのが「食器洗い洗剤」だ。食器洗い洗剤には界面活性剤が含まれる。
界面活性剤とは、両者を仲介することで、犬猿の仲だった水と油が仲良くなり、その結果水が油を包み込んで油汚れが食器から剥がれ落ちていく。
界面活性剤とは、両者を仲介することで、犬猿の仲だった水と油が仲良くなり、その結果水が油を包み込んで油汚れが食器から剥がれ落ちていく。
界面活性剤が汚れを落とすメカニズムとは
界面活性剤とは「浸透作用」「乳化作用」「分散作用」の3つ作用を持つ。
浸透作用とは、繊維の奥まで水を浸透させることだ。繊維には水をはじく性質があり、界面張力が働いている。そのため、水に浸してもなかなか繊維の奥まで浸透しない。しかし、界面活性剤を使うことで界面張力が下がって、水と繊維がなじみやすくなるのだ。
乳化とは、水と油が混ざり合った状態のことをいう。もともと混ざり合うことがない水と油だが両方になじみやすい界面活性剤の乳化作用によって均一に混ざり合うことができる。
分散作用とは、粉末を水に散らしてバラバラにする作用のことだ。細かな粉末は水に入れても、溶けずに浮いている。それを界面活性剤の分散作用によって水中に分散させることができる。
浸透作用とは、繊維の奥まで水を浸透させることだ。繊維には水をはじく性質があり、界面張力が働いている。そのため、水に浸してもなかなか繊維の奥まで浸透しない。しかし、界面活性剤を使うことで界面張力が下がって、水と繊維がなじみやすくなるのだ。
乳化とは、水と油が混ざり合った状態のことをいう。もともと混ざり合うことがない水と油だが両方になじみやすい界面活性剤の乳化作用によって均一に混ざり合うことができる。
分散作用とは、粉末を水に散らしてバラバラにする作用のことだ。細かな粉末は水に入れても、溶けずに浮いている。それを界面活性剤の分散作用によって水中に分散させることができる。
2. 界面活性剤のメリットとは
界面活性剤には、天然由来の界面活性剤と石油由来の界面活性剤がある。なんとなく悪者扱いされている石油由来の界面活性剤だが、そのメリットを改めて確認してみよう。
泡立ちがよく使いやすい
界面活性剤とは、水と油をなじませる働きがある。界面活性剤が含まれていなければ、泡も立たず、体や髪の毛の皮脂油を取ることもできない。とくに石油から作られた合成界面活性剤は、泡立ちがよく使いやすく作られている。油汚れのひどい食器などを洗う時には欠かせない。
コストが安い
天然由来の界面活性剤よりも石油由来の界面活性剤のほうが、原料の面からいっても大量に製造することができる。そのため、コストを安く抑えて製品を作ることができる。 界面活性剤とは、コスト面からすると「天然由来の界面活性剤」と「石油由来の界面活性剤」とは別物と見た方がいいだろう。
3. 界面活性剤のデメリットとは
界面活性剤とは、私たちの生活に欠かせないものであり、メリットもあるが、反面デメリットも大きい。
人体への悪影響
合成界面活性剤とは、石油由来の界面活性剤であり、ほとんどの合成洗剤に使用されている。油汚れに強いが肌荒れの原因になる。皮膚から吸収された合成界面活性剤は、肝臓で分解されずに体内に蓄積される。アトピー症状が出たり、アレルギーの原因になるなど、人体に悪影響を及ぼすこともある。
環境への悪影響
天然由来の界面活性剤とは、石けんなどに使われている界面活性剤のことだ。微生物の働きによって、最終的には水と炭酸ガスに分解されて自然に帰ることができる。しかし、合成洗剤などに使われている石油系の界面活性剤は、分解されるまでに非常に長い時間がかかり、なかには完全に分解されずに生態系に悪影響を及ぼす成分も含まれているのだ。
4. 界面活性剤が使われている製品とは
私たちの生活になじんでいる界面活性剤。界面活性剤が使われている製品とは具体的にはどのようなものがあるのだろうか。
食品
食品においては、水と油を均一に混ぜるため乳化剤として使用される。たとえば、マヨネーズ、アイスクリーム、バターなど、水と油を混ぜ合わせて作る場合に界面活性剤は欠かせない。
食品に使われる界面活性剤には厳しい審査があり、安全が確認された界面活性剤、あるいは天然の乳化剤などが限定して使用される。
食品に使われる界面活性剤には厳しい審査があり、安全が確認された界面活性剤、あるいは天然の乳化剤などが限定して使用される。
化粧品
化粧品における使われ方とは、乳化、可溶化、分散化のためだ。たとえば乳液や保湿クリームは乳化して水と油を均一にする。固形のファンデーションやパウダーでは、粉末を均一に分散させるための分散化として界面活性剤が使用される。
医薬品
医薬品における使われ方とは、界面活性剤そのものが主材になっている医薬品と助剤となるものがある。たとえば、主剤として使われているのは、通称「逆性石けん」と呼ばれる殺菌剤だ。助剤としては、脂溶性ビタミンが水で溶けるように界面活性剤を使用している。
結論
界面活性剤とは、すべて悪いものではなく、使い方や種類によっては、私たちの生活に有益な物質なのだ。界面活性剤のことを知って、使ってはいけないもの、使い方に注意して上手に付き合うように心がけよう。