- 1. 洗濯マークの「F」はドライクリーニング処理に関する記号
- 2. 洗濯マークの「P」や「W」の意味は?
- 3. 「F」「P」「W」があるのは新洗濯表示だけ
- 4. 洗濯マークに「F」がある衣類は自宅で洗濯できる?
- 5. 洗濯マークに「F」がある衣類の洗濯方法
- 6. 洗濯マークの記号や数字、アルファベットの意味を覚えておこう
- 円の中に「P」がある:パークロロエチレン及び記号Fの欄に規定の溶剤でドライクリーニング処理できる(通常の処理)という意味
- 円の中に「P」があり下線が引かれている:パークロロエチレン及び記号Fの欄に規定の溶剤でドライクリーニング処理できる(弱いの処理)という意味
- 円の中に「W」がある:ウエットクリーニング処理できる(通常の処理)
- 円の中に「W」があり下線が1本引かれている:ウエットクリーニング処理できる(弱い処理)
- 円の中に「W」があり下線が2本引かれている:ウエットクリーニング処理できる(非常に弱い処理)
- 円の中に「W」があり×が描かれている:ウエットクリーニング処理はできない
- 折りたたんで洗濯ネットに入れる(必須ではない)
- おしゃれ着用中性洗剤や柔軟剤を投入する
- 「ドライ」など弱水流コースに設定しスタートする
- 脱水まで終わったら速やかに取り出して干す
- 洗濯桶におしゃれ着用中性洗剤を適量溶かす
- 衣類を浸し、押し洗いやもみ洗いをする
- 水を入れ替えながら、泡立たなくなるまですすぐ
- たたんで洗濯ネットに入れ、洗濯機で30秒程度脱水する
- 形を整えて干す
- ※1:洗濯表示(平成28年11月30日まで) _ 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html - ※2:洗濯表示(平成 28年12月1日以降) _ 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
1. 洗濯マークの「F」はドライクリーニング処理に関する記号
洗濯マーク(洗濯表示タグ)に描かれている「F」は、ドライクリーニング処理に関する記号である。どのような図柄かによって意味が若干変わってくるので、それに合わせた適切な対処方法が求められる。
丸い円の中に「F」が描かれている
石油系溶剤(蒸留温度150〜210℃、引火点38℃〜)でドライクリーニング処理できる(通常の処理)という意味になる。
丸い円の中に「F」があり下線が引かれている
石油系溶剤(蒸留温度150〜210℃、引火点38℃〜)でドライクリーニング処理できる(弱い処理)という意味になる。
そもそもドライクリーニングとは?
水ではなく、特殊な溶剤を使って汚れを落とすクリーニング方法だ。素材が傷みにくい、油汚れが落とせるといったメリットがある一方、一般家庭ではできない処理なのでクリーニング店に持ち込む必要がある。費用がかかる点、水溶性の汚れは落ちにくい点なども欠点だ。
「F」はクリーニング店に向けたマークと思ってよい
洗濯マークの「F」には上述したような意味がある。下線の有無で処理の強度が変わるということだが、基本的にはクリーニング店などに向けた記号なので詳細に把握する必要はないだろう。我々としては「Fはドライクリーニング処理が可能」という意味であると覚えておこう。
2. 洗濯マークの「P」や「W」の意味は?
洗濯マークには「F」以外にもアルファベットがある。「P」や「W」だ。せっかくなので、これらもどんな意味があるのかを解説しておこう。
「P」もドライクリーニング処理に関する記号
洗濯表示の「P」も「F」と同様に、ドライクリーニング処理に関する記号だ。やはり下線の有無は処理の強度を示すものである。では「W」はどうだろうか?
「W」はウェットクリーニング処理に関する記号
洗濯表示の「W」にはこうした意味がある。とくにドライクリーニングとウェットクリーニングの違いを理解しておくことは、その衣類などを適切に取り扱う上でも重要である。
ウェットクリーニングとは?
水に濡らして汚れを落とすクリーニング方法である。汗ジミといった水溶性の汚れはドライクリーニングでは落としにくいため、そうした汚れに対してはウェットクリーニングを用いる。たとえば夏の間に汗が染み込んだワイシャツなどはこちらが向いている。
3. 「F」「P」「W」があるのは新洗濯表示だけ
洗濯マークには大きく2種類ある。ひとつは旧洗濯表示で「平成28年(2016年)11月30日」まで使用されていた。一方の新洗濯表示は「平成28年(2016年12月1日)」からのものだ。6年以上経過しているため「新」とは言いづらいが、便宜上、新旧を区別させていただく。(※1)(※2)
新洗濯表示が生まれた背景
従来洗濯表示は各国バラバラだったが、1991年に国際規格が定められ世界各国で統一が進められてきた。国際規格が誕生した背景には、急速なグローバル化によってさまざまな国の衣料品が行き交うようになり、消費者にわかりにくいものになってしまったという理由がある。
その新洗濯表示は、従来の日本の旧洗濯表示と比べて記号の数が増えた。具体的には22種類から41種類となった。その中に、今回のテーマである「F」のほか「P」や「W」といったアルファベットも含まれている。
旧洗濯表示には「F」がない
上述したように「F」といったアルファベットは新洗濯表示で新たに加わった記号である。したがって旧洗濯表示には「F」がない。その代わり「円の中にドライの文字」「円の中にドライの文字とセキユの文字」などの記号が載っていることがある。
これらはドライクリーニングに関する記号だ。洗濯表示はまだまだ新旧混在しているので、あわせて覚えておくとよいだろう。
新洗濯表示であっても「F」「P」「W」がないケースがある
新洗濯表示で必須とされているのは「洗濯」と「漂白」に関する記号だけだ。それ以外に「乾燥」「アイロン」「ドライクリーニング」という基本記号もあるが、これらは省略されることがある。つまり新洗濯表示が付いている衣類などでも「F」がないケースがあることを知っておこう。
4. 洗濯マークに「F」がある衣類は自宅で洗濯できる?
新洗濯表示の「F」はクリーニング店にとって重要な情報だが「絶対にドライクリーニングに出さなければならない」という意味ではない。したがって「F」が描かれていてもご家庭で洗濯は可能だ。ただし素材などにより洗濯できないものもあるため、正確に見極めることが大切になる。
水洗いOKの記号があればご家庭で洗濯できる
表面が波打っているような「洗濯桶」のアイコンがあれば、その衣類などはご家庭で水洗いできるという意味になる。30〜95などの数字があった場合、それは液温の上限を意味するので覚えておこう。
洗濯桶の下に横線が1本引かれていれば「弱い処理」、2本なら「非常に弱い処理」という意味になる。また洗濯桶に「手」が描かれていれば手洗い洗濯ができる、洗濯桶に「×」が描かれていればご家庭では水洗いできないということなので、クリーニング店に持ち込もう。
5. 洗濯マークに「F」がある衣類の洗濯方法
詳しい洗濯方法は衣類ごとに指定されているはずなので、そちらを参考にしていただきたい。基本的に「F」が描かれているからといって、洗濯方法が何か特別なものになることはない。
洗濯機で洗濯する方法
普通の洗濯物を洗うときと同じように1サイクル回せばOKだ。デリケートな素材の衣類だった場合は洗濯ネットに入れるとともに、おしゃれ着用中性洗剤を使い弱水流コースで洗うようにしよう。
手洗いする方法
手洗いする場合はこうした流れが基本だ。脱水は洗濯槽の回転が安定し始めてからの時間である。ただし素材によっては脱水せずに干したほうがよいものもある。こちらに関しては、洗濯マークに描かれている(または補足されている)可能性があるため隅々まで確認しておこう。
「強度」「温度」「禁止」など付加記号の意味を知っておくと役立つ
新洗濯表示には上述した5種類の基本マークに加え、洗うときの「強さ」「温度」「禁止」を表す付加マークと数字が加えられていることもある。その衣類などの素材に合った洗濯方法を選ぶには「基本記号」「付加記号」「数字」を正しく読み取ることが大切だ。
6. 洗濯マークの記号や数字、アルファベットの意味を覚えておこう
お伝えしたように、洗濯表示の「F」「P」はドライクリーニング処理に関する記号で「W」はウェットクリーニング処理に関する記号である。新洗濯表示にはトータル41種類もの記号がある。
これらをすべて頭に叩き込んでおく必要はないが、洗濯・漂白・乾燥・アイロン・ドライクリーニングという基本記号および、強度や液温などの基本的なところは頭の片隅に入れておくとよいだろう。
結論
新洗濯表示の「F」「P」「W」はクリーニング店のスタッフが理解していればよい。だがこれを機に「ドライクリーニングに関する記号」であることくらいは知っておこう。あわせて洗濯マークには新旧あり、記号や意味が異なることなども覚えておこう。詳しくは消費者庁のホームページに掲載されているので、そちらもぜひ参考にしていただきたい。
(参考文献)
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