目次
1. 冷蔵庫の上は「収納スペース」になる?

吊り戸棚もシンク下もモノでいっぱいというときこそ、冷蔵庫の上を活用しよう。なにもしなければデッドスペースになってしまうが、ちょっとしたひと工夫で収納スペースに生まれ変わらせることができる。
冷蔵庫の上は立派な収納スペース
たとえば500Lクラスの冷蔵庫なら幅約70cm、奥行き約75cm、高さ約180cmといったサイズが一般的だ。天井高にもよるが、この冷蔵庫の上のスペースを収納に活用できれば相当な収納力増となるだろう。一人暮らしの120Lクラスの冷蔵庫であれば、さらに広い空間を確保することも可能だ。これはぜひ使いたいスペースだろう。ただし冷蔵庫の上に「直接」モノを置く場合は注意点がある。
2. 冷蔵庫の上には直接モノを置いてはいけない?
冷蔵庫の上、いわゆる「トップテーブル」と呼ばれる部分はフラットになっており、ついモノを置きたくなるスペースだ。とくに深く考えず電子レンジなどを置いている方も多いだろう。だが本来、上にモノを置ける冷蔵庫と置けない冷蔵庫がある。
冷蔵庫の上にモノを置くのがNGな理由
- 落下によるケガなどのリスクがある
- 冷蔵・冷凍効率の低下を招くおそれがある
- 故障や感電などのリスクが生じる など
冷蔵庫の上にモノを置いた場合こうしたリスクが生じる。地震などで落下する危険性はもちろんだが、ドアの開閉で少しずつ動き突然落ちてくることも考えられる。また冷蔵庫を設置する際は、周辺に数センチ程度の放熱スペーを確保するのが基本だ。冷蔵庫の上に直接モノを置くことで放熱スペースがなくなり、冷却効率が下がるおそれがある。そのほか負荷がかかることによる故障や、花瓶などを置いた場合に水がこぼれたことによる感電などのリスクもゼロではない。
上にモノを置ける冷蔵庫とは
一方、トップテーブルが「耐熱・耐荷重構造」になっている冷蔵庫であれば、上にモノを置くことができる。もちろん設計上の温度や重量の上限は守ったうえでの話だ。
3. 冷蔵庫の上にモノを置くときの注意点

トップテーブルが耐熱・耐荷重構造になっている冷蔵庫の上にモノを置く場合でも、いくつか注意点があるので覚えておこう。
冷蔵庫の上を使うときの注意点
- 冷蔵庫の上にモノを直置きしない
- 重量があるモノの収納は控える
- 使用頻度が高いモノは収納しない
- 水が入っているモノは置かない など
上述のように、冷蔵庫の上にモノを直接置いてしまうと放熱スペースが確保できない。冷蔵・冷凍効率が低下するおそれがあるため、必ず放熱スペースを確保しよう。また重量があるモノは、出し入れの際や地震などで落下した際に大変危険だ。乾物やお茶の葉、スナック菓子のストックなど軽く、かつ使用頻度がそれほど多くないモノの収納に留めることをおすすめする。
そのほか水など液体が入っているモノもNGだ。万が一こぼれれば冷蔵庫の故障につながるし、感電のリスクも生じる。これらは絶対にやってはいけないと捉えてよいレベルだろう。
そのほか水など液体が入っているモノもNGだ。万が一こぼれれば冷蔵庫の故障につながるし、感電のリスクも生じる。これらは絶対にやってはいけないと捉えてよいレベルだろう。
安全対策は十分すぎるほど講じておこう
一部を除き「冷蔵庫の上には直接モノを置かないこと」としているメーカーもある(※1・※2)。こうした注意喚起は必ず守ろう。安全に使うことができないおそれがあるうえ、万が一何かが起こっても補償対象外になる公算が大きいためだ。
こうしたことからも、冷蔵庫の上を収納スペースにする際はトップテーブルが耐熱・耐荷重構造であることを確認するとともに、リスクを正しく理解したうえで安全対策を講じることが求められる。市販のラックには、放熱のためのすき間や転倒防止機能など、安全性を確保しながら冷蔵庫の上に設置できるものがある。そうしたアイテムを活用するとよいだろう。
こうしたことからも、冷蔵庫の上を収納スペースにする際はトップテーブルが耐熱・耐荷重構造であることを確認するとともに、リスクを正しく理解したうえで安全対策を講じることが求められる。市販のラックには、放熱のためのすき間や転倒防止機能など、安全性を確保しながら冷蔵庫の上に設置できるものがある。そうしたアイテムを活用するとよいだろう。
4. 冷蔵庫の上を有効活用するアイデア

冷蔵庫の上を収納スペースにするとしたら、どういった方法があるのだろうか?
カゴやストレージボックスを使う
もっとも手軽なのはカゴやストレージボックスにモノを入れて冷蔵庫の上に保管する、という方法だろう。直置きを避けるため、スノコなどを敷いてもよい。
市販の冷蔵庫ラックを取り付ける
カゴやストレージボックスは重ねると使いにくい。その場合は、棚板付きの冷蔵庫ラックがおすすめだ。オープンタイプなら放熱スペースを確保しつつ、いろいろなモノを収納できる。
市販の扉付きストッカーを置く
モノを隠したい、背の高い冷蔵庫の上を収納スペースにしたいという場合は、扉付きのストッカーもおすすめだ。脚の高さが調節でき、トップテーブルに置くだけのものが市販されている。
5. 冷蔵庫の上に収納スペースを作るDIYアイデア
DIYと呼べるほどではないが、100均でそろうアイテムで簡単に収納スペースを作ることができる。
突っ張り棒とストレージボックスがあればOK
セリアやダイソーなどの100均(もちろんニトリなどホームセンターでもよい)で、突っ張り棒(突っ張り棚)とストレージボックスを購入しよう。冷蔵庫の上のスペースに取り付ければあっという間に棚が完成する。丸見えが気になるという場合は、オーニングなどで目隠しをしてしまえばよい。
DIYパーツを使えばより本格的な棚も作れる
平安伸銅が販売している「ラブリコ」のようなDIYパーツを使うのもおすすめだ。ホームセンターなどで2×4(ツーバイフォー)材を購入し、ラブリコの2×4アジャスターを取り付ければ、トップテーブルと天井に木材を固定できる。穴をあけるなどの必要がないため、賃貸物件にお住まいの方も手軽に試せるDIYだ。
6. 冷蔵庫の上が収納スペースになる便利なアイテム3選

最後に、冷蔵庫の上を収納スペースにできる便利なアイテム(冷蔵庫ラック)を3つ紹介する。
弘益(KOEKI)「冷蔵庫ラック RZR-4518」
幅58cm、奥行き45cm、高さ180cmの冷蔵庫ラック。一人暮らしの方が冷蔵庫の上を収納スペースにしたいなら、これくらいのサイズが向いているだろう。棚の耐荷重は15kg、全体では30kgとしっかりしているが、お伝えしたように重い物を載せるのは極力控えよう。
ニトリ「冷蔵庫ラック」
幅60cm、奥行き41cm、高さ180cm。同じく一人暮らしの方などが冷蔵庫の上を収納スペースにするのに向いている。棚板は3枚あり、上は3段階、下は9段階まで調節できる。耐荷重は上段5kg、中段10kg、下段15kg、フックは1つ1.5kg以下となっている。
山崎実業「冷蔵庫上ラック タワー」
幅60cm、奥行き46.5cm、高さ170cmと、こちらも一人暮らしサイズの冷蔵庫の上を生かしたいときに便利な、シンプルなデザインが特徴の冷蔵庫ラックだ。耐荷重は各棚板が約8kg、ハンガーバーが約3kg、各フックが約500gとなっている。
結論
冷蔵庫の上はラックなどを設置すれば収納スペースとして活用できる。収納不足に困っている方はぜひ活用しよう。ただしメーカーが注意喚起しているように、さまざまなリスクもともなう。しつこいようだが、安全性にはくれぐれも気をつけていただきたい。
(参考文献)
- 1:冷蔵庫の上に物を置いても良いですか?:日立の家電品
https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/rei/q_a/a74.html - 2:冷蔵庫の上に電子レンジをのせられますか? Q&A情報(文書番号:151235):シャープ
http://cs.sharp.co.jp/faq/qa?qid=151235