1. スーツのテカリが出る原因

スーツを着ていると、どんどんテカリが気になってくる。テカリが出てしまうと、たとえブランドのスーツであっても「安物」に見えてしまう。スーツはどうしてテカリが出てしまうのだろう。
スーツにテカリが出るのは「圧着」と「摩擦」
新品のスーツは、繊維の表面がしっかりと立っているため、光の乱反射によりテカリとして目に入ってこない。しかし、アイロンのかけすぎや座ったり、鞄との擦れなどによって繊維が押しつぶされたりすると光は同じ方向に反射し、まるで鏡のようにテカリが出てしまうのだ。
高級なスーツほどテカリが出やすい
実は高級なスーツほどメンテナンスを怠るとテカリが出やすい。スーツに使われている繊維は、ウールかポリエステルだ。当然、ウールのほうが高級になる。
ウール、つまり羊毛は糸が非常に細い。目が詰まっているので肌触りもよく高級素材としてスーツによく使われている。糸が細いがゆえに少しの摩擦にも影響されやすく、つぶれやすい性質をもつ。
ウール、つまり羊毛は糸が非常に細い。目が詰まっているので肌触りもよく高級素材としてスーツによく使われている。糸が細いがゆえに少しの摩擦にも影響されやすく、つぶれやすい性質をもつ。
2. スーツのテカリを直す方法

スーツのテカリ防止には、毎日のメンテナンスが重要だ。しかし重要な会議を控え、着ていくスーツがテカって「今すぐ何とかしたい」という場合、応急的にテカリを直す方法がある。
テカリが軽度ならブラッシングで
スーツのテカリがそれほどでもない場合には、ブラッシングだけでもテカリを直すことができる。押しつぶされて寝ていた繊維を、ブラッシングによって立てるようにするだけだ。
ブラッシングのやり方は、繊維の中の汚れをかき出すようにして回転させながら動かせばいい。
ブラッシングに使うのは、豚毛や馬毛などの獣毛ブラシがウールと相性がいいのでおすすめだ。ナイロンなどの化学繊維のブラシはウール繊維を傷つけてしまうことがある。
ブラッシングのやり方は、繊維の中の汚れをかき出すようにして回転させながら動かせばいい。
ブラッシングに使うのは、豚毛や馬毛などの獣毛ブラシがウールと相性がいいのでおすすめだ。ナイロンなどの化学繊維のブラシはウール繊維を傷つけてしまうことがある。
中程度のテカリならスチームで
ウールは「スケール」と呼ばれるウロコ状のもので覆われている。ちょうど人間の髪を覆うキューティクルのような役割をしていると考えていい。キューティクルと同じように、蒸気を当てることでスケールは開き、膨らむ。すると繊維の表面が凸凹して光を乱反射するようになる。
この作用を利用して、スチームでスーツのテカリを直すことができる。やり方は、テカリのある場所に当て布を置き、アイロンのスチームを当てるだけだ。注意したいのが、直接アイロンをスーツの生地に当てないこと。目的はシワを伸ばすことではなく、あくまでも繊維を立たせることにあるためだ。アイロンを当ててしまうとその重みで繊維が寝てしまう。
この作用を利用して、スチームでスーツのテカリを直すことができる。やり方は、テカリのある場所に当て布を置き、アイロンのスチームを当てるだけだ。注意したいのが、直接アイロンをスーツの生地に当てないこと。目的はシワを伸ばすことではなく、あくまでも繊維を立たせることにあるためだ。アイロンを当ててしまうとその重みで繊維が寝てしまう。
年季の入ったテカリにはアンモニア水で
ブラッシングしてもスチームを当てても、元に戻らない年季の入ったスーツのテカリには、アンモニア水を使ってみよう。アンモニアはアルカリ性で、このアルカリ成分がスケールを膨張させる働きがある。
水100mlに対してアンモニア7~8mlを混ぜ、テカリ部分に吹きかける。そして当て布をしながらアイロンを押し付けないように軽く掛ける。気になるアンモニア臭だが、揮発性なのでアイロンの熱で蒸発して臭いは消えてしまう。
水100mlに対してアンモニア7~8mlを混ぜ、テカリ部分に吹きかける。そして当て布をしながらアイロンを押し付けないように軽く掛ける。気になるアンモニア臭だが、揮発性なのでアイロンの熱で蒸発して臭いは消えてしまう。
3. スーツのテカリの予防方法は?

スーツのテカリは普段からメンテナンスをしておけば、かなり抑えられる。またスーツを長く着ることにもつながる。
違うスーツを着回しする
スーツは、ときどき休ませる必要がある。3着ぐらいを着回しして、連続着用を避けよう。休ませることで、テカリの原因である繊維のつぶれが回復する。さらに、生地自体が長持ちするようになる。
型崩れを防ぐハンガーを使う
クリーニング店でもらうような細い針金ハンガーや極端にサイズの合っていないハンガーを使っていると、型崩れの原因になる。しかも吊るしているだけで、テカリの原因である摩擦や圧着などの余分な負担をかけてしまうのだ。
肩先に厚みがあり、スーツの肩ラインに沿った緩やかなカーブのあるハンガーがおすすめだ。
肩先に厚みがあり、スーツの肩ラインに沿った緩やかなカーブのあるハンガーがおすすめだ。
酢水を吹きかける
酢と水を1:2にしたスプレーをテカリが気になる部分に吹きかけておく。ブラッシングの際にこの酢水スプレーを吹きかけておくとテカリの予防になる。
4. スーツのテカリが取れない場合の処分方法

いくら念入りにメンテナンスをしても、経年劣化には勝てない。擦り切れたり、テカリがひどくなったりしたスーツは処分しなくてはならない。
古くなったスーツの処分方法
テカリが取れず、さらに傷みがひどいスーツはゴミとして処分しよう。ほとんどの市町村では、スーツは「資源ゴミ」や「可燃ゴミ」として処分することができる。ただし、処分する際にはいくつかのルールがある。
資源ゴミに出すときは、洗濯をしてから出すこと。汚れや臭いがついたままだとリサイクルできないからだ。ポケット、とくに内ポケットなどに何も入っていないかも確認してから出そう。
資源ゴミに出すときは、洗濯をしてから出すこと。汚れや臭いがついたままだとリサイクルできないからだ。ポケット、とくに内ポケットなどに何も入っていないかも確認してから出そう。
下取りを利用する
スーツ専門店などでは、テカリがひどくても下取りしてくれるところもある。スーツを新調しようと考えているなら、下取りキャンペーンなどを行っている紳士服専門店を探すとお得だ。
結論
スーツのテカリは、普段からの手入れで随分と違ってくる。半ば諦めかけていたテカリも、方法さえ知っていれば見事に復活するのでぜひ試してみよう。スーツは、ビジネスマンにとっては戦闘服のようなもの。たかがスーツ、されどスーツ。テカリなどない万全なスーツなら、胸を張って人前に出られるのではないだろうか。