1. クレンザーとは

クレンザーとは洗剤のことだが、台所用中性洗剤のようなものとは一味違う。成分なども含め、まずはクレンザーとは何かについて基礎知識を身につけよう。
クレンザーとは
クレンザーとは「研磨材」が含まれている洗剤をいう。研磨材とは削ったり磨いたりするのに用いられる粒や粉のことだ。一般的にクレンザーには研磨材のほか「界面活性剤」が含まれている。界面活性剤とは、物質同士の境界面(=界面)に作用して性質を変化させることができる物質のことをいう。たとえば水と油は交わらないが、界面活性剤を使うとなじむようになる。たとえば界面活性剤入りの食器洗剤でお皿を洗うと、油汚れが落ちやすくなる。つまりクレンザーとは、界面活性剤で浮かした汚れを研磨材で削ったり磨いたりすることでキレイにする洗剤、と考えていいだろう。
2. クレンザーが得意な汚れとは

クレンザーとはどういった汚れに対して効果がある洗剤なのかを見ていこう。なおクレンザーには粉末、クリーム、液体などがある。洗剤であることは変わらないが、使い方や使用に向いている素材などが若干異なるため、先に特徴を掴んでおこう。
クレンザーのタイプと特徴
まず粉末だが、こちらは研磨材の含有量が多い。そのため磨く力には長けているが、その分素材を傷つけやすい。したがって傷つきにくいモノ、傷ついても構わないモノなどに用いよう。クリームや液体は粉末ほど研磨材の含有量が多くない。傷つくと困るが、汚れはしっかり落としたいというモノや場所に使うといいだろう。
クレンザーが得意な汚れ
クレンザーが得意とする汚れとは、ガスコンロ(五徳)の焦げ付き、フライパンや鍋の底面の焦げ付きなど。ただし傷つけたくない蛇口やシンク、鏡といった場所には粉末以外を使おう。またクレンザーで水垢汚れを落とせることもある。浴室や洗面所、キッチンの調理台などにうろこ状にできた水垢だ。同じく粉末以外のタイプを使うことをおすすめする。
クレンザーの使い方
クレンザーの使い方はそれほど難しくない。クリームや液体は、落としたい汚れに直接かけてスポンジなどで擦り洗いをするだけだ。ガンコな焦げ付きを落としたいときは、先にお湯に浸け置きするなどして汚れを「ゆるめて」おくと落としやすくなる。
3. クレンザーが向かないモノや場所とは

クレンザーには、その高い研磨力ゆえ使用が向かないモノや場所がある。続いて、クレンザーが向かないモノや場所とは何かを見ていこう。
クレンザーを使わないほうがいいモノや場所
商品によっては使用できるものもあるが、一般的な例でいうとクレンザーが向かないモノとはガラス製品、木製品、貴金属、漆塗りのお椀などだ。クレンザーで汚れを落とすこととはすなわち削ることなので、傷ついてしまうおそれがある。またコーティングされている場所や、大理石や素焼きのタイルといった場所にもクレンザーは適さない。使いたいのがフライパンや鍋、コンロだったとしても、コーティングされている場合は剥がれてしまうおそれがあるため注意しよう。
4. 市販のクレンザーとは?どんな商品がある?

クレンザーにはいろいろなタイプがあり、各メーカーからさまざまな商品が発売されている。最後に、よく使われている市販のクレンザーとはどういった商品なのか、3つほど選んで紹介する。
ジフ「クリームクレンザー」
その名の通りクリームタイプがこちら。「カルサイト」と呼ばれる天然成分が含まれており、ステンレスやタイル、ホーロー、さらにプラスチックなどにも使うことができる。キッチン周りのガンコな汚れ以外にも幅広く使えそうだ。
日本珪華化学工業「ハイホーム」
ハイホームとは、半練りタイプのクレンザーだ。金属製品やガラス製品磨き、ドアノブや家具類の汚れ、衣類やカーペットの汚れなど、こちらも用途が幅広い。ただし曇り止め加工の鏡やガラスへの使用はできないので気をつけよう。
カネヨ石鹸「カネヨクレンザー 赤函」
カネヨクレンザー赤函とは、創業以来80年という超ロングセラー商品だ。粉末タイプでどんな水質にもかかわらず使用できる。同社の数あるクレンザーの中でもっとも研磨力が高く、ガンコな汚れに強いとされている。
結論
クレンザーとは汚れを「磨いてキレイにする」洗剤である。使う素材によっては傷ついてしまうことがあるため、粉末やクリームなどを上手に使い分けよう。使用する際は、商品パッケージに記載された注意点や使用できるモノ、できないモノなどをチェックしよう。