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意外と簡単!引き出しレールのDIYの取り付け方。選んで調整もOK

意外と簡単!引き出しレールのDIYの取り付け方。選んで調整もOK

投稿者:ライター 岸田邦華 (きしだくにか)

鉛筆アイコン 2021年11月26日

引き出しがスムーズに滑らない、こんなストレスを感じたことはあるだろうか。レールを自分で取り付けるのは難しそうなイメージがある。しかし、ポイントをおさえれば意外と簡単だ。引き出しのレールはどんな種類があってどう選べばよいか、DIYでのレールの付け方と調整の方法を解説する。

  

1. 引き出しのスライドレールとは?

食器棚やデスクの引き出しに固定されたスライドレールをご存知だろうか?家具の引き出しを滑らかに動かす金具をスライドレールと呼ぶ。家具本体に取り付けられたレールに引き出しをさしこみ、開け閉めする構造である。レールの仕組みで重いものを入れた引き出しでも、スムーズに開けることが可能だ。

レールのありなし

軽い中身のタンスなどの引き出しはレールをつける構造ではない。一方レールを付けるのは書類をしまうデスクや、食器を入れるキッチン収納などの引き出しである。

2. 引き出しのスライドレールの種類や選び方

スライドレールを比較検討することで、用途に合わせた引き出しレールを選択できる。素材や機能で引き出しのレールの金額が異なり、家具全体の金額も変わる。引き出しの操作性や使用頻度・目的・好みに合わせてレールの種類を選んでみよう。

スライドレールの種類

【シングルスライドレール(2段引き)】
2段階の脱着式になる。引き出しの途中までしか出せず奥の中身が取り出しにくい。スライド棚などに使用される。

【フルスライドレール(3段引き)】
ホームセンターにあり簡単に取り付け可能なレールである。3段階で引き出しを全て出せる。脱着式のため本体と引き出しで別々にレールを付けやすい。左右の区別なしでどちらでも使える。

スライドレールの構造

【ローラータイプ】
ローラーが転がる構造で伸縮するレールである。引き出しがフルオープンで取り出しやすい。ベッドなど小さくて浅めの引き出しに使用される。


【ボールベアリングタイプ】
フルスライドレールなど、少しの力で操作可能だ。主にデスクやキャビネットに使用している。耐荷重性が高く丈夫で長持ちする。初心者にも楽に取り付け可能だ。

スライドレールの機能

【ソフトクロージング】
強く引き出しを閉めた場合でも静かにゆっくり閉まる。開けるときは少し重い。

【プッシュオープン】
引き出しの前板を押して離すと3cmくらい前に出る。つまみやハンドルがなくても開けられる。すっきり感やデザイン性を重視したいときに採用する。

【ロック】
引き出しを全て閉めるか、フルオープンにした場合にロックで止まる。

スライドレールの選び方

選ぶ際は以下の点に着目して選ぶようにしよう。

■長さ
レールのサイズは引き出しの奥行きと同等のものを選ぼう。引き出しを自分で作る場合は、レールの規格サイズに合う奥行きで設計するといいだろう。

■素材
【プラスチック】
1番安値でホームセンターでも手に入りやすい。軽量で小さめのものをしまう引き出しに向いている。

【アルミ】
ステンレスと比べると傷つきやすい。軽量でたわみが少なくお手頃価格だ。

【鉄(鋼またはスチール)】
錆びるのが欠点だが、強度が強いのが特長である。

【ステンレス】
アルミよりも錆びにくく強度が強い。価格は高価だ。

■価格
1本数百円~1000円前後はDIYで使用する価格帯だ。引き出しが複数あるときは、価格も優先して選ぼう。機能や使用場所で価格帯を考える。

■厚み
9.5mmと12.7mmの2つあり、メーカーによって異なる。サイズは本体と引き出しのどちらを基準にするか考えてほしい。

本体の大きさを先に決めると引き出しは、両側にレールの厚みを足す分小さくなる。引き出しの幅を狭められない場合、レールの左右の厚みを足すことで本体を大きくする。

■耐荷重
各メーカーで基準が異なる。引き出しの奥行きと同等の長さのレールを選ぼう。説明書の耐荷重より重い品物を入れないことだ。

3. 引き出しのスライドレールの取り付け方

引き出しのスライドレールは種類別に付け方が異なる。引き出しにレールだけ付けたり、家具や引き出しから制作してレールを付けたりするときがある。

フルスライドレール(3段引き)の取り付け方

1.用意するのはなべビスかバインドビスだ。脱着式は引き出しの上に、最低16mm位のすきまを開けて設計してほしい。

2.レールは1段階目まで引き、でっぱりを下に押すとレールが抜ける。元の方は本体側、インナーレールは引き出し側に取り付ける。

3.本体側と引き出し側に、レールを付ける場所を鉛筆で印つけしよう。水平とレールの高さが揃っているかをみる。

4.本体と引き出しにレールをあて、電動ドリルで穴を開ける。ビス穴の線と同じ高さの板に乗せて付けるとずれにくい。

5.穴にビスを打ち、左右のみ仮止めする。

6.引き出しを傾けて本体に入れ、レールの動きをみる。本体と引き出しのビスを固く締めて完成。

ローラータイプのレールの取り付け方

1.本体側に付ける方と、引き出し側に付けるレールの2つに分けられる脱着式である。左右でレールを4本使う。

2.皿ビスを用意して、引き出し上部にすきまを最低16mm程度つくる。

3.フルスライドレールの1・2と同様。

4.本体側には、ロールが前面の下にしてレールを取り付ける。皿ビスで仮止めをする。

5.引き出し側は、ロールが後ろ面の上にしてレールを付けて仮止めする。

6.引き出しを動かせるか確認する。本体レールを引き出し側のロールに乗せる。

7.本体側と引き出し側のビスを固く締めて完成。

ローラータイプの底つけレール(2段引き)の取り付け方

1.引き出し側レールはL字型で脱着式ある。引き出し左右で4本のレールを使っていく。ビスは皿ビスを使う。

2.上部に最低16mmのすきまと、引き出し底面にも下から最低5mm開けてつくる。

3.フルスライドレールの3・4と同様。

4.楕円形のビス穴を仮止めしよう。

5.ローラータイプの4~7と同様。

4. 引き出しのスライドレールの滑りが悪い時の調整方法

引き出しが完全に閉まらない、自然に開く、動きが固いなどの不具合は原因として3つ考えられる。

1つめはレールを付ける位置だ。木は湿度や気温で収縮するので位置の調整が必要なこともある。

2つめはグリス(潤滑剤)だ。市販の家具の引き出しレールには、ベアリング金具にグリスが塗布されている。寒い季節にはグリスが固くなり、滑りが悪くなることもある。

3つめはレールのロックだ。ロックのかかり具合に問題が起きていることもある。

レール位置の微調整

■レールに楕円形の穴が開いている場合
ローラータイプの底つけレールやフルスライドには、調整用の楕円形の穴がある。ビスを緩めてレールを上下左右に調整できる。最後は丸穴にしっかりビスを固定する。

■レールに楕円形の穴が開いていない場合
レールには大小1組ずつペアの穴が何ヶ所かある。調整時は大きい方の穴に仮止めしよう。穴の範囲でスライドし、ビスの位置を調整する。最後は小さい穴の方を固く締めて完了だ。

グリスで滑りをよくする

1.引き出しを前後に数回動かす。摩擦によりグリスが柔らかくなると、引き出しの動きがスムーズになることもある。

2.1でも改善しないときは、引き出しを外そう。

3.レールのベアリング金具にグリススプレーを塗布する。

4.再度引き出しを前後に数回開けて、動きが改善できれば完成。

【注意事項】
・動きが悪くなるため、クレ5-56のようなオイルスプレーやシリコン系のスプレーは避ける。グリススプレーを選ぼう。

レールロックの微調整

■側面にレールがある場合
1.本体から引き出しを最大限に引き出す。レールの両端のロックを押しながら、引き出しを手前に外す。

2.ロックの調整つまみを回し、引き出しとレールの位置が水平になるよう調整する。固い場合はペンチを使おう。

3.引き出しを入れて、数回動作をチェックする。直らないときは、①②を行いつまみをさらに回す。

■引き出し底面にレール
1.レールと引き出しが固定されていない可能性がある。底面の引き出しレールには前方にラッチがある。前板に左右のラッチが届いているかを確かめよう。

2.ラッチを左右とも前板へカチッと音がするまで引く。

結論

スライドレールはメーカーにより名称や性能、部品などが異なる。取り付け方や調整の仕方も大まかなやり方はあるが正解はない。レールの取り付け方や調整は、意外と簡単にできる。不明点はホームセンターやメーカーに問合せながら、自分で工夫してやってみよう。
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  • 公開日:

    2020年6月22日

  • 更新日:

    2021年11月26日

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