1. 洗濯機の臭いの原因とキッチンハイターの働き
これまで、洗濯機の臭いはカビが原因だとされてきたが、近年の研究によってマイコバクテリウム菌という細菌が関係していることが判明している。ここでは菌の特徴とキッチンハイターの働きを見てみよう。
臭いの要因
1.カビ
空気中を浮遊するカビ菌は温度(5~35度前後)、栄養(皮脂、ホコリ、汚れなど)、水分、酸素の4条件が揃うと発育する。洗濯槽には洗濯物に付着していた皮脂、汚れ、ホコリなどがカビのエサになり、洗濯機の水滴や湿気を吸い取って繁殖していくのだ。カビが臭いを発生させるメカニズムは判明していないが、繁殖すると独特のカビ臭が発生する。
空気中を浮遊するカビ菌は温度(5~35度前後)、栄養(皮脂、ホコリ、汚れなど)、水分、酸素の4条件が揃うと発育する。洗濯槽には洗濯物に付着していた皮脂、汚れ、ホコリなどがカビのエサになり、洗濯機の水滴や湿気を吸い取って繁殖していくのだ。カビが臭いを発生させるメカニズムは判明していないが、繁殖すると独特のカビ臭が発生する。
2.マイコバクテリウム菌
通常は土の中に存在する細菌だが、衣類や靴などについた泥汚れなどから洗濯槽に入り込み、衣類についている食べカスやタンパク質汚れなどをエサにして増殖する。この菌は増殖する際に、バイオフィルムと呼ばれる粘膜状の物質を洗濯槽の裏側に形成し、硫黄のような臭いを発生させる。洗濯機のふたを開けると嫌な臭いがするのは、マイコバクテリウム菌が洗濯槽の裏側で繁殖していると考えられる。湿気が多くエサもある洗濯槽は、マイコバクテリウム菌にとって繁殖に最適な環境なのだ。
通常は土の中に存在する細菌だが、衣類や靴などについた泥汚れなどから洗濯槽に入り込み、衣類についている食べカスやタンパク質汚れなどをエサにして増殖する。この菌は増殖する際に、バイオフィルムと呼ばれる粘膜状の物質を洗濯槽の裏側に形成し、硫黄のような臭いを発生させる。洗濯機のふたを開けると嫌な臭いがするのは、マイコバクテリウム菌が洗濯槽の裏側で繁殖していると考えられる。湿気が多くエサもある洗濯槽は、マイコバクテリウム菌にとって繁殖に最適な環境なのだ。
キッチンハイターの働き
キッチンハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムという塩素系の消毒剤で、強い殺菌力と漂白・消臭効果がある。この次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系の洗濯槽クリーナー、カビ取り剤などにも配合されている。ただし、キッチンハイターはあくまでも代用として使い、洗濯槽の掃除には専用のクリーナーや衣類用の塩素系漂白剤を使おう。
2. ドラム式の洗濯機もキッチンハイタ―を使って掃除できる?
洗濯機には縦型の洗濯機とドラム式の洗濯機があるが、縦型の場合は酵素系のクリーナーとが使えるものが多い(機種にもよる)。ドラム式洗濯機の場合には塩素系を使用しよう。その理由は水量が関係しており、ドラム式洗濯機の場合は使用する水量が少ないので洗濯槽全体をまんべんなく浸け置きすることができない。また、ドラム式に酵素系クリーナーを使った場合、洗濯槽の中で酵素系クリーナーが泡立つと勝手に排水されてしまうことがあり、あまりおすすめできないのだ。
塩素系クリーナーの代わりにキッチンハイタ―で代用可能の洗濯機かどうかは、念のため、取扱い説明書やホームページで確認してほしい。
塩素系クリーナーの代わりにキッチンハイタ―で代用可能の洗濯機かどうかは、念のため、取扱い説明書やホームページで確認してほしい。
掃除の前に
では実際に、キッチンハイタ―を使った、洗濯機の掃除方法と手順を紹介する。ただし、掃除前には、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤が使える洗濯機かどうかを、必ず確認しておこう。
使えない場合は、次亜塩素酸ナトリウムが配合されていない酸素系クリーナー・酸素系漂白剤を利用する。殺菌力は穏やかだが、汚れを剥がして落とすパワーがある。洗濯槽や手肌にやさしい点は嬉しいポイントだ。
使えない場合は、次亜塩素酸ナトリウムが配合されていない酸素系クリーナー・酸素系漂白剤を利用する。殺菌力は穏やかだが、汚れを剥がして落とすパワーがある。洗濯槽や手肌にやさしい点は嬉しいポイントだ。
掃除の手順
- 洗濯機から取り外した洗剤投入ケース、乾燥・排水フィルターは歯ブラシなどを使って水洗いする。投入ケースにこびり付いた洗剤や柔軟剤は、お湯に浸しておくと取れやすくなる。糸クズフィルター(ゴミ取りネット)は、中のゴミを出して洗う。
- 洗濯機のふたの内側やパッキンの表と裏部分は、固く絞った布で丁寧に拭き掃除する。細かい部分は歯ブラシで軽くこすって落とそう。
- 衣類などが入っていない洗濯槽に水50ℓとキッチンハイター約200㎖を入れる(キャップ一杯は25㎖)。ドラム式は最低水位に設定して扉を開けて水がこぼれない程度の水量を入れる。水量に合うように、キッチンハイターの分量を調節する。また、キッチンハイターは投入ケースから入れると、残った漂白成分が、次の洗濯時の際に色柄物を色落ちさせる原因になるため、直接洗濯槽に入れよう。
- 洗濯機を3分程度回してから2~3時間つけ置き後、標準コースで洗濯槽を洗う。汚れや臭いが強い場合は一晩つけ置きする。ドラム式は槽洗浄コースに設定して洗おう。
3. キッチンハイターで掃除後の臭い予防対策
掃除後の臭い予防対策
キッチンハイターで掃除した後の手入れも臭い予防対策の重要なポイントになるので、習慣づけておきたい。注意点をいくつか挙げておくので参考にしてほしい。
- 多くのメーカーが月に1回程度、衣類用塩素系漂白剤や洗濯槽クリーナーを使った洗濯槽の掃除を推奨している。マイコバクテリウム菌はカビよりも繁殖スピードが速いのでこまめな掃除を心がけよう。
- ドラム式洗濯乾燥機やタテ型洗濯乾燥機などの場合は、定期的に乾燥運転をして洗濯槽内の湿気を取り除いておくとよい。洗濯槽を乾燥させることでカビや雑菌の繁殖と臭いを予防できる。
- 槽乾燥コースや乾燥機能がない洗濯機の場合は、使用後は必ずふたを開けて乾きやすい状態にしておく
- 水気が残りやすいドラム式は、乾いた布でふたの内側やドラム内を乾拭き掃除する。小さな子どもがいる場合は、事故の恐れがあるので掃除後はふたを閉めておく。
- 粉末の洗濯洗剤の入れ過ぎは、溶け残りの原因となるので適量を守る。
- 洗濯槽に汚れた衣類を入れたままにすると、カビや雑菌の繁殖、臭いの原因になるので脱衣かごの代用として使わない。
- 浴室の近くに洗濯機を設置している場合は、換気扇を回すなどして湿気がこもらないように配慮する。
結論
洗濯機の嫌な臭いは、カビやマイコバクテリウム菌などの繁殖が原因である。除菌・漂白効果のある塩素系漂白剤のキッチンハイターを使えば除去できるが、あくまでも代用として使おう。キッチンハイター使用後のツンとする臭いが気になる場合は、再び洗濯槽に水と洗濯洗剤を入れて回せば消えるので試してみよう。肌に触れるものを洗う洗濯機は、日々の手入れで清潔にしておきたいものである。